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Battlestations: Pacific - (2015/03/10 (火) 05:34:37) の1つ前との変更点

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*Battlestations:Pacific 【ばとるすてーしょんずぱしふぃっく】 |ジャンル|リアルタイムストラテジー+シューティング|&amazon(B001U3ZCP4,image)| |対応機種|Windows XP/Vista&br()Xbox360|~| |発売元|スパイク|~| |開発元|アイドス・ハンガリー|~| |発売日|【Win】2009年5月14日&br()【360】2009年5月28日|~| |価格|【360】7,140円(税5%込)|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |判定|なし|~| |ポイント|RTS+STGというジャンルの融合|~| //初稿作成者へ。例え「なし」でも判定はちゃんとつけて下さい。 //管理人認可で体裁を修正しましたが、裁定とはちょっと違うので判定欄は素のままでいいです。 **概要 太平洋戦争をテーマに、複数ジャンルをまとめた事をウリにしたリアルストラテジーシューティングゲーム。~ 真珠湾攻撃からミッドウェイ海戦に至るまでを描いた『Battlestations:Midway』の続編となり、アメリカ軍のみだったキャンペーン(ストーリー)モードに新たに日本軍が追加された。~ プレイヤーは日本軍、あるいはアメリカ軍の艦隊を指揮し、マレー沖海戦、レイテ沖海戦といった太平洋戦争での主だった海戦(一部、上陸戦も含む)を戦いぬく。~ また、本作は日本でもアメリカでもなくアイドス・ハンガリーが制作した物であり、日本版(Xbox360版)はスパイクがフルローカライズしたものとなる。~ その為、極端にアメリカ寄りでも日本寄りでもなく比較的中立的な視線で描かれている((前作はアメリカ軍が主人公だった為、日本軍が悪役気味に描かれていた。))。 **特徴 -RTS+STGの融合 --プレイヤーは''戦闘に参加するほぼ全ての全ての兵器を好きなタイミングで操る事が出来る。((シナリオによって制限がかかる事がある))'' --戦艦に艦砲射撃、空母に艦載機の発進、特定地点への移動、艦隊のフォーメーションといった指示を出す事や~ 艦船や戦闘機を実際に操縦することも出来る。空母から戦闘機を発信させ、即座に操作を切り替え、敵空母への爆撃を行う事も可能。 --また、潜水艦となり、残り酸素と敵駆逐艦の爆雷に気をつけつつ海中から強力な魚雷を打ち込んで戦艦を撃沈するといった事も可能。 --操作しない部分は出しておいた指示や独自の判断で動く為、戦艦の移動はオートにし、自分は艦砲射撃に徹する事も、艦載機を飛ばして索敵を行うのも自由。プレイヤーは戦場の状況をリアルタイムに判断し、的確な指示で自軍を勝利へと導いていく。 --作戦指示(RTS)と実際の操作(STG)によって異なるジャンルが非常に自然に融合された形といえる。 -史実とロマンが織りなすキャンペンモード --アメリカ軍は第二次ソロモン海戦((ミッドウェイ海戦以前は前作で取り扱っている為。))から、沖縄戦までを史実を元にしたシナリオ。日本軍は真珠湾からミッドウェイ海戦までは史実を元に、それ以降は架空のシナリオが用意されている。 ---もし、ミッドウェイ海戦で日本軍が勝っていたら?というIfが繰り広げられ、ハワイを陥落させて講和を結ぶというロマンに溢れたものとなっている。 ---日本軍のIfシナリオは完全な仮想シナリオではなく、特殊潜航艇によるシドニー湾攻撃、潜水艦によるドイツ軍との技術交換といった、史実では失敗に終わった作戦を成功させるものである。 ---史実のシナリオも空母ホーネットを足止め中に戦艦大和率いる艦隊が増援で現れ、大暴れをするといったちょっとしたIfが加えられている部分もある。 --シナリオは各陣営で14個ずつ用意され、前作の2倍以上になった。1シナリオ30~1時間ほどかかるのでそれなりのボリュームである。もちろん太平洋戦争の有名な戦闘は軒並み入っている。 --それぞれの陣営でBGM、ゲーム中で使われる言語((日本語は360版のみ。))が異なるといった作りこみよう。 -様々な兵器を操縦可能 --ざっくりとあげるだけでも艦船、戦闘機、潜水艦の3つの操作系統があり、更に細かく分類すると戦艦,空母,駆逐艦,潜水艦,戦闘機,爆撃機,果ては''神風''など、多くの実在の兵器を操ることが出来る。その数80種類以上。 -操作系統 --艦船:対空砲と艦砲の他、駆逐艦なら対潜水艦用の爆雷と攻撃手段が多い。艦船同士の対決では実際の丁字戦法と同じ様に相手を全ての砲台で狙えるようにポジショニングすると有利に戦える。 --戦闘機:敵艦や拠点への爆撃がメイン、当然ながら墜落すると損失なので高度には注意。慣れない内は''地面が一番の強敵''になる事も…。 --潜水艦:深度と酸素が存在する。魚雷の威力は非常に高く、使いこなせれば強固な戦艦にも有効打を与えられる。 ---しかし、ソナーにひっかかって爆雷を受けたり、攻撃対象が近すぎて魚雷が船の下を通り抜けてしまったりと扱いは難しい。 ---潜水中に酸素がなくなると''強制的に海面に上がってしまう''ため、そのまま集中砲火で沈没する事もある。 ---最大深度まで下がる事で水圧でダメージを受けつつも敵のソナーや爆雷から逃げる事も可能。 -破損と修理 --艦船は攻撃を受けた箇所によって兵器損傷、機関損傷、浸水、火災が発生したりする事がある。~ これらは修理しなければ速度が落ちたり、徐々に耐久度が減ったり、砲撃が出来なくなるといった様々なデメリットが発生する。 ---逆に機関や弾薬庫と言った部位を意図的に狙う事で敵にこれらの損害を与える事も可能。 -やり込み要素 --戦場にはクリアに必要な「優先目標」の他、プレイ中に明らかになる「二次目標」と、開始前の大まかなヒントのみの「秘匿目標」が用意されており、~ 達成する事でクリア時にもらえるメダルの色が変わり、次のシナリオで使える兵器がアップグレードされるといった特典を受けることが可能。~ それぞれ味方に被害を出さない、一定の時間までに目標を撃沈させる、隠されている基地を全て破壊するといったバリエーションに富んでいる。 **評価点 -しっかりとした時代考証 --洋ゲーにありがちなトンデモな日本…ではなく、しっかりとした考証がされており、キャンペーンシナリオがやけにマニアックだったり、戦艦大和は進水当時の副砲を備えていたり、''戦闘機のコクピットの中まで細かく再現''されていたりする。 ---空母の木甲板の形や艦船の塗装の違いはあるものの、前作の考証にいささか問題があった部分((日本軍の艦船に間違った艦名が大きくペイントされており、特に利根の「生助」や球磨の「クマ」がネタにされやすい。))が改善された。 ---艦船と航空機はギャラリーで解説とともに眺める事も可能。 --また、360版限定だが、日本軍では軍人の荒々しさを醸し出したしっかりとした日本語吹替がされており、臨場感も抜群。遊べば遊ぶほど本作が洋ゲーである事を忘れることうけあい。 -前作に比べてリアルになったグラフィック --特に海の表現力が上がっており、現実さながらの非常にリアルな海面になっている。 ---艦船の上には人が歩いていたり((もっとも、艦砲を受けても無事な所など不自然さもあるが…。))撃沈された艦船が真っ二つに割れる、沈んだ後に残骸が浮かび上がるといった表現が強化されており、前作に比べて表現力は大幅に上がった。 ---戦闘機のドッグファイトや対空砲火をかいくぐる際のグラフィックはさながら戦闘写真のような美しさである。 -ジャンルの融合の成功 --重ねて書く事になるが、RTS+STGの融合がしっくりとハマっており、戦闘に好きなように関与する事が出来る。戦闘機による操作も自由度は高いが、しっかりと制空権を支配した状態で爆撃しなければ駆逐艦の対空砲火であっさりと落とされたりする。 ---その為、しっかりと作戦を練る必要があり、護衛を魚雷で沈める、戦艦で追い払うなどをして敵艦隊を丸裸にした後、自ら急降下爆撃で敵艦隊を沈める爽快感は抜群である。本作からは体当たりで艦船にダメージを与えることが出来るので弾丸も使い果たして''敵艦に自爆しに行く事''も…。 **問題点 -バグが多め --クリア条件を達成してもステージが終わらなかったり、突然フリーズしたりする事が多々ある。 --特に''特定のステージで条件を満たしてセーブをしてしまうとセーブデータが壊れる''といった致命的なものまである。 -チュートリアルが不十分でとっつきにくい --ゲームの性質上、操作やルールはかなり複雑で覚えなければならないことは多いのだが、~ チュートリアルに該当するモードは自由に艦船、航空機の練習ができるトレーニングモードのみ~ それも一つ一つの操作に関する詳細な説明はなく、半ば投げっぱなしな状態になる為、地図の拡大、攻撃マーカーの意味、フォーメーションの操作といった重要な操作を見落としがちになる。 ---前作では詳細なチュートリアルがあった為、不親切になった。 --シナリオプレイ中にチュートリアルが出てくる事もあるが、長文な上にゲームがリアルタイムで進行する都合上、読み飛ばしがちになる。 -兵装の挙動がリアルにこだわった結果、使いづらくなっている箇所がある --艦砲や魚雷は使用可能な状態であり、発射口が敵に向いている必要がある。((おおまかに分けると駆逐艦は側面、潜水艦は正面…と違いがある))~ しかし艦によってバラバラである為、完全に把握しなければ放つ事すら出来ない。~ 初めて潜水艦を操作した時は距離も十分なのに魚雷を撃てない…といった事態に戸惑うことになる。 -艦船が不足気味 --色々な艦船が再現されているが、戦艦で言えば日本軍の「扶桑級」の次が「大和級」な為((実際には伊勢級、長門級の4隻が間に入るのだが、本作では登場しない。))、数が少ないように思える。更に、アメリカ軍シナリオでは敵は「金剛級」ばかりが登場するので同じ敵ばかりと戦う事になる(史実どおりなのだが…)。本作のシステムなら航空戦艦の「伊勢級」は面白そうなので未登場なのが惜しまれる。 -チャレンジモードの削除 --前作では本編のシナリオでは描かれなかった戦い((前作では日本軍視点のスラバヤ沖海戦等が該当。))を単発シナリオのチャレンジモードで補完していたが、本作では無くなってしまった。その為Ifにならなかった日本軍の史実シナリオは存在しない。 ---太平洋戦争最大の海戦となったレイテ沖海戦も、「シブヤン海海戦」と「エンガノ岬沖海戦」がアメリカ軍シナリオでしか再現されないため、「スリガオ海峡海戦」や「サマール沖海戦」の日本軍側視点といったシナリオを用意して欲しかった所。 -360版はロードが長い。 **賛否両論点 -特攻兵器の再現 --日本軍の特攻兵器が再現されており、アメリカ軍のキャンペーンモードでは「神風特別攻撃隊」を始めとして「震洋((ボートによる特攻兵器。本作では乗っている人間まで再現されているので余計に生々しい。))」「桜花」といった特攻兵器を相手にする事になる。 ---特に「レイテ島の神風」シナリオでは''損害を受けずに全ての特攻隊を撃墜する事で実績がアンロックされる''といった事も…。 ---日本軍シナリオでも''神風をバシバシ飛ばしたり出来る。''心情的には複雑だが…。 -リアル性かゲーム性か -前作では現実に沿っていた仕様もゲーム性を重視して変更された箇所がある。 --爆弾を落とした飛行機は基地や空母に帰還しなければ補充されなかったが、本作では時間経過で補充される。 --損傷を受けた艦船は浸水区域の閉鎖が行われていたが((浸水した部分は回復せず、一定の浸水を超えると一気に船が沈没する事があった))、本作では耐久力が残っていれば沈まない。攻撃を受けて艦橋や艦首を損失しても、修復すれば見た目はボロボロだが、耐久力は100%なんて事も… ---リアルにこだわっている部分も多い為、気になる所である。ゲームのテンポや難易度が改善されているのも事実なのだが。 **総評 リアルタイムストラテジー+シューティングという新たな形でおもだった太平洋戦争の戦闘の数々を見事に再現してみせた。~ 太平洋戦争はテーマ上、ゲームになりにくく、その中でも「''日本軍の特攻兵器も含めて忠実に再現''」となるとなれば国産ゲームではまず出来ない。そういった意味でも貴重な作品といえる。~ 背景を抜きにしても戦艦や戦闘機を指揮し、実際に操縦して戦えるというのが本作最大の醍醐味で~ 太平洋戦争時のアメリカ海軍、日本海軍が好きな人にはおすすめ出来る作品である。~ **その後 残念ながら開発会社が無くなってしまった為、続編は望めない状態になっている。~ 市場に出回る数も限られているため、店舗で見かけることも少なく値段も高めである。~ しかし、Windowsで体験版(英語)が配信されているため、興味をもった人は探してみるとよい。 ----
*Battlestations:Pacific 【ばとるすてーしょんずぱしふぃっく】 |ジャンル|リアルタイムストラテジー+シューティング|&amazon(B001U3ZCP4,image)| |対応機種|Windows XP/Vista&br()Xbox360|~| |発売元|スパイク|~| |開発元|アイドス・ハンガリー|~| |発売日|【Win】2009年5月14日&br()【360】2009年5月28日|~| |価格|【360】7,140円(税5%込)|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |判定|なし|~| |ポイント|RTS+STGというジャンルの融合|~| //初稿作成者へ。例え「なし」でも判定はちゃんとつけて下さい。 //管理人認可で体裁を修正しましたが、裁定とはちょっと違うので判定欄は素のままでいいです。 **概要 太平洋戦争をテーマに、複数ジャンルをまとめた事をウリにしたリアルストラテジーシューティングゲーム。~ 真珠湾攻撃からミッドウェイ海戦に至るまでを描いた『Battlestations:Midway』の続編となり、アメリカ軍のみだったキャンペーン(ストーリー)モードに新たに日本軍が追加された。~ プレイヤーは日本軍、あるいはアメリカ軍の艦隊を指揮し、マレー沖海戦、レイテ沖海戦といった太平洋戦争での主だった海戦(一部、上陸戦も含む)を戦いぬく。~ また、本作は日本でもアメリカでもなくアイドス・ハンガリーが制作した物であり、日本版(Xbox360版)はスパイクがフルローカライズしたものとなる。~ その為、極端にアメリカ寄りでも日本寄りでもなく比較的中立的な視線で描かれている((前作はアメリカ軍が主人公だった為、日本軍が悪役気味に描かれていた。))。 **特徴 -RTS+STGの融合 --プレイヤーは''戦闘に参加するほぼ全ての全ての兵器を好きなタイミングで操る事が出来る((シナリオによって制限がかかる事がある。))。'' --戦艦に艦砲射撃、空母に艦載機の発進、特定地点への移動、艦隊のフォーメーションといった指示を出す事や艦船や戦闘機を実際に操縦することも出来る。空母から戦闘機を発信させ、即座に操作を切り替え、敵空母への爆撃を行う事も可能。 --また、潜水艦となり、残り酸素と敵駆逐艦の爆雷に気をつけつつ海中から強力な魚雷を打ち込んで戦艦を撃沈するといった事も可能。 --操作しない部分は出しておいた指示や独自の判断で動く為、戦艦の移動はオートにし、自分は艦砲射撃に徹する事も、艦載機を飛ばして索敵を行うのも自由。プレイヤーは戦場の状況をリアルタイムに判断し、的確な指示で自軍を勝利へと導いていく。 --作戦指示(RTS)と実際の操作(STG)によって異なるジャンルが非常に自然に融合された形といえる。 -史実とロマンが織りなすキャンペンモード --アメリカ軍は第二次ソロモン海戦((ミッドウェイ海戦以前は前作で取り扱っている為。))から、沖縄戦までを史実を元にしたシナリオ。日本軍は真珠湾からミッドウェイ海戦までは史実を元に、それ以降は架空のシナリオが用意されている。 ---もし、ミッドウェイ海戦で日本軍が勝っていたら?というIfが繰り広げられ、ハワイを陥落させて講和を結ぶというロマンに溢れたものとなっている。 ---日本軍のIfシナリオは完全な仮想シナリオではなく、特殊潜航艇によるシドニー湾攻撃、潜水艦によるドイツ軍との技術交換といった、史実では失敗に終わった作戦を成功させるものである。 ---史実のシナリオも空母ホーネットを足止め中に戦艦大和率いる艦隊が増援で現れ、大暴れをするといったちょっとしたIfが加えられている部分もある。 --シナリオは各陣営で14個ずつ用意され、前作の2倍以上になった。1シナリオ30~1時間ほどかかるのでそれなりのボリュームである。もちろん太平洋戦争の有名な戦闘は軒並み入っている。 --それぞれの陣営でBGM、ゲーム中で使われる言語((日本語は360版のみ。))が異なるといった作りこみよう。 -様々な兵器を操縦可能 --ざっくりとあげるだけでも艦船、戦闘機、潜水艦の3つの操作系統があり、更に細かく分類すると戦艦,空母,駆逐艦,潜水艦,戦闘機,爆撃機,果ては''神風''など、多くの実在の兵器を操ることが出来る。その数80種類以上。 -操作系統 --艦船:対空砲と艦砲の他、駆逐艦なら対潜水艦用の爆雷と攻撃手段が多い。艦船同士の対決では実際の丁字戦法と同じ様に相手を全ての砲台で狙えるようにポジショニングすると有利に戦える。 --戦闘機:敵艦や拠点への爆撃がメイン、当然ながら墜落すると損失なので高度には注意。慣れない内は''地面が一番の強敵''になる事も…。 --潜水艦:深度と酸素が存在する。魚雷の威力は非常に高く、使いこなせれば強固な戦艦にも有効打を与えられる。 ---しかし、ソナーにひっかかって爆雷を受けたり、攻撃対象が近すぎて魚雷が船の下を通り抜けてしまったりと扱いは難しい。 ---潜水中に酸素がなくなると''強制的に海面に上がってしまう''ため、そのまま集中砲火で沈没する事もある。 ---最大深度まで下がる事で水圧でダメージを受けつつも敵のソナーや爆雷から逃げる事も可能。 -破損と修理 --艦船は攻撃を受けた箇所によって兵器損傷、機関損傷、浸水、火災が発生したりする事がある。~ これらは修理しなければ速度が落ちたり、徐々に耐久度が減ったり、砲撃が出来なくなるといった様々なデメリットが発生する。 ---逆に機関や弾薬庫と言った部位を意図的に狙う事で敵にこれらの損害を与える事も可能。 -やり込み要素 --戦場にはクリアに必要な「優先目標」の他、プレイ中に明らかになる「二次目標」と、開始前の大まかなヒントのみの「秘匿目標」が用意されており、達成する事でクリア時にもらえるメダルの色が変わり、次のシナリオで使える兵器がアップグレードされるといった特典を受けることが可能。 ---それぞれ味方に被害を出さない、一定の時間までに目標を撃沈させる、隠されている基地を全て破壊するといったバリエーションに富んでいる。 **評価点 -しっかりとした時代考証 --洋ゲーにありがちなトンデモな日本…ではなく、しっかりとした考証がされており、キャンペーンシナリオがやけにマニアックだったり、戦艦大和は進水当時の副砲を備えていたり、''戦闘機のコクピットの中まで細かく再現''されていたりする。 ---空母の木甲板の形や艦船の塗装の違いはあるものの、前作の考証にいささか問題があった部分((日本軍の艦船に間違った艦名が大きくペイントされており、特に利根の「生助」や球磨の「クマ」がネタにされやすい。))が改善された。 ---艦船と航空機はギャラリーで解説とともに眺める事も可能。 --また、360版限定だが、日本軍では軍人の荒々しさを醸し出したしっかりとした日本語吹替がされており、臨場感も抜群。遊べば遊ぶほど本作が洋ゲーである事を忘れることうけあい。 -前作に比べてリアルになったグラフィック --特に海の表現力が上がっており、現実さながらの非常にリアルな海面になっている。 ---艦船の上には人が歩いていたり((もっとも、艦砲を受けても無事な所など不自然さもあるが…。))撃沈された艦船が真っ二つに割れる、沈んだ後に残骸が浮かび上がるといった表現が強化されており、前作に比べて表現力は大幅に上がった。 ---戦闘機のドッグファイトや対空砲火をかいくぐる際のグラフィックは、さながら戦闘写真のような美しさである。 -ジャンルの融合の成功 --重ねて書く事になるが、RTS+STGの融合がしっくりとハマっており、戦闘に好きなように関与する事が出来る。戦闘機による操作も自由度は高いが、しっかりと制空権を支配した状態で爆撃しなければ駆逐艦の対空砲火であっさりと落とされたりする。 ---その為、しっかりと作戦を練る必要があり、護衛を魚雷で沈める、戦艦で追い払うなどをして敵艦隊を丸裸にした後、自ら急降下爆撃で敵艦隊を沈める爽快感は抜群である。本作からは体当たりで艦船にダメージを与えることが出来るので弾丸も使い果たして''敵艦に自爆しに行く事''も…。 **問題点 -バグが多め --クリア条件を達成してもステージが終わらなかったり、突然フリーズしたりする事が多々ある。 --特に''特定のステージで条件を満たしてセーブをしてしまうとセーブデータが壊れる''といった致命的なものまである。 -チュートリアルが不十分でとっつきにくい --ゲームの性質上、操作やルールはかなり複雑で覚えなければならないことは多いのだが、チュートリアルに該当するモードは自由に艦船、航空機の練習ができるトレーニングモードのみ。 ---それも一つ一つの操作に関する詳細な説明はなく、半ば投げっぱなしな状態になる為、地図の拡大、攻撃マーカーの意味、フォーメーションの操作といった重要な操作を見落としがちになる。 ---前作では詳細なチュートリアルがあった為、不親切になった。 --シナリオプレイ中にチュートリアルが出てくる事もあるが、長文な上にゲームがリアルタイムで進行する都合上、読み飛ばしがちになる。 -兵装の挙動がリアルにこだわった結果、使いづらくなっている箇所がある --艦砲や魚雷は使用可能な状態であり、発射口が敵に向いている必要がある((おおまかに分けると駆逐艦は側面、潜水艦は正面…と違いがある。))。 ---しかし艦によってバラバラである為、完全に把握しなければ放つ事すら出来ない。初めて潜水艦を操作した時は距離も十分なのに魚雷を撃てない…といった事態に戸惑うことになる。 -艦船が不足気味 --色々な艦船が再現されているが、戦艦で言えば日本軍の「扶桑級」の次が「大和級」な為((実際には伊勢級、長門級の4隻が間に入るのだが、本作では登場しない。))、数が少ないように思える。更に、アメリカ軍シナリオでは敵は「金剛級」ばかりが登場するので同じ敵ばかりと戦う事になる(史実どおりなのだが…)。本作のシステムなら航空戦艦の「伊勢級」は面白そうなので未登場なのが惜しまれる。 -チャレンジモードの削除 --前作では本編のシナリオでは描かれなかった戦い((前作では日本軍視点のスラバヤ沖海戦等が該当。))を単発シナリオのチャレンジモードで補完していたが、本作では無くなってしまった。その為Ifにならなかった日本軍の史実シナリオは存在しない。 ---太平洋戦争最大の海戦となったレイテ沖海戦も、「シブヤン海海戦」と「エンガノ岬沖海戦」がアメリカ軍シナリオでしか再現されないため、「スリガオ海峡海戦」や「サマール沖海戦」の日本軍側視点といったシナリオを用意して欲しかった所。 -360版はロードが長い。 **賛否両論点 -特攻兵器の再現 --日本軍の特攻兵器が再現されており、アメリカ軍のキャンペーンモードでは「神風特別攻撃隊」を始めとして「震洋((ボートによる特攻兵器。本作では乗っている人間まで再現されているので余計に生々しい。))」「桜花」といった特攻兵器を相手にする事になる。 ---特に「レイテ島の神風」シナリオでは''損害を受けずに全ての特攻隊を撃墜する事で実績がアンロックされる''といった事も…。 ---日本軍シナリオでも''神風をバシバシ飛ばしたり出来る。''心情的には複雑だが…。 -リアル性かゲーム性か -前作では現実に沿っていた仕様もゲーム性を重視して変更された箇所がある。 --爆弾を落とした飛行機は基地や空母に帰還しなければ補充されなかったが、本作では時間経過で補充される。 --損傷を受けた艦船は浸水区域の閉鎖が行われていたが((浸水した部分は回復せず、一定の浸水を超えると一気に船が沈没する事があった。))、本作では耐久力が残っていれば沈まない。攻撃を受けて艦橋や艦首を損失しても、修復すれば見た目はボロボロだが、耐久力は100%という事も…。 ---リアルにこだわっている部分も多い為、気になる所である。ゲームのテンポや難易度が改善されているのも事実なのだが。 **総評 リアルタイムストラテジー+シューティングという新たな形でおもだった太平洋戦争の戦闘の数々を見事に再現してみせた。~ 太平洋戦争はテーマ上、ゲームになりにくく、その中でも「''日本軍の特攻兵器も含めて忠実に再現''」となるとなれば国産ゲームではまず出来ない。そういった意味でも貴重な作品といえる。~ 背景を抜きにしても戦艦や戦闘機を指揮し、実際に操縦して戦えるというのが本作最大の醍醐味で、太平洋戦争時のアメリカ海軍、日本海軍が好きな人にはおすすめ出来る作品である。~ **その後 残念ながら開発会社が無くなってしまった為、続編は望めない状態になっている。~ 市場に出回る数も限られているため、店舗で見かけることも少なく値段も高めである。~ しかし、Windowsで体験版(英語)が配信されているため、興味をもった人は探してみるとよい。 ----

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