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-「街中で聞き込み」「獲得したアイテムを正しい場所に使用」「アイテム同士を組み合わせて新しいアイテムを作成」などをして進めていく。 -上部画面はその時の場所名と里奈の心境が表示される。 --主人公の表情やセリフで心情を表現しており、重要な場面で実は別のことを考えていたり、主人公は寡黙で口下手であるが心の中ではツッコミを入れていたりと、建前と本音を使い分けているさまを演出している。 -主人公は一応探偵ではあるが、犯人当てなどの推理はないに等しい。 --話を進行させるために何のアイテムをどう使うかを考える、と言う方向の推理は一応ある。 ---ただし、アイテムを選択するだけなので当てずっぽうでも進めてしまう。 --バレバレな犯人当ては1ヶ所存在。 -ゴシックファンタジーで童話的な世界観 --里奈の執事は死んだように真っ青で棺桶(鉄の処女?)で眠ったり、モブキャラはガイコツぽかったり、友達のアパートの管理人が二足歩行の鳥のおばさんだったり。助手に至っては''んふんふしゃべる「なめこ」''である。 ---文字通りモエギタケ科スギタケ属のキノコ「なめこ」に顔と手足がついたキャラクター。菌類らしく、里奈が工作で作った栽培キットの原木の上に住んでいたりするが、「探偵協会から派遣された探偵助手のプロフェッショナル」という設定がきちんと用意されていたり、自身は人語をしゃべれないものの人語を理解できる((里奈はなめこの言葉が理解できる。))、とある種を食べて火を吹く、''自ら進んで味噌汁の具になる''など、一番近い位置にいるのに一番謎が多いキャラだったりする。 --服装や背景が『シャーロック・ホームズ』の舞台、大英帝国ぽい。 --探偵協会にライセンスを付与されるという設定は『[[探偵紳士>探偵紳士シリーズ]]』シリーズのIDLAの設定に近く、主人公らの目元が影で隠れているのは「悪行双麻」リスペクトなのかもしれない。 **評価点 -良い意味で''ターゲット層がどこなのか分からない。'' --低学年向けの雑誌((ポプラ社の『プレコミックブンブン(後のコミックブンブン)』のこと。既に休刊している。また、「なめこ」名義であるものの女児誌『きゃらぱふぇ』の連載に里奈も登場している。))に漫画を連載したり、ジュニア向けレーベルから小説を出していたり((集英社みらい文庫から1作目のシナリオをなぞったものが刊行されている。))というメディアミックスを見る限りは子供向けのゲームであるという判断ができる。 --その反面、子供にはまず分からないパロディ((例えば「世界の料理ショー」という、日本では1974年から1978年にかけて放送されたカナダの料理番組がネタにされている箇所がある。))やメタ発言((「フラグが立ったざます」や、続編においては「容量は増えたけど予算はたいして変わらなかった」といったことを街の住人が言う。))などが随所に仕込まれている。 ---こうした妙にマニアックなネタや登場人物たちの独特な台詞回しなどが産むシュールさが評判になり、口コミによりじわじわとファンを増やしていった。 -フィールドや施設の見た目が可愛らしく、一通り見て回るだけでも楽しめる。 --物語に関係の無い場所や物であっても、目立つ箇所を調べると操作キャラの里奈が何かしらコメントをするようになっている。 --また「さわり心地図鑑」の対象物も随所に点在している。前述のネタ仕込みと合わせて、地道な調査の億劫さを軽減している。 ---様々なものに里奈が触れることで項目が充実してゆく図鑑で、いわゆる収集要素。 **賛否両論点 -推理要素が薄い。 --先述のとおり、主人公は一応探偵ではあるが、犯人当てなどの推理はないに等しい。ミステリ的な推理要素を期待して遊んだならば少なからず失望するだろう。 -ゲームの難易度は総じてかなり低い。 --本シリーズにはバッドエンドやゲームオーバーの概念が存在しない。数少ないアクション要素((モグラ叩きのようなミニゲームやタイミングを合わせて電源スイッチを押す程度のもの。))もクリアはかなり簡単である上、失敗してもすぐにやり直せる。 ---ゲームを進める上で一番悩むのは入手したアイテムの使用法である。~ アイテムを組み合わせて使用したり誰かに渡したりすることで話が進むのだが、中にはかなり奇天烈な使い方をしなければならないものもある。~ 推理モノ好きのプレイヤーよりは脱出ゲームの好きなプレイヤーと相性が良いだろう。 -キャラクターデザインに癖があり、好き嫌いが分かれる。 --大半の人物の目元が影で覆われているなどどこかシュールかつ暗いカラーを醸し出している他、キャラクターの目の描き方が寄り目でなく二重丸の表現((デフォルメの強い絵柄の場合、真正面から見た顔は寄り目で描くのが一般的。))であるため「目が怖い」という意見もしばしば挙がる。 //---そのキャラクターの性格が暗いという表現ではなく能天気なキャラクターにも影の表現がされていることから、世界観の演出の一つであると思われる。 ---この点については「最後までやったけど馴染めない」という者から「パッケージ見て一目惚れした」という者まで様々であり、~ そもそもが個人の好みや嗜好にもよるため一概に良い・悪いと断じることはできない。 **問題点 -ゲームクリアまでにかかる時間が短い。 --1・2作目は10時間掛からずに本編を終えた者も多数いる。 --元々長時間プレイできることを期待しているファンは少なかったが、この短さでは流石にボリューム不足と言わざるを得ない。 -ヒントが乏しいために行き詰まることや、タッチ判定が厳しいために手間取る箇所が見受けられる。 --賛否両論点で挙げた通り、時折思いもよらない解決法が求められるので、そこが詰まるポイントになりやすい。 #region(具体例(ネタバレ注意)) -捕まえた蝶の鱗粉で皆の目をしょぼしょぼさせ、眠いと勘違いさせて寝かせる。元ネタはおそらくドイツの妖精ザントマン(サンドマン、砂男)。 -汚れたランプをバナナの皮で拭いてピカピカにする。元ネタはおそらくバナナの皮の靴磨き。 -''自室から脱出するためになめこを詰めたバスーカをドアにぶっ放す。'' #endregion --だが、『おさわり探偵』シリーズにはそうした不条理を楽しむという側面もあるため、解決策が非現実的なものだからと言って批判されているわけではない。~ 問題なのは、詰まった際の解決策が文字通りの総当たりしかないことである。 -里奈の3Dモデルがしもぶくれ --絵と異なりゲーム中に操作することになる斜め俯瞰の里奈の3Dモデルがしもぶくれ気味になっている。 ---他のキャラクターはそのようなことはない。 --3DSに移った3作目でもそのままなので、製作者にはそのようなことに気づいてないのか何か意図があると思われる。 **総評 一言で表現すれば『おさわり探偵』はいわゆる''雰囲気ゲー''である。~ システムとして突出したものがあるわけではないが、細部の作り込みによって独特の世界観を構築することに成功しているため、ハマる者はガッチリハマってしまう。~ 人を選ぶ作品であることは間違いないが、一度試してみるのも悪くはない。~ なめこで知った又はなめこしか知らないという方にもオススメである。 **余談 -無印(1作目)及びシーズン2(2作目)に関してはスマートフォンへの移植に加え、外国版も発売された。 --北米版・欧州版の2種類。 --スマホへの移植に伴い、解像度の大幅なアップと1画面化が行われた。 ---里奈の心の声と会話は交互に表示される。 --スマホ版は1話無料、それ以降は話数毎の購入式。 ---おまけゲーム「なめこ・ザ・エスケイパー」収録。タイトル通り、なめこを操作して小沢家から脱出を図る脱出ゲーム。 -タイトルによる誤解 --「おさわり」という言葉の響きや、それを女の子の名前と組み合わせたことから、しばしば「そういうゲーム」だと思われることがある。 --DSでは『[[どきどき魔女神判!]]』や乙女ゲーム『DUEL LOVE 恋する乙女は勝利の女神』などタッチを活用した作品が出ているため、本作も同様のゲームと誤解されやすい。 --というか、実際販売元のサクセス社内でさえ、''一部社員からは「そういうゲーム」だと思われていた''ようだ(サクセス社長の弁)。 ---実際[[(なめこの)公式サイト>http://namepara.com/about/]]にてじいに「''決していかがわしいゲームではございませんので、あまり落胆召されぬよう。''」と念を押されている。 -「なめこ」の躍進 --開発元のビーワークスは後にスマホアプリ「なめこ栽培キット」シリーズのヒットにより一躍有名になった。~ 「なめこ栽培キット」シリーズは本シリーズのスピンオフ((大元は本作のアプリ移植版の宣伝アプリという位置付け。))になっていたのだが、おさわり探偵本編よりもなめこの方が有名になり、「なめこ栽培キット」アプリのシリーズ化のみならずぬいぐるみや書籍・コンピCDなどのグッズ化、さらにはOVA・テレビアニメ化まで果たした。現在では東京駅地下に専門ショップ「なめこ市場」もオープンしている。 ---OVAは『なめこ家の一族』というタイトルで、無声映画風ほのぼのホームコメディ。一言で言えば「なめこ版サザエさん」である。~ テレビアニメは2016年4月からNHK・Eテレの番組内ミニアニメ『なめこ せかいのともだち』がスタート、各なめこに独自のキャラ付けがなされでいる。主人公のなめこ役は過去NHK教育テレビの『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』でまいんちゃん役を務めた、「なめこのうた」も歌っている福原遥氏。%%当然といえば当然のキャスティング。%%~ 両者ともスピンオフで、おさわり探偵とは無関係の内容。里奈やじいは登場しない。 ---2013年末の紅白歌合戦ではくまモン、ふなっしーらと有名ゆるキャラと共に応援団として出演するほど。1ゲームキャラとして考えると相当な快挙である。 --3DSでなめこを主役にしたパズルゲーム『おさわり探偵なめこ大繁殖』やリズムゲーム『おさわり探偵小沢里奈 なめこリズム』も登場。 --イメージソング「なめこのうた」は『[[DanceEvolution ARCADE]]』と『[[ミライダガッキ]]』にも収録されている。前者ではジャケット使用、本人歌唱、そして公式のPVまで付いているという豪華っぷり。 ---コンピCD「なめこのCD」には今作で登場する助手のなめこをモチーフにした楽曲「おさわり探偵のジョシュ」という曲が収録されている。 ---- *おさわり探偵 小沢里奈 シーズン2 1/2 里奈は見た!いや、見てない。 【おさわりたんてい おざわりな しーずんにとにぶんのいち りなはみた いや みてない】 |ジャンル|おさわりアドベンチャー|&amazon(B000R266QS)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|256MbitDSカード|~| |発売元|サクセス|~| |開発元|ビーワークス|~| |発売日|2007年5月24日|~| |定価|5,040円(税5%込)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|3個|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |廉価版|ぐっどぷらいす&br()2008年12月18日/2,625円(税5%込)|~| |判定|なし|~| |ポイント|基本的な部分は前作譲り&br;問題点を問題点としてみていない?|~| ---- **概要(2) 前作から約1年後に発売された続編。 **改善点(2) -セーブスロットが前作の1つから3つに増えた。 -一応"怪盗"が現れて、窃盗事件を解くストーリーも1話ある。 --怪盗のみならず警官も登場するため、前作''よりは多少''探偵モノっぽくはなっている。 **問題点(2) -ゲームクリアまでにかかる時間が短い。 --前作からの改善はされず、10時間掛からずに本編を終えた者も多数いる。 --ゲームの根本も推理モノというより脱出ゲーム的な謎解きが大半なのは前作通り。 -ストーリーは完全に前作の続編であり、前作中の出来事について今作中で説明されないまま話の前提になっていることが多々ある。 --グラフィックも、前作で登場したものはほとんどが前作のままで、コストが抑えられている。 **総評(2) -根本的な要素は変わらず、良くも悪くも続編。前作の雰囲気やノリが気に入ったのなら是非プレイをおすすめする。 **余談(2) -前作と同じくスマホ版が配信されている。 --おまけゲームは「なめこ・ザ・インタビュワー」 ---- *おさわり探偵 小沢里奈 ライジング3 なめこはバナナの夢を見るか? 【おさわりたんてい おざわりな らいじんぐさん なめこはばななのゆめをみるか】 |ジャンル|おさわりアドベンチャー|&amazon(B00IF1A2KY)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |メディア|256Mbyte3DSカード|~| |発売元|サクセス|~| |開発元|ビーワークス&br;セブンスコード(プログラム・スクリプト)|~| //↑https://web.archive.org/web/20190511110309/http://www.7thchord.co.jp/page/service.html#tabBox2 |発売日|2014年5月1日|~| |定価|パッケージ・ダウンロード版各5,184円(税8%込)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|3個|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |判定|なし|~| |ポイント|親切すぎるシステム&br;一部スタッフ離脱が影響したか|~| ---- **概要(3) 『2』から7年の時を経て続編が登場。~ プラットホームがDSから3DSへ移ったことでグラフィックが向上しており、また新システムも導入され、より遊びやすくなった。~ 立体視の機能は使用していない。 **改善点(3) -「なめコイン」 --消費アイテムの「なめコイン((シナリオクリアやフィールドの調査によってかなり大量に入手できる。レイトン教授シリーズの「ひらめきコイン」に近い。))」を使ってヒントを見ることが可能になった。 --「なめコイン」は駄菓子屋で「なめこロボ」を購入したり、「なめこロボ」同士を合体させることにも使用できる。 ---「なめこロボ」を全種類集めることが「巡回」パートクリアの条件の1つとなっている。 **問題点(3) -ゲームクリアまでにかかる時間が短く、ストーリーの質も低下し、改善どころか悪化してしまった。 //--クリア時間が''3時間程度''であったという報告もある。 --1作目全話と2作目第四話のシナリオ等を書いた人は[[当人のブログ>http://katino.sweet.coocan.jp/index.html]]を見る限り既にサクセスを退社しているらしく、これが影響した可能性も。 //-新システムの「なめコイン」を使う機会がほとんどない。←「なめこロボ」を集めるために必要 --シナリオの進行のために入手したアイテムを駆使する場面が少なくなり、またその使用法もあまり突飛なものが無くなってしまった。~ さらに手がかりがより多く、より詳しく示されるようになってしまったため、さらなるヒントを得る必要が無くなってしまった。~ このため、せっかく実装されたヒント閲覧システムはほとんど無駄になってしまった。 ---通常は手がかりの出し方が不親切であることが批判点になるものだが、本シリーズにおいてはむしろ''適度な不親切さはゲームを面白くする''という事実に気付かされる結果となった。 -新たに登場したキャラクターに活躍の場がほとんど無い。 //--引き続き改善されていない。 --序盤に里奈をライバル視する少年探偵が登場するが、彼が目立つのは最初の1話のみで、後はだいたい駄菓子屋で遊んでいる。 --いかにも重要そうな設定のキャラが実際はほんの脇役だったというのはある意味このゲームに合っている扱いであるとも言える。~ だが、新キャラを投入したは良いものの結局持て余してしまったようにしか見えない。小沢里奈だけに''おざなりな''出来である。 **総評(3) 相変わらず良くも悪くもいつものおさわり探偵。ヒント機能で親切になりすぎたくらいであった。 **余談(3) -シリーズで唯一、イメージソング「キラメキ・ナゾメキ・アドベンチャー」が配信されている。歌っているのは福原遥氏。 ---- **その後の展開 -2022年10月6日にシリーズ3作をまとめて移植した『おさわり探偵 小沢里奈 里奈となめこの事件簿』がSwitchで発売されれた。
''このページでは、『おさわり探偵 小沢里奈』およびその続編である『おさわり探偵 小沢里奈 シーズン2 1/2 里奈は見た!いや、見てない。』『おさわり探偵 小沢里奈 ライジング3 なめこはバナナの夢を見るか?』について記述する。'' ---- #contents ---- *おさわり探偵 小沢里奈 【おさわりたんてい おざわりな】 |ジャンル|おさわりアドベンチャー|&amazon(B000ED82EO)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|128MbitDSカード|~| |発売元|サクセス|~| |開発元|ビーワークス|~| |発売日|2006年4月13日|~| |定価|5,040円(税5%込)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|1個|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |廉価版|ぐっどぷらいす:2007年5月2日/2,415円(税5%込)|~| |判定|なし|~| |ポイント|意外とターゲット層は広い&br()タイトルとは裏腹に推理物ではない&br()ゲーム性、キャラクターデザインは賛否両論&br()根強い人気を誇るゆるキャラ「なめこ」のデビュー作|~| |>|>|CENTER:''おさわり探偵シリーズ''&br; ''1, 2, 3'' / [[なめこ大繁殖>おさわり探偵 なめこ大繁殖]] / なめこリズム| ---- **概要 主人公である探偵の小沢里奈を操作し、様々な場所に赴いてアイテムを集めたり誰かを追ったりして事件を解決するADV。~ 4~5話の物語とおまけシナリオにより構成されており、本編を1話ずつクリアしていくことにより次の物語とおまけシナリオの一部が順次解放される。~ 探偵ものであるが殺人事件などの現実的で物騒な懸案は取り扱わず、友人の依頼により「夢泥棒」を捜索したり、犬に似たかわいい生物の病気を治したりするなどのファンタジックな内容となっている。 **特徴・システム -下部画面は俯瞰目線で、操作は気になるところをタッチするいわゆる「ポイントアンドクリックアドベンチャー」である。~ 一方で、一人称視点ではなく、タッチすると主人公がその場所まで移動する三人称視点を採用している。 --気になるところをおさわりして手がかりを発見、人をタッチして聞き込み、場所をタッチして移動する。 -「街中で聞き込み」「獲得したアイテムを正しい場所に使用」「アイテム同士を組み合わせて新しいアイテムを作成」などをして進めていく。 -上部画面はその時の場所名と里奈の心境が表示される。 --主人公の表情やセリフで心情を表現しており、重要な場面で実は別のことを考えていたり、主人公は寡黙で口下手であるが心の中ではツッコミを入れていたりと、建前と本音を使い分けているさまを演出している。 -主人公は一応探偵ではあるが、犯人当てなどの推理はないに等しい。 --話を進行させるために何のアイテムをどう使うかを考える、と言う方向の推理は一応ある。 ---ただし、アイテムを選択するだけなので当てずっぽうでも進めてしまう。 --バレバレな犯人当ては1ヶ所存在。 -ゴシックファンタジーで童話的な世界観 --里奈の執事は死んだように真っ青で棺桶(鉄の処女?)で眠ったり、モブキャラはガイコツぽかったり、友達のアパートの管理人が二足歩行の鳥のおばさんだったり。助手に至っては''んふんふしゃべる「なめこ」''である。 ---文字通りモエギタケ科スギタケ属のキノコ「なめこ」に顔と手足がついたキャラクター。菌類らしく、里奈が工作で作った栽培キットの原木の上に住んでいたりするが、「探偵協会から派遣された探偵助手のプロフェッショナル」という設定がきちんと用意されていたり、自身は人語をしゃべれないものの人語を理解できる((里奈はなめこの言葉が理解できる。))、とある種を食べて火を吹く、''自ら進んで味噌汁の具になる''など、一番近い位置にいるのに一番謎が多いキャラだったりする。 --服装や背景が『シャーロック・ホームズ』の舞台、大英帝国ぽい。 --探偵協会にライセンスを付与されるという設定は『[[探偵紳士>探偵紳士シリーズ]]』シリーズのIDLAの設定に近く、主人公らの目元が影で隠れているのは「悪行双麻」リスペクトなのかもしれない。 **評価点 -良い意味で''ターゲット層がどこなのか分からない。'' --低学年向けの雑誌((ポプラ社の『プレコミックブンブン(後のコミックブンブン)』のこと。既に休刊している。また、「なめこ」名義であるものの女児誌『きゃらぱふぇ』の連載に里奈も登場している。))に漫画を連載したり、ジュニア向けレーベルから小説を出していたり((集英社みらい文庫から1作目のシナリオをなぞったものが刊行されている。))というメディアミックスを見る限りは子供向けのゲームであるという判断ができる。 --その反面、子供にはまず分からないパロディ((例えば「世界の料理ショー」という、日本では1974年から1978年にかけて放送されたカナダの料理番組がネタにされている箇所がある。))やメタ発言((「フラグが立ったざます」や、続編においては「容量は増えたけど予算はたいして変わらなかった」といったことを街の住人が言う。))などが随所に仕込まれている。 ---こうした妙にマニアックなネタや登場人物たちの独特な台詞回しなどが産むシュールさが評判になり、口コミによりじわじわとファンを増やしていった。 -フィールドや施設の見た目が可愛らしく、一通り見て回るだけでも楽しめる。 --物語に関係の無い場所や物であっても、目立つ箇所を調べると操作キャラの里奈が何かしらコメントをするようになっている。 --また「さわり心地図鑑」の対象物も随所に点在している。前述のネタ仕込みと合わせて、地道な調査の億劫さを軽減している。 ---様々なものに里奈が触れることで項目が充実してゆく図鑑で、いわゆる収集要素。 **賛否両論点 -推理要素が薄い。 --先述のとおり、主人公は一応探偵ではあるが、犯人当てなどの推理はないに等しい。ミステリ的な推理要素を期待して遊んだならば少なからず失望するだろう。 -ゲームの難易度は総じてかなり低い。 --本シリーズにはバッドエンドやゲームオーバーの概念が存在しない。数少ないアクション要素((モグラ叩きのようなミニゲームやタイミングを合わせて電源スイッチを押す程度のもの。))もクリアはかなり簡単である上、失敗してもすぐにやり直せる。 ---ゲームを進める上で一番悩むのは入手したアイテムの使用法である。~ アイテムを組み合わせて使用したり誰かに渡したりすることで話が進むのだが、中にはかなり奇天烈な使い方をしなければならないものもある。~ 推理モノ好きのプレイヤーよりは脱出ゲームの好きなプレイヤーと相性が良いだろう。 -キャラクターデザインに癖があり、好き嫌いが分かれる。 --大半の人物の目元が影で覆われているなどどこかシュールかつ暗いカラーを醸し出している他、キャラクターの目の描き方が寄り目でなく二重丸の表現((デフォルメの強い絵柄の場合、真正面から見た顔は寄り目で描くのが一般的。))であるため「目が怖い」という意見もしばしば挙がる。 //---そのキャラクターの性格が暗いという表現ではなく能天気なキャラクターにも影の表現がされていることから、世界観の演出の一つであると思われる。 ---この点については「最後までやったけど馴染めない」という者から「パッケージ見て一目惚れした」という者まで様々であり、~ そもそもが個人の好みや嗜好にもよるため一概に良い・悪いと断じることはできない。 **問題点 -ゲームクリアまでにかかる時間が短い。 --1・2作目は10時間掛からずに本編を終えた者も多数いる。 --元々長時間プレイできることを期待しているファンは少なかったが、この短さでは流石にボリューム不足と言わざるを得ない。 -ヒントが乏しいために行き詰まることや、タッチ判定が厳しいために手間取る箇所が見受けられる。 --賛否両論点で挙げた通り、時折思いもよらない解決法が求められるので、そこが詰まるポイントになりやすい。 #region(具体例(ネタバレ注意)) -捕まえた蝶の鱗粉で皆の目をしょぼしょぼさせ、眠いと勘違いさせて寝かせる。元ネタはおそらくドイツの妖精ザントマン(サンドマン、砂男)。 -汚れたランプをバナナの皮で拭いてピカピカにする。元ネタはおそらくバナナの皮の靴磨き。 -''自室から脱出するためになめこを詰めたバスーカをドアにぶっ放す。'' #endregion --だが、『おさわり探偵』シリーズにはそうした不条理を楽しむという側面もあるため、解決策が非現実的なものだからと言って批判されているわけではない。~ 問題なのは、詰まった際の解決策が文字通りの総当たりしかないことである。 -里奈の3Dモデルがしもぶくれ --絵と異なりゲーム中に操作することになる斜め俯瞰の里奈の3Dモデルがしもぶくれ気味になっている。 ---他のキャラクターはそのようなことはない。 --3DSに移った3作目でもそのままなので、製作者にはそのようなことに気づいてないのか何か意図があると思われる。 **総評 一言で表現すれば『おさわり探偵』はいわゆる''雰囲気ゲー''である。~ システムとして突出したものがあるわけではないが、細部の作り込みによって独特の世界観を構築することに成功しているため、ハマる者はガッチリハマってしまう。~ 人を選ぶ作品であることは間違いないが、一度試してみるのも悪くはない。~ なめこで知った又はなめこしか知らないという方にもオススメである。 **余談 -無印(1作目)及びシーズン2(2作目)に関してはスマートフォンへの移植に加え、外国版も発売された。 --北米版・欧州版の2種類。 --スマホへの移植に伴い、解像度の大幅なアップと1画面化が行われた。 ---里奈の心の声と会話は交互に表示される。 --スマホ版は1話無料、それ以降は話数毎の購入式。 ---おまけゲーム「なめこ・ザ・エスケイパー」収録。タイトル通り、なめこを操作して小沢家から脱出を図る脱出ゲーム。 -タイトルによる誤解 --「おさわり」という言葉の響きや、それを女の子の名前と組み合わせたことから、しばしば「そういうゲーム」だと思われることがある。 --DSでは『[[どきどき魔女神判!]]』や乙女ゲーム『DUEL LOVE 恋する乙女は勝利の女神』などタッチを活用した作品が出ているため、本作も同様のゲームと誤解されやすい。 --というか、実際販売元のサクセス社内でさえ、''一部社員からは「そういうゲーム」だと思われていた''ようだ(サクセス社長の弁)。 ---実際[[(なめこの)公式サイト>http://namepara.com/about/]]にてじいに「''決していかがわしいゲームではございませんので、あまり落胆召されぬよう。''」と念を押されている。 -「なめこ」の躍進 --開発元のビーワークスは後にスマホアプリ「なめこ栽培キット」シリーズのヒットにより一躍有名になった。~ 「なめこ栽培キット」シリーズは本シリーズのスピンオフ((大元は本作のアプリ移植版の宣伝アプリという位置付け。))になっていたのだが、おさわり探偵本編よりもなめこの方が有名になり、「なめこ栽培キット」アプリのシリーズ化のみならずぬいぐるみや書籍・コンピCDなどのグッズ化、さらにはOVA・テレビアニメ化まで果たした。現在では東京駅地下に専門ショップ「なめこ市場」もオープンしている。 ---OVAは『なめこ家の一族』というタイトルで、無声映画風ほのぼのホームコメディ。一言で言えば「なめこ版サザエさん」である。~ テレビアニメは2016年4月からNHK・Eテレの番組内ミニアニメ『なめこ せかいのともだち』がスタート、各なめこに独自のキャラ付けがなされでいる。主人公のなめこ役は過去NHK教育テレビの『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』でまいんちゃん役を務めた、「なめこのうた」も歌っている福原遥氏。%%当然といえば当然のキャスティング。%%~ 両者ともスピンオフで、おさわり探偵とは無関係の内容。里奈やじいは登場しない。 ---2013年末の紅白歌合戦ではくまモン、ふなっしーらと有名ゆるキャラと共に応援団として出演するほど。1ゲームキャラとして考えると相当な快挙である。 --3DSでなめこを主役にしたパズルゲーム『おさわり探偵なめこ大繁殖』やリズムゲーム『おさわり探偵小沢里奈 なめこリズム』も登場。 --イメージソング「なめこのうた」は『[[DanceEvolution ARCADE]]』と『[[ミライダガッキ]]』にも収録されている。前者ではジャケット使用、本人歌唱、そして公式のPVまで付いているという豪華っぷり。 ---コンピCD「なめこのCD」には今作で登場する助手のなめこをモチーフにした楽曲「おさわり探偵のジョシュ」という曲が収録されている。 ---- *おさわり探偵 小沢里奈 シーズン2 1/2 里奈は見た!いや、見てない。 【おさわりたんてい おざわりな しーずんにとにぶんのいち りなはみた いや みてない】 |ジャンル|おさわりアドベンチャー|&amazon(B000R266QS)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|256MbitDSカード|~| |発売元|サクセス|~| |開発元|ビーワークス|~| |発売日|2007年5月24日|~| |定価|5,040円(税5%込)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|3個|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |廉価版|ぐっどぷらいす&br()2008年12月18日/2,625円(税5%込)|~| |判定|なし|~| |ポイント|基本的な部分は前作譲り&br;問題点を問題点としてみていない?|~| ---- **概要(2) 前作から約1年後に発売された続編。 **改善点(2) -セーブスロットが前作の1つから3つに増えた。 -一応"怪盗"が現れて、窃盗事件を解くストーリーも1話ある。 --怪盗のみならず警官も登場するため、前作''よりは多少''探偵モノっぽくはなっている。 **問題点(2) -ゲームクリアまでにかかる時間が短い。 --前作からの改善はされず、10時間掛からずに本編を終えた者も多数いる。 --ゲームの根本も推理モノというより脱出ゲーム的な謎解きが大半なのは前作通り。 -ストーリーは完全に前作の続編であり、前作中の出来事について今作中で説明されないまま話の前提になっていることが多々ある。 --グラフィックも、前作で登場したものはほとんどが前作のままで、コストが抑えられている。 **総評(2) -根本的な要素は変わらず、良くも悪くも続編。前作の雰囲気やノリが気に入ったのなら是非プレイをおすすめする。 **余談(2) -前作と同じくスマホ版が配信されている。 --おまけゲームは「なめこ・ザ・インタビュワー」 ---- *おさわり探偵 小沢里奈 ライジング3 なめこはバナナの夢を見るか? 【おさわりたんてい おざわりな らいじんぐさん なめこはばななのゆめをみるか】 |ジャンル|おさわりアドベンチャー|&amazon(B00IF1A2KY)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |メディア|256Mbyte3DSカード|~| |発売元|サクセス|~| |開発元|ビーワークス&br;セブンスコード(プログラム・スクリプト)|~| //↑https://web.archive.org/web/20190511110309/http://www.7thchord.co.jp/page/service.html#tabBox2 |発売日|2014年5月1日|~| |定価|パッケージ・ダウンロード版各5,184円(税8%込)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|3個|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |判定|なし|~| |ポイント|親切すぎるシステム&br;一部スタッフ離脱が影響したか|~| ---- **概要(3) 『2』から7年の時を経て続編が登場。~ プラットホームがDSから3DSへ移ったことでグラフィックが向上しており、また新システムも導入され、より遊びやすくなった。~ 立体視の機能は使用していない。 **改善点(3) -「なめコイン」 --消費アイテムの「なめコイン((シナリオクリアやフィールドの調査によってかなり大量に入手できる。レイトン教授シリーズの「ひらめきコイン」に近い。))」を使ってヒントを見ることが可能になった。 --「なめコイン」は駄菓子屋で「なめこロボ」を購入したり、「なめこロボ」同士を合体させることにも使用できる。 ---「なめこロボ」を全種類集めることが「巡回」パートクリアの条件の1つとなっている。 **問題点(3) -ゲームクリアまでにかかる時間が短く、ストーリーの質も低下し、改善どころか悪化してしまった。 //--クリア時間が''3時間程度''であったという報告もある。 --1作目全話と2作目第四話のシナリオ等を書いた人は[[当人のブログ>http://katino.sweet.coocan.jp/index.html]]を見る限り既にサクセスを退社しているらしく、これが影響した可能性も。 //-新システムの「なめコイン」を使う機会がほとんどない。←「なめこロボ」を集めるために必要 --シナリオの進行のために入手したアイテムを駆使する場面が少なくなり、またその使用法もあまり突飛なものが無くなってしまった。~ さらに手がかりがより多く、より詳しく示されるようになってしまったため、さらなるヒントを得る必要が無くなってしまった。~ このため、せっかく実装されたヒント閲覧システムはほとんど無駄になってしまった。 ---通常は手がかりの出し方が不親切であることが批判点になるものだが、本シリーズにおいてはむしろ''適度な不親切さはゲームを面白くする''という事実に気付かされる結果となった。 -新たに登場したキャラクターに活躍の場がほとんど無い。 //--引き続き改善されていない。 --序盤に里奈をライバル視する少年探偵が登場するが、彼が目立つのは最初の1話のみで、後はだいたい駄菓子屋で遊んでいる。 --いかにも重要そうな設定のキャラが実際はほんの脇役だったというのはある意味このゲームに合っている扱いであるとも言える。~ だが、新キャラを投入したは良いものの結局持て余してしまったようにしか見えない。小沢里奈だけに''おざなりな''出来である。 **総評(3) 相変わらず良くも悪くもいつものおさわり探偵。ヒント機能で親切になりすぎたくらいであった。 **余談(3) -シリーズで唯一、イメージソング「キラメキ・ナゾメキ・アドベンチャー」が配信されている。歌っているのは福原遥氏。 ---- **その後の展開 -2022年10月6日にシリーズ3作をまとめて移植した『おさわり探偵 小沢里奈 里奈となめこの事件簿』がSwitchで発売された。

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