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*保留記事 ---- #center{&size(20){''このページでは、マイナーなゲーム作品を取り扱っています。&br;詳しい情報の加筆は大歓迎です。''}} ---- このページでは、内容が極めて薄く[[要強化>要強化記事一覧]]相当ではあるが、マイナーであるため補強を望みにくい小規模の記事を保管している。~ 加筆によって情報が充実し次第、独立して正式なページとなる。 -このページの掲載情報は、成立した「ゲーム記事」とみなされる(下書きではない)。 //単独ページでも合同ページでもないため、「正式な記事である」という表現は避けました。ただし、「(下書きでも執筆依頼でもない、認められた)ゲーム記事である」と表現します。 --基本情報表に表示された判定は有効。よって判定変更の際は、所定の手続きを必要とする。 --他の正式なゲーム記事と同等に扱い、各ゲーム一覧・新着記事にリンクを掲載する。 --加筆・修正は自由。 -このページを利用する条件は、以下の通り。 --判定を確定させる事。 --最低限、ゲームの特徴と総評の分かる文章である事。 --判定に対応する各種意見箱や「記事作成相談スレ」で、''事前に確認を取る事''((知名度やプレイ環境を考慮し、今後ガイドラインに沿った記事作りが期待できるかどうかを検討する。))。 -上の条件を満たし、情報価値とやむを得ない事情が認められた場合のみ、掲載可能となる。 --記事の掲載後は、必ず「新着記事一覧・年代順一覧・判定別一覧」に、通常と同じ形でリンクを作成しなければならない。 --掲載記事を個別ページに独立させる際は、「記事作成相談スレ」での事前相談を行う。 ---- #contents_line(level=1,sep= / ,fromhere) ---- //ゲーム記事はここから。 #areaedit *Piとメール 【ぴっとめーる】 |ジャンル|コミュニケーション|&amazon(B00006LJVO,image);| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|ハドソン|~| |発売日|1999年2月11日|~| |定価|2,800円(税別)|~| |周辺機器|''要ポケットステーション''|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|そもそもゲームではない&br;メール交換ごっこ&br;口で伝えた方が早い&br;''使い道が行方不明''|~| **概要 ゲームと言えるかどうかは怪しいが、ポケットステーションでメッセージのやり取りが出来るコミュニケーションツール。~ しかし、コミュニケーションのためのツールと言うには実用性の面で大いに疑問符がつく製品内容であり、実際はケータイメールやポケベルのメールを交換する気分を味わえる「ごっこ遊び」用のツールといった方が適当なものになっている。 **内容 数字を割り振られた定型文91種(男の子用・女の子用の2パターンで計182種)を選ぶ簡単操作で、メッセージをやりとりする。 //当時「どこでもいっしょ」がヒット作として流行しており、ポケステの通信機能を使った遊びは注目されていた。 **問題点 -使い道が行方不明。機能実装だけが優先され、使い方は書いてあるが、どう活用していいかは謎 --ターゲットのプレイヤー層やデザインがブレまくっている。 --パッケージや内容をみると中高生以上の若者がターゲットのようである。 --当時高校生や社会人の間で携帯電話が浸透し始めていたため、&bold(){携帯があれば本来必要ない}物である -必然的に「携帯電話に憧れる」小中学生がごっこ遊びとして使用することに価値を見いだせるがそれにしては敷居が高い。 --通信する人同士でソフトとPSを所持、ないし貸し借りを活用しポケステへのダウンロードが必要。 ---無論、当時無線通信でシェアする機能は存在していなかった。 --そもそも赤外線通信なので「ある程度近くにいないと」メッセージ交換ができないので、口頭で伝えた方が手っ取り早い ---かといって秘密のメッセージが交換出来るかというと、定型文しか送れないので、自由度が低く、意志が伝わらない --結果的に「ごっこ遊び」の雰囲気を味わったら目的は果たされてしまい、飽きてしまうので続かない。 -よって仕様上普及するのが難しく。売れなかった。 -本体であるディスクにはポケステにアプリをダウンロードする機能しかない。 -男の子用・女の子用とあるが、メッセージの一部が変わるだけで内容は同じ。 --メッセージも定型文だけなので到底会話と呼べるか怪しいほどに文章が味気ない。 -ゲームデータをダウンロードするために9ブロック必要である。無駄に大きいため、他のポケステ用ゲームとの共存は難しい --ポケステはメモリーカード同様15ブロックしかなく、この容量内でゲームデータをやりくりしなければならない。 //--''お互い接近した状態''で赤外線通信を行い、メッセージのやり取りをしなければならない。そこまで近づいたなら口で言えというツッコm(ry~ //--周りに聞かれたくないことであれば使えなくもないが、だったら携帯電話で済むというツッk(ry((なお、このゲームが発売された1999年当時の日本での携帯電話普及率は44パーセントほどと、人口の半数に達していなかった。)) //--ちなみにマニュアルには「メッセージのやりとりは''3m以内''で行ってください」と書かれている。向きや高さに注意すれば5mはいけるらしいが、上向きだったり物などが挟まっていたりすると1mも無理である。 //まあ5mでも口で言えというツッコm(ry **評価点 -ポケットステーションを利用してメッセージを交換するというコンセプト。 --当時は対戦や簡単なゲームデータの交換がメインであり、コミュニケーションのツールとして利用するという着眼点そのものは(実用性の有無はともかくとして)悪くはない。 --活用できるシーンがあるかどうかはともかく、雰囲気を味わうだけの機能は十分揃っている -失敗例としてもとても貴重である。 **総評 当時マルチメディアという言葉が流行っており電子玩具で成功した例をゲームに持ち込むことも珍しくなかったが、発売時点ですでに「使い古されたもの」ものとなってしまっていた。~ ポケットステーション自体の短命さや遅すぎた発売時期もあり発売前から地雷臭が漂っていた。~ 結果的に、予想通り数か月経たないうちにワゴン行きとなった。~ 最大の問題点は、以前流行った仕様だからと''この試みを誰も無謀と思わなかったこと''だろう。~ だが、この「通信を使ってメッセージをやりとりする」という仕様は現在のゲーム機でも多数実装されており、無線通信やインターネット接続が主流になった近年では、ほぼ必須機能として成立している~ 携帯機そのものを通信・コミュニケーション手段として用いるという発想自体は決しておかしいものではないものの、このコンセプトを実用性をしっかりと確立した上で実現するためには、プラットフォームや発売タイミングがあまりにも早過ぎたといえよう。 //現在でも時折新品がうまい棒のような価格で売られている。~ //Amazonでも新品を購入可能であり、その価格はとうとう日本経済の限界に到達してしまった。フライングディスクなどにどうぞ。 //↑確認してみたら300円ほどの値段になってたのでCO。 #areaedit(end) ---- #areaedit *Death Race 【です れーす】 |ジャンル|ドットイート|&image(https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/2e/Mus%C3%A9e_M%C3%A9canique_221.JPG,height=160)|&image(http://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/d/d9/DeathRace_arcadeflyer.png,height=160)| |対応機種|アーケード|~|~| |発売元|Exidy|~|~| |稼動開始日|1976年|~|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|~| |ポイント|無差別に人(グレムリン)を轢き殺す&br''恐らくゲーム史上初のグロゲー''&br全米(と日本)で話題になった問題作|~|~| ---- #center{&size(35){''WARNING!!!!!!!''}&br;&size(20){''グロ要素のあるゲームです。''}} ---- **概要 -映画『デスレース2000年』をモチーフにしたゲーム。販売元メーカーは『[[Chiller]]』や『[[Circus]]』で有名なExidy。 --題材となった『デスレース2000年』は俳優「シルヴェスター・スタローン」下積み時代の出演作として有名。内容は割愛する。 --ただし、タイトルとコンセプトからモチーフにしているであろうと想定できるだけであり、ライセンスを取った痕跡は無い。 //-ドットイート式のゲームだが流石に「人を相手に」では問題があると判断されたのか、本作の取得対象は全て''グレムリン''。 //--その努力も虚しく、問題作として悪評を広げてしまった。 //後で言い訳の為にグレムリンとしたと言う話が出ている。 **特徴 -入力デバイスはハンドルコントローラーとペダル。操作は見ただけで分かるだろう。 //ハンドル型コントローラーで左右旋回、ペダルで前進、だろうか。3D主観視点構成でないので、今の時代でも「感覚的に分かる」とは言い切れないかも。 -''制限時間以内に多くの「人」(※これについては、余談項にて後述する)を轢き殺す事''がゲームの目的。 --轢いた際にはビープ音(悲鳴だろうか?)が鳴り響き、ボーナスとして制限時間がわずかに延長される。 --筐体のインストに得点ごとのランクが書かれているが、あくまで目安。 -人(※)を轢いた跡には墓ができる。墓は車の通行を阻害する効果がある。 -画面両脇には車両が進入できないエリアがあり、人(※)がそこに入ると轢き殺せなくなる。 **問題点 -ゲーム史最初期という早さで登場した、悪趣味なゲームデザイン。 --人(※)は轢けば轢くほど、後に残る墓で行動を制限される。 --そのため逃げ惑う人(※)をある程度誘導しながら、作為的・計画的に轢き殺す必要がある。 --グラフィックはモノクロ、白い1P車と灰色の2P車にさまよう白い棒人間…と見た目の印象はあっさりとしたもの。 -逃げ惑う人(※)は高速で接近してくる車からは逃げ、停止中の車には近寄る傾向にある。 --そのため、稀なケースだが停車していると次々と人(※)が停車中の車に突撃して死んで行き、身動きが取れなくなることがある。 **総評 グロテスク表現に比較的おおらかなイメージのあるアメリカでも、本作は議論の的になった。全米安全協会(NSC)からは「病的なゲーム」と言われる事に。~ その上、飛び火する形で日本でも悪い意味で話題になってしまった。 **余談 -本作は多くの州で販売禁止となる。結局市場に出回った台数は4桁に到達していないとされており、伝説的なレアアーケードゲームとなっている。 --ちなみに日本国内でも極少数ではあるが出回っていた記録が残っており、高島商会という企業が現在でも稼働する純正筐体を保有している。 -轢き殺す対象は当初は特に何とも言っておらず、本稿では「人」と表記している。 --しかし、ゲーム内容的に問題となったからか、後付けで「グレムリン」と言い出したという話もある。 **参考リンク [[当時の記事>http://www.retrogamenetwork.com/wp-content/uploads/2014/07/death-race-video-game-outrages-us-safety-counsil.png]] #region(プレイ動画) &youtube(http://www.youtube.com/watch?v=aBBtt72aJLA) #endregion #areaedit(end) ---- #areaedit *夢の坂 【ゆめのさか】 |ジャンル|アドベンチャー|&image(http://www.suruga-ya.jp/database/pics/game/145001575.jpg,width=160,http://www.suruga-ya.jp/database/pics/game/145001575.jpg)| |対応機種|Windows95|~| |発売・開発元|acute|~| |発売日|1998年9月25日|~| |定価|8,800円(税別)|~| |レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|起動に一手間必須&br;「ゲーム作れませんでした」→製作中のデータを納めて出荷&br;シナリオの完成度は非常に高い&br;''有志によるまさかのリメイクも配信''|~| **概要 ブランド「acute」のアダルトゲーム2作目にして、色々な意味で有名になってしまった作品。~ もっとも、無名ブランドのため被害者は少数だったと思われる。 **あらすじ >『 夢 の 坂 』それは怪しげな伝承をもち、今でも言い伝えにある化物が出たとか、幽霊が出たとかの話には事欠かない寮と学校を繋ぐ緩やかで長い坂… >それは歴史ある学校には付き物の有りそうで無さそうな舞台で心に傷を持つ人たちが繰り広げる物語… >(公式チラシから引用) **キャラクター紹介 -香西冥夜 --主人公。成績優秀、スポーツ万能、容姿も良く、ケンカにも強く、当然ながらモテるが、告白する女子生徒をことごとく拒絶して手ひどく振ることで有名。有力な政治家が愛人との間にもうけた子であり、彼を産んで母は間もなく死亡するなど家庭運に恵まれなかった(というより、家庭と呼べるような環境さえなかった)。~ 本人に自覚はないが、実は超能力者であり、かつて「夢の坂」に出没した妖怪を討ち取った侍の子孫である。彼自身は無意識のうちに、頭脳と身体の精妙なコントロールを超能力によって行っており、学業からケンカまで大した努力なしで高い能力を発揮していたのは、これによる。~ 女性を拒絶するのは、母の命を奪って自分が生まれたきたという思いと、過去に養母から受けた「性的虐待」によるトラウマからである。~ 一見すると、冷たく見えるが困っている人間を幾度となく助けており、内に優しさを持っている。登場する女性キャラのうち何人かはこれを見ている。その上で、女子生徒の告白を冷たく拒絶する(しかし、辛そうな表情を隠しているのも見てとっている)冥夜に何らかの事情を抱えていることを感じ取り、余計に彼に関心や執着を持つようになっている(ある後輩の女子は、これをとても罪作りなことをしていると指摘している)。 彼の受けた性的虐待とは? #region(クリックで展開) 彼は幼いころに父の愛人の一人に育てられていたが、愛人の女性と父の間で連絡が取れなってしまい、「捨てられた」と思い込んだ彼女は情緒不安定な状態になり酒に酔っていたこともあって、頼る者のいなかった彼女は衝動に駆られて冥夜を犯してしまった(このとき主人公は小学生)。悲惨なのは、主人公は母代りだった彼女のことを慕っており、彼女も冥夜のことを可愛がっていたということだろう。これが深刻なトラウマとなって、彼は女性を避けるようになった。 #endregion -吹雪氷雨 --同級生。顔立ちは整っており、美少女であるが、人を寄せ付けない雰囲気、「壁」のようなものを持っている。友人らしい友人もなく、前述の「壁」から彼女に近づく男子もいない。実は彼女もまた、主人公同様に出生に関して不幸な問題、苦しみを抱えている。そして彼女もまた超能力者である。不幸な生まれ、そして超常の能力を持ち、それ以外にも多くの共通項を持つ彼女は冥夜とお互いに魅かれ合うことになる。~ 彼女は、自分の超能力に気付き、かつ彼女の持つ特殊な超能力を活かせる「夢の坂」で、そこに潜む「怨霊」(とそれ以外の存在)の力を利用して、自分を見捨てて虐めた社会に対して復讐をしようとする。しかし、彼女は心の奥底で自分の不幸な生まれを知った上で受け入れ、彼女が欲していた「優しさ」や「愛情」を与えてくれる人を心から待ち望んでいた。シナリオの展開次第で、彼女はその心情を冥夜に打ち明け、傷つくことを恐れて冥夜が救いに来てくれる待つことしかできなかった自分を涙ながらに「私は卑怯です」と語っていた。~ 彼女は主人公より超能力者としての覚醒が早かったこと、「地の利」を生かせる能力者であったことから、主人公より遥かに強大な力を得ており、冥夜は窮地に立たされる。単純な力で彼女を倒すことは困難であり、「ある種の気付き」を得ることが冥夜が勝利を得るカギとなる。~ 吹雪以外のヒロインを攻略する場合は、そのヒロインから「気付く」ためのヒント、言葉、受け取るべき「もの」を受け取る(例として「吹雪先輩と戦うんじゃないんです、女の子と戦ってどうするんです?これから吹雪先輩を救いに行くんですよ!」といった言葉を受け取り、「吹雪の心を救うこと」、が勝利となることに気付く、といった感じになる)のだが、吹雪を攻略する場合は敵になった彼女から受け取ることはできず、当然のごとく非常にハードルの高いルートになる。~ しかし、彼女の心が救われるシーンはかなり感動的ではある。~ だが、救われた後でも、彼女の能力と容姿、生い立ちから、彼女の出生に関してある種の推測ができるのだが、これもまたかなり暗いものを含んでいる。~ 彼女の顔がパッケージのイラストに直接描かれずに、彼女の「赤い目」のみ描かれているのは伏線に対する回答ないしヒントのようなモノである。~ 彼女は「夢の時間」と言われる、広範囲に渡る(場合によっては世界的な規模にまで悪影響をもたらす)攻撃を「復讐の手段」として実行を始めるが、それは「彼女と同じ不幸な存在」を生み出すことになるのだが、それに気が付かないまでに悪霊の怨念と同調した状態となってしまっていた。~ 彼女は、「夢の時間」に「侵される前の世界」における唯一の「未練」である冥夜を自分の仲間にしようとするが、「夢の時間」がもたらすものを理解した冥夜は氷雨の誘いを拒絶し、二人は戦うことになる。 吹雪の出生に関する不幸とは?~ #region(クリックで展開) 彼女は、母が強姦されて身ごもった子であり、父親が分からない、という相当に不幸な生まれである。彼女は「父親の分からない子」という事でかなりのイジメを受け、その上、彼女の母も自殺してしまうという、悲惨な人生を彼女は歩んできた。彼女の持つ「壁」は自分を守るためのものであった。 #endregion 吹雪の超能力について~ #region(クリックで展開) 彼女はかなり特殊な超能力を持っている。それは、「複数の他者の力を自分に取り込み、束ねて一つの力にする」という能力である。力を借りる対象は、「生者」であるか「死者」かは問わない。つまり、死霊から力を得ることもでき(そもそも人間では無い物からも力を取り込むことができ、これが彼女最後の必勝の切り札だった)多くの怨霊が潜む「夢の坂」は彼女が超能力を振るう上で、うってつけの場所であった。 #endregion 「夢の時間」とは?~ #region(クリックで展開) 最初は集団で見る「共通夢」のような現象が現れる。しかし、それが日常的に「共通夢」を見るようになっていき、各自が隠していたもの、欲望や願望があらわとなっていく。「共通夢」を見続けるうちに、「夢と現実」の境界線が曖昧となり、やがて「夢の中」にあったものが現実となり、「現実ではありえないもの」を「何らかの形」で実体化させていく、特殊な超能力による攻撃手段。皆が「怖い」と思えば、その存在が「実体化」してくる。~ 妖怪や魔物が跳梁跋扈する状態が実は「夢の時間」であり、侍と僧が「魔物退治」を行った時の真相(しかし、「魔物」はすでに実体を得ていた)だったが、今回は「暗い欲望に囚われた傀儡」という別の「妖怪・魔物」を吹雪は実体化させていく。始末が悪いことに、吹雪と怨霊たちは、ある特殊な仕掛けが入るようにしており、「夢の坂」周辺で生じた「異常現象」が「ガン細胞が転移」するように「夢の坂」周辺だけでは済まず、ここを起点として各地に拡散する状態となっていて、ここで「夢の時間」を阻止できなければ「世界中に狂気が飛び火して、世界が狂気に飲み込まれる」状況となっていた。 #endregion -広瀬恭子 --同級生。クラスの女子のリーダー格で、学生寮における学生側の長。気丈でプライドが高く見えるが、彼女なりの不遇な境遇への抵抗の姿勢でもある。入学式の当日に彼女の両親が卒業と同時に離婚することが決まり、それに心を痛めて煩悩階段で泣いていて、そこで冥夜と初めて遭った。冥夜は泣いている彼女を馬鹿にするような事を言ったが、それは極度に落ち込んだ相手は慰めるより怒らせる方が回復させやすいことと、容姿の整った娘が慣れない場所で無防備で隙を見せれば、下卑た欲望の餌食になりかねないことを心配しての事だった。~ 彼女はその心づかいを悟り以後、彼女は彼に魅かれて密かに冥夜を見守り続け、人に親切にしながら男子に対しては一定の距離を取り、女子生徒の告白は拒絶する冥夜とは「ある種の喧嘩相手」のような形で一定の近さを保ちながら付き合うことにしていた。~ 長く冥夜を見守り続けていたことから、彼が吹雪氷雨にと魅かれ合うことを「同病相哀れむ」と語り、その二人が戦う先にあるものは「共倒れ」と語っていた。彼の歪んだ家庭環境から肉親の愛を十分に得られず、そして母の命を奪ったという気持ちと、そこから来る「自分を愛せず、自分に価値を見いだせない」という心情が誤りでありことを伝え、冥夜に「生きる価値があり、自分を大切にすべきこと」を伝えて、「気付き」を得た冥夜は「戦える」状態となり、結果として彼に勝利を掴ませて生還させることになる。~ 逆に彼女のルートに進まず、あるヒロインのルートに進んだ場合はかなり痛々しい彼女の姿を見ることになる。彼女は冥夜と結ばれれば、「帰るべき家庭」は失うが、「代わりとなるもの」を得るが、結ばれなかった場合は「帰るべき家庭」を失い、「失恋の痛手」にも耐えなければならない状態となり、落差の激しい結果となる。~ -川崎有紀子 --同級生。落ち着いた雰囲気と控えめで奥ゆかしい振る舞いながら、芯の強さ、優しさ、愛情と情熱を内に持つ娘。彼女は冥夜の下駄箱にラブレターを入れて告白のための待ち合わせをしようとしたが、冥夜はこれをいつも通りまともに読んでおらず、結果として彼女は待ち合わせの場所で時間が過ぎても待ち続け、雨に降られて濡れてしまい病気になってしまった。これが広瀬恭子の耳に入り冥夜は怒られ、罪悪感を感じた冥夜が有紀子の部屋に見舞い行く形で面識を持った。~ 彼女は冥夜と並んで学年の首席を争える成績だが、エリート志向ではなく「大人達が試験の成績」という狭い基準で学生達を上下に振り分けることにいつか抗議し改めさせるための立場を得るためであった。しかし、その立場を得るためには結果として多くの人を下に蹴落とす形なることにも怒りと悲しみを感じていたようだ。~ 吹雪氷雨の圧倒的な力の前に死を覚悟した冥夜に対して、「戦う前から諦めてどうするのです?」と叱咤し、吹雪は強くなどなく、「自分が傷つくのが怖くて誰とも付き合わなかった弱い人」と語り、冥夜が氷雨の表面的な力に囚われ、彼女の心が実際には弱く、自分を貫くだけの強さがないことを見逃していることを指摘し、「あの人(仙道刀夜)はあなたが死にに行くのだと言いましたか?あのマスターはあなたをいつも父親のような優しい目で見ている。あの人はあなたを死なせたりしない。」「戦う必要がそもそもないからです」と続け、刀夜が冥夜に語った言葉の真の意味、「戦わずして説得して吹雪を救え」と言わんとしていたことに冥夜を気づかせた。また、心の弱い吹雪が既に自分の意志ではなく悪霊の「怨念」に囚われて動いていることも見抜いていたらしく、生者の世界で十分に生きることができず、ゆえに怨霊の「生者の世界への復讐」に同調してしまった吹雪を説き伏せるには、その言葉に「死者の怨念に勝る、生者の世界にしかない「生」を全うすることの素晴らしさ」がこもっていなければならず、少なくとも生きることに未練を感じられなければ、その言葉を紡げないことを冥夜に語り、彼女は冥夜に「生きたいと思う未練」を与えた。彼女のアドバイスは的を得た有益なものであったが、冥夜と彼女を待っていたのは予想もしなかった展開だった。~ -高橋美紀 --主人公の担任の女教師。長身でグラマー、美人であり、男子生徒から人気がある。生徒の面倒見も良いため、女子生徒からの評判も良い。また、主人公の居住する学生寮の舎監でもある。新卒で教師になったため、主人公達とは年齢が近く、侮られないように男性のような口調で話しているが、実際はごく普通の女性の口調である。学校自体が、戦前から権力者、資産家などの有力者の婚外子を預かり、結果として各界の有力者とのつながりを持っていたがゆえの名門校、という特殊な学校で問題児ではないが、不幸な家庭環境を隠して明るく振舞っている生徒が存在することに心を痛めたりしている。また、親が有力者であり、金銭的に恵まれているがゆえに傍若無人な振る舞いをする生徒がいたりと、色々と苦労している。~  彼女は内心で人目を引く美少年で、女子生徒から注目されている冥夜に女として魅かれているが、彼に対して教師としての責任も果たそうと努力はしている。しかし、不幸な家庭環境と出自を持つ彼に女として同情してしまい、「教師としての一線を越えた肩入れ」をしていた事を刀夜に指摘される事もあった。このように愛情深い一面があり、故に「間違い」を犯してしまう面もあり、彼女にかつて自分に優しく接して、よく面倒を見てくれていたが、最終的に間違いを犯した養母の影を冥夜は見ていたことが、彼女のルートで分かる。~ -小澤麻里絵 --主人公の後輩。二年生。心優しい、他人のことを思いやれる娘。~ 控えめで、ある種の臆病さもある「小動物」系の少女。但し、正義感の強い部分もあり、曲がったことを言った相手に怒ると、それが強い相手でも後に引かないような部分がある。~ 物語の冒頭で、主人公にラブレターを渡そうとしたが、受け取ることさえ拒否されるという酷い振られ方をした。~ しかし、後日に学校の帰りに、雨に降られてしまい学校と学生寮の途中にある喫茶店「もらとりあむ」に雨宿りに入り、冥夜と再会する。~ 店主の「仙道刀夜」の計らいで(かなり強引であったが)、冥夜との距離を縮めることになる。そこで友人の中原奈緒子との間で、「煩悩階段」に現れるという「人魂」、「鬼火」を見に行こうという話が出てきており、冥夜もこれに参加することになる。~ この「煩悩階段で人魂を見に行くイベント」により、物語は大きく進むことになる。~ ある意味で、この物語の切っ掛けを作った人である。この煩悩階段で人魂と遭遇したことにより、冥夜は「魔物」側から目をつけられることになる。~ 吹雪が正体を現し、皆を守るために吹雪と対決することを決め、勝ち目の少ない戦いに挑む冥夜に「生きることの大切さ」を彼女なりの言葉で諭す。彼女は、交通事故で目の前で弟を失っており、そのことを未だに悔いて悲しんでおり、冥夜は自分が死んでしまえば、彼女をさらに悲しませることになることを悟った。麻里絵はさらに、自分たちの日常がつまらなく思えても、幼くして死んでしまった弟には経験したくてもできなかった経験であり、貴重な経験であり、生きることは尊いことであり、今死んでしまえばこれからできるであろう経験をできなくなることを話し、愛し愛されることを知る前に死んではいけないことを伝えた。~ 彼女のエンディングは「学園ものの王道」的なエンディングとなる。~ -中原奈緒子 --主人公の後輩。二年生。小澤麻里絵の親友で同じくバスケ部に所属している。~ 直情的で強気な性格。しかし、脆い部分もある。小澤麻里絵の告白に付添として立ち会ったが、麻里絵の真剣な告白を冷たく拒絶した~ 冥夜に腹を立てて、食ってかかるが結局はラブレターさえ、受け取ってもらえなかった。~ 後日、麻里絵とともに雨宿りに入った「もらとりあむ」で冥夜と再会する。麻里絵のために自分たちの所で話をしないか?と誘うも断られるが、仙道刀夜の計らい(かなり無茶なやり方だが)で、三人は距離を縮めることになる。~ 冥夜は、奈緒子が情に厚い性格であることを認めた上で彼女に次のような話をした。性格が優しく善良だが、気弱な麻里絵のため、情の深さ故に良かれと思ってすることが逆に彼女にとって良くない結果になるかもしれないのだと。そして気の強い子が気の弱い子を守ろうとして、逆に気の弱い子の自力で行動するという成長の芽を摘み取るかもしれない事を指摘して、彼女はそれに軽く驚いている。~ 彼女のルートに進むと吹雪がその正体を現し、吹雪の行動を阻止するために戦うことを決めた主人公に対して、「自分が無理に話しかけなければ人魂と遭遇して魔物に侍の子孫と気付かれずに済んだのでは?」と涙ながらに話し、責任を感じていたことが分かる。冥夜との会話で、彼が「母を殺して生まれてきた」という思いを持ち続け、父も正妻の目を恐れて、彼に愛情を伝えておらず、幼いうちは、あまりにも愛情に縁がなく「自分は愛されない」、「生まれてきてごめんなさい、状態さ」と語り十分に愛情を得られなかった苦しみから、「愛情」を遠ざけ、考えないようにし、その延長として今も愛情の絡んだ関係を拒否していたことを理解した。加えて彼の話から幼いうちに養母から強姦の被害に遭い、そして女性と関係を持つことを拒絶していたことも悟った。~ 冥夜に魅かれていた彼女は、麻里絵を傷つけることになることを気にしつつも、彼のために「沢山、沢山愛情をあげる。先輩にはそれが沢山、沢山、必要だから」と答えた。自分の過去を知り、それでも受け入れ、涙を流して心配してくれる奈緒子の存在によって、心の一部が機能停止していた状態から回復した冥夜は闘える力を得て、無事に生還することになる。~ -五代美也 --主人公の後輩。一年生。~ 攻略可能なヒロインの中では最年少。おっちょこちょいだが、成績は優秀。実は彼女がドジなのもあくまでも「フリ」らしく、「おっちょこちょい」というのも仙道刀夜が「道化」を演じている理由と通じるものがあるらしい(人とかけ離れたものがあることを隠ぺいする、愛されるように演じる等)。~ 吹雪の本心を聞き出すためにカマをかけるが、逆にこのことを指摘されて沈黙してしまった。~ ドジで何も考えていないように見えるが、仙道刀夜が「美形の道化師」にしか見えなかった面子に比べて、「きれいなバラには棘がある」など、怖い部分に気付いおり、刀夜も少し彼女を苦手にしていたようだ。~ 吹雪との戦いの前に彼女があまりにも「やらかし過ぎる」ため、説教のために彼女の部屋に寄ると「説教するつもりが彼女に説教される」といった展開になる。~ 彼女は吹雪が冥夜に好意を抱いていることを見抜いており、吹雪は戦うべき相手ではなく救うべき相手であることを伝え、冥夜は「気づき」を得る。~  彼女のエンディングでは、いつも通り「やらかして」、他の生徒に袋叩きにされかかっているとこころを逃げてきて、冥夜に助けを求め、彼に免じて許してもらったのだが、たいして時間がたたないうちに別の生徒の一団に追われて、「先輩助けて!」とまた助けを求めてくるなどギャグ色の強いものになっている。~ -仙道刀夜 --冥夜行きつけの喫茶店「もらとりあむ」のマスター。~ 知的な面も見せれば、道化のような振る舞いも見せる不思議な人物。モデルのようなルックスだが、普段はおどけたような振る舞いをしていることが多い。奇矯で愉快な言動が多く、そのため軽く見られて、中原奈緒子からは「変態マスター」、彼の店にいるウェイトレス達からは「オカマ顔」などと散々な言われ様である(しかし、彼も「小澤さんは可憐な少女」と言い、奈緒子が「私は?」と聞いたら、「君は少女モドキ」と言い返すなど色々とやり返しているが)。~ しかし、一部の女性達はこれが、本当の姿でないことを見抜いていた。高橋美紀は「本当は愉快な人じゃない」、川崎有紀子と吹雪氷雨は「恐ろしい人」、五代美也は「きれいなバラには棘がある」と評していた。~  彼は、「夢の坂」の伝承に興味を持ち、三人のウェイトレスを通じて「夢の坂」の伝承について調べていたが、「夢の坂」で起きている「怪現象」が真実であることを確信しており、更に「怪現象」の原因が、単なる怨霊や妖怪に起因するものではなくもっと「恐ろしいもの」によって起きていることを見抜いていた。~  実は若くして両親と死別し、ショックで心の一部が壊れていたらしい。頭脳明晰だが「他人への共感」が著しく欠落したサイコパス的な面を持っていたらしいのだが、それを自力で矯正していたらしい。心の一部が、ショックやトラウマにより機能停止していることを経験しているだけに、冥夜も近い状態(症状が違うが)を見抜いていた。~ そのため、彼は冥夜に対しては「気付くこと」を促し、時に厳しく、しかし見捨てない、といった態度で接することがあり、川崎有紀子はこれに気づいており、「いつも父親のような優しい目で見ている」と語っている。~ 時と場合によってはかなり「怖い面」を見せることがある。~  話が進むうちに、彼がどれだけ「怪現象の原因を把握している」のか見極めながら物語を読んでいく、というのも楽しみ方の一つかもしれない。注意深く読んでいくと「黒幕」に対する「対処の仕方」を途中で変えていることに気付くだろう。~ 彼は実は冥夜や氷雨と同じく超能力者であり、「敵」が「夢」を利用して攻撃していることに気が付き、その行き着く先も理解したが、既に手遅れの状態となっていた。~ -福間 --同級生。主人公と同じく学生寮の住人。漫研部の部長。夜な夜な主人公の部屋を同じ部訪れては「美少女アニメ」のLD(1998年当時だとDVDではないだろう)を他の部員を引き連れて「鑑賞会」を開催する迷惑な男・・・なのだが、それは表向きの顔で、実際には色々と彼も訳ありな生徒である。~ 実は彼もとある有力者が愛人に産ませた子である。さらに正妻の息子(彼にとっての義兄)が、高校で女子生徒を妊娠、中絶させた経緯があり、父親同様にそうした事に罪悪感を持たずにいることに嫌悪感を感じ、現実の異性関係から距離を取り、二次元の世界へ逃避させることになっていた。~ 主人公に対してなれなれしい態度を取っていたのは、同じような出自でありながら超然とした態度で社会を生きていること、飛び抜けた能力の持ち主であることへの憧憬に似た感情、母が死にかけていることへの不安感、絶望感からのある種の逃避であり、このような事情があったことを察してやれなかったことを主人公は悔いていた。~ -兵藤耕助 --同級生。主人公とは親しい間柄。主人公と並んで絶対に「手を出してはいけない三人」の一人。しかし、性格は温厚温和で(ゆえに主人公いわく「最強ゴリラ」)、人を差別せずに公平に見ることができ、福間を評して「趣味はおかしいがいい奴」と見極めることができていた。学校の成績は良くないが、人望がありクラスの男子のまとめ役となっている。しかし、彼は「夢の時間」により「傀儡の一人」となってしまう。 数少ない親友と呼べる人物と主人公は戦わざる得なくなる..。 -「もらとりあむ」のウェイトレス達(イリス・レディーナ・ユリアン) --仙道刀夜と行動を共にする、喫茶店「もらとりあむ」のウェイトレス達。非常識を絵に描いたような人達だが、真面目になると非常に意味のあることを話す。実は刀夜同様に超能力者であり、彼らの存在と冥夜の存在により「夢の時間」に「夢の坂」一帯が完全に飲み込まれずに済んでいた。実は「夢の坂」が怪異を引き起こすの「真の原因」となった「存在」を地下に封じた「少女」の呼びかけを受け、「夢の坂」の怪異を鎮めるために助力を要請されていたらしい。ちなみに、仙道刀夜とウェイトレスの三人は「モラトリアム」からの出演である。 記述不十分な点は後日、追記予定。 -侍 --過去の「夢の坂」の伝説に登場する人物。師を殺した修行仲間の僧を追って夢の坂を訪れた(といっても僧が故意に殺したわけではなく、修行時の事故死のようなものだった)。侍が坂に来た当時から、「夢の坂」と坂は呼ばれていたことが分かる。彼が言うには「世の中は半熟の卵のようなもので、完全に固まりきっていない」のだという。侍は「夢の坂」で当時猛威を振るっていた「妖怪」を倒すことに成功するが、「妖怪」を発生させた原因は無くなっておらず、それは人の手では如何ともできないものなのだと言う。彼は再び妖怪が現れることを予言し、「口伝」という「言霊」の呪力により、自分の死後に「妖怪」が再び現れた際に、自分の子孫がこれと対抗するようにあらかじめ手を打っていた。~ 妖怪を生み出す「夢の坂」に存在するもの、「この世は固まりきっておらず、人の想いにより変化しうる」と言い伝えた彼の言葉は、重要なキーワードとなっている。 -僧 --かつて、侍と共に修行をしていた仲間であった僧。力は相当にあったようだが、精神を安定させて術を発動させることに問題があり、結果として術の暴走で、彼と侍の共通の師は事故死している。彼は「夢の坂」に出没し、人々を殺傷していた「妖怪」を倒すために侍をこの地に招いた。~ 伝説では、二人は「妖怪」に勝利したにも関わらず、「夢の坂」と彼の建てた寺へ続く「煩悩階段」は人魂が彷徨い、かつこの僧が建てた寺院は廃寺となるなど「妖怪に二人が勝った」という言い伝えとは、逆のような結末になっており、重要な伏線となっている。侍は再び魔物が出る事を予言し、僧もそれに同意し、その時のために侍に「夢の坂」に残る様に勧めるが、「ここに居れば死ぬことになる」という意味のことを伝え、去っていった。侍の予言通り、僧は妻帯を禁止した宗派でもないにも関わらず、断絶し、寺は廃寺となってしまった。~ 彼は戦った「妖怪」について「人の心の弱さが生み出したもの」「まがりなりにも命を持っていた」と語り、この言葉と、僧と寺の辿った運命もまた、ある種の伏線となっている。 -妖怪 --過去の「夢の坂」の伝説に出てくる妖怪。人を引き裂いて殺していたという。伝説では侍が僧を訪ね、その帰り道で初めて侍はこの化物と遭遇した。化物と遭遇する直前に「何か風のようなもの」が侍に触れ、その少し後に道を女が歩いて近づいてきた。その女は「浅葱」といい、侍の知り合いだった。しかし、「浅葱」は伝聞ではとうの昔に「死んだ」はずであった。~ 侍は伝聞で聞く「夢の坂」の「化物」と悟り、刀で切り付けた。しかし、化物に手傷を負わせることはできなかった。侍は刀の二撃目を放ち、次は見事に手傷を負わせることに成功した。化物は退き、侍はこの戦いを見ていた、使用人の娘にこう話している。「大方の化物は人があれこれ思い煩うた結果生まれたもの」であり、侍はゆえに「斬ることができる」と念じ妖怪を切ったのだ、と。~ 「夢の坂」に現れた「妖怪」は人の心の奥にある「怖れ」「恐怖」が実体を持ったものであり、「人の心の悪夢」が現実となったものであった。そして、「夢の坂」でもっとも恐ろしい物は「妖怪」ではなく、「悪夢」を実体を持ったものに変える力を「夢の坂」に「与えたもの」であり、侍はその存在を感じ取っていた。~ そして「悪夢」は「恐怖」のみではなく、「別の種類の悪夢」と主人公は戦うことになる。 主人公の戦う「実体化した悪夢」とは?~ #region(クリックで展開) 主人公が戦う「実体化した悪夢」は、人の心の奥に潜む「欲望」と「それを描いていた本人達が実践できる」世界が実体化したものであった。~ ある者は破壊を、ある者は殺人を、ある者は強姦を、といった具合に欲望のリミッターを外せたらと心の奥底で願い、自分が成りたい、したいと願っていた通りの「自分」に各々がなっている世界だった。 #endregion -御堂 --主人公の通う学校の理事長。若く妖艶な美女とされる。かなりの資産家であり、「夢の坂」の周辺に広大な土地を持つとされる。~ 彼女が理事を務める学校は「名門校」とされる。この学校は明治時代からあり(当時は女学校)で、有力者の婚外子(主人公のような)を代々預かり、有力者との強いパイプを持ち続けたが故の「名門校」だった。~ 実は、「夢の坂」の「真の伝説」において、「御堂」の名が出てきているのだが、現在伝わる「夢の坂」の伝説に彼女の先祖の名前は出てきていない。「伝説」の中で、「御堂」は「報酬によって、呪殺を行う呪術者の集団」とされており、その過去を消すために、「伝説」を「時間をかけて歪めていったため」ためにそのようになったのだろうと登場人物の一人は推測している。~ 現在は、かつて「呪術師の一族」であったことなど微塵も感じさせないが、それは表面だけのことであり今なお陰では「現役の呪術師」である。~ 実は「夢の坂」と「学校」の周辺は「一種の呪術システム」となっており、「夢の坂」で起きる怪現象の原因の一つが「御堂」とその一族の存在によるものである。~ 主人公は、「理事長の隠し部屋にあった物」を物語前半の終盤に発見し、「夢の坂」と「学校」の間にある隠された事実、「夢の坂の怪現象」と「夢の坂の伝説」の間にある真実の歴史を知ることになる。~ 理事長の隠し部屋にあったものとは?~ #region(クリックで展開) 理事長の部屋が、地下道に続きその先に地下室があり、そこに「祭壇」が存在することを主人公は発見する。その祭壇は、戦国時代に「夢の坂」一帯に逃げてきたが追い詰められ、一族もろとも皆殺しにされた人々の人骨と彼らを追い詰めて殺したが、裏切りにあい、やはり皆殺しにされた追手の人骨からなる「魔方陣」だった。「魔方陣」は深く穴を掘られたとところに人骨を稠密に組み込んで作られ、その上に土を被せてさらに人骨の魔法陣を作る、これを何層にも重ねて、最後にその頂点に「真言立川流」の「髑髏本尊」を設置することで作られ、これと同じものがいくつも設置されていた。~ この「呪術的施設」の力により、「夢の坂」で惨殺された「怨霊」の「呪い」の制御を行い、エネルギーとして自分達の利益や繁栄、敵対者の呪殺に用いるという形で利用していた。そして「学校」の正体は、労せずして「髑髏本尊」を作るのに必要な高貴な血筋・美しい容姿・優れた知力の全てを備えた若い女性を生徒として集めることができるためだったらしい事が作中で語られている。~ ちなみに髑髏本尊は、読経を行いつつ相当の数の性交を行い、避妊をしない状態で女性の愛液、経血、男性の精液を糊として用いて頭蓋骨(作中では御堂の先祖の頭蓋骨を使っていた)に塗布して金箔、銀箔を貼り付けて作っていくとされる。経血(女性の生理の血)も利用するため、女性が妊娠してしまうと儀式は行えず、「髑髏本尊」を完成させるためには、妊娠に備えて複数の女性が必要となり、しかも儀式に参加させる女性は高貴な血筋・美しい容姿・優れた女性であることが要求され、儀式自体の継続が非常に困難である。御堂はこの問題を「学校」(戦前は露骨に女学校だった)を作ることによって解決していたらしい。~ しかし、この「祭壇」と「御堂一族」の存在が「夢の坂」における怪現象の原因の一つでこそあれ、真に恐るべき物は別に存在していた。 #endregion -地下にある存在 #region(クリックで展開) 侍が真に恐れた存在。御堂、妖怪、怨霊、そして吹雪も、これと比べればまったくの子供だましとしか言えないほどの圧倒的な力を持つ存在。 #endregion 記述不十分な点は後日、追記予定。 **伝奇ものとして 「伝奇もの」として、ベースになっている作品が一般的な伝奇エロゲーとは大きく異なる。その意味で、シナリオなどについて大半の「伝奇ノベルゲーム」が平井和正ー菊池秀行の路線で進み、「食傷気味で飽きられた」状態になっている面があるような現状を打破する上で参考になる作品なのではないだろうか?シナリオの評価については多くのプレイヤーによる複数の視点による評価を要する作品である。~ 特にエロゲーのネタとして、非常に適したものと思われながら、殆ど使われていない「真言立川流」などを1998年という非常に早い時期に使っているなど、伝奇要素とエロゲー要素を上手く絡めている点は特筆すべきことのように思う(立川流の祭壇が女子寮の地下にあったという事実が明らかになり、しかも立川流の祭壇の目的がまた暗いモノをさらに纏っているなど、事実関係が明らかになってくるにつれて、不幸と宿命を背負っている主人公やヒロイン、生きていた時は命を奪われ、死してからは怨念を搾取された者たちに何とも言えない憐れみや、私欲に走った者たちに怒りを覚える人もいるだろう)。 **登場人物同士の会話 登場人物同士の会話の内容には胸に刺さるような真摯な悲しみ、苦しみを纏ったものが多い。シナリオの設定・展開の他、こういった部分が非常に魅力的な要素となっている。 **シナリオにおける特殊な伏線 -吹雪氷雨と御堂理事長について --御堂理事長(と御堂一族)と吹雪の能力は同系の能力である(怨霊の怨念を束ねて自身の力として利用できる)。 --この能力は、非常にレアな能力らしいのだが、なぜか学園という狭い場所にレアな能力を持つものが二人同時に存在している。 --ちなみに吹雪の母はこの学校の生徒であった。 -侍と「御堂に仕えていた娘」、香西冥夜と吹雪氷雨について --主人公は、先祖である「侍」の言霊の「呪力」により「夢の坂」に導かれていた。 --侍は妖怪を倒した後に、御堂に仕えていた娘を連れて坂を去った。 --しかし、この娘は実は化物であった、という異説がある。 --侍自身も実は御堂の縁者という異説がさらにある。 --僧は歯に物がつまったような言い方でなぜか、娘を連れて行かない方がいいと侍に話している。 --主人公は戦いの後、最終的に誰かと結ばれて「坂」を去ることになる。 --主人公、香西冥夜は侍の言霊の呪力により、結果として侍と同じようなことを行っている。 --侍は「化物の娘」を連れていった、という異説があるが主人公は・・? -僧と御堂 --僧は実は「真言立川流」の術を修めていた。 --僧は御堂の屋敷に滞在しており、侍からこれを咎められている。 --ちなみに立川流において、髑髏本尊を作る上で、非常に良いとされるものの一つに修行を積んだ僧侶の頭蓋骨がある。 泣く人が出る場合があるが、一応ハッピーエンドで終わるように見える「夢の坂」だが「何かひっかかる」ものがあるように「感じる」人がいるだろう。物語の謎の一部について、リメイク版の「夢の坂」に同封されたテキストファイルにシナリオ担当者の方から実際に聞いた「謎につ いてのヒント」となるものが書かれている。オリジナルをプレイして引っかかったものを感じた人は見てみると良いかもしれない。 -物語に残った闇の部分 #region(クリックで展開) 実はこの物語の人間側の「黒幕」である「御堂理事長」とその一族は、「夢の坂」の怪異が主人公たちの活躍により収められてもなお、力を残している。つまり彼らの鬼畜・外道のような所業(とそれによって得られる力)は未だに続いている。御堂は「夢の坂」以外にも「平坂」という土地にやはり広大な私有地を有しており、そこがまた「夢の坂」=「幽冥ないし幽迷の変形」であったように、「平坂」=「黄泉平坂(よもつひらさか)」の変形と推測される。要は「あの世とこの世の狭間」の土地をさらにもう一つ持っている、ということであり、御堂は「外法による力の供給は終わっていない」ということである。さらに「御堂」の女性(侍と僧の伝説の中に登場する「御堂の女当主」と「御堂理事長」)と吹雪氷雨の容姿の特徴は共通しており、「ミステリアスな美貌の持ち主」「妖艶」といった形容を吹雪に対して冥夜はしているが、これらの形容はそのまま、御堂の女性と共通している。おまけに持っている超能力も「同じ系統のもの」である。吹雪の母が学園のかつての生徒であったことから、吹雪の母は「髑髏本尊」を作るための儀式に参加させられ、結果として吹雪を身ごもってしまったのではないか?という推測が成り立ってしまう。要は吹雪は御堂の一族に連なるものであった、という可能性がある、ということである。もともと、御堂は「夢の坂」で起き始めていた「怨霊の祟り」を鎮めるために、当時この一帯を支配していた戦国武将に雇われた呪術師・霊能者だったが、彼らの目的と行った方法は「虐殺された人々を供養するのではなく、彼らの怨念を自身の繁栄のため利用する」ことだった。~ 吹雪があの学園に居たのは、行く先のない状態のない彼女を彼女の母の一族から引き取っていた(他の生徒のように)のだろうが、本当の理由は別のところにあったのだと思われる。~ 「女子寮の地下にあった髑髏本尊と人骨の魔法陣かならる祭壇」のある部屋は、壁に人血が塗られ、人血を供給する生贄として使われた人間の遺体がミイラ化して置いてあり、そのうちいくつかは、比較的最近のものだと主人公は語っていた。この人間のミイラと人血は、御堂一族のものであり、彼らの繁栄を支えるため、一族の血をもって呪術システムの強化のために使われた、のだと仙道刀夜は語っていた。~ 吹雪は先に述べたように本人は知らないが、御堂に連なる人間であり、御堂理事長が彼女を女子寮に引き取った理由は、「一族でありなながら、生贄として利用しても一族としてさほど痛くない」吹雪を生贄として利用するためだった可能性がある。~ (物語の闇はこれで終わっていない。記述不十分な部分は後日記載)~。 #endregion **問題点 ***起動方法が厄介 -何も知らずにディスクを入れると「インストールは出来るが起動不可能なゲーム((インストーラー自体も、64bit環境では起動してくれないので要注意。))」に見えてしまう。 --下記の通り手順を踏むことで起動出来るが、気がつかず泣き寝入りした者も居たと考えられる。 -''設定ファイルの書き換え必須'' --ただインストールしただけでは、起動してもOPの段階でエラー落ち。「設定.dat」のファイルパスを書き換えて、初めて動く様になる((7では、パスに全角を含むと何故か読み込めない。XPだと大丈夫なのに。))。 ---このdatファイル、パスに改行を含むと認識してくれない。しかし、初期状態だと''しっかり改行が入っている。''なんでやねん。 --手順を踏まないと起動出来ないことはreadme.txtに小さく書かれており、見落としてしまうと何もできない状態に陥る。[[詳細はこちら>http://freak-15.wix.com/bookmanmemo#!blank/c11ay]]、もしくは[[こちら>http://twilog.org/KgPravda/date-130606/allasc]]を参照。 --ちなみに、物理的な説明書の方では「特に難しい操作は有りませんので、説明を読まなくても出来ると思います」と書いてある。''嘘をつくな嘘を。'' ---まぁ、その下に「この説明に間に合わなかったことは全て「読んでネ.doc」に記載してありますので''必ず''読んでください」とはあるのだが。 -事の顛末は[[CD内にあるreadme.txt>https://pbs.twimg.com/media/B4OxyVSCcAAXre1.png]]にて知ることが出来る。 --要約すると、「静岡県内で発生した洪水被害によりマスターアップ直前のデータが入っていたHDが破損、修復を試みたものの全体の8割程度しかサルベージ出来なかった。''会社の資金繰りの関係でこれ以上の遅延は出来ないと判断、そのまま販売します''」とのこと。 --それにしても、書き換え必須な仕様はどうにかならなかったのだろうか。 -起動に漕ぎ着けても、''ビッグ・プロローグ''の間はあくまで''テキストを読むだけ''であり、画像が出るのは''本編''に入ってから。 --環境によっては、[[強制終了など様々なバグの発生が報告されている>http://www.alles.or.jp/~frd08kg/gamep3.html]]。 --ちなみにパッチに関しては配布はおろか''作っていた形跡も無い''。 --readme.txtには「この物語の完全版を皆様にご提供させて戴けたらと考えております」と書かれていた。 **評価点 -シナリオの出来は良い。 --起動出来た人からは好意的な評価もされている。 --シナリオの出来が良いだけでなく、話の内容も今日に至るまで、他に類例・類似した作品がない独特のものになっている。 --登場人物、舞台に関する設定もかなり独特。 --シナリオが良いということは複数のプレイヤーから語られながら、詳しい話が伝わらないのもこの点にあるのかも知れない。 --話の内容は、広く知られれば他の作品に影響を与えた可能性が否定できないレベルで作り込まれた部分がある。 --作られた時期を考えると、総合的なシナリオの深さには驚きを感じる人がいるだろう。 --一度読んだだけでは「気が付かない伏線の回収」「ダークなもの、黒いものが残ったまま物語が終わったこと」などについてもある程度示しておきたいとは思う。正直、これもシナリオの魅力であるのだから。 -絵も、それ自体はクオリティが高い。 --少々クセが強いため、好みが分かれるところではあろうが。 --細かく読んでいくと、現在では入れられないCGが入っていた可能性があることに気づく人もいるだろう。 -エンディングについても少し特殊なものがあり、「ダーク」ではないが「完全なハッピーエンド」は無い、主人公もすべての登場人物の命を救えても心までは救済しきれないことが分かる(最終ルートで明示される)。ただし、あるヒロインとのエンディングでは、かなり「全体が丸く収まる」感じにはなる(主人公は特殊能力を失い、苦しく悲しくても、かけがえのない「想い」を皆が忘れることになるのだが)。 **総評 洪水の被害によりデータを紛失してしまったのは気の毒だが、予告もなく未完成スレスレの品を''フルプライスで''販売するのは詐欺としか言いようが無い。~ 資金繰り等の問題があったであろう事は想像がつくが、ユーザーにしてみればそれとこれとは別問題である。~ シナリオの質は良いので、しっかりと開発され発売されていれば佳作~良作になったのかもしれない。最終的な評価については、リメイク版が無償で手に入る状態となったため、多くの人の意見を元に、このゲームの評価を決められるのが好ましい(シナリオはほぼ同一)。~ 「起動できない」と思い込まれ「糞ゲー」として扱われたが、実際は起動でき、かつ「入手困難」な状況から「誰でも無料で入手できる」状態となった以上は、やはり評価については然るべき「熱い議論」の後に「妥当な評価」が与えられるべきであろう。 ---- **余談 -[[Wikipedia>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A2%E3%81%AE%E5%9D%82]]ではゲーム内容に踏み込んだ詳しい情報が閲覧できる。 -元々acuteは『Gloria』から独立したブランドである。 --1作目はGloriaより発売された『モラトリアム』の内容追加版である『モラトリアム プラス!』((このゲームにも改頁の際に前頁の文章が途中から残ってしまうバグが存在したという。))。 --本作発売から約4か月後の1999年2月にアダルトゲーム3作目の『しつれん』が発売されており、それを最後に新作は出ていない。 --『Costume DE PoN J』を1999年6月に発売する予定だったが、後に2000年へ延期となりそのまま消えていった。他にも『千の夜と一つの夜の物語』『Tell me the color』の2本を発売する予定もあったが、世に出る事は無かった。 -解散して15年以上経っているにもかかわらず''まだ公式サイトが残っている''。 --本作の開発途中だったと思われる状態で残っているが、工事中という表示の通り何も出来ていない寂しい状態。サイトも満足に作成出来ないほどの窮状だったということだろうか……? --同サイトで閲覧できるチラシに、あらすじが書かれているが…''日本語がなんとも錯綜しており、今一つ内容が伝わってこない''。 --チラシに書かれている発売日は1998年6月26日、実際の発売日は1998年9月25日のため延期したと思われる。 -本作及びacuteのアダルトゲーム全3作品の原画担当者は、同人サークルを立ち上げており現在も活動中。 --2002年に公式サイトの掲示板でacuteの話題が振られた事があったが、その際に『そこの新作が出ません。どうしたんでしょうかね。僕には関係無いから、どうでもいいけど。』『ああ、また過去話だわ。どうしてバレるのかしら。そんなに絵が変化してないのかしら。しくしく』と語っている。 -''2015年になって熱狂的なファンが現れ、権利者に許諾を得たリメイク版を作成。'' --「エロゲと饗」というサイトで[[無料配布された。>http://elog.tokyo/novel/game_109.html]](リンク先は18禁) --シナリオは、ほぼ「夢の坂」と同じ、ビックプロローグ編ではテキストしか表示されなかったオリジナルの「夢の坂」と比べて、絵も音楽も表示・演奏され、オリジナルの「夢の坂」が動作させるのが厳しくなるWindows7以降のOSにも対応していること、現物を手に入れることが難しいオリジナルの「夢の坂」をプレイするよりも環境的には遥かに扱いやすく、便利なため未プレイ者はリメイク版をプレイすることを勧める(セーブできる個数も多い)。 --ニコニコ動画では、PR用の動画としてエンディング部分が投稿されている。 --プレイ実況の動画が現在、制作中らしい。 **動画による解説 #region(動画アカウント所持者用) &nicovideo(sm26773313) #endregion #region(動画アカウント非所持者用) &nicovideo2(sm26773313) #endregion #areaedit(end) ----
*保留記事 ---- #center{&size(20){''このページでは、マイナーなゲーム作品を取り扱っています。&br;詳しい情報の加筆は大歓迎です。''}} ---- このページでは、内容が極めて薄く[[要強化>要強化記事一覧]]相当ではあるが、マイナーであるため補強を望みにくい小規模の記事を保管している。~ 加筆によって情報が充実し次第、独立して正式なページとなる。 -このページの掲載情報は、成立した「ゲーム記事」とみなされる(下書きではない)。 //単独ページでも合同ページでもないため、「正式な記事である」という表現は避けました。ただし、「(下書きでも執筆依頼でもない、認められた)ゲーム記事である」と表現します。 --基本情報表に表示された判定は有効。よって判定変更の際は、所定の手続きを必要とする。 --他の正式なゲーム記事と同等に扱い、各ゲーム一覧・新着記事にリンクを掲載する。 --加筆・修正は自由。 -このページを利用する条件は、以下の通り。 --判定を確定させる事。 --最低限、ゲームの特徴と総評の分かる文章である事。 --判定に対応する各種意見箱や「記事作成相談スレ」で、''事前に確認を取る事''((知名度やプレイ環境を考慮し、今後ガイドラインに沿った記事作りが期待できるかどうかを検討する。))。 -上の条件を満たし、情報価値とやむを得ない事情が認められた場合のみ、掲載可能となる。 --記事の掲載後は、必ず「新着記事一覧・年代順一覧・判定別一覧」に、通常と同じ形でリンクを作成しなければならない。 //--掲載記事を個別ページに独立させる際は、「記事作成相談スレ」での事前相談を行う。 --掲載記事を個別ページに独立させる際は、「運営議論スレ」にて管理人の承認を得る事。 //管理人判断で独立許可が出されたので記述を差し替え。2017/3/27 ---- #contents_line(level=1,sep= / ,fromhere) ---- #areaedit *Death Race 【です れーす】 |ジャンル|ドットイート|&image(https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/2e/Mus%C3%A9e_M%C3%A9canique_221.JPG,height=160)|&image(http://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/d/d9/DeathRace_arcadeflyer.png,height=160)| |対応機種|アーケード|~|~| |発売元|Exidy|~|~| |稼動開始日|1976年|~|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|~| |ポイント|無差別に人(グレムリン)を轢き殺す&br''恐らくゲーム史上初のグロゲー''&br全米(と日本)で話題になった問題作|~|~| ---- #center{&size(35){''WARNING!!!!!!!''}&br;&size(20){''グロ要素のあるゲームです。''}} ---- **概要 -映画『デスレース2000年』をモチーフにしたゲーム。販売元メーカーは『Chiller』や『[[Circus]]』で有名なExidy。 --題材となった『デスレース2000年』は俳優「シルヴェスター・スタローン」下積み時代の出演作として有名。内容は割愛する。 --但し、「タイトルとコンセプトからモチーフにしているであろう」と想定できるだけであり、ライセンスを取った痕跡は無い。 **特徴・ゲームシステム -入力デバイスはハンドルコントローラーとペダル。 --ハンドルで左右に旋回して、ペダルで主人公となる車を前進。 -画面の上に表示される数字は左が1Pの得点、真ん中が制限時間、右が2Pの得点。 -''制限時間以内に多くの「通行人」を轢き殺す事''がゲームの目的。 --轢いた際にはビープ音((恐らく悲鳴と思われる。尤も、悲鳴には聞こえがたいが…。))が鳴り響き、ボーナスとして制限時間が少しだけ延長される。 --筐体のインストに得点ごとのランクが書かれているが、これはあくまで目安である。 -通行人を轢いた跡には墓ができ、車の通行を阻害する。 --尚、墓は低速で抜けることが可能。 -画面両脇には車両が進入できないエリアがあり、通行人がそこに入ると轢き殺せなくなる。 **評価点 -1976年というゲーム黎明期の作品でありながら、2P同時プレイを実現したこと。 -計画的に行動する等、「考える」必要がある。 --通行人を轢けば轢くほど、後に残る墓で行動を制限される。~ その為、逃げ惑う通行人をある程度誘導しながら、作為的・計画的に轢き殺す必要がある。 **不評点・難点 -ゲーム史最初期という早さで登場した、悪趣味なゲームデザイン。 --グラフィックはモノクロ、白い1P車と灰色の2P車に彷徨う白い棒人間…と見た目の印象はあっさりとしたもので、粗末である。~ 但し、ビデオゲームの黎明期の為、これは仕方が無い。 -逃げ惑う通行人は高速で接近してくる車からは逃げ、停止中の車には近寄る傾向にある。 --そのため、稀なケースだが停車していると次々と通行人が停車中の車に突撃して死んで行き、身動きが取れなくなる事も。 -通行人を轢いた跡には墓が1ヶ所できるが、稀に複数ヶ所同時にできる場合がある。 --これは通行人の復帰場所がランダムな場所に復帰する為に、「通行人を轢いた車からまた通行人が復帰して墓が複数個できる」といった現象が稀に起こるからである。 -通行人の動きがやや予測し辛い。 --通行人が壁に触れると反射するような動きをするが、それに加えランダムに曲がったような動きをするのでやや予測し辛い。 **総評 グロテスク表現に比較的大らかなイメージのあるアメリカでも、本作は議論の的になった。全米安全協会(NSC)からは「病的なゲーム」と言われる事に……。~ そして飛び火する形で日本でも悪い意味で話題になってしまった。 **余談 -本作は多くの州で販売禁止となってしまった。結局市場に出回った台数は4桁に到達していないとされており、伝説的なレアアーケードゲームとなっている。 --ちなみに日本国内でも極少数ではあるが出回っていた記録が残っており、高井商会という企業が現在でも稼働する純正筐体を保有している。 ---日本でも抗議の声が上がり「交通殺人ゲーム」として全国紙で報道されるまでになり、電気用品取締法違反に因る摘発という「別件逮捕」の形で稼働を終えた。 ---この騒動が「ビデオゲームが青少年に悪影響を及ぼす」論の始まりといわれる。 -轢き殺す対象は当初は特に何とも言っておらず、本稿では「通行人」と表記している。 --しかし、ゲーム内容的に問題となった為か、後付けで「グレムリン」と言い出したという話もあるようだ。 **参考リンク #region(プレイ動画) &youtube(http://www.youtube.com/watch?v=aBBtt72aJLA) #endregion #areaedit(end) ---- #areaedit *決死の探検サバイバル ゆけゆけ! 山口君 【けっしのたんさくさばいばる ゆけゆけ やまぐちくん】 |ジャンル|アクション|&image(https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/d8/1a3cc098b6dac48da03be0c107869e31.png,height=170)| |対応機種|アーケード|~| |発売元|タイトー|~| |開発元|金子製作所|~| |稼動開始日|1985年|~| |判定|なし|~| |ポイント|あの番組を(無許可で)ゲーム化?&br()ゲーム自体は割と普通|~| ---- **概要 -1985年にタイトー発売、金子製作所(後のカネコ)開発にてリリースされた縦スクロールアクション。 -当時放送されていたTV番組「水曜スペシャル 川口浩探検シリーズ」([[wikipediaの項目>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E6%9B%9C%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB#.E5.B7.9D.E5.8F.A3.E6.B5.A9.E6.8E.A2.E6.A4.9C.E9.9A.8A.E3.82.B7.E3.83.AA.E3.83.BC.E3.82.BA]])を大きく意識したような内容が特徴。紛らわしいが、''川口浩探検シリーズとは一切関係ないオリジナルタイトル''である。 --ちなみにリリース前のゲームタイトルは「~ゆけゆけ! 川口君」(元カプコン・アリカ社長の西谷亮氏のTwitterで[[チラシの画像:https://twitter.com/nin_arika/status/1452502338086727684]]が公開されている)で、ロケテストやショー出展まで行われていたが、上記の通り''無認可作品なので肖像権等の問題からタイトルを変更せざるをえなくなった''という逸話がある。ちなみに海外版タイトルは『Jungle Survival Go! Go! Mr.Yamaguchi』とほぼそのまんま。 //---「川口浩探検隊」を元ネタとしたものには、嘉門達夫のネタ楽曲「ゆけ!ゆけ!川口浩!!」も存在する((テーマソングなどではなく、川口浩探検隊のあまりにもお粗末なヤラセ(蛇が安い玩具、カメラマンが川口より先行している)にツッコむ内容。尤も水曜スペシャルスタッフもツッコみ承知でやっていたネタ番組だが。))((こちらは当然認可済み。そもそも、氏のパロディは全てネタ元から認可を取っている))。近年ではアニメ「そらのおとしもの」でも採用されている。本作の題名の元ネタだろうか? //当時の人気番組かつ番組終了後もネットの普及で再度ネタになったりと長年ネタにされ続けてる番組なのでパロ自体は多い。一個一個上げる程の事じゃない。 -1~2人交互プレイ可能、全8ステージ構成、ループ制。 //かなり情報が曖昧なので、間違っているかもしれない by執筆者 **主なルール -山口君を操作し、やらせ臭い原住民や野生動物などの攻撃や、不自然なまでに大量に配置された障害物を躱しながらゴール地点を目指すのが目的。 --ひたすらに前方に進めばゴールにたどり着く。なお、このゲームにはボスに該当する敵は一切存在せず、敵を無視してゴールする事も一応可能。 -コントローラーはレバー+2ボタン。ボタンはマイク攻撃((誤植ではなく間違いなくマイク))とジャンプに使用する。 --マイク攻撃は上下左右斜め八方向に投げられ、原住民などの敵を倒せる。又、敵の攻撃も一部は相殺可能。((これで原住民を倒すと、何故か原住民がマイクを手に持って歌うポーズをする))((尚、空中の敵には効果がない))。ジャンプは障害物や落とし穴などを避けるのに使う。共に使用制限は一切ない。 -ときおり登場するタバコやチョコレートやウイスキーを取るとスコアが入手できる。また、稀に飛行機が放置されており、それに乗り込むと飛行が可能(但し即効で墜落するのでほとんど役立たず)。 -画面右下のステージボーナスは時間経過で減少する(初期値は1万点)。ステージクリアするとその時点でのボーナススコアが加算される。 -残機制の途中復活で、すべてミスするとゲームオーバー。ミス条件は「山口君が敵や敵弾に触れる」「罠に触れる」「落とし穴に落ちる」のいずれか。 -ステージ内容は砂漠地帯、森林地帯、洞窟地帯、と三種類のサバイバルなステージ構造なのだが、ゴール地点は何故かレストランで、一部のゴール地点では監督らしき人が山口君を迎えてくれるという演出がある。すなわち、このゲームはサバイバルを組み立てた番組撮影が舞台という設定らしい。 --ちなみに元ネタの「川口浩探検隊」もいわゆる「ドキュメンタリー風のヤラセ演出をしたバラエティ番組」で有名であり、コミックシンガーの嘉門達夫が「ゆけ!ゆけ!川口浩」というパロディソングで当番組のヤラセ演出を思いっきり揶揄している。~ 本作もタイトルやゲーム内容からして当曲の影響を受けている事は想像にかたくない。 ---- **評価点 -ゲーム自体はクセの少ないアクションで安定した作りであるため、意外と普通に遊べる。前半ステージ位なら初見でもクリア可能。 **賛否両論点 //-もうやばい位に川口浩探検シリーズをパロディ化した一作で、番組を知っている人なら公認ゲームと信じてしまいそうな危ない(?)作品である。 //これは大丈夫か? とは思っても、流石に公認ゲームと思う人はいないだろう。公認だったらむしろタイトルは変えないし。 -山口君が何かのアクションを行う度にシュールなボイスが聞ける。ジャンプすると「よいしょ」((しかも、ジャンプ中は無駄に拡大表示されるところもあって余計シュールさが増している。))、敵に触れると「死んだ死んだ死んだ」、穴に落ちると「助けて助けて助けて」など。ゲーム中の妙にゆるい雰囲気も相まって、ボイスの脱力感が半端ない。 **問題点 -当時のACアクションゲームにありがちな難易度曲線であり、後半ステージになると鬼のような難易度に豹変する。 ---- **総評 当時のタイトー製のゲームの中でもマイナーかつ怪しすぎる外見のゲームで、知る人ぞ知るゲームである。~ ゲーム性だけを見るならば至って普通のアクションゲームであるため、パロディがなければ凡百の他のゲームとともに歴史の彼方に忘れ去られていただろう。 #areaedit(end)

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