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*Downwell 【だうんうぇる】 |ジャンル|アクション|&image(https://sce.scene7.com/is/image/playstation/up3643cusa04550_00jpps400000000001_jacket?$pkgS$)| |対応機種|Windows(Steam)&br;プレイステーション4&br;プレイステーション・ヴィータ&br;Nintendo Switch|~| |発売元|【Windows(Steam)/Switch】Devolver Digital&br;【PS4/PSV】GHI Media, LLC (Devolver Digital)|~| |開発元|Moppin|~| |発売日|【Windows(Steam)】2015年10月15日&br;【PS4/PSV】2016年5月26日&br;【Switch】2019年1月31日|~| |定価|【Windows(Steam)】298円&br;【PS4/PSV/Switch】500円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|ひたすら井戸の底へ底へと目指す&br;スピーディなゲーム展開とコンボを繋ぐ快感|~| ---- #contents(fromhere) ---- &br&br #center(){{{ &font(160%){''深淵で待ち受けるものは、希望か、絶望か──''} }}} &br&br ---- **概要 -若い日本の学生であるもっぴん(Moppin)こと麓旺二郎氏が主に一人で開発し、世に出したアクションゲーム。iOS版とWindows(Steam)版が2015年10月15日に発売され、その後Androidや各コンシューマ機に移植された。 --本作は売り上げ、評価ともに高く、Steamでは高評価を受け、製作費は一瞬で回収できたくらい大売れしたという。 **特徴・システム -方向キーの左右、ジャンプ・射撃ボタンの3ボタンで自機を操作。地上にいる時にジャンプ・射撃ボタンを押すとジャンプし、空中にいる時にジャンプ・射撃ボタンを押すと自機が装備している「ガンブーツ」により下方向に射撃する。ガンブーツを撃っている間はゆっくりと下へ落ちる事ができる。 --ガンブーツは撃ち続けていると電池切れを起こし発射する事ができなくなり、一度地面に降りるか、敵やオブジェクトを踏みつけるかしないと回復しない。ただし、デンリョクを上げる事で、発射残数を増やす事が可能。デンリョクは後述するガンモジュールを入手したり、お店でデンリョクの増えるものを買う、またこれも後述するがコンボを繋ぐという事で増える。 -ゲーム内容は井戸を底へ底へと降りていくというもの。踏みつけやガンブーツによるショットを駆使して、敵を蹴散らしながら井戸の最下層を目指す。なお、井戸の構造や敵配置は、ローグライクゲームをようにプレイする毎に変化する。 --ゲームオーバーとなると、コンティニューなどはできずその場で終了。最初からのリトライとなる。そのため、コンティニューの繰り返しなどによるゴリ押しプレイはできないようになっている。 --敵を倒したりオブジェクトを壊したりすると「ジェム」が出現。ジェムは井戸の中にあるお店で買い物をする際に使用する他、ジェムを100個集めると「ジェムハイ状態」となり、射撃の攻撃力と射程が伸びる。ジェムハイ状態は時間が経過すると切れてしまうが、ジェムを取り続けていく事でずっと維持する事が可能。 --ジェムはゲームボーバーになると没収されるが、ゲームを通しての累積入手数は記録されており、これが一定以上に達するごとに、後述する「スタイル」やゲームの見た目を変える事ができる「パレット」が解禁されていく。 -ゲームを開始する際、自機などの特徴の異なる「スタイル」を選ぶ。最初は「いつものスタイル」しか選べないが、先に述べたようにジェムを溜めると、様々なスタイルを選ぶ事ができるようになる。 #region(スタイル一覧) -いつものスタイル --最初から選べる基本となるスタイル。 -ブンブンスタイル --ガンモジュールばかり見つかるスタイル。お店が出にくく、鉱床は出現しない。 -ゴロゴロスタイル --HPが多めのスタイル(他のスタイルではHP4。ゴロゴロスタイルではHP6)。ただしステージクリア後に選べるアップグレード(後述)の選択肢が他のスタイルは3つに対して((サカダチスタイルを除く。))、このスタイルは2つと少ない。 -フワフワスタイル --自機がフワフワとしており、他のスタイルに比べゆっくり下降していく事ができる。 -サカダチスタイル --お店がセール中だが、ステージクリア後のアップグレードが一切出ない、上級者向けのスタイル。 #endregion -井戸の中には横部屋も存在し、ジェムが沢山手に入る「鉱床」、ジェムを払ってHP回復アイテムやデンリョク増加アイテムを買う事ができるお地蔵さまの「店」、そして「ガンモジュール」といったものが存在する。ガンモジュールを入手すると武器が切り替わり、同時にHP回復やデンリョク増加といった恩恵を受ける事ができる。 --武器は種類ごとに消費するデンリョクが違う。大体強力な武器ほど消費するデンリョクが大きい。 #region(ガンモジュール一覧) -MACHINEGUN --一直線に飛ぶ弾を連続で発射。初期装備でもあり、最も基本的な武器である。 -PUNCHER --幅広のショットを連続で発射。MACHINEGUNよりも威力が高いが、その分デンリョクの消費量も多い。 -NOPPY --方向キーで左右にショットを振れる事ができる。広範囲を攻撃できるが、その分扱いはやや難しい。 -BURST --ジャンプ・射撃ボタンを一回押すごとに連弾を発射。ボタン押しっぱなしで武器を撃ちっぱなしにする事ができなく、クセが強くやや扱いが難しい武器。 -SHOTGUN --ジャンプ・射撃ボタンを一回押すごとに散弾を発射。近くで敵を撃った時の威力は高いが、消費デンリョクは大きい。 -LASER --ジャンプ・射撃ボタンを一回押すごとに強力なレーザーを発射。威力が高く射程も長いが、SHOTGUN同様、消費デンリョクは大きい。 #endregion -敵を連続で踏みつけたり、ショットで倒したりすると「コンボ」が発生。コンボは一度地面に降りると途切れるが、敵を踏みつけるとデンリョクが回復するため、これを利用してコンボを繋いでいく事になる。8コンボ以上でジェムが100個増え、15コンボ以上でジェム+100に加えデンリョクが+1、25コンボ以上でジェム+100、デンリョク+1に加えHP回復+1となる。なお、横部屋に入っている間は時間が止まり、地面に足がついてもコンボは途切れない。 -HPが最大の時にHPを回復すると、HPゲージの下にあるゲージが1つ増加、それが4つ貯まると、最大HPが一つ増える。 -ステージをクリアすると、そのインターバルで「アップグレード」を入手できる。アップグレードは複数の選択肢から選び、また何が出てくるかはプレイ毎にランダムである。 #region(アップグレード一覧) |アツアツヤッキョウ|発射される薬莢で敵を攻撃する事ができる。| |あんぜんジェットパック|電池切れの際、空中でジャンプ・射撃ボタンを押す事でゆっくり下降する事ができる。| |カヤクブロック|ステージ中の箱を壊すと上に弾が出る。複数の箱を一気に壊す事も可能。| |ジェムアトラクター|ジェムが自機に寄ってくる。| |ジェムハツデン|ジェムを取るたびにガンブーツが充電される。| |ジェムよい|ジェムハイ状態が長く続くようになる。| |タンマ|ダメージを受けると時間が止まるバリアを作る。バリアから出ると効果は切れる。| |ドローン|ドローンが出現。下方向に援護射撃をしてくれる。| |ナイフとフォーク|敵の死体を沢山食べ続けるとHPが回復する。| |ハートのふうせん|自機の上に風船が付く。敵が触れると爆発する。| |ハードジョウブツ|敵の死体を撃つと爆発する。| |ふんしゃモジュール|敵を踏みつけると爆風をお見舞いする。| |ポンポンジェム|ジェムを取ると上に弾を発射する。| |ミジュク|アップグレードの選択肢が一つ増え、さらにHPが1回復。| |メンバーズカード|お店が必ずステージの最初にくる。また、商品が10%プライスダウン。| |リバースエンジニア|ガンモジュールを撃つと、一度種類を変えられる。| |リンゴ|HPが4回復する。| |レーザーサイト|弾が遠くまで飛ぶようになり、また弾の精度も上がる。| |ロウソク|ダメージを受けた時の無敵時間が長くなる。| |ロケットジャンプ|ジャンプすると爆風が発生する。| #endregion **評価点 -スピーディなゲーム展開とコンボの快感。 --井戸の底へ底へと潜っていくゲーム内容のため、下方向へと素早くゲームが展開する。そこに敵を踏みつける事でコンボが発生し、更にガンブーツで落下速度を軽減しつつ敵を蹴散らし、また敵を踏みつけコンボを伸ばしていく…これを繰り返しコンボを伸ばしていくのは中々の快感である。また、自機の性能がアップするジェムハイ状態は時間経過で切れてしまうため、素早く下に降りつつ敵を倒してジェムを稼ぎコンボを繋いでいくのは攻略上でも有効である。コンボシステムとジェムハイ状態システムが上手く噛み合っている。 --ただし、素早く下へと降りていくのは敵の接触など相応の危険も伴う。なのでコンボをある程度諦める、またはコンボを無視してゆっくり降りていく、というのも十分選択肢に入る。自分の腕前と相談してプレイスタイルを決める事ができる。 -自身の腕前がものをいうゲーム性。 --前述のように井戸の構造はプレイ毎に変化する。もちろん横部屋に置いてあるものも変化し、店の陳列内容も変わる。また、ステージ間のアップグレードもプレイ毎に毎回違ったものが出現する。これらのランダム性により、覚えてクリア、という事はできず、プレイヤーのゲームスキルがものをいうゲーム性となっている。そして、この自分の腕前が試されるゲーム性により、最初は苦戦していても、ゲームに慣れ徐々に腕前を上げていき上手く立ち回る事ができるようになった時、自分の上達を実感できるゲーム内容となっている。 ---また、腕前がものをいうゲーム性ゆえ、ガンモジュールやアップグレードの種類など、どんなに運に見放されようとある程度はカバーできるよう設計されている。 -簡素ながらも印象的かつ分かりやすいグラフィック。パレットの数。 --ゲームのグラフィックは白、黒、赤と限られた色のみで表現されており、簡素ゆえに分かりやすく、そしてプレイヤーに強い印象を与えてくれる。また、この分かりやすさゆえ、白い敵は踏んでも大丈夫な敵、赤い敵やオブジェクトは触れたり踏んだりするとダメージを受ける危険な敵、とプレイヤーが理解しやすい。 --ジェムを溜める事でアンロックされるパレットの数は計38とかなり豊富。何回もゲームをプレイしようというやり込みの原動力になる。中にはゲームボーイ風やバーチャルボーイ風のパレットも。 -ステージの多様さ。最初の特に仕掛けのない「ドウクツ」に始まり、赤い足場を踏むとトゲが飛び出してくる「チカボチ」、水中が舞台となり、定期的に泡をとって酸素を補充しないとダメージを受けてしまう「タイスイソウ」、足場がほぼ無く敵も踏む事のできないものばかりで、空中浮遊しているオブジェクトを踏みつけつつ下へ降りていく「ヘンゴク」など。ヘンゴクステージは難易度は高いが足場が無いゆえ、コンボが伸びやすく慣れればかなり爽快である。 --ステージの多様さに関連して敵の種類も豊富。ステージ毎に違った種類の敵が現れ、それぞれの敵も行動パターンなどの他に、死体を残す、残さない、踏む事ができる、できないといった事でも個性付けがなされている。 -ガンモジュールを取得するとHPが回復したりデンリョクが増えたりと恩恵があるが、そのためには武器をチェンジしなければならない。今現在使っている武器が有用だったり、ガンモジュールが「NOPPY」や「BURST」といったクセの強い武器だった場合、あえてガンモジュールを取らずに進めるというのも十分選択肢に入る。勿論、出てきたガンモジュールを片っ端から取得するプレイスタイルもあり。ガンモジュールの取捨選択により、ゲーム性が深くなるのと同時に、プレイスタイルの多様性にも貢献している。 -ゲームをクリアした際のタイムや、達成したコンボ数は記録される。そのため、タイムアタックなどのやり込み要素が熱い。下に降りていくという分かりやすいゲーム内容もそれを助けている。 **賛否両論点 -高めの難易度。 --ゲームの難易度はやや高め。底の見えない下へ落ちていくというゲームの内容上、敵への接触などの事故も起きやすい。アルゴリズムが嫌らしい敵も複数存在する。 --自機は上方向へ攻撃する手段がほとんどないため、踏み損ねたり撃ち漏らすなどして敵に頭上を取られるとかなり厄介な事になる。こうならないためにも敵をきっちり倒すか、または無視して素早く降りるかという判断が重要になる。 --難易度NORMALでも中々難しいのだが、難易度HARDとなると更に難易度が跳ね上がる。自機の死角となる上方向より現れる目玉型の敵が追加されるドウクツ、NORMALでは踏むとトゲが飛び出る仕掛けだった赤い足場が、一定時間毎に出たり入ったりを繰り返す仕掛けへと変更されているチカボチ、酸素の消費量が多くなり、泡の出現パターンも変わってるタイスイソウ、今までのステージの敵がオールスターで登場するようになるヘンゴクなど、NORMALとは全くの別世界となっている。 -コンボを沢山繋ぎすぎる意味はあまりない事。 --コンボは25以上繋ぐと、ジェム+100、デンリョク+1、HP回復+1なのだが、これ以上コンボを繋いでも何も変わらない。なので、コンボはある程度の所で切っていく方がいい。 --大きなコンボを繋ぐ事にあまり意味がないのはプレイング上ありがたいかもしれないが、ヘンゴクなどではうまく立ち回れば50~100コンボを簡単に繋ぐことができる。このあたりを残念に思うプレイヤーもいるかもしれない。 --ただし、全くの無意味という訳ではない。前述のように最大コンボ数は記録されるし、PS4・PSVでは100コンボを成功させる「ウルトラコンボ」というトロフィーが存在する。 **問題点 -アップグレードの格差。 --ステージをクリアした際に各種アップグレードを選べるのだが、このアップグレードは有用なものとそうでないものの差がやや激しい。腕前がものをいうゲームとはいえ、有用なアップグレードを早期に入手できるか否かで難易度にやや差が出るのも確か。 --最も有用なアップグレードと思われるのが「ナイフとフォーク」。敵の死体を沢山食べるとHPが回復するというもので、これを序盤で手に入れられれば、HPを回復、または最大HPを増やす事ができ、ゲーム展開をかなり有利にする事ができる。 ---ただし、ヘンゴクでは出現する敵やステージの構造上、敵の死体を食べる事は全くもしくはほとんどできないため、一転して役立たずのアップグレードとなる。 --他に、落下速度がゆっくりになる事でコンボを繋ぎやすくなり、また敵への接触などの事故対策にも使える「あんぜんジェットパック」、貴重な上方向への攻撃手段となる「ポンポンジェム」、アップグレードの選択肢が増え更にHPが1回復するという、アップグレードの選択肢が少ない「ゴロゴロスタイル」では特に嬉しい「ミジュク」、お店がステージの最初で必ず出る上10%プライスダウンという、お店が出にくい「ブンブンスタイル」では特に嬉しい「メンバーズカード」などが有用なものとして挙げられる。 --一方、使いどころがかなり限られるであろう「カヤクブロック」、「ナイフとフォーク」との相性が最悪な「ハードジョウブツ」など、あまり有用とは思えないようなアップグレードも存在する。 -最初から使えるスタイル、「いつものスタイル」が実は難しい。 --「いつものスタイル」はクセがなくプレイしやすそうなスタイルに思えるが、突出した所がなく、全体から見れば難しいスタイルとなる。そのため、クリアを目指すなら、ジェムを溜める事でアンロックされる後述のスタイルに切り替えた方が無難だったりする。 ---「ブンブンスタイル」はガンモジュールばかりが見つかるため、一通り全ての武器を扱えるならガンガン自機を強化する事ができる。お店が出づらいという欠点も、「メンバーズカード」を入手すれば解決する。 ---「ゴロゴロスタイル」はHPが多めで、単純に打たれ強くクリアしやすい。アップグレードの選択肢が少ないという問題も、「ミジュク」を入手すればほぼ解決する。 ---「フワフワスタイル」は自機の落下速度が他に比べて遅いため、イージーモードのような感覚でプレイする事が可能。また、落下速度が遅いゆえにコンボも繋ぎやすい。 **総評 -分かりやすいゲーム性と見た目、そしてコンボをはじめとする気持ちのいいゲーム展開。ほぼ一人でこれを作り上げたというのだから、そのセンスと腕前はかなりのものである。やや難易度は高いが、腕に自信があるアクションゲーマーなら、「挑戦」するという姿勢でプレイしてみるのもいいだろう。 -そして、井戸の最下層には一体何が待ち構えているのか…それはその目で確かめもらいたい。 **余談 -本作のショップの店員であるお地蔵さまは、Steam/PS4/Switch/XB1用ソフト『LA-MULANA2』にショップ店員として友情出演している。
*Downwell 【だうんうぇる】 |ジャンル|アクション|CENTER:&image(downwell.jpg,height=160)| |対応機種|Windows(Steam)&br;プレイステーション4&br;プレイステーション・ヴィータ&br;Nintendo Switch|~| |発売元|【Windows(Steam)/Switch】Devolver Digital&br;【PS4/PSV】GHI Media, LLC (Devolver Digital)|~| |開発元|Moppin|~| |発売日|【Windows(Steam)】2015年10月15日&br;【PS4/PSV】2016年5月26日&br;【Switch】2019年1月31日|~| |定価|【Windows(Steam)】298円&br;【PS4/PSV/Switch】500円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|ひたすら井戸の底へ底へと目指す&br;スピーディなゲーム展開故に難易度は高い|~| ---- #contents(fromhere) ---- &br&br #center(){{{ &font(160%){''深淵で待ち受けるものは、希望か、絶望か──''} }}} &br&br ---- **概要 -若い日本の学生であるもっぴん(Moppin)こと麓旺二郎氏が主に一人で開発し、世に出したアクションゲーム。iOS版とWindows(Steam)版が2015年10月15日に発売され、その後Androidや各コンシューマ機に移植された。 --本作は売り上げ、評価ともに高く、Steamでは高評価を受け、製作費は一瞬で回収できたくらい大売れしたという。 **特徴・システム -方向キーの左右、ジャンプ・射撃ボタンの3ボタンで自機を操作。地上にいる時にジャンプ・射撃ボタンを押すとジャンプし、空中にいる時にジャンプ・射撃ボタンを押すと自機が装備している「ガンブーツ」により下方向に射撃する。 --ガンブーツは撃ち続けていると反動によって落下速度を抑えられるが、そのためか弾数となるデンリョクは少なくすぐ切れる。~ デンリョクは一度地面に降りるか、敵やオブジェクトを踏みつけるかで回復するが、アイテム(ガンモジュールを拾う、お店でデンリョクの増えるものを買う)取得や一定以上のコンボを達成する事で最大値が増える。 -ゲーム内容は井戸を底へ底へと降りていくというもの。踏みつけやガンブーツによるショットを駆使して、敵を蹴散らしながら井戸の最下層を目指す。 --ローグライクゲームの体裁をとっており、井戸の構造や敵配置はプレイする毎に変化する。体力が尽きれば即終了で、コンティニューやチェックポイントは一切ない。 --敵を倒したりオブジェクトを壊したりすると「ジェム」が出現。ジェムは井戸の中にあるお店で買い物をする際に使用する。 ジェムを100個集めると「ジェムハイ状態」となり、ショットの攻撃力と射程がアップする。 ジェムハイ状態は時間が経過すると切れてしまうが、ジェムを取る度に残り時間がリセットされるのでずっと維持する事が可能。 --ジェムはゲームオーバーになると没収されるが、ゲームを通しての累積入手数は記録されており、これが一定以上に達するごとに、後述する「スタイル」やゲームの見た目を変える事ができる「パレット」が解禁されていく。 -ゲームを開始する際、自機などの特徴の異なる「スタイル」を選ぶ。最初は「いつものスタイル」しか選べないが、先に述べたようにジェムを溜めると、様々なスタイルを選ぶ事ができるようになる。 #region(スタイル一覧) -いつものスタイル --最初から選べる基本となるスタイル。HP初期値は4、ステージクリア後のアップグレードの選択肢が3つ。 -ブンブンスタイル --横部屋がガンモジュールばかり配置されるスタイル。お店は出にくく、鉱床も一切出現しない。ジェム稼ぎよりも自機育成重視。 -ゴロゴロスタイル --初期HPが+2され、HP6からスタート。ただしアップグレード選択肢が2つに減らされる。 -フワフワスタイル --自機がフワフワとしており、他のスタイルに比べゆっくり下降していく事ができる。 -サカダチスタイル --お店がセール中(30%プライスダウン)だが、ステージクリア後のアップグレードが一切出ない上級者向けのスタイル。 #endregion -井戸の中には横部屋も存在し、ジェムが沢山手に入る「鉱床」、ジェムを払ってHP回復アイテムやデンリョク増加アイテムを買う事ができるお地蔵さまの「店」、そして「ガンモジュール」といったものが存在する。ガンモジュールを入手すると武器が切り替わり、同時にHP1回復もしくはデンリョク2増加の恩恵を受ける事ができる。 --武器は種類ごとに消費するデンリョクが違う。大体単発が強い武器ほど消費するデンリョクが大きく、また連射不可能で滞空がしにくい。 #region(ガンモジュール一覧) -MACHINEGUN(消費デンリョク:1) --初期装備。一直線に飛ぶ弾を真下に連射。ボタンを押し続けると連射し、中時間滞空ができる。 -NOPPY(消費デンリョク:1) --一直線に飛ぶ弾を連射。方向キーで斜め左右に角度を変えられる。MACHINEGUNよりも連射力が高いが、攻撃範囲に癖があり扱いが難しい。 -PUNCHER(消費デンリョク:2) --3発横並びの弾を真下に連射。MACHINEGUNより少し威力が高いが、その分デンリョクの消費量も多い。 -TRIPLE(消費デンリョク:2) --真下と斜め左右の3方向に飛ぶ弾を連射。PUNCHERの弾を分散させたものにあたる。 -BURST(消費デンリョク:3) --一直線に飛ぶ弾をボタン1回ごとに3連射。射程が長く威力も高めだが、デンリョクを消費しやすくやや扱いが難しい。 -LASER(消費デンリョク:4) --画面下まで一瞬で届く強力なレーザーを発射。威力・射程ともに大きいが横の範囲は狭く、消費も激しい。 -SHOTGUN(消費デンリョク:5) --十数発からなる散弾を発射。破壊力に優れるが、消費デンリョクはかなり大きく滞空が難しい。 #endregion -空中で敵を連続して倒すと「コンボ」が発生。コンボは一度地面に降りると途切れるが、敵を踏みつけるとコンボカウントが続きながらデンリョクが回復するため、これを利用してコンボを繋いでいく事になる。 --8コンボ以上でジェムが100個増え、15コンボ以上でデンリョクが+1、''25コンボ以上でさらにHP回復+1''となる。なお、横部屋の気泡に入ると時間が止まり、地面に足がついてもコンボは途切れない。 -HP回復によって上限を上回ったぶんは、HPゲージの下にあるゲージに蓄積される。超過HPが4つ貯まると、最大HPが1つ増える。 -ステージをクリアすると、そのインターバルで「アップグレード」を入手できる。アップグレードは複数の選択肢から選び、また何が出てくるかはプレイ毎にランダムである。 #region(アップグレード一覧) |アツアツヤッキョウ|攻撃すると左右に出る薬莢で敵にダメージを与えられるようになる。| |あんぜんジェットパック|電池切れの際、空中でボタンを長押しするとゆっくり下降する事ができる。| |カヤクブロック|ステージ中の箱を壊すと小さく爆発して上に弾が出る。隣接する複数の箱が誘爆で一気に破壊される。| |ジェムアトラクター|ジェムの回収範囲が広がり、ある程度近づくと自機に寄ってくる。| |ジェムハツデン|ジェムを取るとガンブーツのデンリョクが回復する。| |ジェムよい|ジェムハイ状態が長く続くようになる。| |タンマ|ダメージを受けると時間が止まるバリアを作る。バリアから出ると効果は切れる。| |ドローン|自機の斜め上にドローンが浮かび、下方向に援護射撃をしてくれる。| |ナイフとフォーク|一部敵の死体を取ることができるようになり、何体か取るとHPが回復する。| |ハートのふうせん|自機の上に風船が付く。敵が触れると爆発し、次のステージまでなくなる。| |ハードジョウブツ|敵の死体を撃つと爆発する。| |ふんしゃモジュール|踏みつけ攻撃で下方向に強力な爆風を放つ。| |ポンポンジェム|ジェムを取ると上に弾を発射する。| |ミジュク|取得時点でHPが1回復し、次回以降のアップグレードの選択肢が1つ増える。| |メンバーズカード|お店が必ずステージの最初にくる。また、商品が10%プライスダウン。| |リバースエンジニアリング|ガンモジュールを撃つと、一度だけショットの種類を変えられる。| |リンゴ|取得した時点でHPが4回復する。| |レーザーサイト|弾が遠くまで飛ぶようになり、また弾の精度も上がる。| |ロウソク|ダメージを受けた時の無敵時間が長くなる。| |ロケットジャンプ|ジャンプの高度が少し上がり、また爆風で至近距離を攻撃する。| #endregion **評価点 -スピーディなゲーム展開とコンボの快感。 --井戸の底へ底へと潜っていくゲーム内容のため、下方向へと素早くゲームが展開する。そこに敵を踏みつける事でコンボが発生し、更にガンブーツからのショットで落下速度を軽減しつつ敵を蹴散らし、また敵を踏みつけコンボを伸ばしていく…これを繰り返しコンボを伸ばしていくのは中々の快感である。また、自機の性能がアップするジェムハイ状態は時間経過で切れてしまうため、素早く下に降りつつ敵を倒してジェムを稼ぎコンボを繋いでいくのは攻略上でも有効である。コンボシステムとジェムハイ状態システムが上手く噛み合っている。 --ただし、素早く下へと降りていくのは敵への接触に加え、死角に入る敵が増えるなど相応の危険も伴う。なのでコンボやジェムハイを無視してゆっくり降りていく、というのも十分選択肢に入る。自分の腕前と相談してプレイスタイルを決める事になるだろう。 -自身の腕前がものをいうゲーム性。 --前述のように井戸の構造はプレイ毎に変化する。もちろん横部屋に置いてあるものも変化し、店の陳列内容も多少変わる。また、ステージ間のアップグレードもプレイ毎に毎回違ったものが出現する。 これらのランダム性により、覚えてクリア、という事はできず、プレイヤーのゲームスキルがものをいう、上達を実感させるゲーム性となっている。 ---それ故にガンモジュールやアップグレードの種類など、どんなに運に見放されようとある程度はカバーできるように基本状態が設計されている。 -簡素ながらも印象的かつ分かりやすいグラフィック。 --ゲームのグラフィックは(基本は白、黒、赤の)3色のみで表現されており、簡素ゆえに分かりやすく、そしてプレイヤーに強い印象を与えてくれる。 ---例えば、白い敵は踏んでも大丈夫な敵、赤い敵やオブジェクトは触れたり踏んだりするとダメージを受ける危険な敵、となっており、攻略仕様をプレイヤーが把握しやすい。 --ジェムを溜める事でアンロックされるパレットの数は計38とかなり豊富。何回もゲームをプレイしようというやり込みの原動力になる。中にはゲームボーイ風やバーチャルボーイ風のパレットも。 -ステージの多様さ。最初の特に仕掛けのない「ドウクツ」に始まり、赤い足場を踏むとトゲが飛び出してくる「チカボチ」、水中が舞台となり、定期的に泡をとって酸素を補充しないとダメージを受けてしまう「ダイスイソウ」、足場がほぼ無く敵も踏む事のできないものばかりで、空中浮遊しているオブジェクトを踏みつけつつ下へ降りていく「ヘンゴク」など。特に最後のヘンゴクステージは難易度が高いぶん、ノンストップで敵を撃ちまくりコンボがガンガン繋がる爽快なシューティングエリアになっている。 --ステージの多様さに関連して敵の種類も豊富。ステージ毎に違った種類の敵が現れ、それぞれの敵も行動パターンなどの他に、死体を残す・残さない、踏む事ができる・できないといった事でも個性付けがなされている。 -ガンモジュールを取得するとHPかデンリョクが増える恩恵があるが、そのためには武器をチェンジしなければならない。 --今現在使っている武器が有用だったり、ガンモジュールが「NOPPY」や「BURST」といったクセの強い武器だった場合、あえてガンモジュールを取らずに進めるというのもアリだし、逆に出てきたガンモジュールを片っ端から取得するプレイスタイルもあり。ガンモジュールの取捨選択により、ゲーム性が深くなるのと同時に、プレイスタイルの多様性にも貢献している。 -ゲームをクリアした際のタイムや、達成したコンボ数は記録される。そのため、タイムアタックなどのやり込み要素が熱い。下に降りていくという分かりやすいゲーム内容もそれを助けている。 **賛否両論点 -ゲームの難易度はやや高め。 --底の見えない下に突き進むゲームの内容と、そのゲームスピードの速さのため、敵などへの接触事故がとても起きやすい。アルゴリズムが嫌らしい敵も複数存在する。 --自機は上方向へ攻撃する手段がほとんどないため、踏み損ねたり撃ち漏らすなどして敵に頭上を取られるとそれだけで死にやすい。こうならないためにも敵をきっちり倒すか、または無視して素早く降りるかという判断が重要になる。 --良くも悪くもスタイル選択でも難易度の影響が軽いためこの時点でかなりハードルが高いが、クリア後に追加されるハードモードとなると更に容赦のない配置になる。目玉型の敵が上方向から襲いかかるようになるドウクツ、NORMALと違いトゲが踏まなくても勝手に出たり入ったりを繰り返すようになるチカボチ、酸素が長持ちしにくくなり泡もちまちまとしか出てこないダイスイソウ、今までのステージの敵がオールスターで登場するようになるヘンゴクなど、NORMALとは全くの別世界となっている。 -コンボを沢山繋ぎすぎる意味があまりない事。 --コンボは25以上繋ぐと、ジェム+100、デンリョク+1、HP回復+1なのだが、それ以上コンボを繋いでも何も変わらない。なので、コンボはある程度の所で切っていく方がいい。 --大きなコンボを繋ぐ事にあまり意味がないのはプレイング上ありがたいかもしれないが、終盤ステージはうまく立ち回れば50~100コンボが簡単に繋がってしまう。特にヘンゴクはまともな足場がほぼなくコンボを切るほうが難しいステージになっているため、回復のしにくさという点がより助長される。 --ただし、全くの無意味という訳ではない。前述のように最大コンボ数は記録されるし、100コンボを成功させる「ウルトラコンボ」というトロフィー/実績も存在する。 **問題点 -アップグレードの格差が著しい。 --ステージをクリアした際に各種アップグレードを選べるのだが、このアップグレードは有用なものとそうでないものの差がやや激しい。腕前がものをいうゲームとはいえ、有用なアップグレードを早期に入手できるか否かで難易度に無視できない差が出るのも確か。 --最も有用なアップグレードと思われるのが「ナイフとフォーク」。これを序盤で手に入れられれば、じっくりと敵を倒しながら進むことでかなりHPに余裕ができるため、最大HP増加も得やすくゲーム展開をかなり有利にする事ができる。 ---ただし、ヘンゴクでは敵の死体を食べる事がほぼ全くできないため、前半までに出なければ役立たずとなる。 --他に、落下速度がゆっくりになる事でコンボを繋ぎやすくなり、また敵への接触などの事故対策にも使える「あんぜんジェットパック」、貴重な上方向への攻撃手段となる「ポンポンジェム」、アップグレードの選択肢が増え更にHPが1回復するという、アップグレードの選択肢が少ない「ゴロゴロスタイル」で引きたい「ミジュク」、お店がステージの最初で必ず出る上10%プライスダウンという、お店が出にくい「ブンブンスタイル」では特に嬉しい「メンバーズカード」などが有用なものとして挙げられる。 --一方、有効箇所がNORMALの前半に限られる「カヤクブロック」、「ナイフとフォーク」との相性が最悪な「ハードジョウブツ」など、ハズレに等しいアップグレードも存在する。 -最初から使えるスタイル、「いつものスタイル」が実は難しい。 --補助要素がなにもなく、デメリットがないことが長所になっていないため、全体的には「サカダチスタイル」に次ぐ難しさとなってしまっている。そのため、クリアを目指すなら、ジェムを溜める事でアンロックされる後述のスタイルに切り替えることになる。 しかしそこまでの間にはやたらとパレットばかりが詰まっており、そこまでのでプレイヤーを篩いにかけてしまっている面がある。 ---「ブンブンスタイル」はガンモジュールばかりが見つかるため、一通り全ての武器を扱えるならガンガン自機を強化する事ができる。お店が出づらいという欠点は「メンバーズカード」が引ければ解決するが、ジェムを稼げなくても影響が少ないという長所にもなる。 ---「ゴロゴロスタイル」のHP+2は若干だが序盤の余裕ができる。アップグレードの選択肢が少ないという欠点は「ミジュク」を引けば解決できるが…。実は落下速度が速い、踏んづけても高さが変わらないと言った特性があるので初心者向けではない ---「フワフワスタイル」は自機の落下速度が他に比べて遅く、この手の高速ゲームに不慣れなプレイヤーでも多少マシになる。目立った欠点がなくアップグレードにも左右されにくいが、アンロックまでが遠い。落下速度が遅いので上からの敵に弱い。ハードモードだと上から追ってくる敵が多くなるので、かえって難しくなるかもしれない。 **総評 -分かりやすいゲーム性と見た目、そしてコンボをはじめとする気持ちのいいゲーム展開。ほぼ一人でこれを作り上げたというのだから、そのセンスと腕前はかなりのものである。 -その展開の速さから難易度は高いが、腕に自信があるアクションゲーマーなら「挑戦」するという姿勢でプレイしてみるのもいいだろう。 そして、井戸の最下層には一体何が待ち構えているのか…それをぜひともその目で確かめてもらいたい。 **余談 -本作のショップの店員であるお地蔵さまは、『LA-MULANA2』のPS4/Switch/One版にて、ショップ店員として友情出演している。

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