「サムライスピリッツ!2」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
サムライスピリッツ!2」を以下のとおり復元します。
*サムライスピリッツ!2
【さむらいすぴりっつ! つー】

|ジャンル|対戦格闘アクション|&amazon(B00014AS3E)|
|対応機種|ネオジオポケットカラー(カラー/モノクロ対応)|~|
|メディア|16MbitROMカートリッジ|~|
|発売・開発元|SNK|~|
|発売日|1999年6月10日|~|
|定価|3,800円(税別)|~|
|プレイ人数|1~2人|~|
|廉価版|ベストセレクション:2000年7月20日/2,625円(税込)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|事実上の家庭版『アスラ斬魔伝』&br()斬サムの再来&br()壊帝ユガが操作可能な唯一のサムスピ|~|
|>|>|CENTER:''[[サムライスピリッツシリーズリンク>サムライスピリッツシリーズ]]''|

**概要

ネオジオポケットカラー向けに発売された『サムライスピリッツ』シリーズの第二作目。~
前作は『[[天草降臨>サムライスピリッツ 天草降臨]]』だったが、今作ではポリサムの二作目『SAMURAI SPIRITS 2 アスラ斬魔伝』(通称:アスラ、又はポリサム2。以下アスラ)をベースに、いくつかのオリジナル要素が加えられている。


**登場キャラクター
登場キャラは『アスラ』の全キャラに加え、過去シリーズから柳生十兵衛・シャルロット・黒子が復活……と言いたいところなのだが、容量の都合かはたまた別の理由か『アスラ』からは&bold(){柳生磐馬(やぎゅうはんま)だけがリストラの憂き目に遭っている}。同じ柳生繋がりで十兵衛に出番を譲ったのかもしれない。~
加えて黒子についても単独のキャラクターではなく、修羅は単なるランダムセレクト(修羅・羅刹問わずランダムに変身し、最初のキャラから変化しない)、羅刹は同じくランダムスタートだが直前に倒したキャラに変身(『[[ヴァンパイアセイヴァー]]』でいうシャドウ)という扱いになっている。



**評価点
-キャラの作り込み
--黒子も含めると16キャラ×修羅・羅刹で合計32キャラ。現代から見ても結構なボリュームである。
--各キャラクターのアニメーションも原典を見事に踏襲しており、完成度が高い。
--『アスラ』準拠のため修羅・羅刹で持ち技が大きく異なり、剣質を変えると戦法も変化する。羅刹半蔵のあの複雑な投げコンボが、幾分簡略化されているとはいえ再現されているのは見事。

-快適な操作性
--弱斬り・強斬りの使い分けはボタンを押す長さで調節するタイプだが、この辺りの調整はさすがSNKと言うべきか、まったく違和感がない。
--ボタン一つで空中受身が取れたり、レバー入力で簡単に移動起き上がりができるなど、操作性については非常に良好。

-ストーリーモード完備
--ストーリーモードが存在し、戦うごとにデモ画面が挿入される。
--演出は全キャラでほぼ共通だが、エンディングはきちんと固有。今となっては拝むのが困難な『アスラ』のエンディングが丸々収録されている。

-前作からの改善点
--前作『サムライスピリッツ!』の勝利時には台詞が一切無く、かつての『熱闘シリーズ』を彷彿とさせる勝利ポーズだけ取る構成になっていたが、本作の勝利場面では『キングオブファイターズ R-1』同様に原作の勝利台詞が書かれたテロップが表示されるようになった。
---これにより、前作では実現できなかったナコルルの「大自然のおしおきです!」といったお馴染みの名台詞が、ようやくネオポケでも見られるようになったと言える。
--また、前作のCPU戦では対戦相手の剣質が何故か全て修羅に固定されていた関係で羅刹は実質プレイヤー専用だったが、本作では敵側にも羅刹が登場する様にもなった。

-カード収集によるカスタマイズ要素
--キャラごとに八枚(修羅・羅刹で四枚)ずつ「カード」が存在し、特定の条件を満たすことで入手できる。
--「攻撃力上昇」「防御力上昇」「追加必殺技1」「追加必殺技2」という構成になっており、このうち好きな二枚を選んでキャラセレ画面で装備できる。

-&bold(){壊帝ユガが操作できる}
--サムスピシリーズにおいて現段階で唯一、ポリサムシリーズのラスボスである「壊帝ユガ」が操作可能。キャラセレ画面で黒子にカーソルを合わせ、Bボタンを押したままスティックを3回転させると出現する。
--さすがに性能は大分アレンジされている(原作での使用技の一部のみを修羅・羅刹に割り振っている)が、飛び道具を中心にした派手で豊富な技の数々はまさしく壊帝ユガそのもの。エンディングもきっちり作られている。
--ちなみに、同じくポリサム出身キャラである「八角泰山」(もろすみたいざん)が操作できる家庭用作品も本作のみ。PS2『[[ネオジオバトルコロシアム]]』が出るまでは、アスラもこの作品でしか操作できなかった。
--なお、アーケードでユガと同様にCPU専用だった「巖陀羅」は本作でも登場するものの残念ながらCPU専用のまま。

評価点とは若干異なるが、本作は全体的に攻撃力が高く設定されており、攻撃力上昇カード装備で怒りMAXカウンター強斬りを当てようものなら相手の体力ゲージが丸々一本吹き飛ぶ((本作はRB餓狼やSVC、『天草降臨』のような体力ゲージ二本制である。))こともザラ。このため、ある意味初代の爽快感が戻っているともいえる。


**賛否両論点

-喰らいモーションの変更
--前作における喰らいモーションは「吹き飛ばされてグルグル巻きになる」「空中から押しつぶされてペシャンコ」「燃やされて真っ黒」と残虐だった原作から携帯機への移植に当たってコミカルな物にアレンジされていた。
--しかし、本作では前作で印象的だったこれらの喰らいモーションは全てカットされてしまい、普通の格ゲーの様なモーションに差し替えられてしまった。
--ただ、前作の喰らいモーションの中には「羅刹右京が乱舞系の技を当てると一定確率で男女関係なく服がバラバラに刻まれて一瞬裸になる」というコミカルというよりは%%変態的%%過激な物が存在している点から、次回作である本作ではやむを得ず差し替えたのかも知れない。


**問題点
全体的に携帯ゲームハード故の制約が目立つ。

-グラフィックが地味
--元々派手なグラフィックで押すシリーズではないのだが、これより前にネオポケ向けに発売された『THE KING OF FIGHTERS』や『餓狼伝説』シリーズに比べてキャラのサイズが一回り小さく、地味な印象は拭いきれない。
--ステージの背景もすべて一枚絵のため、戦っていて寂しさを感じることがしばしば。

-キャラに流用がちらほら
--本作のキャラグラフィックの大半は、容量の都合なのか前作の物を流用している。
--原作のウリの一つであった、剣質によってキャラの衣装が大胆に変化するギミックも再現されず、基本的に修羅側に統合されてしまっている。
---そのため、羅刹ナコルルのヘアースタイルや修羅リムルルの衣装等が再現されないどころか、中ボスの反面アスラこと羅刹アスラも修羅のグラフィックに統合された事で台詞の説得力が下がってしまい、登場時に違和感を抱きやすい。
--一応、キャラクターが色分けされているため、違いが全く無いと言う訳でもない。

-迫力の無いBGM
--BGMは各キャラのテーマが元になっているが、どれもこれも全体的に寂しく迫力が無い。
--ナコルルはおなじみの「自然の宴」が収録されているが、音がのっぺりしていて残念なアレンジ。メリハリの利いた『[[頂上決戦最強ファイターズ>頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM]]』版と聴き比べると差は歴然。
--また、前作からの続投組のテーマ曲の大半は前作『サムライスピリッツ!』から丸々流用。
---つまり原作の『アスラ斬魔伝』ではなく『天草降臨』がベースの楽曲構成となっているため、原作のファンが違和感を感じてしまうのは致し方ない。折角新規で書き下ろされたリムルルのテーマも、家庭用ハードで聴けないのが残念である。
---もっとも、同じくネオポケで発売された『キングオブファイターズ R-2』『リアルバウト餓狼伝説 ファーストコンタクト』『最強ファイターズ』では『R-1』のBGMを流用しており、本作だけの問題では無いのだが。
--前作のラウンド毎にBGMが途切れる問題点も続投。

-トレーニングモードの不在
--この時期の格闘ゲームとしてはほぼ標準装備となっていたトレーニング(プラクティス)モードが、本作には何故か存在しない。
--幸いCPUはそれほど強くないので、技の練習ができないということは無いのだが。

-&bold(){お手軽な永久コンボの存在}
--打ち上げ式S・C・S((サムライ・コンビネーション・システムの略。全キャラでルートと効果の固定されたコンビネーションアタック(RB餓狼)のようなもの。))で相手を打ち上げた後背後に回り、ダウン寸前でニュートラル強斬りを当てると&bold(){地上引き込み効果+引き寄せ効果+通常の倍近いのけぞり時間}が得られ、そこから必殺技やS・C・S、キャラによっては&bold(){もう一回強斬りが入ったりする}。当然その強斬りにも引き寄せ効果と長過ぎるのけぞりがあり、最終的には&bold(){強斬りだけで永久}に。これがかなりの数のキャラに装備されているというから笑えない。
--背後に回られると死が待っているというこの構図はまさに[[斬サム>サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣]]そのもの。他の要素が斬サムほど突き抜けていないのが唯一の救いか……。


**総評
見た目の地味さと寂しさ、そして中身を見ると&bold(){お手軽永久が多数のキャラに装備}と踏んだり蹴ったりな作品だが、キャラの作り込みや操作性などは高水準で、携帯機格ゲーとしての及第点は満たしている。~
対戦ツールとしてはハードのマイナーさもあって恐らく機能しないが、それほど強くないCPU相手にコンボや強斬りを叩き込み、キャラごとのカードを集めつつエンディングなどの演出を楽しむと割り切れば、なかなか悪くない作品である。


**余談

-携帯機における単独作品としての侍魂シリーズは本作で最後になった。
--一応、侍魂シリーズは以降の世代における携帯機種でも発売しているが、いずれもオムニバス作品としての一作として収録されたり、作品自体が既存作をまとめたオムニバス作品だったりと新規作品では無い。
-2019年12月12日発売のNintendo Switch版『[[SAMURAI SPIRITS>SAMURAI SPIRITS (2019)]]』の早期購入特典として移植版DLコードが付属した。Switchの画面の中にネオジオポケットが表示され、その画面にゲームが表示される形式で遊べる。
--2020年8月6日には一般配信された。
--内容については本体をエミュレーションしているレベルであり再現度は高い。相違点は以下のとおりで、エミュレーションのエンジン部分については以後の『[[SNK GALS' FIGHTERS]]』『キング・オブ・ファイターズ R-2』でも同様のものとなっている。
---対戦プレーはコントローラー2つ、もしくは携帯モードでの向かい合わせ。
---通信でのカード交換は非対応。
---壊帝ユガの使用コマンドが「黒子にカーソルを合わせてBボタンを押しながら選択」に変更されている。((ただし、ネオジオポケット実機とSwitchではA/Bの並び順が逆。並びを合わせるために設定で「実機A=SwitchのB/実機B=SwitchのA」にした場合は「黒子に合わせてAを押しながらBで決定」となる。))((ネオポケ版はスティックを「正確に」3回転させる必要があり、ここで手間取りやすかった。「黒子にカーソルを合わせてBボタンを押す」というところまでは同じなので原作プレイヤーにも配慮されている。))

復元してよろしいですか?