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スーパーロボット大戦OG外伝」を以下のとおり復元します。
*スーパーロボット大戦OG外伝
【すーぱーろぼっとたいせんおーじーがいでん】
|ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B000TZ7AL8)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売元|バンプレスト|~|
|開発元|バンプレソフト|~|
|発売日|2007年12月27日|~|
|定価|通常版:6,090円 / 限定版:9,240円|~|
|ポイント|ファンディスク寄りの作品&br一部キャラの扱いに賛否両論&br()調整不足な点もチラホラ(ただし、とびっきり悪い訳ではない)|~|
|>|>|CENTER:''[[スーパーロボット大戦シリーズ]]''|
|>|>|CENTER:&color(blue){OGシリーズ}:[[OG1>スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION]] / [[OG2>スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION2]] / [[OGs>スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS]] / &color(black){''OG外伝''} / [[第2次OG>第2次スーパーロボット大戦OG]]|

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#contents(fromhere)
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**概要
過去のスパロボやバンプレスト作品に登場したオリジナルキャラクターが集結したオリジナルジェネレーション(OG)シリーズの一つであり、『[[スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS]]』(以下OGs・前作)の直接の続編。~
内容は『OGs』に収録されたエピソード『OG2.5』シナリオの完結編に加え、カードゲームである『シャッフルバトラー』、自由に戦闘シーンを閲覧できる『フリーバトルモード』を搭載している。~
システムや機体性能自体はほぼ前作からの据え置き。

シナリオ自体は、『OG2』の後日談OVA『THE ANIMATION』の再現や前作では顔見せ程度だった『ザ・グレイトバトルシリーズ』『[[スーパーロボット大戦COMPACT3]]』『[[スーパーロボット大戦R]]』勢、本作で初参戦となる『スーパーロボット大戦Scramble Commander』の敵勢力ソーディアンが話の中核となる。~
尚、前作『OGs』から半年足らずに発売というスパロボでは異例のスピード展開がなされたが、これは『OGs』の発売が大幅に遅れた事が原因と思われる。

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**評価点
-『[[スーパーロボット大戦MX]]』勢のサプライズ参戦。
--スポット参戦ではあるが、『MX』本編で断片的に語られていた前日談である主人公ヒューゴの所属部隊であるクライ・ウルブズ壊滅のエピソードが再現され、『MX』ファンから好評を受けた。
--その他にも、戦闘に参加しないNPCとしてではあるが、『[[第3次スーパーロボット大戦α -終焉の銀河へ-]]』の主人公の一人であるトウマ・カノウもゲスト出演し、彼のエピソードに繋がる伏線を張っていった。

-『COMPACT3』勢の優遇。
--『OGs』での露出の少なさを晴らすかのように、ストーリー上で目立ちまくる。アニメーションもかなり力が入っている。
--因みに味方だけでなくザコの修羅兵の台詞まで拘っており、攻撃を喰らうと&bold(){「死凶星が見えるぅ!」}((『COMPACT3』勢はあの名作漫画『北斗の拳』がモチーフとなっている。大ボスのアルカイドからして「うぬ」という1人称などから元ネタはラオウと思われ、次兄のアルティスは異常に強いが病気持ちという設定がトキと同じ、フォルカは主人公として強くなっていくあたりはまさにケンシロウ。実力はあるが自由を愛するが故に地位を捨てたアリオンは雲のジュウザに似ている。とどめとばかりにマグナスはどう見てもハート様である。))と叫ぶ事を初めとして、誰が相手だろうと、殆どの場合特殊台詞を吐きまくる。フリーバトルで堪能する事をオススメする。

-コミックからの展開。
--派生作品であるコミック『OGクロニクル』から八房龍之助担当のキャラが多数逆輸入された。生物や妖怪のごとき敵が多く、PTとAMに偏重しがちな敵のバリエーションが増えている。
--尚、八房氏は前作からシナリオやカットイン作画担当として参加している。

-出典元の作品で死亡したキャラが、今作では生き残り味方として戦ってくれるという版権スパロボではお馴染みの「スパロボのif」が今作ではふんだんに盛り込まれている。

-一部キャラボイス・BGM、表情パターンの追加。
--前作の時点でネタの宝庫だった「究極!ゲシュペンストキック」使用時のセリフを''無駄に大量新録''。カオスっぷりに更に拍車が掛かっている。
---特に有名なのが前作で着せられた「ガッカリウルフ」の汚名を返上し、「シッカリウルフ」「ヤッタゼウルフ」と名付けられたキョウスケの熱いシャウトだろう。ファン必聴である。
---その他、どう考えても宣伝乙なブリット(というか杉田智和)、なんか明後日の方向へ行ったレオナ、''性別すら超越したリョウト''等、もはや何でもありの無法地帯と化している。
--『COMPACT3』勢のBGMが作りこまれており、原曲の良さを保ちつつ据え置き機レベルに昇華されている。
--タスク、リオ、カーラにも専用BGMが追加。いずれも良曲。
--ほとんどスポット参戦の『MX』勢にすら2曲も新規曲が追加されている。特にアルベロの「Shouting Black」は人気が高い。
--追加BGMは『MX』勢の一部を除きTV版『ジ・インスペクター』のサウンドトラックに収録されている。
-表情パターンも増えており、中でもブリットとリュウセイにはデフォルメ顔が追加されている((OGシリーズで他にデフォルメ顔を持つのはアラドとタスクのみ。『魔装機神』ではマサキやリューネも持つ。意外にもエクセレンはデフォルメ顔を持たない。))。

-フリーバトルの実装。
--『新』のスペシャルディスク以来となるモード。敵味方の機体、パイロット、使用武器、命中や回避など状況を細かく設定して戦闘を視聴できる。改めてこのゲームの膨大な台詞量を実感できるだろう。
--ゲーム中で可能な機体とパイロットの組み合わせはすべて再現できる。ツインユニットで龍虎王×2やR-GUNリヴァーレvsダークブレインといったありえない組み合わせも可能。
---ただしベルゲルミル(ウルズ機)だけは設定不可。

-シャッフルバトラー
--スパロボシリーズにおいて初めてのカードゲーム形式のミニゲーム。
--ルールに慣れると結構楽しく、カードには小ネタも非常に多い((GBA版OG1にあったカイ増殖バグの再現として特殊能力分身を持つカイ搭乗のゲシュペンストMk-II・タイプS、過去に存在した精神コマンドを模したカードなど。))。ただ、バランスはかなり悪く、対人戦が出来ない事もあって飽きやすいのが難点。

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**問題点・賛否点
-『OGs』の点でも触れられているが、難易度は高めでSP回復習得が必須のバランス。強制出撃もかなり多い。
--特にそれが顕著になるのが終盤のボスであるダークブレイン。SP回復を習得しないだけでもかなりの縛りプレイとなる。
---ちなみにそのダークブレインだが、第一形態がHP38万、第二形態がHP58万もある上、共にHP回復(大)の特殊能力を持っているため、第一形態で約10万、第二形態に至っては約20万ものHPを毎ターン回復する。加えて底力Lv9、ガード((気力130以上で発動し、戦闘における最終的な被ダメージが80%になる特殊能力。))を持つため非常に硬い。
---それに加え第二形態になると弾数制限・EN消費無し攻撃力6700のALL攻撃を無尽蔵に放ってくる。回避できなければ撃墜は確実。
---また同ステージで取り巻きとして6体出てくるソーディアンズ・ガードは、HP回復こそないがHP22万とザコ敵の範疇を超えている。ダークブレインさえ倒せばクリアになるステージなので無視してしまってもいいが、熟練度の条件が「ダークブレイン以外の敵を全滅させる」ため、熟練度が欲しい場合は相手にせざるを得ない。
---ただしダークブレイン、ソーディアンズ・ガードは共にダメージを半減する歪曲フィールドは持っておらず、前作に比べ魂((戦闘時に与えるダメージを2.5倍にするツイン精神コマンド。))、覚醒&再動((共に行動回数を増やす精神コマンド。覚醒は自身の行動回数を増やし、再動は行動済みになった他者を未行動状態にする。))持ちが増えているので、SP回復を習得させた上できちんと準備を整えれば撃破するのは前作のシュテルン・ノイレジセイアよりも楽という声も((スパロボにおけるHP回復を持つボス敵相手の大鉄則として「精神ポイントを使い切ってもいいから1ターンで倒しきれ」というものがあるため、プレイ慣れしているプレイヤーならば1ターンで仕留めきれるようにするため。シュテルン・ノイレジセイアは歪曲フィールドのせいで大部分の攻撃のダメージが半減される上、出撃メンバーによっては覚醒・再動の回数が足らずに1ターンで殺しきれない可能性がある。))。
--尤も、この点はOGシリーズを経験したプレイヤーなら何とか受け入れられるレベルではあるが。
---どちらかと言えば「難易度が高い所」よりも(育成の自由度を下げる)「SP回復がほぼ必須な所」が問題点と言える。

-味方ユニットの落差がやや激しい。
--『COMPACT3』の主人公機であるヤルダバオトが原作同様他のユニットよりも一回り以上強い。スタッフ曰く「またパラメータの数値を打ち間違えた」とのことだが、間違いなく確信犯であろう。ある意味では忠実な原作再現であるが……。
--その他にも本作では明らかに他機体より抜きん出たバランスブレイカー((凄まじく燃費が良く高性能な武器を持つ量産型ゲシュペンストMk-II改、パイロットのエースボーナスと合わせて反撃無双が可能なコンパチブルカイザー、龍虎王までの繋ぎと思いきや乗り換え自由の二人乗りで凄まじく使い勝手の良いグルンガスト参式など))が多く、その一方でどうにも使えない機体((大幅弱体化を受けたアーマリオン、パイロット固定のヴァルシオーネなど))も多い。調整不足を伺わせる。

-『R』の敵対者であるデュミナス一行の扱いが(一人を除いて)いまいちよくない。
#region(ネタバレ含む)
--デュミナスはその所業こそ外道なれど、出生の悲劇から自分の存在意義に悩む姿、そして最後に見せた部下への慈愛の精神など悲劇的な一面を持つラスボスとして認知されていたのだが、本作ではそういった一面が殆ど描かれない。
--特に、最後に『自らの復活のため、部下であるティスとラリアーに命を捨てることを強要する』というシーンは、原作での『デュミナスの復活のために自ら進んで命を捨てた部下3人の姿に涙する』という展開を知るプレイヤーからの怒りを買った。((原作のデュミナスも子供思いとはいえ、色々と許されないことをやってはいるが…))
---尚、デスピニスだけは生き残り、最終MAP直前で仲間入りする((『第2次OG』でもラウル達『R』勢と共に登場している。))。
--もっとも、『R』世界のデュミナスとは別人であるという事を匂わせるセリフがあるのであくまで『Rのデュミナスが改悪された』というわけではないと思われる。
---尚、ボスとしての性能は終盤のボスの殆どが標準装備しているHP回復能力を持っていないため、弱ボス扱いされる事に(原作でも弱ボスではあったが)。
#endregion

-やっつけな最終戦
#region(ネタバレ含む)
-ネオ・グランゾンとの戦いがあり、シュウの反乱がきっちり描かれた。『α』と違い魔装機神勢がフェードアウトしてしまうという例は考えにくく、今後『EX』や『第4次』のエピソードを追っていく可能性が示されたことになる((実際、『第2次OG』では『EX』のシナリオが展開された。))。
-が、シリーズの節目となるであろう大イベントながら、前話のダークブレイン戦と比べ明らかに手抜き。ボスとの戦いでは必ずあるはずの戦闘前会話が''全員分ない''。最終話そのもののテキストが非常に少なく、原典である『第3次』の同場面にちょこちょこOGキャラの台詞を挟んだだけ。開発期間の短さが露骨に影を落としている。
-難易度も低く、ダークブレインがHP58万なのに対してこちらはHP39万に申し訳程度の歪曲フィールドを備えているのみ((歪曲フィールドを無力化できないならば一応HP78万相当になるが、今作ではバリア貫通/無効化属性の武器も多いので…。))である。パイロットであるシュウもガードは持っているが底力はない。最強技の威力もダークブレインの方が上と、どっちがラスボスだか分からない状態である。
--一応、魔装機神の詳細を知っている人なら、ネオ・グランゾンが弱い理由も納得いかなくはないが……原作である『第三次』や同エピソードが描かれた『α外伝』でも、それなりに強かったのだが。
---一応、その両者はどちらも隠しボス的扱いで、必ず倒さなければならない本作とは事情が違う。とは言え、前話のボスよりも弱い理由にはならないだろう。
--ついでに取り巻きのヴァルシオン改も、ダークブレインの取り巻きであるソーディアンズ・ガードより弱い。
-しかしながら『縮退砲』の演出は過去最高レベルで、まさに銀河系完全破壊レベルの迫力を持つ。見た事の無い方は一度見てみるといいだろう。
-この反動か、続編となる『第2次OG』、『ダークプリズン』では、グランゾンが最強の味方ユニットとして君臨。特に後者はイベントによってネオ・グランゾンに変貌し、その恐るべき強さを遺憾なく発揮する。その強さは本作とは桁違いで、敵の時は弱く、味方の時は強いという、スパロボにしてはある意味珍しい存在となった。
#endregion

-値段がほぼフルプライスでの販売。
--内容自体は全36話構成となっており妥当とも思えるが、シナリオの大半は前作のものであるため、やはり割に合わない。
---現在では、前作とセットでも3,000円以内でも手に入る事が殆ど。
---オマケもあるので単純にシナリオ量の比だけで論じていいわけではないが。

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**総評
ややシナリオに疑問符のつく点もあり、ボリュームの薄さやバランスの悪さと相まって、評価はあまり高くない。~
しかし、いつものスパロボの一作ではあるため、安心して遊べる。

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