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*機動戦士ガンダム 一年戦争
【きどうせんしがんだむ いちねんせんそう】
|ジャンル|3Dアクションゲーム&br()※メーカー公称:一年戦争体感アクション|&amazon(B00065G7PQ)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|メディア|DVD-ROM 1枚|~|
|発売元|バンダイ|~|
|開発元|ナムコ|~|
|発売日|2005年4月7日 |~|
|定価|6,800円(税別)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|セーブデータ|82KB以上|~|
|レーティング|CERO:全年齢対象|~|
|分類|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|&color(blue){''2005年クソゲーオブザイヤー次点''}&br()大規模な広報活動の割に今までと代わり映えのしない内容&br()値段に見合わない内容の薄さ&br()好みの別れる操作性|~|
|>|>|CENTER:''[[クソゲーオブザイヤー関連作品一覧>KOTYゲーム一覧]]''|
|>|>|CENTER:''[[ガンダムゲームリンク>ガンダムシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
ガンダムシリーズの版権を持つバンダイが商品開発力に定評があるとされるナムコと手を組み、売上100万本以上のミリオンヒット((本作の発表会を締めた「ミリオン!ミリオン!ミリオン!」という掛け声は結果的に悪い意味で語り草となる。))を目指して立ち上げた商品開発プロジェクト、「プロジェクトペガサス」の最初にして最後の作品。~
テレビアニメ『機動戦士ガンダム』の第1話から最終話までを1本のタイトルで追体験出来るのが特徴であった。~
本作品はプロジェクト立ち上げの由来が由来であったために販売元のバンダイも宣伝に非常に力を入れており、また過去の実績としてPS2向けに発売されていたガンダムゲームの売上が50万本を軒並み超えていたこともあり、ユーザーだけでなく、小売店サイドもまたこの作品に期待を寄せていたのだが…。
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**評価点
-美麗なグラフィック
--各機体の3Dグラフィックは、足の裏のバーニアや各部のモールド等、細部に至るまで作り込まれている。~
後の[[クライマックスUC>機動戦士ガンダム クライマックスU.C.]]に決して劣るものではなく、「PS2のガンダム作品の中では最高レベル」と評される事もある。
--ミッション中に特定条件を満たす事で発生する「メモリアルアクション」((端的に言えば原作シーンを再現できるシステム。))もこのグラフィックが後押しして好意的に見ている意見もある。

-レアな隠し機体~
高難易度クリアやメモリアクション収集の特典として、追加機体がいくつか用意されている。~
この追加機体の内容が、ガンダム(ロールアウトVer)・フルアーマーガンダム・ガンキャノン重装型・ジムスナイパーカスタム・ジムライトアーマーとMSV世代をピンポイントで狙ったものになっており、直撃世代からの評価は非常に高い。~
今でこそ多数の機体を使用できる[[ガンダムオンライン>機動戦士ガンダムオンライン]]が存在するが、CS作品という括りでは、今なお本作くらいのものである。

-TV版「機動戦士ガンダム」を題材にした作品~
1stガンダムのゲームは、[[劇場版>機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙]]をベースにしているか、世界観だけを使った[[外伝作品>機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles]]が殆どであった。~
本作はTV版を題材にした数少ない1stガンダム作品であり、やや荒削り/中途半端ではあるものの、これ自体には一定の評価がされている。~
従来作では取り上げられなかった白兵戦や、ホワイトベースの機銃を用いた銃撃戦がある点も、やはり内容は中途半端だがアイデアは秀逸であった。

-演出~
ジャブローで流れる「哀・戦士」等コンセプトからは外れる((「テレビアニメの再現」がコンセプトとして上げられているのだが、「哀・戦士」はテレビアニメを再構築した劇場版で追加されたものであり、厳密にはTVアニメの時には掛かっていない曲である。))ものの、劇場版で評価の高いBGMが流れる点は演出面で非常に好評。~
ソロモン戦で出現するアナベル・ガトーや高難度で出現するパーフェクトジオング等も、ゲーム独自の要素ではあるがやはり嬉しい演出である。

-1/100 マスターグレード~
ゲーム内容と直接の関係は無いが、本作に登場するガンダムを立体化した「MGガンダム Ver.One Year War 0079」が販売されている。~
モデリングを細部に至るまで再現した他、股関節のスライド機構や独立指等の技術が盛り込まれており、当時としては非常に完成度が高く好評を得ている。
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**好みの別れる点
-操作性
--本作は、所謂TPS((Third Person shooter、3人称視点シューティングの略。))等で多く採用されている操作性であり、本作において○ボタンと□ボタンはプレイ中一切使用しない((×ボタンはカメラリセットに、△ボタンは一部機体の追加武装で使用する。ただし主役機体であるガンダムで△ボタンは使用しない。))。~
基本的な操作は、当時の3Dアクションにおいてあまりメインで使用しないであろうL1~L3・R1~R3ボタンにほぼ集約されている。
--TPS/FPS操作は今でこそ一般的な操作性として広く浸透しているが、当時はあまりメジャーなものではなかった。~
結果、(当時の)一般的な3Dアクションの操作性に慣れたプレイヤーからは、かなりの批判意見を受ける事となってしまった((また、このゲームが出る前に可能な限り操作を簡略化しつつもMSを動かして戦う楽しみを十二分に引き出していた『機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン DX』が同じくPS2に発売されていたために、そちらと比較される事もあった。))。
--逆にTPS/FPSに馴染みのあるプレイヤーからは、特にこれといった不満意見は出ていない。~
本作で初めてこの操作に触れたプレイヤーからも、慣れればむしろ良好な操作性であるという評価がされている。
--ちなみに説明書には「操作性は独特だけれども、慣れてください(意訳」と記述されている。

#region(本作における基本操作一覧)
|CENTER:L1ボタン|CENTER:ダッシュ|
|CENTER:L2ボタン|CENTER:ジャンプ|
|CENTER:R1ボタン|CENTER:射撃攻撃|
|CENTER:R2ボタン|CENTER:近接攻撃|
|CENTER:×ボタン|CENTER:視点戻し|
|CENTER:△ボタン|CENTER:第三武装攻撃|
|CENTER:アナログスティック押し込み|CENTER:バルカン|
|CENTER:左スティック|CENTER:移動|
|CENTER:右スティック|CENTER:視点・照準移動|
#endregion

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**問題点
-ボリューム不足~
本作は「めぐりあい宇宙」と違ってアムロ・レイ視点でしかプレイできない他、ジオン側や他キャラクターでのプレイモードも用意されていない。~
ステージ数自体は全28ステージとそれなりに多いが、各ステージのボリュームには長かったり短かったりとばらつきがあり、総プレイ時間はそう長くない。~
シャアやカイ等の視点で見たストーリーも収録してくれれば良かったのだが、上記の通りボリューム不足感は否めない。

-歴代作品と比較して代わり映えのない内容と、中途半端な原作再現。~
本作に限らずキャラゲーにありがちな事だが、一応アニメ本編をなぞってはいるものの、所々端折られていたりするため中途半端。~
原作視聴者なら脳内で補完も可能だが、未視聴者にとっては唐突な展開に感じる。~
白兵戦/銃撃戦もアイデアこそ評価されたが、やはり中途半端だったため、より作り込むか他の要素を入れるかして欲しかったところ。~
また、ソロモンでの階段登りや飛来するメガ粒子砲を回避する場面等は、難易度が高い上に原作再現としても疑問符が付く。

-ロックオンの仕様
--右スティックで敵を索敵してレティクルに敵が収まればロックオン・・・という仕様だが、少しずれただけで解除されてしまう。~
移動はロックオンに左右されず自由に可能で、またオプションでロックオン機能そのものをオフにする事もできる。~
以上の仕様から、「出来の悪いロックオンシステム」というよりは、一般的なTPSに存在する「エイムアシスト」に限り無く近い。
--ちなみに本作はカメラの移動速度が遅い反面、レティクルが一般的なTPS/FPSと比較してかなり広い。~
発射弾にも若干の誘導性があるため、射撃攻撃に関しては一般的なTPS/FPSよりもむしろ当てやすい部類である。

-格闘攻撃の仕様~
格闘攻撃を当てても敵があまり怯まない他、一定数ヒットさせると高確率で反撃してくるため使い勝手がいまいち悪い。~
それに加えて格闘攻撃には誘導性が無いため、TPSというジャンル上どうしても操作しにくく慣れが必要となる。~
ちなみにこの仕様は現在でも安定しておらず、[[アサルトサヴァイブ>ガンダムアサルトサヴァイブ]]に誘導性は無く[[SEED BATTLE DESTINY>機動戦士ガンダムSEED BATTLE DESTINY]]にはある・・・とバラバラである。

-シールドの仕様~
グラフィック上では盾を持っているが、ゲームジャンルの都合上、「盾を構えて敵機の攻撃を防ぐ」というシステムが無い((TPS/FPSは基本的に「移動や障害物で攻撃を回避する」であり、「自身で攻撃を防ぐ」という概念が導入されているTPS/FPSは、当時は勿論現在でもそう多くない。))。~
TPS/FPSとしては至って自然だが、ガンダム作品としてはせめて「正面/左側面からの攻撃を軽減する」くらいは欲しかったところである。
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**総評
平たく言えば「出来そのものは悪くはないが全体的に荒削り」という、良くも悪くもありふれたガンダム作品である。~
しかし、当時あまり一般的ではなかった操作性、大ヒットを目論んだメーカー側の内容と見合わない誇大広告と過剰出荷などの要素からクソゲーとしての評価を固めることとなった。~
ガンダム作品としても3Dアクション全体としてもあまり類を見なかった「TPS」という操作性は、本作のターゲット層には殆ど受け入れられずに反感を買った。~

高売上を狙ったメーカー側が過剰に出荷した事も相まって、市場では発売してすぐに値崩れを起こす結果となってしまった。~
本wikiでは述べないが、開発側の問題発言や、KOTY2005次点を受賞したという事実も、本作の評価に少なからず影響を与えていると思われる。

本作の開発趣旨にあるミリオンヒットを本気で狙っていたのであれば、もっと一般的なシステムを採用し、「一年戦争の決定版」という広告媒体で用いた宣伝文句に違わない相応の作り込みを見せるべきであった。~
しかし、本作では完全にグラフィック以外の内容は中途半端極まりなく、加えて前提としてメジャーではないTPSの知識を持ち、慣れていることを要求するようなシステムを採用したりと、どうにもちぐはぐ感が否めない。~
「過去作のユーザーの反応からこのシステムを採用した」という内容のコラムが公式ページにあるが、実際の反応から見れば完全に読み違えていた、それこそ元より読む気が無かったと言わざるを得ない。~
実際に本作のターゲット層であろうプレイヤーからは「(ニュータイプである)アムロのような戦いを体感したかったのに…」「ガンダムでこんなゲーム(TPSのこと)をしたいわけじゃない」という意見が多い。~
結果として、そんなターゲット層の要求を見事に裏切った本作の仕様に相応の反応・評価が返ってきただけとも言える。

なお、プロジェクトペガサスはその後続報もなく自然消滅する事となったが、本作の評価/売上が関係したかどうかは不明である。~
KOTY2005の総評では「大量出荷したあげく価格大暴落を引き起こし、小売店の何件かを葬り去った」と書かれたが、大量出荷と価格大暴落は紛れもない事実だが、小売店に関しては真偽のほどは定かではない。
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**余談
本作を[[きっかけ>http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0505/02/news047.html]]として、バンダイとナムコは本格的な業務提携を結び、後に「株式会社バンダイナムコホールディングス」が設立される事となった。
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