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キャプテン翼II スーパーストライカー」を以下のとおり復元します。
*キャプテン翼II スーパーストライカー
【きゃぷてんつばさつー すーぱーすとらいかー】
|ジャンル|スポーツ・シミュレーション|&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/41E1Oui%2BcoL.jpg,width=200,http://www.amazon.co.jp/dp/B000068HC3)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|メディア|3MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|テクモ|~|
|発売日|1990年7月20日|~|
|定価|6,900円|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[キャプテン翼ゲームリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1236.html]]''|

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#contents(fromhere)
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**概要
斬新なシステムで高い評価を得た『[[キャプテン翼]]』の続編。~
テクモシアターシリーズ第4弾であり、第1弾の前作に比べて演出面が格段に強化されている。~
((テクモシアターのVol.2、3、5は[[忍者龍剣伝シリーズ>忍者龍剣伝/NINJA GAIDENシリーズ]]))

今作は原作の3年後を舞台としたゲームオリジナルのストーリー。ブラジルに渡った後のサンパウロFCで新たなチームメイトと共にリオカップを戦い抜く大空翼や、冬の全国高校サッカー大会を戦う岬太郎や日向小次郎らの活躍が描かれる。最終的には全日本代表としてワールドユース大会を優勝するのが目的。操作可能なチームはサンパウロFC、南葛高校、全日本の3つ。


**特徴
システムは前作から大幅に進化し、駆け引きの要素がより強まった。

チームデータ関連の操作(前作ではチームデータの閲覧はスタートボタンを押して確認)がコマンド形式に統一された。

継続方式は前作同様のスコアメモ(パスワード)。前作の32文字から、18文字と大幅に短縮された。

***戦術・戦略関連
-フォーメーション、ディフェンスタイプの変更が追加、またスタメン間での選手の変更も行えるようになりサンパウロ編や南葛高校編でもポジションチェンジを行えるようになった。

#region(フォーメーションとディフェンスタイプの詳細)
-フォーメーションの種類(数値はDF/MF/FWの人数を表す)
--4-3-3:最も標準的なフォーメーション。IIIとIVでは『オーソドックス』の名称で採用。両サイドからのセンタリングがしやすいのが強みだが、CFの9番に負担がかかりやすいのが欠点。VSではこのフォーメーションしか存在しない。
--4-4-2:4-3-3よりMFを1人増やした防御寄りのフォーメーション。FWが2人しかいないため両サイドからのセンタリングがやりにくく、彼らの能力が得点力の鍵を握る。続編ではVまで復活していない。
--3-5-2:MFが5人もいるため中盤の層が厚く、集中的なディフェンスや中盤起点の攻めがやりやすい攻撃的なフォーメーション。しかしDFが3人しかいないため、中盤を突破されると脆い。IIIとIVでは『ツートップ』の名称で採用。
--ブラジルタイプ:4-3-3の変形。11番が中盤に下げられ、代わりに10番が中央寄りの前列に配置される。左サイドが空き、状況に応じて他の選手がその位置に入ってくる。10番を攻撃的に使いたいプレイヤー向け。続編ではそのままの名称でIVまで採用された。

-ディフェンスタイプの種類
--ノーマル:DFはペナルティエリア付近で守りを固め、その他の選手はポジションを基準に状況に応じて動く。最も隙が少なく使いやすいが、DF以外が密集しにくくCPU任せだと競り合いが個別突破されやすい。
--プレス:敵選手に密集して、集団でボールを奪いに行く攻撃的なディフェンスタイプ。ドリブル突破を得意とする敵選手がいる場合に有効。しかし素早いパス回しには弱い。
--カウンター:自チームのペナルティエリア付近で守りを固める守備寄りのタイプ。前線や中盤ではあまり積極的に競り合おうとしないため、相手にチャンスを与えやすいのが難点。
#endregion

***ステータス関連
-ステータスの追加と整理が行われた。
--対シュート能力の『ブロック』が追加された。
--空中での競り合いの追加により、高い球と低い球に対する能力設定が追加された。
---攻撃ステータスは『トラップ』『シュート』『パス』『スルー』、防御ステータスは『せりあい』『クリアー』『パスカット』。
--GKは敵選手と直接競り合う際の参照ステータスとして『ドリブルにそなえる』『シュートにそなえる』『とびだす』が追加された。
--前作にあった『マーク』はコマンド廃止によりなくなった。
---続編ではマークは仕様を変更して復活しているため、テクモ版キャプテン翼シリーズでマークがないのは本作のみ。

***試合・コマンド関連
-選手の移動方向及び画面下のレーダーが前作の縦方向から横方向に変更され、GK以外の全ての選手の位置が表示されるようになった。
--敵味方の位置と流れがリアルタイムに、かつ一目で分かるようになった。

-パスがキャラ指定式から位置指定式になり、自由な場所にパスを出せるようになった。
--カーソルがパスを渡したい選手のステータスを映していなくても、選手の近くにパスを出せば自動的に取ってくれる。

-敵がボールを持っているときも味方キャラを一人だけだが自由に動かす事が出来るようになり(他キャラはオート。又、A/Bボタンで操作キャラの切り替えも可能)、ボールを保持してる敵に突入したり固有強キャラを徹底マークしたりする事で相手の攻撃に備えることが出来るようになった。

-ドリブル動作からの新アクション『''ワン・ツーリターン''』が追加。前作で一部の選手のみ使用できたコンビプレイを汎用アクション化したものである。
--ワン・ツーは近くに味方選手がいないと使用できない(必殺技の場合は距離制限なし)。
--近くの選手にパスを回し、蹴り返して貰っている間に前進するコマンド。短時間で距離を詰められるため、残り時間が少ない状態からシュートを狙う時に重宝する。パスキャッチ先が敵チームのペナルティエリア内だった場合は自動的に浮き球になるため、ボールを持っている選手に浮き球を直接供給しやすくなった。
--パスを回すため、カット側の能力参照はパスカットとなる。

-守備側の地上でのコマンド変更
--前作の『マーク』が削除され、シュートに対応する『ブロック』が前作のパスカットから独立して追加された。

-必殺技のバリエーションが大幅に増加した。
--原作の華とも言える必殺シュートの種類が大幅に増加。
--必殺ドリブル、必殺パス、必殺ディフェンス(タックル/パスカット/ブロック)が追加された。
---前作では日向など一部キャラのドリブルが強引なドリブルに変化していたが、本作以降は必殺技として独立した。
--前作のコンビプレイは必殺ワン・ツーとして使用可能。
---必殺技には射程の制限がない。コンビでの必殺技は相方がどこにいても発動できる。
---必殺ドリブルはIIIやIVと比べ消費ガッツがやや高めな代わり、消費1回分で接触した全ての敵選手に発動する。

-シュート時にランダムで『ねじ込み』と『カバー』が発生するようになり、シュートの結果が最後まで読みにくくなった。
--ねじ込みはシュートがゴールポストに当たった時、他の攻撃側の選手が空いたゴールを狙って再度シュートを放つ。ねじ込みはどんな選手が打とうと''必ず成功する''。
--カバーはGKがボールに触れられなかった時、他の防御側の選手がボールをカットしに行く。ゴールが空っぽでもカバーは発生する可能性がある。こちらは失敗したり、吹っ飛ばされることもある。

#region(相手との競り合いについて・長いので収納)
-センタリングを受けた時にも付近の相手との競り合いが発生するようになり、派手な空中戦が再現されるようになった。
--空中の攻撃側の選択肢は『トラップ』『スルー』『パス』『シュート』の4つ。
---トラップ:ボールを受け止め、ドリブル画面に移行する。
---スルー:ボールを取りにいく振りをしてそのまま流し、GKのバランスを崩して能力を低下させるテクニック。ボールはそのまま進行方向に流れていくため、後方に味方選手がいないと敵にカットされたりラインを割ってしまう。原作でも使用された。
---パス:浮き球から直接パスする。浮き球からは必殺パスは使用できない。
---シュート:浮き球から直接シュートする。空中からの必殺シュートもあり、低い球か高い球のどちらかでのみ打てる。どちらの浮き球が必要かは必殺シュートによって決まっており、ボレーシュート系は低い球、ヘディングやオーバーヘッドキック系は高い球で打つのが基本。
--空中の防御側の選択肢は『せりあう』『クリアー』『パスカット』『フォロー』の4つ。ただし、せりあうとクリアーの成功時の実行結果は実質的にほぼ同じ。
---せりあう:ボールを弾いてこぼれ球にする。フォローがなかった場合、誰に拾われるかはランダム。
---クリアー:ボールをキックやヘディングで味方ペナルティエリアから遠ざける。上手く行けば味方に拾って貰えるが、敵にカットされることもある。
---パスカット:パスを狙ってカットする。空中での選択肢で、唯一完全にボールをカットできる可能性がある。ただし成功するかは別。
---フォロー:競り合いに参加せず、こぼれ球が発生した場合に拾いに行く。コマンドの性質上、防御側が2人以上いる時に行わないとほぼ意味がないが、敵との競り合いで吹っ飛ばされるのを防いだり、敵のシュートでGKが抜かれた時にカバーに入ったりと一応メリットはある。

-選手がゴールエリアまで接近すると、GKとの競り合いが発生するようになった。本作では1対1でのGKの能力は通常のキャッチやパンチングより成長速度が低下する傾向にあり、更に必殺技が使用できなくなるためかなり不利になる。
--地上の場合は攻撃側とGKが1対1で対決する。攻撃側はドリブルで抜き去ってからシュートするか、直接シュートでゴールを狙うことができる。攻撃側はパスで直接対決を回避したり、必殺技の使用も可能。GK側はコマンド選択肢が『ドリブルにそなえる』『シュートにそなえる』に限定される。
---ドリブルにそなえる:敵のドリブルを読んでカットに行く。シュートされるとカット率が低下。
---シュートにそなえる:敵のシュートを読んでカットに行く。ドリブルされるとカット率が低下。
--空中でもGKとの競り合いが発生する可能性があり、この場合は近くにいる他の防御側の選手も参加する。空中ではGKの選択肢が『とびだす』『みがまえる』の2種類となる。
---とびだす:GKがゴールエリアから空中へジャンプし、直接カットに向かう。成功すればボールをキャッチして味方にパスできるが、失敗すると大ピンチに陥る。
---みがまえる:ゴールエリアで様子を見る。相手がシュートを打ってから味方がカットできなかった場合、通常のGKコマンド選択画面に移る。GKの競り合いの選択肢では唯一、ゴールが空っぽにならない。
--GKがこれらの条件で『みがまえる』以外を選んだ時にボールをキャッチできなかった場合、''しばらくゴールが空っぽになってしまい、絶好の得点チャンスを与えてしまう''。この状態でシュートを打たれるとGKは一切手を出すことができない。
#endregion

***ルール関連
-反則の要素が追加された。
--防御側が相手と競り合った場合にランダムで発生する可能性があり、起きると一旦試合が中断され、反則を起こした選手の位置によってペナルティの種類が決まる。
#region(ペナルティの詳細)
---間接フリーキック(間接FK):ペナルティエリアより離れたエリアで反則を起こすと発生。反則を受けた選手がパスを行う。実際のサッカーでは主にGKの不正行為に対して与えられるが、このゲームでは異なる。
---直接フリーキック(直接FK):ペナルティエリアの近くで反則を起こすと発生。パスのみでなく、直接シュートを打つことも可能。直接FKでのシュートは左右のどちらを狙って撃つか決めることになり、通常時より威力が上がる。防御側は壁の位置を左右のどちらかに指定して防ぐ。
---ペナルティキック(PK):ペナルティエリア内、またはゴールエリア内で反則を起こすと発生。反則のペナルティでは最も重い。PK戦のようにシュート位置、またはGKの飛ぶ位置を『ひだりスミ』『しょうめん』『みぎスミ』の3つから選ぶ。両者とも必殺技は使用できない。実質的に能力無視の3択となり、攻撃側にとっては絶好の得点チャンス。GK側は選択肢を間違うとポストに当たる以外の回避方法がないため非常に不利。
--イエローカードやレッドカードの概念はないため、反則を何度起こしても退場することはない。
#endregion

-こぼれ球が発生した時に誰もボールを拾えなかった場合、ボールがラインを越えてしまう(割る)ようになった。
#region(アウトオブプレー時の詳細)
--スローイン:ペナルティエリア外でボールがラインを割ると発生。ボールに触れていなかった側の選手が両手でボールのパスを行う。スローインには射程制限がある。
--コーナーキック(CK):ペナルティエリア内で防御側の触れたボールがラインを割ると発生。直接FKと並ぶ得点のチャンス。
---コーナーキックを蹴る選手は自由に指定可能で、パスかシュートを行える。必殺技の使用も可能。直接FK同様、シュート時は威力が上昇する。
---コーナーキックでは味方選手の位置を自由に指定可能。相手が絶対に競り合わない位置があるため、そこに選手を置けばパスで容易に浮き球を与えられる。
--ゴールキック:攻撃側の触れたボールがゴールエリアを割ってしまうと発生。防御側のGKが自動的にパスを行う。
#endregion

-反則やボールのライン割りが起きた場合、状況に応じて時間が経過する(基本的に3分)。
--残り時間が0秒になっても、これらの要素で空費時間が生じた場合はロスタイムが発生するようになった。ホイッスルが鳴るまで油断はできなくなり、同時に逆転のチャンスも残されるようになった。


**評価点
-試合演出、ビジュアルシーンの強化
--ビジュアルパートでは登場キャラクターたちがドラマチックに会話する。ファミコンとしては最高峰の演出力。
--時には試合中にもビジュアルシーンが挿入され、展開を盛り上げる。
--大きなキャラがダイナミックに動く演出は健在。前作よりスピーディに、よりダイナミックに、かつ違和感なく動くように。
---特にスピード感の上昇は凄まじく、前作を上回るどころかシリーズ中でもトップクラスの迫力である。
--「反則」やそれに伴うフリーキック、コーナーキック、空中での競り合いなどの新要素も盛り込まれ、試合のテンションはさらに高まった。
--前作に比べ、敵をふっ飛ばす(ふっ飛ばされる)描写が多くなった。シュートにもよるが、ディフェンダー数人とキーパーをまとめてふっ飛ばし、ゴールネットを突き破ってゴールすることも。
---特に味方キーパーが敵の必殺シュートにふっ飛ばされる光景は、もはや本作を語る上で外せないお約束となっている。「○○くん、ふっとばされた!」という有名なセリフは、本作で頻出する。((たいていの場合は森崎が該当する。))
--条件を満たして隠し合体技「ドライブタイガー」((理由問わず必殺シュートが3回外れると8分の1の確率で使用可能になる、翼の隠し必殺シュート(日向からは発動できない)。))が使用可能になると翼のカットインとセリフ((俺は諦めないぞ!!ゴールを奪えないキーパーなんて、この世にいるはずが無いんだーーーー!!))が入り、ドライブタイガーの使用可能が即座に分かるようになった。
---前作では翼にボールを渡してシュート一覧を開くまで確認不可能だった。
--カットインありの有名選手同士がドリブルとタックルでぶつかり合った場合、互いのカットインとセリフが挿入されるようになり、直接対決の盛り上げに繋がった。
---これによって、原作でこれでもかと言うほど多用されているセリフ「なにィ」の登場頻度も上がった。

-試合中の駆け引きの要素が大幅に増加し、能力値重視のパワーゲームになりがちだった前作よりも戦略の構築が重要になった。
--空中での競り合いの発生、GKとの直接対決、反則、コーナーキックやフリーキック、ロスタイムの追加など、そのあらゆる追加要素が駆け引きの強化に繋がっている。
--得点を狙いに行く手段が大幅に増えた。基本能力が低い選手でも、これらの要素を駆使することでゴールを狙えるようになった。
---敵GKと1対1に持ち込むと普通にゴールを狙うより成功しやすく、こぼれ球にされた場合もゴールが空っぽになるため大きなチャンスが生まれる。
---運が絡んでくるが、敵チームのPA内で反則を誘い、PKを狙うという頭脳的なプレイも可能になった。

-秀逸なオリジナルストーリー
--本作はゲームオリジナルストーリーとなっているのだが、この''ストーリーの評価が極めて高く、「これこそがキャプテン翼の正史だ」という声まである。''
#region(ネタバレあり)
--スーパーストライカー
---本作のテーマであり、該当キャラは後述のコインブラとイベントで語られるジャイロである。ロベルトによると、翼もスーパーストライカーに限りなく近い存在らしい。
---このジャイロが自分の弱点を克服するべく編み出した必殺シュート「サイクロン」を翼が完成させる展開も熱い。
---ちなみにジャイロとはペレ以前に活躍した選手で、未公認記録を含めて1000ゴールもの得点を挙げたストライカーである。ただしヘディングが苦手で、その弱点を克服するためにサイクロンを編み出したという設定。ちなみにテクモ版最終作Vで彼の最期について語られる。彼の後継者はついに現れず、体がボロボロになるまでフィールドに留まり続けたらしい。
--当時の原作でも描かれていなかった「翼vs全日本」や、必殺シュート開眼といった熱い展開がてんこ盛り。
--翼のいない南葛高校が強豪相手にしのぎを削る高校サッカー編も完備。ちなみに所属高校は原作準拠((Jr.ユース編エピローグに進学先として描かれている。))であり、立浪高校には早田だけでなく''中西もいる''所までしっかり再現。
--オリジナルキャラも人気が高い。ドライブシュートが通用しないGK「メオン」、リオカップから登場してライバルとして立ちふさがり、ブラジルユースに所属し、エースクラスの「カルロス」((カルロスは劇場版で先に登場しており、後に原作にも登場するため厳密にはオリジナルキャラではないのだが、本シリーズでは性格などが大分異なっており呼ばれ方も「サンターナ」ではなく「カルロス」になっているなどほぼ別人として描かれている。))。最後の最後に登場し、圧倒的な能力で多くのプレイヤーを苦しめた「コインブラ」((フルネームはアルツール・アンチネス・コインブラ。元ネタはジーコ氏の本名である。))。キーパーマシンの異名を持ち、プレイヤーに強烈なインパクトを与えたブラジルのGK「ゲルティス」。固有グラフィックもセリフも必殺シュートも無いにも関わらず万能な能力を誇り、味方(サンパウロFC)の時はこの上なく頼もしく、敵に回った時は非常に手強い相手となるアルゼンチンの「バビントン」は今もなお愛されている。
---ワールドユース決勝はまさにオールスターvsオールスター((リオカップで戦ってきたキャラクターが一部を除いて総登場するので敵がすべて名前ありの選手で埋まる。敵が全員名前で呼ばれるのはここを除けば翼vs全日本のみ。))。否が応でも盛り上がる。
---選手ではないがサッカー協会の片桐の妹の陽子さんも今作が初登場。ストーリー各所で様々な行動でストーリーに彩りを与えてくれる。なお''彼女のビンタは壁を破壊する程で、テクモ版Vのラスボス「アルシオン」に匹敵する戦闘能力の持ち主''でもある。
---原作の続編はこのシリーズと似ている要素もあり、特に原作続編である『ワールドユース編(以下WY編)』で登場したナトゥレーザやサリナスは、立ち位置や登場演出など、ほとんど本作のコインブラやゲルティスと同一である。ただ、あまりにも似ている((特にサリナスなどは、ゲルティスと容姿までそっくりである。))ためか、「これならコインブラやゲルティスを出して欲しかった」という批判も多い。批判の是非はともかく、ファンからコインブラとゲルティスが愛されているのがわかる((これは版権の問題が関わるので、そんなにホイホイ簡単に出せる物ではないのだろうが))。
--一方でJr.ユース編で戦ったかつての強敵たちも再登場し、全日本の前に立ちふさがる。ディアスやシュナイダーはステータス上昇の能力を持ち、ピエールとナポレオンは新合体技「スライダーキャノン」を新たに習得するなどパワーアップしており、勝つのは容易ではない。
---原作(無印版)の最後に翼はブラジルに渡るのだが、本作はその3年後を舞台としている。後に『WY編』が描かれたので、現在はパラレルワールド的な扱いになっている。しかしこのWY編は批判が多く、以後の漫画の続編(『ROAD TO 2002』『GOLDEN-23』等)も評価が低いため、上のような意見が出る一因となっている((続編が出るまでにテクモ版が7作出たためにそちらの印象が強くなってしまった事と、『WY編』で翼や新キャラクターを引き立たせる為に他の旧キャラの大半が噛ませ犬扱いや出番がほぼなかった事、大コマの連発で物語進行が遅くなったこと、『WY編』以降キャラの等身バランスがおかしくなったこと等が主な原因とされている。))。
#endregion

-秀逸なBGM
--メタルユーキ謹製の勢いのあるBGM。前作ではパッとしなかった一部のBGMもアレンジされて良曲となっており、聞くだけでテンションが上がる。
--サウンドテストが裏技として用意されているため、曲も自由に聞き放題である。

-原作の持ち味とも言えるトンデモ必殺技や演出の数々。
--原作はジャンプマンガならではの「そんなバカな」という世界観とリアルサッカーのバランスが絶妙な作品だったが、その後を描いたゲームオリジナルシナリオの本作は、さらにありえない技や演出が多く登場する。
---分身ドリブル、分身セーブ、消えるフェイント、消えるシュートのマッハシュート((ただし、これは実際に存在するシュートでもある。))と何でもありの世界になっている。
---ローリングセーブという高速で体が回っていてかえって取りづらいのでは?という技がある。もっともキーパーの必殺セービングは全シリーズ突っ込みどころありすぎな技が多い。ラストのブラジルのキーパー、ゲルティスの必殺セービング「ダークイリュージョン」は''謎の暗黒空間を移動してボールをキャッチする''というもので、もはや原理の説明ができない。
---本作から登場し、後のシリーズにもずっと継承される岬の「ジャンピングボレー」はプレイヤーに「何が違うのか?」とツッコまれていた((必殺技でない普通のボレーシュートも、ジャンプしてボレーシュートという動作はキッチリと行っているため。))。同じ理由で三杉の「ハイパーオーバーヘッド」も何がハイパーなのかよく分からない。
---ランピオンの「ロケットヘッド」、ディウセウの「キャノンヘッド」など、''必殺ヘディングがやけに強力''。特に対アルゼンチン戦におけるサトルステギの「ダイナマイトヘッド」は異常な威力を誇り、競り合いやブロックにきたDF陣やGKを全て吹っ飛ばした上でゴールネットを突き破る程。
---ボールを持った敵を立花兄弟二人で囲んだ際には''二人立て続けにスカイラブディフェンスを放つ''ことも可能である。
--コーナーキックの際に直接シュートをうつ事も可能だが、条件を満たした翼をキッカーに選ぶと''コーナーキックであるにもかかわらず日向と共にドライブタイガーを放つ''事ができる。当たり前だが実際のサッカーのルールでは反則である。
--必殺シュートを放つ際にアナウンサー(チャーリー高橋)は基本的に設定された必殺技名をそのまま読み上げる為、次藤が「さの(佐野)とのコンビプレイ」を放つと「じとうくんの さのとのコンビプレイ!」と''佐野だけ呼び捨てにされる''。ついでに言えば次藤が蹴る段階ですでに「佐野とのコンビプレイ」だと言われてしまっている。

-スコアメモが前作より大幅に短縮され、入力が楽になった。
--FCや初期のPCエンジンではパスワードが長いために写し間違えたり、入力が苦痛になって遊ぶのを止めてしまうプレイヤーが発生するゲームも少なくなかった。前作も極端に長いわけではなかったが手間がかかったため、継続が楽になったのは嬉しい点。
--スコアメモ短縮のために経験値を共有する選手が多く、一部の選手は新しいチームになると経験値が無駄になる。ただし普通にプレイしている限り全体のレベルは平均的に上がっていくため、大きな問題になることはない。
--バッテリーバックアップ方式を採用していないことは、FC時代のゲームの発売から長い年月が経過した現在では、ROMカセット内蔵の電池交換の手間が必要ないという利点にもなっている。


**賛否両論点
-ゲームシステムの不備を付くことでバランスを崩す技が多い。
--ただ、これらの技のおかげで低レベルクリアや控え選手のみでクリアといったやり込みを行いやすくする、プレイヤーの笑いを誘うといった面もあるので一概に批判できるものではないが…

-センタリング時に高低が選択できない
--サンパウロ編でドライブオーバーヘッドを打ちたいのに低いパス、南葛高校編で隼ボレーが打ちたいのに高いパスがくる、といった事態がおこる。
---一応、ランダム性のお陰で強力な空中技を持つ敵キャラが適応するパスが来ない為に必殺技を撃てず対処可能になる事もあるので、一概に短所とも言い切れない。
---また、岬のように高いパスはオーバーヘッド、低いパスはジャンピングボレーと言うように高低両方で個人で撃てる空中技を持つ、立花兄弟のスカイラブ技のように高低を問わず撃てる技を持つキャラの強さを引き立たせると言った面もある。
---Vでようやくセンタリング時に''「たかいパス」「ひくいパス」''が選べるようになった。ただキャラクターによっては「高い(低い)ボールのみ強い」と言った選手もおり、自由に高低のパスを撃てるとそういう面での駆け引きが消えてしまう。

-''スルーの成功率が異常に高く、能力差が明らかに不利でも成功することが多々ある''。
--スルーの使いようで本作の難易度が大きく変わってくるほど。特に''GKが接触時に飛び出してきた場合、ほぼ確実にゴールが空っぽになる''。
---GKが身構えていた場合でも、バランスを崩して能力が低下するためやはり得点のチャンスになる。
--これらの調整により能力が低い選手でもゴールを奪えるチャンスがあるため、一概に欠点とは言い切れない。また本作は対戦モードの採用を前提にバランスが調整された以後の作品と違って、一人用である点も考慮するべきだろう。
--VS以降は成功率が他のコマンドと大差なくなったり、バランスを崩した時の能力低下が緩和されるなど弱体化した。

-必殺シュートを打つより、ドリブルで敵GKを抜いてゴールした方が消費ガッツが少ない。
--敵GKをドリブルで抜いた場合、その後のシュートはガッツを消費しない。
--ただ敵DFの妨害も激しく、GKと1対1に持ち込むこと自体簡単ではない。また本作では必殺ドリブルの消費ガッツもあまり低いとは言えないので、それまでの立ち回りでガッツを節約しないと合計でのガッツ消費が大差なくなったり、かえって大きくなることもある。
--必殺シュートとドリブルのコストパフォーマンス差が顕著になったのはIIIとIV。

-オフサイドが無い。
--この仕様は前作にも該当するが、今作はパスの自由度が大幅に増した為オフサイドルールが存在しない事がより目立つ事となった。
---特に一旦ポジションを自由に変えられるフリーキック時には数人を相手ゴール手前に配置し、相手のコーナーキックをクリアー後に超ロングパスをして一気に有利になるという展開になる事もある。((もっとも相手チームはガッツが無限大で必殺技を使い放題という事を考えれば、コレぐらいは許されるという意見もある。))
--原作ではこのルールを使用したオフサイドトラップが用いられる事が多かったために原作を知る人にとってはやや不満が残る仕様であった。
---ただし、オフサイドが実装されたVではオフサイドトラップの悪用で簡単に勝てるようになっていたのである意味妥当な調整であるとも言える((オマケにシナリオの主観が「チームプレイの大切さ」だった為に「チームプレイを心がけパスも頻繁に出す」キャラよりも「個人技主体でチームメイト無視の問題児」の方が(大抵能力が高くオフサイドトラップ戦法も逆効果となりやすいので)厄介という珍事態も多発した。あろう事かラスボス戦もこの流れ(「個人技主体のチーム」→「個人技主体に疑問視しチームプレイで戦う」)である。))。

-鳥カゴ((得点を挙げたら延々パス回しをして攻めない行為。原作にも登場。))や時間稼ぎができてしまう。
--今作はパスの自由度が大幅に増した為、先述のオフサイドが無い事を利用すれば、自軍がリードしてボールをカットした時点で勝利が確定してしまう。他にもフリーキック時に数人を味方ゴール手前に配置し、コーナーキックから超バックパスをして一気に大量の時間を稼ぐといった行動もできる。
--実際の試合なら審判から警告を受けたり、観客からの大ブーイングは必至だが、このゲームにはそんなものはない。''「お前らトリカゴ好きか?」''
---一例として挙げられるのは西ドイツ戦。こちらがリードすると同時にイベントが発動、シュナイダーが怒ってパワーアップしてくるため、ボールを渡してしまうと失点の可能性が非常に高くなる(リードした時のシュナイダーのシュートはペナルティエリア外はもちろんセンターサークル付近からでも決まる)。西ドイツのキーパーはミューラーということもあり、まともに点の取り合いをしたらガッツがもたない。こういった試合では、勝つためのテクニックとして使わざるを得ない面も…。
--もっともゲーム後半になると敵が非常に強くなるため、リードして相手からボールを奪う事や敵をかいくぐってパスを回すのも難しくなっていく。鳥カゴ乱用で勝ち進もうものならレベルも碌に上がらないのでますます辛くなる。
---レベルが低ければそもそもシュートを打ち込む隙すら滅多に作り出せない。ゴリ押しで必殺技を打ち込んでもモブにすら止められ、こちらの守備は通用せずにあっという間に点差をつけられてしまう。

-''ディフェンスに定評のあるゴールポスト''
--様々なテクニックを駆使して敵の守備をかいくぐっても、ランダムでゴールポストに当たってシュート失敗が多発する。
---一応、ポストに当たりやすい位置というものが設定されており、上手くコースを変えればポスト直撃の可能性を減らせるがそれでも頻繁にポストに当たることが多い。
---ポストに当たるのはレベルや能力等は一切無視で発生するために幾多のプレイヤーを窮地から救い、絶望へ追いやったりしてきた。また、複数の選手を吹き飛ばすほどに威力の高いシュートが直撃してもボールを破裂させるだけでポスト自体は無傷という恐るべき耐久性からキャプ翼のプレイヤーの中にはゴールポストを''「S・G・G・P(スーパー・グレード・ゴール・ポスト)」''、''「ポスト神」''と言った名称で崇めるプレイヤーもいるとか…
---実際一部の攻略本では「味方のキーパーでは''止めるのは無理だからせめてポストに当たるよう祈ろう''。」などと言う身も蓋もないセリフも…
--ただし本作からは、ポストに当たった場合でもねじ込みが発生する可能性がある。本作では''ねじ込みの成功率が100%''であるため、これが発生するとポストは全く機能しなくなる。

-反則の発生率が高く、ペナルティも薄い。
--こちらが能力的に勝っていて、敵をドリブルで悠々と抜こうとしても、反則で止められることが多い。特に必殺シュートを反則で止められると、必殺シュートが打てないままガッツを消費してしまうのが痛い。逆に味方が反則をすることも多く、このゲームには退場が無いので、強力な敵は反則狙いでムリヤリ止めるのがセオリーになってしまっている。
---これを悪用して、敵選手を反則で止めて時間を稼ぐ(反則時に3分経過する)ことも可能。
---なお反則は能力差が多かったり、ブロックやタックル実行時に発生しやすいようだ。''「サッカーは格闘技だ!」''とは日向の名言ではあるが…
//「~はずだぜ」は若林の言葉


**問題点
致命的というわけではないが、やはりどうしても気になってしまう部分はある。

-負け越し前提のゲームバランスは相変わらず
--ただし今作は上記の反則の活用とスルー等のシステム追加により、レベルが低くてもある程度はカバーできる。

-再戦時の仕様
--''イベント等はフラグを満たした状態で始まる''為、グレミオ戦(ドライブオーバヘッド習得+1得点)と武蔵戦(後半から三杉加入)、そして最後のブラジル戦(後半からコインブラ加入)の再戦はかなり難易度が上がってしまう。

-コーナーキックや直接フリーキックからのシュートが使いにくい。
--この時は通常時よりシュートの威力が2割増しになるが、本作では敵がボールに接触して勢いを弱められたりカットされることが多いため、結果としてGKに届いても通常時と威力が大差なくなると言うケースが多い。
--III以降の作品では能力差が大きいとボールへの接触が非常に難しくなるように変更され、この問題は解消された。ただしその分防御に回った場合のシュート阻止が困難になった。

-味方陣営の自由度が低い
--サンパウロFC、南葛高校は''控えメンバーがいない''ためスタメンは完全固定、ポジションとフォーメーションをいじるくらいしかできない。
--全日本は最初からフルメンバーで固定されているためにポジションや戦い方を確立できると、あとはレベル上げのゴリ押しで勝ててしまう。選手間の能力差を埋める手段もない(時代を考慮すると仕方がないとは言え)ため、やりこみでもない限り控え陣(連続出場出来ないが能力の高い三杉と、必殺セーブ目当てでの若島津以外)はほぼ出番なし。
---敵チームの能力もレギュラーメンバーたちの能力に対して調整されているため、控え陣では全日本編最初の相手「シリア」にすら勝つのが難しい。原作での控えメンバーの描写を見る限り、間違った扱いとは言えないが。
---ただし今作はレギュラーの制限がないため、やろうと思えば特定の選手をFWにして攻撃させたり、控えメンバーのみでWYを勝ち抜くことも(かなり困難だが)可能。

-若林の弱体化
--前作で見せた圧倒的な強さは無く、敵チームの必殺シュートの前ではあっさりゴールを割られる事も多々ある。
---更に追い討ちをかけるように、試合活躍経験値の低さもあってレギュラー中一番レベルが低いなんてこともザラである。
---ただし能力と成長は良く、クリティカルセーブの「とめる!」が頻繁に発生するため、正ゴールキーパーの座は揺らぐことは無い。前作での強さはラストの西ドイツ戦のみの参戦だったためで、全日本編で始めから使用可能な今作では調整が加えられた可能性がある。実際、殆どのシュートを止められる様では緊張感に欠けるだろうし……。
--VSでは更に弱体化が進み、外伝扱いの『VS』(GB版)では''対抗戦で石崎の「顔面ボレー」で失点し、明和戦で日向の「普通のシュート」すら止められないこともあるほどの弱さ''と''若島津の異常ともいえる強化と必殺セービング多数追加''で、『III』ではクリティカルセーブ率の低下と''若島津の能力が若林と大差が無く、必殺セービングを所持''している為、面目はおろか正ゴールキーパーの座すら危うくなっていく((VSについては本編だけのことで、パスワードで遊べる対CPUモードでの日本jr.においては、若島津を大幅に超える(森崎を1として、若島津1.2・若林2くらいの)能力に設定されている。なぜ本編と対戦モードでこのように大幅な能力差があるのかは謎。))。その反動か『IV』以降はペナルティエリア外シュートへの強力な補正が追加され、大幅に強化された。

-前作同様、''敵のみガッツが無限''と言う理不尽な仕様。
--コンビプレイ技を使う敵選手がいる秋田商工戦、全日本戦、フランス戦では多くのプレイヤーが苦しんだ。どこでも使える必殺ワンツーでこちらの守りを易々と突破してくる上に、ゴール前だとそのまま浮き球パスになって合体必殺技を放ってくるからである。それが使い放題だというのだからたまったものではない。中でも立花政夫&和夫の立花兄弟は必殺ディフェンスも充実しており、全く同じ能力の選手が二人いるためにボールが渡る可能性が高く、更に秋田商工と全日本で2回戦うことになるため非常に厄介。
---特に高校全国大会編の初戦である国見学院戦と秋田商工戦を延々と行ったり来たりさせられるプレイヤーが続出した。南葛のDF陣が頼りない上、GKが最弱クラスの森崎と言う点も拍車をかけている。
--日向・沢田・反町・若島津のいる東邦戦も例によって難関。吹っ飛ばされるとガッツが減ってしまうため、日向のような吹っ飛ばし技の多い敵が相手だと非常に手を出しにくい。若島津は三角飛びがあるために対策なしで必殺シュートを打つと防がれてしまうことが多く、スルーでバランスを崩したり、1対1で対決すると言った工夫が必要。
--この仕様はテクモ版最終作のVで修正されるまで継続された。
---ただし完全に調整無視ではないようで、必殺技持ちのキャラクターは関連パラメーターが低く設定されていたり、モブしかいないチームは全体的に能力が高い、と言う様にある程度メリハリをつけている。

-試合経験値にバグがある
--''フラメンゴ戦、東邦学園戦、日本戦では経験値が一切入らない。''負けた場合1試合前に戻るためにはまる事は無いが、経験値稼ぎが若干面倒。
--''フランス戦以降の試合活躍経験値が異常に低くなる。''これは試合活躍経験値がオーバーフローを起こしてしまうためで、勝った時と負け越した時の経験値はそのまま。
---''試合活躍経験値''は翼・岬・日向(得点、ゲームメイクをするキャラ)と他のキャラとのレベル差が開く事から見てもかなり大きいが、バグのため決勝トーナメントはレベル上げがしづらくなっている。
---効率よく稼ぐ場合イングランド戦⇔ソビエト戦(わざと負ける)を何周も行って経験値を稼ぐほうが良い(ブラジル戦(負け越し時)の3倍は軽く入る為)。

-脇役である監督達の言動や采配が、突っ込みを入れたくなるほど理解不能。以下に軽くあげてみると…
#region(ネタバレあり)
-ロベルトのブラジルチームでの采配
--台詞や行動内容が''ブラジルチームを翼の成長の為の踏み台''にしているとしか思えない。
---大会中に翼にメッセージ(ただしかなり曖昧な物)を伝えたり、前述のスーパーストライカー・コインブラを試合後半に登場させる。これらのイベント自体は演出もあいまって名イベントといっても良いのだが、メッセージを送るのは明らかに利敵行為であるし、コインブラは存在を伏せられていたらしく、''チーム内で彼を知っているのはリオカップで面識があったカルロスただ一人のみ((しかもリオカップ中に会話しただけでコインブラがサッカー選手だとカルロスが気づくような描写はない。))。''どう考えてもチームメイトと連携が取れない((実際、殆どパスを出さずドリブルで切り込み、マッハシュートを打つだけ。 ただし能力は最高レベルかつ倍速ドリブルなので味方にパスする必要がないともいえるが。))。
---本気で勝つつもりなら少なくとも事前に試合で出すか、練習に参加させる等してチームとの連携をはかろうとするはず。次回作以降((今作でも再試合時にはフル出場してくる))でも問題なくフルタイム出場していることから決して不可能ではないと思うが……。
---ユース編ではサングラスをかけ「ブラジルチーム監督」としての態度・雰囲気も一応は漂わせていたのだが、全日本が勝利すると試合終了''直後''であるにもかかわらず翼の元にやってきて祝いの言葉をかけたり教えを説いたりする。サングラスも外してすっかり「師」としてのロベルトに戻っており、変わり身が速すぎると言わざるを得ない。自分のチームの選手を放ったらかしで敵チームの教え子の元へ向かう監督を見てブラジルチームの選手達はどう思うのだろうか…。
-全日本ユースの監督である見上
--ポーランドには倍速ドリブルのFW「マッハー」や前述のローリングセーブを使うGK「ジャイッチ」が、ソビエトには分身セービングを使うGK「ラシン」がいて当然要注意選手なのだが、肝心のミーティングにおいて全く触れられていない。原作の設定で''見上は元GK''のはずなのに相手チームのGKに関心が薄いのは如何なものか。
--イタリア戦では「GK・ヘルナンデスは全日本打倒に闘志を燃やしている。ゴールを奪うのは難しいが頑張ってくれ。」と''全くアドバイスになってない''事を言う。欲しい情報は、''「どうしたらゴールを奪えるのか」''なのだが。~
しかもイタリアユースチームには前述のランピオンが加わって攻撃力を得たのだが''これも全く触れられていない''。
--準決勝の西ドイツ戦、決勝のブラジル戦に至ってはそれぞれ若林・翼が代わりに話すという体たらく。これは原作(JY編)の西ドイツ戦とほぼ同じ展開である((尤もこの作品は選手主体で進んでいく為に、まともな采配をしている監督は少ない。原作当初は高慢な部分が目立ち、得点されただけでヘタレた若林を叱咤して立ち直らせ、ドイツへ共に留学させて成長させた見上はまだマシな方である。))。
#endregion

-扱いの悪いウルグアイチームとビクトリーノ
#region(ネタバレあり)
--一応オリジナルキャラのダ・シルバが追加されて戦力は増しているのだが、対戦するチームがジャパンカップのサンパウロFCのみである。イベント等も皆無、しかもストーリー展開上サンパウロに敗北するために''クラブチームにも勝てないナショナルチーム''と言うレッテルが貼られる。
--そして今作のメインシナリオとなるワールドユースでは予選でアルゼンチンに敗北する。''そのイベントはディアスがドライブシュートを放って得点するシーンのみの描写でビクトリーノ自身は一切関与しない。''原作でフランスと戦って敗北したイングランドは予選で日本と戦うので明らかに扱いが悪すぎる。
---一応、次回作からは選手が強化されたり、イベント((ヘタレ化した日向を吹っ飛ばすという噛ませポジションだが))があったりするので、最終作でリストラされたイングランドのメンバーよりはマシな方だが・・・
#endregion

**総評
前作から大幅に強化された演出と秀逸なストーリー展開から、''シリーズ最高傑作''と讃えられることも多い作品。
システム上の不備や粗もあるが、それらによる珍事態が試合展開を盛り上げたり、低レベル攻略時に役立つテクニックとして有効に活かせると言った長所として見られることも多い。この面も最高傑作と呼ばれる由縁。

**その他
-スコアメモには「べじいた」「もてるつば さ」などの定型パスワードも存在。
-リオカップ編のサントス戦のミーティング時にザガロの必殺技『ダブルイール』に関して、ロベルトの「ちなみに イールとは ウナギのことだ カバヤキにすると うまいぞ。」という論点がずれた台詞はユーザーを爆笑させ本作屈指の迷セリフとなっている。
-時代が大らかだったのか、戦うチームの中に''きたちょうせん''が普通に出ている。モブ選手のみで構成され、これと言った特徴はない。
-このゲームシステムを元にした「シネマティックサッカー」が同じくテクモから携帯アプリとしてリリースされている。(テクモによる紹介文「某家庭用サッカーゲームで人気を博したシステムを採用」の”某家庭用サッカーゲーム”とはまさしく本作のことである。)

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