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銃声とダイヤモンド」を以下のとおり復元します。
*銃声とダイヤモンド
【じゅうせいとだいやもんど】
|ジャンル|交渉アドベンチャーノベル|#amazon(B001H9NV4K)|
|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|
|発売・開発元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~|
|発売日|2009年6月18日|~|
|定価|UMD版:4,980円&br()DL版:3,800円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
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#contents(fromhere)
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**ストーリー
>近未来、東京。&br()
人質立てこもり事件や誘拐事件などの急増する凶悪犯罪への対応で&br()
苦慮していた警視庁は民間の交渉人を登用するという英断を下す。&br()
&br()
警視庁刑事部捜査第一課交渉準備室。''通称「ゼロ課」。''&br()
やがて、始動したゼロ課は一発の銃声をきっかけに大きな犯罪の渦に&br()
否がおうにも巻き込まれていく……。

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**概要
-プレイヤーは交渉人・鬼塚陽一となり様々な事件に挑む交渉アドベンチャーゲーム。
-『[[弟切草]]』『[[かまいたちの夜]]』『[[街]]』などを手掛けた麻野一哉氏が演出・シナリオ監修。

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**特徴
-シナリオパートはサウンドノベル形式で進行。
--プロローグ+6エピソードで構成されている。

-交渉パートは犯人と1対1のリアルタイムで行われる。
--時間が経つと会話の選択肢が消えたり変わったりして話が進んでいく。プレイヤーはどう会話を進めて行けば良いのか考える必要があり、非常に緊張感あふれる交渉が体験できる。

-犯人には感情メーターがあり、メーターが溜まるとゲームオーバーになる。
--時には犯人を怒らせる選択も必要で、より繊細な駆け引きが大事になってくる。
--交渉結果はAまたはBで判定され、結果によりクライマックスが変わってくる。各クライマックスでしか分からない事件の側面もある。

-交渉前にプロファイリングで犯人像を分析。どの選択肢を選んでいけばいいのかヒントが貰えて交渉がやりやすくなる。

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**評価点
-&bold(){貴重な交渉シミュレーションゲーム}
--鬼塚は交渉人として犯人との人質交渉などで交渉を行うがその過程が非常に楽しめる。犯人を宥めたり、怒らせたり、味方になったり、敵になったり、罠をかけたりなど様々な提案をして事件解決に取り組み、様々な交渉が体験できる
--犯人達も頭脳派のヤクザや精神を病んでいる犯人、ヒステリー女など様々である。そんな彼らの性格を推理して交渉するという新しい推理物という部分も本作の魅力の一つである。

-''二転三転して息をつかせぬシナリオは評価が高い。''
--本格的な刑事ドラマを忠実にゲーム上で再現しており、徐々にタイトルの「銃声とダイヤモンド」の意味が分かってくるところは、プレイヤーを満足させてくれる。

-登場人物は多彩。シナリオパート中は人物相関が見られる。
--キャラの関係や立ち位置がシナリオ進行に合わせて更新されていき、展開の早いシナリオも理解しやすい。

-グラフィックは背景、小物、人物全てが3Dモデリング。キャラクターは実写寄り。
--ドラマのようなカット割りでキャラの表情や動き、状況が分かりやすく伝わり、よりシナリオを魅せる。中でも狂犬神崎は刑事ドラマでありがちな、女刑事として印象に残る。
--交渉する犯人達も、二癖ある人間達ばかりで、章ごとのボスは手強い人間だらけである。


-バイオリンとバンドネオンによるタンゴ調の音楽はクリオティが高く、交渉パートの盛り上げに一役買っている。


-BADエンドの多さ
--BADが多く、これを集めるのが一つのやり込み要素である。中には別ルートと呼べる展開もある。全部を見るとおまけが解禁される。自力でこのゲームをやりこもうとすると、かなりの根気が必要となる。

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**問題点
-交渉パートはリアルタイム進行の為、メッセージスキップが行えない。
--交渉に失敗しゲームオーバーになったら、始めから交渉をやり直さないといけないので、何回もやり直すのが大変になってくる。

-難易度が高い
--交渉は鬼塚の推理や真相を知らないで、どのように交渉すればいいか分からず交渉パートに入る。そのため前述のプロファイリングでヒントを得ても、どの選択肢を選べばいいのか悩む場面も多い。
--また選択肢によっては全然違う予想外の行動を鬼塚が取り、イマイチプレイヤーが交渉してる感が乏しい場面が存在する。最初にどういう結末に持っていくか、ある程度プレイヤーに分からせた方が良かったのではないだろうか?

-ご都合主義な部分もある
--犯人に拘束されて携帯電話を取り上げられないというご都合主義な部分がある。また、警察を裏切り、犯人を逃がすという提案や追跡を待たせるなどの提案を犯人が信じるなどの強引な展開もある。擁護するなら犯人は切羽詰まって冷静な判断が付かなくなったのだろうか…。



-6章の方向転換

#region(ネタバレ注意)
-5章までは交渉メインで進んでいくが、6章でガラリと方向性が変わってしまう。
--黒幕であるエデンボリに鬼塚は捕まり、エデンボリは自分の顧客をテストするために、''顧客と鬼塚でディベートをさせる''。しかもそれが最後の交渉パート。
--今まで交渉メインでやって来たのに急にディベートが始まるので、盛り上がりに欠けるという指摘もある。ディベート内容も穏やかなテーマで危機、鬼気迫る要素も薄い。
--対決相手も、前の章の暴力団の若頭やマフィア、癖のある犯罪者などと格が下がる。
--キッチリと「交渉」で片をつける展開があってもよかったのではないか。
--また最終的には単なる屁理屈合戦に近くなるという声もしばしば聞かれる。

#endregion

-鬼塚陽一のキャラデザ
--鬼塚陽一はどう見ても茶髪の今風の若者と言ったキャラデザインだが、あるシナリオではヤクザと間違えられるという違和感のある部分が存在する。

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**総評
緊張感ある交渉と息をつかせぬシナリオ、それらを引き立てる絵と音楽。見事な演出でゲームを飾っている。&br()
交渉ゲームなのか判り難いタイトルもプレイしていけばどのような意味なのか納得させられる。&br()
アドベンチャーゲーム好きには是非ともプレイして貰いたい作品である。

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**余談
-体験版の評判がイマイチ
--内容は主人公・鬼塚陽一がゼロ課に来るまでの前日譚。書き下ろしのミニエピソードで交渉の基本が学べるが、本作の特徴である交渉の緊張感が伝わらず評価が芳しくなかった。
--''しかし、クリア後にプレイすると感慨深いものがあり面白いと言われるようになった''。

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