「ロックマン エグゼ6 電脳獣グレイガ/電脳獣ファルザー」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
ロックマン エグゼ6 電脳獣グレイガ/電脳獣ファルザー」を以下のとおり復元します。
*ロックマンエグゼ6 電脳獣グレイガ/電脳獣ファルザー
【ろっくまんえぐぜしっくす でんのじゅうぐれいが/でんのうじゅうふぁるざー】
|ジャンル|データアクションRPG|&amazon(B000BKB0TY,image);&amazon(B000BKF4OQ,image);|
|対応機種|ゲームボーイアドバンス|~|
|メディア|64MbitROMカートリッジ|~|
|発売・開発元|カプコン|~|
|発売日|2005年11月23日|~|
|定価|4,800円(税別)|~|
|プレイ人数|1~2人|~|
|セーブデータ|1個(バックアップ用フラッシュROM)|~|
|配信|バーチャルコンソール&br;【WiiU】2015年11月18日/702円(税8%込)|~|
|判定|良|~|
|>|>|CENTER:''[[ロックマンシリーズリンク>ロックマンシリーズ]]''|

----
#contents(fromhere)
----
**ストーリー
 ネビュラとの戦いから1か月。熱斗たちは以前と変わらない平和な生活を取り戻していた。
 
 しかし熱斗は父・祐一朗の仕事の関係で、秋原町から遠く離れた才葉(さいば)シティに引っ越すことになった。
 慣れ親しんだ町と仲間たちとの別れを惜しむ熱斗であったが、熱斗は必ず秋原町に帰ってくると誓い、秋原町を後にする。
 
 だが、この時熱斗は気付いていなかった。
 新たな地、才葉シティで新たなる戦いに巻き込まれることに……。
-今作では熱斗とロックマンは新たな舞台、才葉シティを中心に「電脳獣」と呼ばれる存在、謎の少女「アイリス」、そして前作味方であったはずの「カーネル」が裏切った理由を巡って、再建したWWW(ワールドスリー)と争うことになる。
--「電脳獣」は2体存在するが、バージョンによって物語内の伝承・ストーリーでの立ち位置が全く正反対となる。自分のバージョンの「電脳獣」はロックマンが自身のメモリに封印したことで獣化するきっかけとなる。

**概要
-ロックマンエグゼシリーズ最終作。本作の発売前に『[[5>ロックマンエグゼ5 チーム オブ ブルース/チーム オブ カーネル]]』がDSに移植されたが、本作はGBAのみの発売となった。
--これについてスタッフは、「GBAとして売り出してきたシリーズなので、GBAで有終の美を飾りたい」と言った旨の発言をしている。
-「電脳獣グレイガ」と「電脳獣ファルザー」の両バージョンが同時発売された。
-前作同様に、周辺機器として「バトルチップゲート(今作での名称はビーストリンクゲート)」「改造カード」が発売された。但し、前作の物との互換性は無い。((ただし、「フォルテクロスロックマン」のスペシャルカードに関しては今作でも使用可能である。能力は前作と同じとなっているが姿は変化しなくなっている。))
-2006年の1~2月と8月に公式大会「サバイバルネットバトル2006」が開催された。

**特徴
-獣化(ビーストアウト)システム
--今作で登場した新たな変身システム。ロックマンが自身に「電脳獣」を封印したことで、戦闘中にカスタム画面右下にある獣化(ビーストアウト)ボタンを押すことで変身することができる。「獣化」することができるようになる。
---変身中はロックマンが「電脳獣」を模した姿になり、チャージショットが使えなくなるかわりに長押しによってバスターが自動連射になり、性能が変化する。
---チップ使用時にはカーソルのついた敵を自動的に狙い、暗転しない無属性攻撃チップの攻撃力を30上昇する。また、暗転非暗転を問わず無属性チップを溜め撃ちすることで横2マス、縦3マスの順に攻撃する技に変化する。
---変身中はココロカウント(最大3)が1ターンごとに1減少する。0になると獣化が解除され、ロックマンは疲労状態となる。この状態ではココロウィンドウが変化しない(クロスチェンジは可能)。ココロカウントは獣化せずにバトルに勝利することで1回復、プラグアウトで全快するため、いざというときを見計らう必要がある。
--今作変身できる「獣化」はバージョン毎に異なっている。
---「グレイガビースト」:グレイガ版で変身可能。スーパーアーマーによって状態異常以外の攻撃でのけぞらず、バスターの連射速度が大幅に上がる。
---「ファルザービースト」:ファルザー版で変身可能。パネルによる効果を受けず(火口パネルの火柱ダメージや氷パネルの凍結効果等は受ける)、バスターの攻撃範囲に上下の前方2マスずつが追加される。
--超獣化(ビーストオーバー)
---ロックマンが「電脳獣」の力を抑えられず、暴走してしまう状態。
---「獣化」が解除された後の疲労状態で再度、獣化(ビーストアウト)ボタンを押すことで変身することができる。戦闘開始から疲労状態のときはできない。
---変身中はロックマンが「獣化」よりも更に「電脳獣」に近づいた姿に変化し、1ターンの間無敵状態になるが、移動及び選択したチップの使用を自動で行うようになる。また、攻撃力のあるチップを使用した際に暗転非暗転を問わず威力を2倍にするという特性もある。
---1ターン経過すると自動でカスタム画面が開きロックマンの変身が解除、極限状態となる。この状態では「獣化」や「クロスチェンジ」(後述)が一切行えなくなり、バスターの性能が最低となり、HPも1になるまで急激に減少する。戦闘終了すると疲労状態に戻る。

-クロスチェンジシステム
--前作までのソウルユニゾンに代わる新たな変身システム。
--クロスチェンジはリンクナビを使った授業((リンクナビを操作して行うミニゲームを攻略した後、リンクナビとのバトルを行う。初回以降は任意。))をクリアする事で、戦闘中にそのナビの力を宿した「クロス」を装備することで変身する事できるようになる。
--変身中はロックマンが「クロス」を装備した相手に模した姿をし、チャージショットが変化して様々な特殊効果が付与される。
---変身できる「クロス」はバージョン毎に全く異なっている。1つのバージョンにつき5種の「クロス」が登場する。
---ソウルユニゾンと異なり、チップの消費無しで自由に変身可能。ターンの経過で解除されることはないが、弱点となる属性・系統の攻撃を受けると解除される。
---これにより、3ターン毎の変身やフォルダ・戦術の縛りの厳しさが大きく緩和された。
--グレイガ版では「ヒートマン」、「スラッシュマン」、「エレキマン」、「キラーマン」、「チャージマン」などパワー系のナビとリンクが組める。
--ファルザー版では「アクアマン」、「テングマン」、「トマホークマン」、「グランドマン」、「ダストマン」がなどテクニカル系のナビとリンクが組める。
-クロスビースト
--「獣化」と「クロスチェンジ」と同時に行う変身。
---戦闘中に「獣化」した状態で「クロス」を装備するか、「クロス」を装備した状態で「獣化」することで変身することができる。ただし、1ターンで行う事は出来ず、2ターンを使う必要がある。
--変身中は「獣化」と「クロス」を足したような姿になり、その両方の性質を併せ持つようになる。また、無属性チップを溜め撃ちすることで各「クロスビースト」に応じた固有の攻撃技に変化する。
--「クロス」の弱点となる属性・系統の攻撃を受けると「クロス」のみが解除され通常の「獣化」に戻るが、ココロカウント0になって「獣化」が解けた場合には「クロス」も解除され、疲労状態となる。

**変更点
-フォルダ構築ルールの追加
--フォルダに入れられる同種のスタンダードクラスチップとメガクラスチップの投入枚数がチップ固有の容量によって1~5枚に変化するようになった。
---例えば、キャノンは容量が6MBしかないためフォルダに5枚入るが、メガキャノンは容量が38MBあるため3枚しか入らない、といった感じ。強いスタンダードチップだけを入れるということはできず、容量の小さいチップを生かすためのコンボの重要度が上がっている。
--この仕様により前作では同種のものは1枚までしか入れることができなかったメガクラスチップは、容量によっては同じものを複数枚入れられる場合がある。
--レギュラーチップとは別に「タッグチップ」を設定できるようになった。
---フォルダ編集の際に2枚のチップをセットで設定しておくことで、戦闘中設定したチップがどちらか片方来ると必ずもう片方も来る、というもの。これにより特定の組み合わせによるコンボが出しやすくなる。設定できるチップは2枚合わせて容量60MBまで。

-ナビカスでは、バグが発生する代わりにパーツをはみ出しておけるようになり、組み込めるパーツの数が増えた。
--バグはバグストッパーを組み込めば防止可能なため、今作ではバグストッパーを組み込みつつはみ出し部分をフル活用するカスタマイズがセオリーとなっている。
--前作で登場したソウルユニゾンの能力を再現するチップ、ナビカスパーツも追加。「ホワイトカプセル((前作のメディソウルの固有能力「調合チップ」の1種で攻撃チップにマヒ効果を付与する。))」、「サーチシャッフル((サーチソウルの固有能力で、カスタム画面で選択できるチップを再抽選する。))」、「ナンバーオープン((カスタム画面で選択できるチップを10枚に増やすナンバーソウルの固有能力。))」が存在し、どれも戦略の幅を広げる重要な要素となっている。
--また、前作と同様にコマンドによるナビカスパーツの圧縮も健在となっている。

-ナビチップのランク付けの変化。
--後述の通りDSが廃止された代わりに、通常とSPの中間の性能を持つEXが追加され、通常、EX、SPの3種類となった。また、ロールとジャンゴは通常、V2、V3となっている。
---基本的にはどれも固定の威力だが、SPは前作らと同様にインターネット上に徘徊するSPナビのデリートタイムによって威力が変化する仕様となっている
--ナビ自体のランクについてもV2、V3、一部に存在したDSが廃止、EXが追加され通常、EX、SPとなっている。WWWに属する敵ナビにはさらに上のRV、ブルースには改造カードでの追加分を含む全ての依頼を達成することで出現するFZが存在、フォルテはV2、V3が削除、最上位のXXがBXに変更され、通常、SP、BXとなっている。
--また、前作までのナビチップ以外のメガクラスチップはスタンダードクラスに移動した。こうなったのは「ナビチップをもっと使って欲しかったから」とのこと。

-善悪度とそれによる仕様の制限、ダークチップの廃止。
--これらが廃止されたことで前作で不可能だった善チップと悪チップの両立が可能となり、悪でしか使用することができなかった「DS」ナビチップやダークソウルユニゾン等も廃止された。

-弱点属性の追加
--従来のシリーズではヒート(火)→ウッド(木)→エレキ(雷)→アクア(水)→ヒート・・・とRPGでよくある得意属性と弱点属性があったが新たに「カーソル」「ソード」「ブレイク」「ウィンド(風)」の属性が追加された。
--カーソル→ブレイク→ソード→風→カーソル・・・と従来とは別に一風変わった新しい属性関係が作成され従来同様弱点属性はダメージが2倍になり、より新しい戦略が生まれた。
---今まで上記の属性は存在はしていたのだが「ガード状態を無視して攻撃する(ブレイク)」「ソード系統以外の攻撃は当たらない」等といった「特性」扱いで「弱点」ではなかった。

-エリアパネルの追加と削除、一部仕様変更
--前作にあった「マグマパネル((溶岩で出来たパネル。上に乗ると火属性の50ダメージを受けノーマルパネルに戻る。ロックマンが火属性だとダメージを受けなかった。))」や「アクアパネル((水のパネル。上に乗ると足を取られ少し動けなくなる。前作トードソウルだと潜水し、攻撃が当たらなくなるが雷属性のダメージが2倍))」を削除し、新たに「火口パネル」が追加され「アイスパネル」の仕様が変更された。
---火口パネルは一定時間ごとに溶岩が噴き出し、その際上にいると火属性の50ダメージを受ける。マグマパネルとは違いロックマンが火属性でもダメージを受ける。パネルを壊す、一定時間経つ、水属性攻撃がパネル上を通過すると消滅し、ノーマルパネルに戻る。
---アイスパネルはこれまで通り、上に乗ると一番端まで行くかノーマルパネルまで滑ってしまうがロックマンが水属性だと滑らないという特性があったが、アイスパネルの上で水属性の攻撃を受けるとロックマンが凍結してしばらく動けなくなり、ノーマルパネルに戻るという新たな特性が追加された((凍結状態でブレイク属性の攻撃を受けると弱点になりダメージが2倍になるという特性も追加されている。))。
--他にもパネルに乗ると矢印の方向に強制移動される矢印パネルも追加されている。
--パネルを使ったコンボも研究されており、戦略の幅を広げるのに一役買っている。

-ウイルスバトル
--今作からの新要素で、手に入れたウイルスデータを戦わせることができる。
---特定のエリアに出現する、同種より強い「レアウイルス」を倒すことでウイルスデータを入手できる。
--自分のウイルスは2体まで配置することが出来る、ウイルスの行動パターンは敵として登場した時と同じである。
--制限時間内(1ターン)に相手ウイルスの合計HPを0にできれば勝利となる。
--余談だが、最高Lvの最終戦の敵ウイルスにブラストマン(ストーリーで最初に戦う''ネットナビ'')がいたりする。
--自分と相手のウイルスの特性を理解して、いかに勝利するかを考える一種のパズルゲームとなっており高評価。

-『[[新・ボクらの太陽 逆襲のサバタ]]』と通信対戦ができる「クロスオーバーバトル2」モードの追加。
--前作とゾクタイでもエグゼ5に登場するナビ「シェードマン」を敵とした「クロスオーバーバトル」が行えたが、今作では対戦相手のシンボクに登場するイモータル「伯爵」をどちらが早く倒せるか競うという物である。((「伯爵」は隠しエリアのイベントでも登場し、他のボスナビ同様にランクやメガクラスチップが存在する。))
--このモードで得られる「クロスオーバーポイント」を「シンボクトレーダー」で消費する事で『ボクタイ』シリーズに関わるチップが得られる。シンボクトレーダー限定のチップも存在する。

**評価点
-ロックマン以外のナビ(リンクナビ)を使って電脳世界を自由に冒険できるようになった。
--単なるお楽しみ要素ではなく、電脳世界にある障害を排除したり、ストーリー中でロックマンが暴走した際にはリンクナビを使って助けに向かうことになる。
--ただし、プラグイン場所は固定で、クロスオーバー要素に関係しているとあるエリアにはロックマン以外では入ることができない。
--また周辺機器の「ビーストリンクゲート」と「ナビデータチップ」を使用することでナビを現実世界でも持ち運びすることができるようになり、「リンクペットEX」も併せて使用することでナビの強化もできるようになる。

-非常に良質なBGM
--GBA終盤に開発、発売されたこともありGBAの性能を引き出しきったかの様な精錬されたBGMが収録されている。
---ストーリー内でサメの徘徊するマップをNPCである「プログラムくん」を引き連れて特定の場所に誘導するというミニゲームがあるのだが、サメに追われている間BGMがアップテンポになるというちょっとしたギミックまである。

-前作ではクリア後に特定条件を満たす必要があった上位種のウイルスがストーリーを進めれば普通に出現するようになり、クリア前から上位種のチップを入手しやすくなった。
--前作・前々作は初見のラスボスを最下位種のウイルスからのチップや拾ったチップだけで倒す必要があったため、P.Aや変身に頼らないと火力不足によるチップ切れになりやすかった。
--前作までのウイルスEXが削除され同位のウイルスが1種に統一。これにより入手できるチップのコードが「無印・EXで別」から「3」の「バージョン別」に戻っている。((これとは別にレアウイルスも同じウイルスとは違うコード・ランクのチップを落とす。))

-相手とフォルダ内容を、サブフォルダとしてまとめてトレードできるようになった。
--これにより、違うバージョンのギガクラスチップを使用することができる。

-前作までとは違う攻撃寄りのバランス調整。
--前作までは「サンクチュアリ((自陣の全てパネルを、乗っているとダメージ半減のホーリーパネルにする。))」+「ドリームオーラ((攻撃力200以下の攻撃を全て無効にするバリアを貼る。))」+「ポイズンファラオ((プログラムアドバンス。HP300の置き物で、敵陣に毒を撒き続ける。))」でひたすら守るなどの守りを主体とした戦術が多く、結果として地味なバトルが多かった。
--基本システムのクロスと獣化・チップの容量による枚数制限の変化・はみ出し上等のナビカスなどで全体的に攻撃主体の構成が強くなり、バランスが取れたうえで多様性や派手さが増した。
---例えば上の耐久戦法に対して、風属性のチップに耐久力に関係なくバリアやオーラを消す効果が追加されたため「ドリームオーラ」をすぐ消せるようになった。また、パネル変化のチップの数が増加、チップの威力が全体的に上がったため((例えばシリーズ皆勤賞のバトルチップ「キャノン」シリーズの最上位メガキャノンが威力120から180になった等))「サンクチュアリ」や「ポイズンファラオ」の維持も難しくなっている。
---ダークソウルユニゾンが廃止されたことで、前作で猛威を奮ったABD戦法が消滅するなど、バランス取りもちょうどいい。

-ワイヤレスアダプタを用いて「エグゼ6」同士での対戦と交換ができるようになった。
--前作でもワイヤレスアダプタに対応していたがクロスオーバーバトル限定であり、通常の対戦と交換では通信ケーブルへの付け替えが必要だった((前作でもワイヤレスアダプタの対戦と交換を実装される予定だった))。

-関連作をリスペクトしたプログラムアドバンスの存在。
--過去5作に登場したチップやプログラムアドバンスの再現したものや、ロックマンと「ボクらの太陽」シリーズの主人公「ジャンゴ」との連携攻撃といった最終作を飾るに相応しいものが揃っている。

-最終章と呼ぶに相応しい内容のストーリー
--本作は「1~3」のような流れのシナリオ形式のストーリーに回帰しており、多少強引な面もあれど前作までの伏線を回収しつつ、シリーズ通しての敵だったある人物との因縁が完全に決する。
---無論話の主軸はあくまで本作初登場となる電脳獣に据えられているため、シリーズ初見のプレイヤーでも置いてけぼりになることはない。
--卒業式のシーンや最後の「''ロックマンエグゼ おわり''」のシーンで謂れのない喪失感を受けたプレイヤーも多い。

**問題点
-シナリオをクリアしても、現実世界のBGMが平常時のものに戻らず、緊迫時のものに固定されたたままとなる。
--(4を除いて)本シリーズはクリアすればBGMが平常時のものに戻り((なお、5のようにクリア直前には緊迫時のBGMすら流れない作品も存在する))、その場所によって変化するBGMを楽しむことができただけに残念極まりない。
--今作では依頼やチップ集めに現実世界も奔走する事が多く、尚更耳障りである。
---一応、BGMが変化してから一度もセーブをせずにシナリオを終わらせればクリア後の世界と平常のBGMを両立可能。しかし当然初回プレイでは知る由もないし、知っていてもBGM変化前からラスボスまでは攻略にかなり時間がかかり無中断を強いられるため負担も大きい。

-改善されることのなかった「バグのかけら」の収集方法
--前々作から問題視されていた「バグのかけら」の主な収集方法がミステリーデータからの確率入手で根本的な改善をされることなくシリーズ最終作を迎えてしまった。
---一応ミステリーデータからの入手以外の収集方法でウィルスバトラーでの勝利報酬もあるが「自分で操作できない、3連戦する必要がある、報酬が1500zかバグのかけら6個」と決して効率がいいというわけではない。
--しかも近作では「その戦闘中のみバスターのためうちをバグのかけらを消費して、ダークソード(グレイガ版)かダークサンダー(ファルザー版)に変更する」というギガクラスチップが登場したのでなおバグのかけらの需要が高まった。((チップを使用した時に消費するのではなく、ためうちを1回撃つごとに消費するので対戦で使えば1回の戦闘で10個以上消費することも))
---ためうちダークソードは前作のダークチップとは違い、威力が200と抑えられているがためうちダークサンダーは据え置きの200のままのため対戦では採用されやすいのでなおのこと消費が激しい。
---前作まではアイテムの交換の為だけの存在だった為、全てのアイテムと交換を終えたら完全に必要なくなっていた。そのため「腐らせることなく需要を持たせ続けることができた」という捉え方も出来るが・・・。

-特定のチップを使った凶悪コンボ
--シリーズ2作目で存在したいわゆる「プリフォレコンボ」を彷彿させるようなコンボが発見された。
---幸いそのコンボに必要な最低チップ数が5枚と多く、1ターンで全チップ揃えるというのが難しい為((もちろんナンバーオープンやサーチシャッフルを使えば1ターンで揃える事も可能ではあるが))対戦ではコンボを完走するのは非常に厳しいためかさほど問題視されることはなかった。
---ただストーリーやナビチップSPの攻撃力を上げる為のタイムアタック等に関してはバランスを崩壊させている。

-ほとんどの依頼が出現してもすぐに受けられず終盤近くまでお預けになる。
--依頼にはランクが設定されており、クリアすることで溜まるポイントが一定以上ないと上の依頼を受けることができない。しかし、基本的に自分が受けられるランクの依頼をすべてこなさないと一定以上に溜まらない。
--改造カードで依頼を追加できればその限りではないのだが、かなりもどかしいシステム。

-全ての要素をクリアするのに必要な周辺機器等が多い。
--条件を満たすことでタイトル画面につくマークは全部で9つ。うち3つはそれぞれ両バージョンとGBAソフト「新・ボクらの太陽」、カードeリーダー+とカプコンから発売された改造カード、タカラ(現・タカラトミー)から発売されたビーストリンクゲートとナビデータチップが必要となる。これらを揃えるとなると相当の金額であり、更にこれらの周辺機器は今や入手困難で中古でも探すのが難しい。
--幸い、真のエンディングを見るだけならゲーム本体だけで達成できる6つのマークだけでよい。
--シークレットチップ(別バージョン限定のリンクナビチップ+シンボクトレーダー限定チップ)を揃える分には、比較的中古入手が容易なGBAソフト3本(両バージョンと「新・ボクらの太陽 逆襲のサバタ」)で達成できる。

-前作と同じく、「新・ボクらの太陽 逆襲のサバタ」との通信には通信ケーブルでなくワイヤレスアダプタが必要。

- ゲーム進行に関わったり、大会で使用禁止になるほどのバグがある。
--ウイルスバトラーLv5の3戦目で敗北するとフリーズすることがある。
--改造カードでチャージショットをインビジブル((一定時間、ほとんどの攻撃に対して無敵になる。))にした状態にし、ある行動を取るとインビジブルの効果時間が長くなる。
---もっとも、そうでなくても強力なため、非公式大会でもこれに該当する改造カードは禁止なのだが。

-改造カードでしか入手ができないチップ、ナビカスパーツ、追加依頼の存在。
--「バグシュウセイ*」や「フォルダパック」など強力なものは改造カードでしか入手することができない。
--追加依頼にしても、それでしか入手ができない貴重なものが存在しておりコンプリートの大きな障害となっている。

**総評
シリーズの集大成だけあり、「獣化(ビーストアウト)」と「クロスチェンジ」、それらを重ねた「クロスビースト」という多様な変身によって、取れる戦法の幅に大きく広がりが出ている。発売からしばらく経っても対戦オフ会やネット対戦が盛んだった事からも伺える。~
「トーナメント」や「リベレートミッション」のような何度も繰り返される要素がないため、それらが苦手な人でもスムーズに遊ぶことができるようになっている。~
2段変身やすくみ要素の細分化など挑戦的な要素を取り入れた一方でストーリーも過去作から追ってきたエグゼファンからも納得の出来に仕上がっており、紆余曲折あったがまさに''シリーズの有終の美を飾った''作品。完結を惜しむ声は当時大きく、今なお続編を望む声もあるが「ロックマンエグゼシリーズ」という作品が語り継がれるのは本作で終われたことも影響しているだろう。

**余談
-インタビューによると、エグゼ3に登場した「セレナード」を再登場させる予定だったらしいが、容量の都合でボツになったようだ。
-発売後しばらくして公式が行ったシリーズ人気投票では『エグゼ3』に次ぐ第2位であった。
-敵3幹部のナビはいずれも月刊コロコロコミックの「ボスキャラグランプリ」の受賞作が採用されたものである。
-海外版ではクロスオーバーバトル2((海外では『新・ボクらの太陽 逆襲のサバタ』が未発売))とクロスオーバーイベントが削除された。ガンデルゾルを除くボクタイシリーズ関連のチップやゲーム内で入手できないチップも削除された。

**新展開
次世代機のニンテンドーDSでは新シリーズ、『[[流星のロックマンシリーズ>流星のロックマン ペガサス/レオ/ドラゴン]]』が展開された。おおむね本シリーズのシステムの名残がある部分もあり続編とも見られてはいるものの、バトルシステムや主人公の性格、世界観は全く異なっており別物となっている。こちらも魅力的なストーリーや個性的な登場人物など評価できる所もあるのだがバトルシステムが本シリーズよりも単調で戦略性が薄くなっていたり新しいシステムに難があるなどエグゼファンからはあまり良い評価はされていない。

復元してよろしいですか?