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ピンボール ピンボール - (2013/03/09 (土) 10:21:28) の編集履歴(バックアップ)


ピンボール ピンボール

【ぴんぼーる ぴんぼーる】

ジャンル ピンボール
対応機種 スーパーファミコン
発売元 ココナッツジャパンエンターテイメント
21st century
開発元 UDS
発売日 1994年8月5日
定価 9,980円
ポイント 4台のピンボールを収録
画面揺れまくり注意

概要

  • 今は亡きココナッツジャパンエンターテイメントジャパンが1994年にてスーパーファミコンにリリースしたピンボールゲーム。
  • 4台のピンボールが用意されており、それのどれかを選んでプレイする事となる。各台共にシームレスのトップビュー視線であり、約2画面分のフィールドで構成されている。
    • 元は21st century社がPCにてリリースしたソフト『PINBALL DREAMES DELUXE』が原作で、本作はその中からの4台を移植した内容となっている(原作は全8台収録)。
  • ピンボールの趣旨はどちらかといえばリアル路線であり、ゲーム的な仕掛けはほとんど用意されていない。
  • メインは一人プレイだが、複数人の交互プレイも可能。

収録台

  • IGNITION
    • 宇宙を舞台にした台。
  • Steel Wheel
    • 西部劇を舞台にした台。
  • BEAT BOX
    • ロックを舞台にした台。
  • Nightmare
    • ホラーを舞台にした台。

主なルールなど

  • 各台共に、初期ボール数3つからゲームを開始し、いかにハイスコアを叩き出せるかを競うのが目的となる。同じココナッツジャパンのファミコンソフト『スーパーピンボール』のような何かしらのクリア目標は存在せず、画面下にボールを落として全ボールをロスしゲームオーバーとなるまで続く、純粋なるエンドレスゲームとなっている。
    • 4つの台のどれかを選択すれば台画面に移行できる。また、台選択中にてオプション項目があり、コントローラー設定、BGM、効果音の有無設定が可能となっている。
    • 各台にてゲームオーバー時のスコアがハイスコアベスト5に入るとネームエントリーが可能(但し、本作はバックアップに対応していないのでネーム保存は不可)。
  • 十字キーのいずれかにて左フリッパー、キーの反対側のボタンのいずれかにて右フリッパーの操作。キー下でボールの発射、LRボタンのいずれかで台揺らし(揺らしすぎるとティルト(強制ボールロス))*1
    • 台画面に移行し、STARTボタンを押せばゲームスタート。
    • ゲーム中にSELECTボタンを押せば台のプレイを終了するかどうかを聞かれるのでYESを選べば中断可能。

評価点

  • 当時の家庭用ゲームのピンボール事情として考えると4台という収録数は多い部類。
  • 4台共に個性的な仕掛けがなされており、同じような台で誤魔化そうという怠慢は感じられない。各台にギミックが違うので、新鮮な気分でプレイさせてくれる。
    • ボールに仕掛けを当ててスコアを稼ぐというピンボールの楽しみはもちろん完備されており、ゲームの土台はしっかりと作られた印象。ボールの動きの機軸もさほどおかしくなく、割と自然に動く。
    • また、各台の外観はもちろんの事、BGMや効果音に至るまで専用の演出が用意され、やたらと芸が細かい作り込みとなっている。BGM、効果音の質も高く、深く耳に残る。

問題点、及び賛否が分かれそうな点

  • このゲームの各台は、一画面における表示比率が大きく、ボールを動かす度に常に画面が目まぐるしくスクロールする。しかも、上下だけではなく左右側にもスクロール対象となっている故に、常時画面揺れまくりで地形配置の把握が恐ろしく困難な事態に陥りやすい。プレイヤーによってはあまりのスクロールの激しさのせいで、画面酔いする可能性があるかもしれない。
    • これのせいで、ピンボールを快適にプレイする上で重要な要素の一つである画面の見やすさという快適性が大幅に殺されており、常時落ち付きのないゆらゆら画面とにらめっこするハメとなる。
  • フリッパーのボタン入力反応が妙に鈍感であり、いざという時にボールが思い通りに跳ね返せない事態多数。上記の画面の件もあり、フリッパーを動かす前にボールがロスしていたなんて状況は日常茶飯事。
    • しかも、このゲームにおけるボールスピードは同系統のピンボールの中でも速い部類に入る。よって、事の状況が見え辛い画面にて、フリッパーがどの位置にあるのかが直感的に分かり難い状況で、速いボールを追いかけ回さなければならず、その結果難易度が異常に高騰してしまっている有様。
  • グラフィック周りがSFCのゲームとしてはFCに毛が生えた程度のチープさ。同じSFCソフトの『邪鬼破壊』や『KAZe製スーパーピンボール』と比べても、同じハードで作られたと思えない程の差がある。
  • 概要でも述べた通り、本作はリアル路線のピンボールであり、ゲーム的な要素はほとんど搭載されていない。よって、終始地味なプレイを強要される事となり、そこに楽しみを見出せないとプレイ自体が苦痛になる可能性は極めて高い。

総評

  • ピンボールそのものの出来はなかなか凝っているのだが、揺れまくりの画面に融通のきかないフリッパーといった不備が、せっかくの完成度を低下させているという色々ともったいない出来。本当、プレイの快適ささえ完璧だったら「見た目はチープだが良ピンボール」の評価を得られたかもしれないが…。
  • ココナッツジャパンはこれ以降、家庭用のピンボールゲームをリリースする事はなく*22002年に倒産*3してしまう。本作にしろ、スーパーピンボールにしろ、「光るものは感じるものの、駄目な部分がそれ以上に目立つ」という問題を持っているのがココナッツクオリティというべきか。もっとも、開発元が各作共にバラバラなので、ココナッツジャパンだけを責めるのは早計であるが…。
  • 余談だが、同じココナッツジャパンから本作と同じ路線のピンボールゲーム『slamtilt』をPCにてリリースし、さらに同じ内容が後にてダイソーの100円PCゲームにも発売されている。ボールが見え辛いという問題点は残っているものの、本作と比べ格段にクオリティが上がり、ギミックが増した新作4台が収録。ダイソー版はそのままのクオリティで105円(税込)で購入でき、破格のお買い得感ありなのでお勧めだ*4