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DARK SOULS - (2020/03/27 (金) 12:17:35) の編集履歴(バックアップ)



DARK SOULS

【だーくそうる】

ジャンル アクションRPG

対応機種 プレイステーション3
発売・開発元 フロム・ソフトウェア
発売日 通常版:2011年9月22日
完全版:2012年10月25日
定価 通常版:7,800円(税込)
完全版:4,800円(税込)
DLC単品:1,200円
プレイ人数 オフライン:1人
オンライン:1~4人
通信機能 トロフィー機能対応
レーティング CERO:D(17歳以上対象)
判定(発売当初) なし
判定(現Ver.) 良作
改善
ポイント Demon's Soulsのスタッフが贈る新作
強化されたオンライン機能とボリューム
調整不足、再び
致命的な不具合が一年近く放置されたが、改善
SOULSシリーズリンク?

概要

Demon's Souls』スタッフの手掛けた新作アクション。前作が2009年のGOTYに輝いたということもあり、発表以来多大な期待が国内海外問わず膨れ上がっていた。
前作と違って発売・開発からSCEが抜け、フロム・ソフトウェア単独での販売・開発となった。
なお、国内ではPS3独占だか海外ではマルチタイトルであり、ナムコバンダイゲームスより販売されている。*1

基本的なシステムは『Demon's Souls』と同様。
スタミナによる行動制限や、左右の手に持てる武器、ソウルを使って好きな部分を伸ばすレベルアップといった要素がある。
前作にあった「克服可能な高難易度」というコンセプトをそのままに、与えられた使命を帯びて数々の難所をあれやこれやと突破し、強大なボスを倒し、先へ進む・・・こうした基本も『Demon's Souls』とほぼ変わらない。

加えて、磨きがかかったそのダークな世界観は、どこかユーモラスで、どこか不可思議で、故に恐ろしい。
本作を単純に「3DアクションRPG」と区分するのも間違いではないが、相変わらず個性的な作品である。

通常版の発売から約1年後には、拡張DLC「ARTORIAS OF THE ABYSS」を同封した上で低価格化された、廉価版兼完全版が発売された。
この完全版「DARK SOULS with ARTORIAS OF THE ABYSS EDITION」には、当時の最新パッチであるVer1.06が予め適用されている。


システム

メイキング

  • 前作同様に顔の作成は細部までいじる事が可能。今回はランダム機能が失われた代わりに、10種類の顔タイプが選択できるようになっている。
    • さらに体系の変更ができるようになった。ただしこちらは痩せているか太っているかなどのタイプしかなく細かい調整はできない。
    • 生まれ(本作では素性)があるのも前作同様。種類や名前は変更された。
    • 贈り物の項目が追加。自身へ贈る餞別の品で最初から所持している追加アイテム。プレイを進めることによって全て入手可能ではあるが、アイテムごとの利便性の差は激しいのでよく考えて選ぶ必要がある。
    • ステータスの項目も変更され、「運」のステータスが廃止され「耐久力」が追加。「知力」は「記憶力」、「頑強」は「持久力」、「魔力」は「理力」に改名された。

戦闘システム

  • 攻撃するとスタミナが減り、攻撃し続けるとスタミナが無くなって武器を振ることが出来なくなる。時間経過と共にスタミナは回復するが、この時の回復速度は自身が装備してる武具の重量によって変わり、軽ければ早く、重ければ遅いというふうになっている。多人数戦闘となった場合、このスタミナの管理の出来次第で、戦闘の結果は変わる。これは前作同様。
  • 今作では武器の数が大幅に増えたことにより、同じカテゴリの武器でもモーションが違ったり、特殊攻撃に派生できるようになった。
    • 「この武器はこのモーションだから、強い」といった考えも生まれるようになり、バラエティー豊かな戦闘を演出している。
    • 「大剣」を例に挙げると筋力特化で高い攻撃力を誇る「蛇人の大剣」、技量特化型で出血効果のある「フランベルジェ」、魔法使い御用達で強攻撃で飛び道具の撃てる「月光の大剣」など。
  • ステータスに「強靭度」と呼ばれるものが追加。
    • 強靭度の数値が高いと、攻撃を受けた際に怯むことがなくなり、構わず行動を実行することが出来る、いわゆるスーパーアーマーが発動する度合いを示している。振りが遅く、攻撃を邪魔されやすいと感じたときに強靭度を高めると、邪魔されること無く攻撃を繰り出すことができるというシステムである。
    • 無論、敵もこれを備えている場合もあり、油断厳禁である。
  • 前作と同様魔法を使うことも出来るが、普通のRPGにありがちなMP制ではなく、魔法毎に決められた回数制となった。
    • 回数は後述の篝火で休むことでしか回復できず、増加させるにも記憶力を上げ同じ魔法を複数覚えたり、特殊なアイテムを装備するしかないので、回復アイテムを大量に携帯しバカスカ撃つということはできなくなっている。
    • とはいえ、雑魚散らしに便利な弱いものは多めに使えたり、協力な支援魔法や必殺の威力を持つものは流石に少なめに設定されているなど、バランス面は比較的良好である。
  • 魔法には3種類あり、支援中心の「奇跡」、攻撃、強化中心の「魔術」の前作からの路線を継承するものから、炎の力を操る魔法が「呪術」として新たに独立した。
    • 「呪術」は上記2つと違い、威力や効果がプレイヤーキャラのパラメータに影響されないので(触媒である装備の強化によって威力は変動する)どんなステ振りでも効果が見込める初心者救済魔法としての一面も持っている。
  • 技量を相当量上げれば、一部魔法の発動速度が速まるようになった。
    • 技量は魔法の威力に乗らず、その上技量武器が求める値以上に伸ばさなければ効果は望めないが、無振りのときと比べ目に見えて速くなるので、キャラビルド時に考慮する価値は大いにあると言える。
  • ステージによっては呪い状態(後述)でないとダメージが与えられない、特殊な属性を付与された武器以外で倒しても復活するといった敵が配置されている。

強化システム

  • 本作では武器以外にも防具も強化できるようになった。
    • 武器の通常強化は+15に対して、防具は+10まで強化可能。ただしユニーク武器*2・武具は+5までしか強化できない。
    • また前作では強化できなかった弩も強化できるようになった。
    • 特定のアイテムがあれば自分でも強化・修理が可能。ただし進化は対応した鍛冶屋でないとできない上、前準備として特殊な種火を渡さねばならない場合もある。
  • 武器・盾の進化が整理され、「炎」「混沌」「雷」「粗製」「魔法」「魔力」「神聖」「邪教」「結晶」「ユニーク武器」の10種になった。
    • 炎、混沌、雷は対応した属性を武器に付加して全ての能力補正が無くなり、強化値によって固定の攻撃力になる。さらに混沌は人間性の所持数で攻撃力補正が加わる。
    • 魔法、魔力は理力補正の魔法攻撃力が追加されるので理力値が高いと威力も上がる。神聖、邪教は信仰補正の魔法攻撃力が追加されるので信仰値を上げれば威力が高まる。また、武器に神聖値、邪教値がそれぞれ与えられ、一部の敵に与えられるダメージが上昇する。
    • 粗製は物理攻撃力が上昇し、能力補正が1ランク低下する。最大強化しても通常強化には抜かれてしまうが、完成までに必要な材料が集めやすいので、序盤~中盤における繋ぎの派生として利用価値がある。
    • 結晶は武器性能は大きく上昇するが最大耐久力が激減してしまい修理も出来なくなってしまうので(強化することで耐久値は復活)使い捨てとなる。また結晶派生した武器は派生元に戻せなくなるなどデメリットが多い。
    • ユニーク武器は通常武器+10に特定のボスのソウルを使用することで作成可能。性能は特殊な効果、モーションを持った物が多い。

篝火システム

  • 今作は前作のようにステージ選択制ではなく、ステージからステージへと繋がるのにロードは一部例外を除いて一切挟まない。要するに、自らの足で各地を渡り歩くシームレス制になっており、それらは不自然なく、一枚のマップで全て繋がっている。その道中の休憩所、いわゆるセーブポイントになるものが「篝火(かがりび)」である。
    • 篝火では装備の預かりや修理及び強化(これには専用アイテムの購入が必要)、レベルアップといった拠点的な要素に加え、エスト瓶(回復アイテム)の補給も出来、その後道中で死亡した場合は最期の休息した篝火から復活するという仕組みになっている。つまり、長いこと篝火に入らないでガンガン進んでしまうと、死亡した際、今作でも健在の死亡時に置いてけぼりとなるソウルや人間性を回収するのに長い道のりがかかってしまうのだ。

体力回復アイテムの制限

  • 前作と違って回復手段も限られるようになり、プレイヤーの体力を回復するには、篝火での休憩時とエスト瓶の使用、「奇跡」という術の使用が必要となる。他にも僅かに体力回復アイテムがあるが、個数が限られ、獲得手段が少ない。上記の手段を除くと、攻撃することでHPを回復する指輪、武器も存在するが、効果は極小。装備するだけで常時回復し続ける盾も同様である。
    • 故に、前作では可能だった回復アイテムを獲得・使用しながら進むというプレイが出来なくなり、常にダメージを食らわないで進まないと、あっとういう間に回復手段が無くなり、肝心なときに使えないという事態に陥ってしまう。無論、敵はそんなことお構いなしである。
    • エスト瓶は7段階の強化が可能であるが、やはり序盤は苦しい。
    • 加えて、篝火なら状態異常も一緒に回復してくれるが、エスト瓶などで状態異常は回復せず、対応した別アイテムが必要である。このことが原因で高難易度に仕上がったステージも見られる。
    • 基本は『Demon's Souls』と同じだが、コチラはより苦しく演出させるよう施されている。

生者・亡者システム

  • 前作では生者は死ぬと、最大HPが半分になる代わりに他者から侵入されなくなるソウル体として復活したが、今作ではHP周りのデメリットと引き換えに、全身が(当然顔も)干からびたミイラの様な姿の亡者として復活し、各々の渾身のキャラメイクが台無しになるという、別の意味でプレイヤーの心をへし折る衝撃のシステムへと変更された。
    • 生者へ戻るには後述の人間性を篝火に捧げるしかないが、今作の高めの難易度と人間性の貴重さから、最初はすぐ亡者に逆戻りし、そのまま長い時間を過ごすことが殆どで、多くのプレイヤーが嫌でも実感する要素として存在感を放っている。
    • とはいえ、仲間こそ呼べなくなるが、前作のソウル体のように最大HPは減らず、他のプレイヤーの侵入も受け付けないので、生者時より攻略の安定度は上昇している。場所によってはあえて亡者で進むなどの戦略も有効である。

人間性システム

  • 新たな要素の中で人間だけが宿すとされ、本作のシステム面、ひいては世界観の根幹を成すのがこの「人間性」である。
    • アイテムとして使える黒い精の様なものと画面左上のパラメータが同じ名で呼ばれており、アイテムとして使えば体力を全回復し、左上のパラメータに数値が蓄積され、値が増えるほど耐性がやアイテムドロップ率が高まったり、一部武器の威力が上昇したりと、プレイヤーに有益な効果をもたらす。
    • また数値を消費して前述の篝火のエスト瓶補給能力を高めたり(5個から10個、特定のボス撃破後は20個)亡者からの復活に必要など、ゲームのあらゆる所に絡んでくる要素でもある。その反面、「人間性」の正体には不明な点も多く、その本当の意味はゲームを進めることによって見えてくるかもしれない。

その他

  • 所持重量が廃止。本作では装備している物のみが重量として加算されるようになった。これによりアイテム等はいくらでも持ち運べるようになった。
  • 生者時に一部の場所ではNPCを霊体として召喚できるようになった。
    • 最初からサインが配置されてる場合もあれば、条件を満たすことでサインが出現する場合もある。これによりオフラインでも協力プレイができるようになった。
  • 特定のNPCにソウルを支払うことで「免罪」が可能になった。
    • 前作では攻撃して敵になったNPCは元に戻ることはなかったが、本作では免罪を行うことで元通り会話が行えるようになる(一部例外あり)。
    • アップデート前は異常に高い額が請求されてたが、現在は修正された。

オンライン

  • 引き続き、メッセージ機能と死亡時のリプレイ機能、同期中のプレイヤーがリアルタイムで幻影として薄く表示される機能はある。篝火近くでは、他プレイヤーがより鮮明に映し出されるようになった。こういった間接的な交流はこれ以外にもあり、とある状態異常にかかり、無残な姿になってしまった他プレイヤーがオブジェクトとして現れたり、とあるステージのクリアを報せる鐘の音が、他プレイヤーにも聞こえたり、一度に大量の人間性を失ってしまうと、特殊な状態で他プレイヤーの世界に登場したりと、いたって様々。
    • 一見すると「これってオンラインだから?」と思われてしまうほど、非常に自然に溶け込んでいる。

誓約システム

  • 今作では各地に存在しているキャラクターと「誓約」を結び、色々なオンライン要素を楽しむことが出来るようになっている。
    • 誓約を行なうとプレイヤーはその誓約を従事する者となり、誓約内容同様の力や演出を身につけることが出来るようになる。要は、ロールプレイ出来るシステムである。
    • このシステムはオンラインに関わるものが多く、例えば誓約「白教」に入ると、オンラインで「白教」に入ってる者同士がマッチングしやすくなり、同時に他プレイヤーが敵として侵入しにくくなる。個性的な誓約が数多く、それらにプレイヤーが従事することで、舞台を盛り上げるよう作られている。
    • 唯一オンラインプレイに関与しない誓約である「混沌の従者」も存在するが、こちらは従者名簿から人間性を捧げた数が競い合える。勿論、特に意味はないが。

対人・協力システム

  • 今作でも敵対・協力プレイがあり、今作はそれに加えて「復讐霊」というものが加わった。
    • 他プレイヤーの侵入によって倒されてしまった時、あるアイテムを使用することで、自分を倒した相手を「告罪」することが出来る。これによって告罪された、あるいはNPCの殺害などによって罪を犯したプレイヤーは、以降復讐霊(いわゆる他プレイヤー)に狙われるようになり、それらはレベル差関係なく、問答無用で倒しに来る。
    • 復讐霊が侵入した先に敵対プレイヤーも存在していた場合、その世界のプレイヤーと敵対しているプレイヤー、そして復讐霊という三つ巴の戦闘となる。今作でも直接的なコミュニケーションはソフト側には存在していないため、敵対プレイヤーと共闘するのも、二人もろとも倒してしまうのもいい。どちらも目標はその世界のプレイヤーである。
    • 他にも、自身が生きている間、同じ場所にいる他プレイヤーのステージ難易度を上げるものといったものもあり、癖が強いものばかり。今作のオンラインは、より世界観を演出させる一助になっている。

評価点

グラフィック

  • 格段に上昇したグラフィックで、表現力も上がり、見易くもなった。
    • 前作の「腐れ谷」を彷彿とさせる陰惨さを持つものや、冷たく薄暗いステージ、美しい光景の城など、高い表現力も健在。
    • 昨今に比べれば言うほど高いグラフィックではないかもしれないが、表現力がそれを補っている。
    • その名の通り結晶に覆われた「結晶洞穴」や非常識な程に巨大な大樹が 地底から 何本も伸びている「灰の湖」などは特に神秘的。コントローラーを置いて、景色を眺めるのも一興である。

デザイン

  • 防具や武器のデザインが良く、数も大幅に増えたが、視覚的に所謂コンパチの様なものはあまりない。
  • 本作では男女性別に関わらず全ての防具が装備可能になった。前作程ではないが、性別によって一部デザインが変わる。
  • ボスのデザインがどれも個性的。
    • ファンタジーにありがちなガーゴイルやゴーレムを備える他、貪食を体現する異形のドラゴンや溶岩を這い回る百足など様々。初見時には度肝を抜かれること請け合い。ボス戦前にしばしば挿入されるムービーと相まって、死して尚、衝撃を残していくボスばかりである。
    • ただ一部ボスは海外版の低容量の影響からか、デザインの使い回しが見られるが(後述)。

武器強化

  • 前作とは違ってほぼ全ての武器が強化可能になった。特に産廃以外の何物でもなかった弩が強力な武器となっているのは多くのユーザーが歓喜した。
    • 強化するための鉱石も前作に比べ種類が少なくなり入手も比較的容易になったので(さすがに原盤や楔はレアだが)強化がやり易くなった。一周回内でも、無駄使いせず、時間をかけさえすれば、十分な素材が集められる。

ボリューム

  • ステージ数として一概に数えることは出来ないが、踏破できる場所は広い。周回を重ねることで、あるいは、前述のメッセージ機能、幻影により、クリア後に新たな発見を得ることも多々。
  • 武器・防具の数が増えた。一気に増えすぎて最初は戸惑うが、一つ一つの性能の差別化はわりと図られている。特に武器については、上位互換、下位互換といったものは殆ど存在しない。
    • 勿論、例外はあり、ネタとして愛される装備もあるが。
  • 敵の使用する武器、防具の内、プレイヤーも装備できるものが大幅に増加。一部の雑魚敵のみならず、人型のボスの装備一式も手に入るため、前作以上になりきりプレイの幅が広がった。
    • その内でも「処刑者スモウ」の防具は異彩を放っており、それが目につけられたのか『フライングゲットしたユーザーをフロム社員がスモウ装備で蹂躙した』という奇天烈な噂が立ったほど。
  • ボスが強め。また、数が前作に比べ大幅に増加した。必ずしも倒す必要の無いボスも多く、プレイの自由度が高い。
  • 当初は絶望視されていたDLCがまさかの配信となり、更なるステージと装備、魔法が追加された。

非常に高いやりこみ性・中毒性

  • 膨大なアイテム数やカスタマイズ性を誇り、全てのアイテムが店売り・床落ちなど現実的な手段で入手可能(敵ドロップ品もほぼ全てが現実的な確率で入手可能)。これらのアイテムをすべて集め、鍛冶などでカスタマイズするとなると大変なやりこみとなるが、これらのやりこみが全く苦にならないほどの魅力をこのゲームは持っている。
  • また序盤から最終盤まで行き先・戦術・成長方針共に自由度が非常に高く、装備や育成方針によって全く異なるプレイスタイルでの攻略が可能となるため、何度やっても飽きない無限大の可能性を秘めている。
    • 周回を重ねることで敵が強くなり死の危険性が高くなる一方、獲得ソウルも多くなりレベルアップもしやすくなる。また周回プレイでしか手に入らない強力なアイテムも存在する。
  • これらの要素から、「ダクソ廃人」と呼ばれるDARK SOULSの廃人プレイヤーが世界中で続出。周回数カンスト・プレイ時間百時間オーバーの人も当たり前のように見かけるという強烈な中毒性を持っている。

オンライン

  • 協力時、仲間(霊体)はホストがエスト瓶を飲むことで回復するので、自力で回復する手段が中々揃わない序盤は、いつ、どこでエストを飲んであげるかということを念頭において行動しなければならないという難しさが加わった。
  • 協力プレイだとボスの体力が増えて、手ごたえが増す。
  • 今作でも問答無用な敵対プレイは健在。落ちた落とされた、リンチされたリンチにしたなど、その無慈悲なプレイはプレイヤー次第。
    • 前作の敵対プレイにおける問題点であった「初心者狩り」への対策もされている*3。具体的には侵入に必要な「赤い瞳のオーブ」が高レベルでないと入手困難*4、レベルダウンができない等。
      • 「ひび割れた赤い瞳のオーブ」というアイテムを使えば最序盤でも侵入が可能だが、序盤で入手できるのは4つのみで、それよりたくさん侵入したければ上述したアイテムを入手する必要がある。
    • 前作の嵐1のように「侵入され過ぎて先に進めない」「侵入が怖くてオフラインで遊ばざるを得ない」という問題点も、侵入されてから一定時間は新たに侵入されないという制限によってある程度解消されている。
      • その制限を解除するアイテムも存在するため、前作のように絶え間無く侵入させることも可能。
    • 竜/赤サインのシステムにより、お互いの合意のもとで敵対プレイを楽しめるように。具体的には、白サインと同様の方法で闇霊を「召喚」することができる。
  • 非同期ながらも自然にシングルプレイに溶け込んでいるのは拍手もの。
  • 仲間の評価システムの廃止。仲間を帰還させるアイテムで、ただ仲間のオンラインプレイ成功数(ボス撃破数)を確認できるだけになった。
    • 前作では仲間を召喚する際の目安の一つとして利用されていたが、その評価の基準がプレイヤーによってバラバラだったり、バグで正しい評価が付かなかったりと、便利な反面正常に機能しづらいところもあったため、廃止したのは英断と言える。
    • 元々邪魔をしたければ侵入、手伝いがしたければ協力と、プレイスタイルによる住み分けが比較的なされている本作において、評価システムの必要性が言われることはあまりない。

ストーリー

  • 前作の陰鬱でどこか皮肉めいた路線を継承した、良く言えばプレイヤーの想像を掻き立てる、悪く言えばやや説明不足、空気気味なストーリー。
    • 話の骨組み、世界観自体はよく錬られており、ゲーム内の隅々まで観察すれば、おおよその全体像を把握することは出来るようになっている。
  • 中盤にちょっとした分岐要素があり、選んだルートにより初めて判明する要素、利用できる誓約等がある。普通に進めていたら基本的には通らない道ではあるが、こちらの方が王道と言えば王道である。
  • キャラクターも個性的な人物ばかりで、男性・女性は勿論、意味不明な変なキャラクターも多め。前作の「心折れた戦士」、通称青ニートを彷彿とさせる、これまた「心折れた戦士」の青ニート2世や、頼り強い「太陽の戦士ソラール」、口が臭い老いぼれの大蛇「王の探索者フラムト」などなど。
    • ボスと比べても容易に装備を真似出来ることもあり、人型NPCのコスプレは盛ん。ロールプレイの為だけにキャラを育成し、そのままゲームをクリアする猛者も少なくない。視覚的に分かりやすい為か、動画サイトでも一つのジャンルを形成している。

その他

  • 免罪システムの登場。何らかの理由(ほとんどの場合は誤操作による攻撃)により敵対してしまったNPCとの関係を元通りにすることができる。殺害してしまった場合は流石に免罪しても意味がないが。
    • 前作には敵対状態を解消するシステムが存在しなかったため、一度NPCと敵対してしまったら殺すか索敵範囲内に入らないようにするしか対処法がなかった。
    • 注意していればそもそも攻撃してしまうようなことはないのだが、SIXASIXのようなL2・R2の感度が良いコントローラだと「床に傾けて置いた」「膝やテーブルに当たった」等が原因で攻撃が暴発してしまうことがある。
    • 敵対によって特定のアイテムが入手不可能になったり、誓約を結ぶことができなくなってしまうことがあるため、アイテムコンプリートやロールプレイにこだわるプレイヤーにとっては地味だが便利なシステムといえる。

問題点

様々な要因が重なった事によって全体的な難易度が大幅に向上し、間口が狭くなった。

  • 本作で主に問題となっているのは以下の通りである。
    • HPの回復手段の大幅な制限、魔法の使用回数回復アイテムの削除。
    • 各エリアのレベルデザインの甘さ、及びデバッグやバランス調整の杜撰さ。*5
    • 攻撃モーション、回復モーションの鈍化。
    • 強靭度やヘッドショット等、敵に有利な新要素、敵の思考ルーチンの強化。
    • 前作より高くなった敵の攻撃力・防御力・スタミナ削り能力。
  • 前作では対処法さえ見極めれば案外サクサク進められる難易度*6だったのに対し、本作では様々な仕様変更や問題点・調整が積もり積もって、難易度が大幅に向上してしまった。
    • 前作は敵の配置や動きを観察することによりその敵への効果的な対処法を考えることができた。しかもそれは敵を見て直感的に思いつくものが概ね最適解である場合が多く、プレイヤー自らの思い付きや試行錯誤が確実にプレイヤー自身の攻略を助け難易度を下げることになるという、発見・思考・突破の快感が得られる巧妙なバランスであった。
    • しかし今作では単純に敵の攻撃タイミングを憶えて回避する、またそのためにプレイヤー自身の操作テクニックを向上させるというのが攻略の最適解となってしまっており、思考により難易度が下がる快感は得にくいものとなっている。
    • 前作に比べ、敵が執拗にプレイヤーを追ってくる。前作での敵のプレイヤー追跡はそれほど厳しくはなかったため、それを利用して敵を分断し各個撃破するという戦略が使えた。しかし今作では敵を分断しようにも敵のプレイヤー察知・追跡がかなり厳しく、かつ正確であるため難しい。分断を試みるよりも、自分の操作テクニックを頼りに一対複数で戦った方が手間が少ないというレベル。
      • また、今作に登場する一部の敵は見た目の攻撃属性と実際の攻撃属性が違う場合などが幾つかあり、敵を観察して得られた情報がかえってプレイヤー自身を裏切ることすらある。対策を試行錯誤するというよりもはやデバッグに近い。
  • その高い難易度や対処法も、前作で高評価の「発見と突破の絶妙なバランス」では無く、単純にプレイヤー側に一方的なスキルの向上を求めさせるものが多いのが不満点として上がっている。
  • クリアを優先させるのであれば他のオンラインプレイヤー、NPCを味方として呼び出せば楽なのであるが、一人用ゲームとはゲーム性が異なってしまうため、それで単純に問題が解決したとは言えない。
    • もっともこういった問題点は「前作」を何度もクリアしてしまった熟練者も満足させなければならないシリーズものの宿命といえなくもない。
  • 敵のバリエーションが少ない
    • 種類自体はかなりの数がいるものの、その半数以上が単純な人型の敵であり、プレイヤーがとるべき闘い方はほぼ同じ。
      • 人型以外の敵も含め、多くの敵がバックステップやサイドステップを使用する。これも敵の動き、またそれを追うプレイヤーの動きが同じになりやすい要因(ゲーム序盤に登場する最弱の敵すらそうである)。
    • 敵にも強靭度(ひるみにくさ)が設定されているためプレイヤーが攻撃してもひるまず反撃してくる場合が多く、どの敵に対してもそれを回避(またはパリィ、または盾ガード)しながら攻撃するという戦い方に終始しやすい。
    • また、パリィする敵やガード不能の掴み攻撃をする敵も頻出するため、プレイヤーにとって大きな脅威であるにもかかわらず、それがその敵固有の特徴とはなっていない。
      • 前作では攻撃でひるむ敵・ひるまない敵が明確に分かれていたため、先に攻撃して相手の行動を潰すか、まず回避して反撃するかといった戦い方の違いを敵ごとに考える面白さがあったのだが。
      • 前作に比べ、敵の思考ルーチンもおよそ平板で特徴が薄い。前作では敵ごとにプレイヤーに対する間合いの取り方や攻撃タイミング等の違いが顕著にあった。
    • また、どのエリアにも同じ敵がいるためエリアごとの違いも感じにくい。

前作からの数々の仕様変更も、1つ2つだけの変更ならそれほどでもないが、ここまで・・・といったところか。問題点1つ1つはそれほど大したものではないが、それらが重なって大きな問題点となってしまっている。
上述では簡単にまとめているだけなので、詳しく知りたければ下の各項目をクリックしてほしい。

ストーリー

  • 多くを語りすぎずプレイヤーの想像に任される部分も多いが、作品全体としては非常に練られていて魅力的、十分な世界観をもったストーリーが展開されている。
    ただし、それがわかるのはおよそゲームクリア直前、またはクリア後、周回して細かい会話まで全部知ってからようやくのことであり、初見プレイの序盤から終盤までは自分がいったい何のために行動しているのか非常にわかりにくい。
    • NPCたちとの会話やムービーで「○○へ行け」と目的地こそ示されるものの、そこへ行かなければならない理由は全く説明されない。(場合によってはそういった会話すらなく「鍵を拾ったからとりあえず行ってみる」、あるいはそれすらもなく「行けるから行ってみた」ということも)
      • 前作では「デーモンを倒して国を救う」「生身の身体を取り戻す」というような主人公の明確な行動動機があった(プレイヤーに明示されていた)のに対し、今作では主人公の行動動機がプレイヤーと共有されていないため単に「言われたから行ってみた」というだけに見えてしまう。
      • また、今作の主人公は特別な存在ではなく、大勢いる不死人の中の一人である。人に言われたからといってさして目的意識もないまま危険なデーモンとの戦いに身を投じるのはいささか説得力に欠ける。
    • そのため、なんとなく流れで敵を倒して進んでいるが、自分(主人公)がいま何のために何をしているのかわからないという状況が続く。攻略は進むがストーリーは進まない。ストーリー的な意味でのゲーム推進力が非常に小さい。
  • さらにそもそもプレイヤーがまずどのエリアに行くかという自由度も高いため、物語に沿って展開を進めていけるかどうかもプレイヤー次第というところ。
    • ゲーム開始時に「万能鍵」を持っているキャラクターを選択した場合、開始時点から様々なエリアへ行くことができ、それによって話の順序がプレイヤー次第となるため「なぜ?何が起きてる?」等の疑問が発生しやすい。
  • 世界観の設定に一部難解な概念を持つものもあり、腑に落ちないプレイヤーもいる。
  • エンディングのまとめが前作では語りとしてあったが今作はなく、前作以上に唐突に終わる。

ステージ・ボス

+ ここをクリック
  • ステージの高難易度化
    • 病み村
      • 見ての通り前作の「腐れ谷」なのだが、難しさが辛く焼き直されている。前作同様、毒状態になる場所が多いのだが、前作は毒回復のアイテムを落とす敵が大量配置されていたのに対し、本作では配置されていない(いわゆる詰ませようとしてくる)。
      • また非常に毒の蓄積スピードが早く、回復アイテムで治療してもまたすぐ毒になってしまい殆ど意味が無い。ボス戦への道は必ず毒沼を突っ切らなくてはならないため、ボスに挑むごとに毒消しを消費させられる。
      • 一応、病み村手前に毒消しを無限に売っている商人が存在するし、森ステージを寄り道すれば毒消しが大量に手に入るので、対処は比較的楽。篝火でも回復できる点にも留意したい。
      • それ以前に病み村は異常なまでにフレームレートが不安定。カメラを動かすだけでフレームレートが激減*7
  • センの古城
    • 途中、鉄球の罠を操作できる装置があるが、プレイヤーが操作していない場合でも勝手に装置の方向が切り替わる。
    • かと言ってそれを操作している敵がいるというわけでもなく、装置から一定以上離れるとリセットされるというだけ。(処理軽減のため一定距離外では装置の状態を記憶しないようになっているのだろう)
    • もちろんプレイヤーにとっては操作がなかったことにされるだけなのでただの理不尽な仕打ちである。
  • アノール・ロンド
    • まず単純に入り口が分かりにくい。一見、道に見えないものが道であり、難しいどうこう言う前にただの不親切。建造物としても不自然であり、いかにもゲームのために作られたマップといった構造。
    • 火力が高い敵が多い…というのは問題ではなく、ステージの終盤まで隠された一本橋の抜け道を渡るようなステージであり、渡る間に敵は容赦なく攻撃を浴びせてくる。中でも、中盤の足場の悪い場所で弓矢を撃って来る敵は、どんな状態でも一発直撃で吹っ飛ばされて落下する為、一発食らえば即死亡*8である。ようやく踏破しても篝火(セーブ地点)に辿り着く前に新敵(銀騎士)にやられて終了、という状況にもなりやすい。
    • 弓矢を撃つ敵手前での、弓を回避する方法として前転(ローリング)で弓を回避するという攻略法があるが、狭い足場でローリングを行うという発想は起きないに等しく、それはほぼ必須の攻略法。*9
    • 前述のように基本「隠された抜け道を探す」感じなので、その弓矢の敵が居る場所が果たして抜け道に通じてるかの確証が無い。危険を冒して弓矢の敵を撃破してみない限り、他の場所に抜け道があるのか?と抜け道探しを繰り返す羽目になる。
    • 実は前作『Demon's Souls』にも逃げ場のない細い通路上で強力な矢の攻撃を浴びせられるという場面はあったが、そこでは今作のようにローリングで回避するという突破法以外にも、迂回路の発見や、通路の中ほどまで強引に抜ければ通路の左右に矢が当たらないようになっているなど、プレイヤーの思考や心理に応じた複数の攻略法が用意されており、またそういった迂回路や安全地帯を「発見した際の喜び」を味わうことができた。
      さらには、矢の突破に失敗した場合でもダメージは受けるが即死ではないため、HPの続く限りその場で様々な方法を試みることができ、濃密な試行錯誤の時間を楽しむことができるようになっていた。
      それに比べると今作では、見た目どおりタイミング良くローリングしていくというだけの攻略であり、また失敗すれば即死となるため試行錯誤する時間よりも戻し作業に費やす時間の方が長い。
  • 混沌の廃都イザリス
    • スリップダメージ付きの煮えたぎるマグマの海に強力な敵*10を大量に配置し、ノーヒントで目的地を目指させるという、協力もへったくれもない目頭も痛くなるような構成で、多くのプレイヤーが人間性を亡くしていった。あまりの評判の悪さに、アップデートによって敵の感知範囲の緩和等の処置が取られた。
    • 加えてボスが後述のイベント戦でもあるせいか、高難易度の山場のステージの一つであるにも関わらず、協力プレイは殆ど行われていないという奇妙な状態となっている。
  • 巨人墓場
    • ボス手前エリア以外の全域が一寸先も見えないほど真っ暗闇。しかも敵は高火力・高HP・高強靭度ばかりで、遠距離攻撃をしてくる個体までいる*11
    • 周囲を明るく照らす装備は存在するが、このステージへ到達するまでに手に入るかは運(片方は前ステージにいる倒すと復活しない敵のドロップ、もう片方はイザリスの奥地で特定の敵を倒す)。明かりを灯す魔術もあるが、これも入手方法が分かりにくい*12。ただ、先述のイザリス同様公式がヤバいと思ったのか、アップデートで道中にて最低一つは照明装備を入手できるよう変更された。
    • 加えてボス戦が圧倒的に不利な状況下で戦わせられる先述の「墓王ニト」。イザリス同様にステージ構成が酷いせいで協力プレイが殆ど行われていないため、一人で挑まねばならず厳しい戦いを強いられる。
    • 敵の探知範囲が狭いのだけが唯一の救いだが、序盤に迷い込むと詰む可能性が高い。
  • アクションでしか勝機の無いボス
    • 前作のボスは、小細工が通じないもの、工夫を凝らした戦い方が必要なもの、特殊なイベント戦等とバラエティ溢れていた。*13
      しかし、本作のボスの多くは「相手の行動パターンを覚えて、避けて(耐えて)当てる」というものが大半であり、いくら動きを観察しても突破口が見えてこない。*14
    • また、ボスと圧倒的不利な状況下で戦わせるというシチュエーションが多く、「攻略法が分かっていても理不尽な難しさで勝てない」という状況になり易い。
      • 「混沌の苗床」:
        前作で不評だったイベントボス「竜の神」をより劣化・悪化させたかのようなボスで、公式が用意した手順以外の攻略法がなく、それに気付かない限り撃破不可能。
        気付けたとしてもボスのはたき落としによる落下死の危険が付きまとうためかなり面倒。このボスに対する不満の声は多い*15
        また、前作の「竜の神」は通常・警戒・攻撃で目の色が変化するという特徴があり、不評ながらも前作のコンセプトである「発見・突破・達成感」自体はしっかりと踏襲されていた。しかしこの「混沌の苗床」にはそういったヒントが一切なく、完全に手探りで攻略法を見出さなければならない。開発側が前作の長所を理解していない証明であるかのようなボスである。
      • あらゆるマイナス要素が重なった結果、「こいつと公王のせいで周回プレイを躊躇する」と言われるほどのシリーズ屈指の不人気ボスとして有名になってしまった。
  • 「山羊頭のデーモン」「墓王ニト」:
    ボスの強さに加え、雑魚敵を護衛として連れているため、ボス戦の難易度が雑魚の行動に左右される。
  • 「四人の公王」:
    30秒毎に増援のボスが出現するため、もたもたしていると囲まれて詰む。
    戦闘に時間をかけ過ぎると4人と言いつつ5人目が出現するという謎の仕様も。おかげで5人あわせて!!4人の公王!!とネタ扱いされている。というのもこの「四人の公王」という名前、実はその場に出てくる最大出現数が4人という意味であり、HPを削り切らない限り延々と出現するという仕様なのだ。まさかの名前で初見殺しである。*16
    しかし、当のボスがスーパーアーマー+高HP+高攻撃力という凶悪なステータスを持ち生半可な装備では太刀打ちできない。利用できるような地形もないどころか、背景はボス以外なにもない真っ暗闇で遠近感も掴みづらく、攻略法も「高強靭装備で張り付いて攻撃」「高威力の魔法を連発」等、ゴリ押しに近いものが推奨されるという始末。
  • ただしアクションが苦手な人はオンラインで協力プレイヤーを募り、ボス撃破は全て味方に任せ、自分は安全地帯で防御と回復に専念・・・という戦術も取れる。
    • 呼び出された協力プレイヤーは、その世界では自身を回復する事が出来ず、呼び出した人(ホスト)が回復をする事で自身も回復する。
      これは戦術においてホストが回復役に回るという事なので、何ら恥じるべき要素ではない。
  • 先に触れられている通り、前作にはいわゆるトライ&エラーの準備段階として「敵を観察し攻略法の予想を立てる」というステップが存在していたが、今作ではその猶予がなかったりそもそも観察がほぼ無意味だったりということで半ばそれが消滅している。
    • 攻略のヒントもそれを探す暇も与えられないプレイヤーにできることは「手持ちの武器や思いつく戦法を片っ端から総当たりで試す」だけであり、結果生じる流れは「たまたま選択した武器が幸運にもそのボスに対して効果的な種類であれば、あるいはたまたま採用した戦法が幸運にもそのボスに対して効果的であれば勝利、そうでなければ死亡」というのがボス戦の大半を占める。つまるところある種の運ゲーである。
    • 確かにこれも一応死んで覚えるゲームにはなっているのだが、前作は決してこういったゲーム性で支持されていたわけではない。
  • その他
    • 本作では狭い場所や足場の悪い場所がかなり増えている。また、狭い通路ではカメラアングルがいきなり変わって見辛くなるという問題もある。*17
    • ゲーム後半からのステージ構成が、硬い敵を大量・乱雑に配置しただけだったりと、前作の練り込まれた感じと比べるとどうも見劣りするものがある。とりわけ「死角に敵を配置して不意打ち」というパターンが非常に多い。

システム

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  • 強靭度
    • 1周目では先述した「肉を切らせて骨を断つ」という戦法ができ、「避けて当てる」という軽装型との差別化がしっかりとされている。
    • しかし2周目以降(あるいは中盤以降)だと話は別。ただでさえ本作は全体的に敵の攻撃力が(前作よりも)高いため、防御力の高い防具(強化済み)で固めてもなお被ダメージが大きい。このため「肉を切らせて骨まで断たれてしまった」という状況になりがち。
      むしろ敵にも強靭度が設定されているせいで、「こちらの攻撃を耐えられて反撃で大ダメージを食らう」という事態になる場合が多い。周回を重ねれば重ねるほどこの傾向は強くなる。
    • 逆に対人戦では、「強靭度を高め、回避行動が素早くなる指輪を装備した上で致命の一撃を狙う」という戦法が非常に強い。
  • ヘッドショット
    • 本作からヘッドショットの概念が追加。飛び道具で敵の頭部を狙うと通常より高いダメージを与えられるようになった。
      使えるかと思いきや、肝心の弓が前作から大幅に弱体化しているせいで全く役に立たない。最大まで強化した弓と弩を比較した場合、頭部に当てた弓よりも胴体に当てた弩の方が遥かに強い*18。一応弓には、弩にはない敵を毒状態にする矢が存在するが、投擲アイテムで賄えてしまう*19
    • このためプレイヤーよりもむしろ敵にとって有利なシステムになってしまっている。高い場所にいる敵に射られた際にヘッドショットを食らって大ダメージ・・・という事になりがち(特に公爵の書庫で顕著)。
  • 呪い
    • 新たに追加された状態異常の一種で、呪い属性の攻撃を受けるたびにゲージが上昇し、ゲージが満タンになると即死して呪死状態になる。
    • 呪死状態ではHPの最大値が半分になり解呪石を使う事でしか回復できない。しかしこのアイテムは店で買おうとすれば特定のNPCが5個限定でしか販売しておらず、解呪を行ってくれるNPCや解呪石を落とす敵も後半でないと登場しない。
      • ついでに、呪死耐性の高い防具・指輪も最下層到達時点ではほぼ手に入らない。呪術師装備には若干の耐性があるが気休め程度。最も呪死耐性が高いのは宵闇装備で、こちらは序盤でも入手可能だが初見で入手するのは困難。
    • 呪死状態で更に呪死するとHPの最大値が4分の1~16分の1にまで減少してしまうので、冗談抜きで詰む。中盤の最下層で呪死を使う敵がいるので本作屈指の詰みポイントとして猛威を振るった。
      • さすがに問題とされたからかver1.03では解呪石を取り扱う商人が加わって、HPの最大値が4分の1にはならないなどの修正がされた。しかし、解呪石はかなりのソウルを要求されるので理不尽気味なのに変わりはない。
  • プレイヤーのモーション関連
    • モーション全般が前作よりもかなり遅く、全体的にもっさりしている。特に曲剣や短剣等は前作と比較すると一目瞭然。
      • また、同系統の武器でも重さによってさらにモーションが遅くなる仕様になっている。その「重さによる遅れ」を表現するため攻撃と攻撃の間に重さに応じた溜めが入るようになっており、結果的に一振りごとにプレイヤーの動きが止まるようなカクカクと硬い動きになってしまっている。
    • 前作に「敵の攻撃モーション中に攻撃するとカウンターとなり大ダメージを与えられる」という要素があったが、本作ではそれがプレイヤー側にも適用されている。モーションの鈍化や先述の強靭度、後述する敵の思考ルーチンと攻撃力の強化により、前作のようにサクサク進める事ができなくなっている。
    • 致命の一撃で倒れた敵は完全に立ち上がるまで無敵状態。敵が立ち上がるまで待たなければいけないため非常にテンポが悪い。
      • 前作では倒れた敵に対しても(一部のNPCを除いて)攻撃を当てることができたため、その追撃まで含めて致命の一撃は大ダメージを稼げる爽快感の高い大技であった。
        しかし今作では倒れた敵は立ち上がるまで無敵なので、その間は何もすることがない。そのうえ、致命の一撃自体は使用頻度の高いアクションなので、致命・待つ・致命・待つというようにやたら待っている時間の多い戦いとなってしまっている。
    • 斧や槌は攻撃が単発になり、劣化が著しい。斧・槌・斧槍に見られる「攻撃を外すと通常より大幅に隙が多くなる」という要素も、やはり迂闊に攻撃できないという事態を招く。
    • 前作同様、前入力と攻撃ボタンで出せる「押し出し(今作ではキック)」が誤作動しやすい。キックならまだしも、後転する動作を行う武器の場合は、それが原因で転落死が頻発することも。
    • 前作の回避行動は「装備重量1/2以上でどっすんローリング・1/2以下で軽快ローリング」だったのに対し、本作では「1/2以上でどっすんローリング・1/2以下1/4以上でややどっすんローリング・1/4以下で軽快ローリング」という仕様になった。このため前作のような軽快ローリングを実現するにはより重量の軽い防具を装備せざるを得ず、結果的に難易度が向上している。
    • 移動速度すら低下するので快適にプレイする上でも装備重量の制限が非常に厳しい。装備重量上限を増加させる指輪「ハベルの指輪」があれば条件はかなり緩和され、快適なプレイのためにはおよそ必須であり、指輪の装備枠1つをこれが占有する場合が多い。
      • 前作でも必須級の指輪があり、それによって指輪の装備枠が常時埋められていたという意味では近い状況であるが、前作のそれはプレイヤー自身が上手くなれば不要になる指輪であったのに比べ、今作の装備重量に関してはシステム的な仕様なのでプレイヤーの技量に関わらず軽快に動くためには要る。
      • それなりの防御力で軽快ローリングを使いたい、という人のために「暗い木目指輪(1/2以下で軽快ローリング可能)」があったのだが、アップデートで1/4以下に修正。もっともこれは対戦で何かと議論されていたものなので何とも言えないが…。
    • 場合によっては命取りにもなり得る重要な回復モーションも、やはり前作と比較して隙が大きい。
    • 落下からの着地時にローリングしたが反応せず、他のなんらかのアクション(盾を構えるなど)を行なうと、ようやくローリングするなど変な挙動がある。
    • ちょっとした段差を跨げずに引っ掛かるなど、足元の判定が微妙に甘い。そのため、先述の「病み村」などで妙な滑落が発生することがある。
    • 敵をロックオンしていても攻撃が当たらない。敵をロックオンしていてもなぜか攻撃の追尾が甘く、特に上下の攻撃角度はほとんど調整されない。そのため、坂道や背の低い敵、背が高くて股の下が空いている敵などを相手にすると攻撃を空振りしやすく、ロックオンしない方がマシなくらい使い物にならない。
  • エリア間の移動で非常に時間が掛かる。
    • 一応中盤から篝火から篝火へワープできるようになるが、それまでは大変な不便を強いられる。
      アップデートでより多くの篝火へ移動できるようになったが、その修正がされたのは一年近くも後の話である。
      • 最終バージョンでも後発作のようにすべての篝火には転送できないため、とにかく歩かされる時間が増える。
  • 本作ではボスを撃破しても亡者から生者に回復しない上、篝火も出現しないため回復もままならない。
    • とは言っても、ボス撃破後には近くに篝火やショートカットがあったり、終盤のボス戦後はボス部屋に篝火が出現する場合もある。
    • しかし篝火があっても転送を使えるのは後半なので、クラーグ戦後などは、(ショートカットがあるとは言え)歩いて帰ることになる。
  • 武具の預かり、取り出しがやりづらい。
    • 前作『Demon's Souls』と異なり、木箱にあるものと持っているものが同時に表示されるため、項目が長くなりやすい。
      武器がカテゴリごとに分けられておらず、武器を取り出す場合は長いスクロールを要求される。

バランス調整

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  • 必要能力値がやたら高い武器
    • 脳筋系武器*20の必要能力値が今作ではやたらと高く設定されている。例として前作で最も必要能力値が高い特大剣「竜骨砕き」は筋力30。比べて本作の特大剣「黒騎士の大剣」は筋力32+技量18。「デーモンの大鉈」は筋力40。「古竜の大剣」は筋力50+技量10、筋力58の「スモウハンマー」等、高レベルでないと持てないものが多い。
      • 両手持ちなら筋力が1.5倍として計算されるため、それを見越して筋力武器だけ必要能力値を多めにしたのだと思われる。盾が持てなくなってしまうのを気にしなければ筋力39で全ての武器の筋力条件を満たすことはできる。
    • 一方で、技量系武器の必要能力値は筋力のそれより遥かに低く、最も高いもので「竜狩りの槍」の筋力24技量24とかなり低いので、竜狩りの槍は簡単に見積もってもレベル60前後で使える事になる。*21
  • 魔術・奇跡
    • 本作では魔術と奇跡にも必要能力値が設定されている。脳筋武器の必要能力値の高さ同様、「必要能力値が高過ぎる故に使いたくてもなかなか使えない」という点は、ユーザーにもどかしい思いをさせている。前作よりも数が増えたため尚更であろう。
    • 決して全て高い訳ではないが、魔術(理力)の「ソウルの結晶槍(44)」や「白竜の息(50)」、奇跡(信仰)の「太陽の光の癒し(48)」や「太陽の光の槍(50)」等は、高過ぎると言わざるを得ない。しかも結晶槍と光の槍は、それほどまでに高い必要能力値でありながらアップデートで弱体化されている。
      • ただしこれらの魔法などは「数ある同系魔法の最上位版」であるので、使いたいだけなら同系統で低威力のものを低い要求能力で補える。
  • 炎・雷派生武器が強すぎる(※改善)
    • 現在ではアップデートVer.1.06で弱体化し、程良い調整が施された。*22
    • ステータスに影響されない固定攻撃力というためか、物理攻撃力の時点で既に通常強化した武器の物理攻撃力と肩を並べており、それ加えて属性攻撃力(炎or雷)が物理攻撃力とほぼ同数値。簡単に言えば、通常強化した武器に常に属性攻撃力が乗っているという形。
      • 逆に、通常極限強化した武器にエンチャントアイテム(あるいは魔法)を使用する事で攻撃力をひっくり返すほうが手軽で強いため、(本当に逆に)日の目を見ない感じになっている。
      • 普通にストーリーに沿って攻略していると炎・雷派生を作れる時期がかなり遅く、その時点でのステータス育成具合によっては既に炎・雷派生より通常強化の方が強いことすらある。
        ステータスに影響されない、つまり低ステータスでも使いやすい武器として、もっと早い段階で作成できればより価値も高まったのだが。
  • ユニーク武器が弱すぎる
    • ユニーク武器の大半は、必要能力値が高過ぎる・能力補正値(武器に各種能力の値が上乗せする)が低い等の理由で役に立たない。
    • 中盤以降での入手となる「スモウハンマー」や「巨人のハルバード」より、序盤で入手できる「グレートクラブ」や「ハルバード」を強化して使った方が普通に強く、先述の通り必要能力値も遥かに低い。
    • ユニーク武器に、十分実用に耐えうる性能のものが少ない。前作には性能的な劣化はあったものの、MP回復や状態異常への耐性上昇、ドロップ率上昇といった追加効果があったが、今作はそれらの点が極めて薄く、結果的に弱い。
    • ユニーク武器の殆どがエンチャントできなくなってしまっている。前作ではエンチャントが可能なユニーク武器も多数存在していたのだが。
  • 修正される前に、特に猛威を振るっていた要素。
    • 「強い魔法の盾」
      • 左手の盾を魔法強化して一定時間、受け能力とダメージカット率を大きく上昇させる魔法の1つ。アップデートVer1.03までは、バグによって25秒間無敵というとんでもない事になっており、これを使えば落下、状態異常以外で死ぬ事がない有様だった。
      • アップデート後は正常な効果となったが、効果時間が15秒に減らされるという意味不明な調整が施されてしまった。問題はそこじゃない。
    • 「緩やかな平和の歩み」
      • 奇跡の一つで、一定時間自分の周囲に近づいてきた敵の移動速度を低下させ、回避行動を封じるというもの。一定時間と言っても30秒という長い時間はやりすぎ。逃げることも回避もできず、ただ的になるしかない惨状に、オンラインにおける対人戦は酷く荒れた。
      • アップデートで効果時間が10秒に短縮され、強力ではあるものの以前のように猛威を振るう事はなくなった。
    • 「霧の指輪」
      • アクセサリーの一つ。敵に気取られにくくなると同時に対人戦において相手からロックオンされなくなるというものになっており、相手は無防備な背中を晒す事となる。ちなみに魔術の「見えない体」もこれと同じ効果だが、有限で時間制限付きなのが異なる。
      • アップデートでロックオン可能となり、程良い効果に調整された。
    • 「結晶輪の盾」
      • 盾の一つ。特殊攻撃で放てる攻撃の威力が右手武器に倍率補正が掛かったものになっており、ボスに4桁というダメージを叩き出してしまうものになってしまっていた。
      • アップデートで倍率補正が廃止されたが、逆に弱くし過ぎたせいで、上記の「弱過ぎるユニーク武器」に仲間入りしてしまう事となった。
    • 「亡者兵士の盾」
      • 序盤の雑魚から容易に入手できる盾。最高まで強化すれば受け値85と大盾をも凌ぐ驚異的な数値を誇っていた。総カット率は低いとは言え重量と必要能力では破格の性能だった。
      • アップデートで下方修正され、入手タイミングに相応しい性能になった。
    • 「古めかしいスカート」
      • 防具の一つ。「戦いを意識した衣装ではなく、防御力はまったく期待できない」と説明文にあるが、その実、炎防御力以外は驚異的な値を誇っており、最軽量級の防具にも関わらず、殆どの数値が最重量級金属足甲すら超えるレベルであった。
      • 以上の点から「鉄壁スカート」等ともてはやされ、一時期はスカートを履き、浮いた重量分を重い装備に回すのが男女を問わず防具チョイスの主流になっていた。
      • アップデートで下方修正され、説明文通りの性能に落ち着いた。パッチ前の軽量の足防具はこれ程ではないにしろ、重量に対し性能が高すぎるものが何故か幾つかあり、それぞれも同様に下方修正されている。
      • 他のバグに比べれば致命的じみた要素ではないが、スカートの存在で他の軽量防具を選ぶ意味がほぼ0になっていたことを考えるに、調整不足を取り上げるにあたって見過ごせない要素の一つには違いないだろう。
    • 「箱バグ」
      • 不具合の一つ。とある手順を踏めばキーアイテム以外の武器やアイテムをNEW GAMEに引き継げるというもの。
      • これを利用して、序盤のレベルの低いうちから最大強化された武器を手に入れることが出来てしまい、結果として、序盤で勝ち目の無い状態の、いわゆる「初心者狩り」を助長する事態に陥った。
      • 対人戦や全体のゲームバランスに甚大な悪影響を及ぼしたが、発売から一年近くも修正されずに放置されていた。

その他

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  • オンライン
    • 篝火で休憩中の相手にも侵入できる点は、純粋に攻略のみを楽しみたいプレイヤーからよく批判される。
      亡者であれば侵入されずに攻略だけを楽しむことができるのだが、篝火で注ぎ火をする時はどうしても生者にならなければならない。
      • 運が悪い、または侵入が激しいマップだとこの「注ぎ火のために生者になった直後」に侵入されることがある。侵入されている間は篝火は利用不能になるので、最悪注ぎ火自体できなくなってしまうことも。*23
    • P2P方式で、サーバーを介さずにハード同士を直接繋ぐタイプの方式のためか、発売直後からオンライン障害が頻出(現在は改善)。
      • 開発者によるネットラジオによると、常にバックで20人程度が自身と繋がっている状態であり、それら20人がレベルや場所の移動などで常に立ち代り入れ替わりにしている。
      • その20人の中で侵入や協力が可能となる。さらに、その20人が自身と同じ誓約に近いという条件が加わる。*24
      • これは偶然一度出会った人に、すぐにもう一度出会えるチャンスがある、という浪漫的要素を持っているので、むしろ評価点だと言える。
    • 前作同様、オンライン上でのラグが対戦で酷い。
      • 国内隔離サーバーだった前作と違い、今作ではP2P形式の中で、ある一定回線品質以下のプレイヤーは自身とのマッチング候補から外されるという仕組み。
      • その仕組みが甘いせいか、結構な頻度で海外の人と接続することが出来、元々ラグなどが酷い状況もあいまって、あまり歓迎されていない。
    • ほかには、他のプレイヤーが置いたサインがすぐに消えてしまう、サインを拾っても失敗してしまう事が多い、など。
  • 二番煎じ
    • 「デモンズソウル」と似通っているシチュエーションやボスが多く、前作プレイヤーには新鮮味が薄い。
      • ボスの「アイアンゴーレム」は前作の「塔の騎士」と戦い方が全く同じ。
      • ボスの「鐘のガーゴイル」は前作の「マンイーター」よろしく途中でもう一体出現する。
      • ボスの「三人羽織」は前作の「愚か者の偶像」同様に偽者を召喚する。
      • 「飛竜が橋の上で炎を吐く」という状況が前作にも存在する。戦闘を避けるために橋の下をくぐる点まで同一。
      • 先述した「病み村」は前作の「腐れ谷2」そのもの。蚊のクリーチャーがおり、沼に入ると毒になる点まで同じである。
      • ジェスチャーの一つであるグリコ「太陽賛美」は前作の奇跡発動モーションとほぼ同じ。
    • これらは前作経験者へのファンサービスと取れ、好意的に受け取られているものも多いが、決して前作のそれを上回るものではなく新たな刺激を持たない模倣品。「そんなのより本作ならではの要素が欲しかった」という声も少なくない。
  • バグの多さ
    • いくつものアップデートによって初期に比べれば大幅に改善こそしているものの、現在でもバランスブレイカーなバグが幾らか残ってしまっている。
      • 「竜頭バグ」
        不具合の一つ。とあるアイテムを用いる事で、消費アイテムを無限に使用できるというもの。発売から一年程修正されずに放置されていたが、無事修正。
        …かと思いきや近年別の手法で発見された。
      • 「エンチャバグ」
        不具合の一つ。特定の手順でエンチャントできない武器にエンチャントを施せるというもの。
        これを特定のユニーク武器に掛けることで周囲に回避行動不可の猛烈なスリップダメージを与え続ける事ができてしまう。

DLC

特徴・評価点(DLC)

  • 本編では完全に消滅していた過去のウーラシールの地に足を踏み入れ、ウーラシールの宵闇の姫君と共に脱出を目指す というのが大まかな目的。
    • そのため使いまわしを警戒されていたが実際には各地は本編の場所を思わせる風景ながらまったく異なるマップであり、
      登場する敵も本編のものと似て非なる。深部に進んでいくとDLCの独自のテーマである「深淵」が色濃くなっていく。
    • 過去を舞台にしたことでオーンスタイン以外は実際に会うことの出来なかった「王の四騎士」達を始め、本編での要素が掘り下げられ世界観が深くなった。
  • マップデザインは本編の反省からか、難しくも理不尽ではない設計。特に「ウーラシール市街」は好評で長らくサインが溢れかえった。
  • 道中の敵たちも強いが理不尽さは抑えられ、一方でボスはいずれも属性攻撃に強く設計されているため無印では影の薄かった通常武器が活躍しやすい作りになっている。
  • 特定のルールの下で戦う闘技場「試練の戦い」が新たに追加された。本編ではしばしば対人だけを求めるプレイヤーがマップを占領する「道場」行為などが問題になっており、一応の解決策でもあった。
  • 新アイテム、新魔法なども個性的で概ね好評。だが問題も…。
  • 深淵のエリアの敵には数が必要になるアイテム「人間性」を高確率で落とす敵が存在し、マラソンの手間が省けるようになった。
  • 本編へのストーリーに干渉は基本的にないが、深淵地帯でとある行為をすると本編でのとあるボス戦のムービーが変化する。
    • 元々設定的に倒すのが気が引ける敵だったのがより倒しづらいムービーに…。しかもそのボスはストーリー上必ず倒さなければならない…。

賛否両論点(DLC)

  • 追加アイテムの入手法
    • 本編もそうだが特定NPCの殺害によって入手するアイテムが多い。というか新防具のほとんどはNPCの殺害で手に入れる。
    • ボッタクリ価格で売りつける上に闇霊侵入までしてくるチェスターはともかく、自分に協力してくれたり、友の墓参りにきている人物を殺すのはなんとなく気が退けるものである。
    • 特に「黄金の残光」を落とす「王の刃キアラン」は多くのプレイヤーに抹殺されてしまった。
      • 殺害しなくても入手できるのだがレアアイテムとの交換をしなければならない。さらに殺害なら交換ではもらえない防具も手に入るので、事実上「殺して下さい」的な存在に。
    • 本編ではNPC殺害にはリターンだけでなくリスクもあった*25。しかし追加NPCは生かしておいてもキアランが白サインを出してくれるわけでもなく、チェスターの商品も既存品のボッタくり価格なので、殺すのが最適解となっている。

問題点(DLC)

  • 新アイテム、新魔法によるバランスへの悪影響
    • 特に問題になったのが全体的に高レベルでまとまった性能を持つ曲剣「黄金の残光」、高威力と当てやすさを持つ「闇の飛沫」、凄まじい追尾性能を持つ「追う者たち」。
      対人面、攻略面でも強く多くのプレイヤーがこぞって使用した。
  • 新要素の「試練の戦い」
    • 全体的に練りこみ不足でマッチングの問題もあり余り評判は良くなかった。

総評

発売当初は前作『Demon's Souls』からの期待度と、オンライン不具合やフリーズなど被害の大きかったものも多いことから期待外れとされていた。
その後もオンライン環境における数々の不備や一部ステージでの処理落ちなど、本作に対して指摘される問題点は多かった。

初期のバランスの悪さと問題点は、9回という異様に多い修正パッチを受けて改善された。
しかし致命的な不具合を一年近くも放置した公式のユーザーサポートの杜撰さは擁護できるものではなく、この点に関しては強く批判されている。

個性的な概念を打ち出した前作から、仕様やプレイ感覚の変化に違和感を感じた人が多く居たため、本作の評価に相当数の賛否両論が巻き起こった。
決して万人受けしないゲームコンセプト自体に更に拍車が掛かったことが、前作の未プレイ、既プレイ者の壁を超えて評価をいっそう定めにくくしているのだろう。

しかし「初出ならではのインパクトあってのものだった」と前作の評価を見つめ直すと共に、本作での悪評価も、あくまで「GameOfTheYear大賞を受賞作した前作」と比較してというものが多く、本作単体として見ればあまり大きなものではない。

アクションが不得意な人を突き放す難易度、不安定さが残るものの、進化している部分は数多くあり、パッチで修正された「現在の本作の評価」は、良い水準に落ち着いている。
高い難易度と魅力溢れる挑戦的な要素を兼ね備え、前作から大幅に増えた武器や防具、新たなオンラインシステムなどで、プレイヤーに大きな発見と喜びを与えてくれる作品と言えるだろう。
観察と思考が重要な攻略要素であった前作『Demon's Souls』に比すると、今作はよりアクション性が重視され、プレイヤーの操作テクニックやタイミング感などが攻略上需要な要素となっている。
そういう意味では、前作『Demon's Souls』よりむしろ、一見雰囲気こそ大きく異なるがデビルメイクライやベヨネッタなどのゲーム性に近い部分もあるだろう。


DARK SOULS REMASTERED

【だーくそうる りますたーど】

ジャンル アクションRPG




対応機種 Nintendo Switch
プレイステーション4
Xbox One
Windows 7/8.1/10 (64bit)
発売元 フロム・ソフトウェア
バンダイナムコエンターテインメント(海外)
開発元 フロム・ソフトウェア
Virtuos【Switch】
QLOC【PS4/One/Win】
発売日 2018年5月24日【PS4/One/Win】
2018年10月18日【Switch】
定価 4,800円(税込)
プレイ人数 オフライン:1人
オンライン:1~6人
レーティング CERO:D(17歳以上対象)

概要(REMASTERED)

ダークソウルを次世代機向けに移植。
Switch版の移植を『Batman: Return to Arkham』などの移植を担当したVirtuosが、PS4/One/Win版向けの移植を『DmC Devil May Cry Definitive Edition』などの移植を担当したQLOCが担当している。

特徴(REMASTERED)

  • 画質がフルHDに対応
    • PS4 Pro/Xbox One X/Win(それ相応の環境が必要)は4K画質でプレイ可能。
  • DLCが最初から収録されている。
  • オリジナル版で残っていたバグがいくつか修正されている。
    • プレイヤーに有利なバグも修正されており賛否両論。
  • オンラインプレイがP2Pから専用のサーバーになった。
  • PS4/One/Win版ではフレームレートが可変ではあるが60fpsに向上した。
    • オリジナル版では処理落ちの激しかった病み村でも60fpsで安定している
    • Switch版はオリジナル同様の30fpsであるが、やはり病み村でも処理落ちすることはない。
  • Switch版ではamiiboに対応しており「太陽の戦士 ソラール」のamiiboが発売された。
    • また、地味にHD振動に対応しており、とあるイベントではJoy-Conを落としそうになるくらい激しく振動するという演出がある。