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遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX TAG FORCE - (2019/03/29 (金) 11:33:23) の編集履歴(バックアップ)


※本稿では、『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX TAG FORCE』(良作)及びそのPS2移植版『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX TAG FORCE EVOLUTION』(劣化ゲー)について解説する。



遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX TAG FORCE

【ゆうぎおうでゅえるもんすたーずじーえっくす たっぐふぉーす】

ジャンル 対戦型カードゲーム
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 コナミデジタルエンタテインメント
開発元 コナミデジタルエンタテインメント
テンキー
発売日 2006年9月14日
定価 5,229円
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 良作
ポイント 「遊戯王=クソゲー」から脱却
収録カードが大強化
公式ルールでタッグデュエル
徹底してアニメに忠実、演出・ボイス完備
今作のみ主題歌も
遊☆戯☆王 関連作品リンク

概要

週刊少年ジャンプで連載されていた漫画『遊☆戯☆王』に登場するカードゲームを元にした『遊☆戯☆王デュエルモンスターズオフィシャルカードゲーム(以下『OCG』)は爆発的なヒットを飛ばした。

しかし、過去の『遊☆戯☆王』のゲームは、対戦ツールはおろかゲームとしても出来の悪いものが多く見られた(実際のOCGのルールが実装されていないもの、バグや歯抜け(未収録カード)が多い、ゲームバランス最悪…etc)。
特にGBCで発売され、歴代最高の売り上げを記録した『遊戯王デュエルモンスターズ4』は、システム・ゲームバランス・商法とあらゆる面でタチが悪い代物であった。
そのため「遊戯王ゲー=クソ」という風潮ができ、続編の売上が大幅低下する原因にもなり、付属カード目的のみで買う人もいることから「5,000円のカードを買ったらゲームがおまけに付いてきた」などの皮肉まで生まれることとなった。

このような風潮は本作『タッグフォース』(以下TF1)にも影響を与えることとなり、発売当時ではあまり市場が盛り上がっていなかったPSPで出たことと、付属カードの能力もいまひとつだったことからカード目的で買う人にもそっぽを向かれ、発売まで空気同然の状態であった。しかし発売後、良い意味で期待を裏切ることとなった。

システムなど

特徴・評価点

  • 旧作品群は未収録カードが3桁以上存在していたが、当作品では発売時点でOCG化していた「POWER OF THE DUELIST」シリーズまでのカード殆どを収録している。
    • これにより未収録カードは通常30枚、限定カード10枚の40枚以外を使用して戦えるシミュレーターゲームとなった。
    • ルールは完全にOCGならびにアニメ準拠。ルールや処理におけるバグもなく、シミュレーターとしての完成度も高い。
  • OCGは定期的に禁止・制限カードリストの更新が行われる。しかしソフトには自動更新はついていないため、通信による公式配信の制限リストをダウンロードすることで更新する。
    • なおゲームの初期制限は現実のOCGルールにおける05/09/01時点の構成。ゲーム発売の一年以上前の制限改訂となっている。
    • ゲーム内ではとある条件により、禁止・制限カードを1枚デッキに投入できる。デメリットとしてCPUも同じ条件を得る。
    • またメニュー画面で通信を行うことにより、公式のオリジナルカードやデッキレシピを受け取る事ができる。
  • 遊戯王ゲーム初、2vs2のタッグデュエル導入。様々なアニメ登場キャラとパートナーを組んでタッグデュエルをすることもできる。1vs1の従来のデュエルも勿論可能
  • デュエル中はフルボイスで全てのキャラが喋り、その台詞に合わせてキャラが3Dアニメーションで動く。
    • ハネクリボーを引くとハネクリボーが喋るおまけつき。
    • 台詞は基本的に「モンスターを攻撃表示で召喚」などの汎用台詞が多いが、各々のエースを使用した場合には専用台詞もちゃんとある。
    • しかもデュエル中のテンポが今までの遊戯王ゲームより良く、かなり快適。デュエルフィールドとキャラクターの3Dモデルの切り替えに遅滞が一切ないので、TVアニメ版そのままに決闘が楽しめる。
      • とはいえバグ回避か、毎回処理に対する確認が行われるため、その部分だけはテンポが落ちる。なお○ボタンを押し続けることで、自分のカードにチェーンしたり、相手のドローステップでカウンターを打つことも可能。
  • PSP版に限り、2ndOP曲「99%」や劇中BGMなどが使用されている。次回作以降ならびにPS2版は「っぽい曲」に変更されており、アニメそのままというのは貴重。
    • アニメサントラ未収録の「運命のテーマ」もそのまま採用されており、ファングッズとしても価値がある。
  • 個性ほとばしる主人公「コナミ君(通称)」
    • よくある喋らない主人公ながら、周囲のキャラとのやり取りや証言から驚異の個性が飛び出してくる。ただし、旧シリーズの主人公と同一人物かは物による。
  • アニメ準拠の3つのシナリオ
    • 基本的にはキャラと会話、デュエル、購買のパンをプレゼントで高感度を上げていく。デュエルもできるキャラゲーたる所以。
  • 第一部はデュエリスト1のメンバー7人のうち、好感度の高いキャラに毎週日曜毎にタッグデュエルに誘われる。そして大会前日までにパートナーを決める学園生活のシナリオ。
    • なおゲーム1週目はデュエリスト1に属する7人(上記メインキャラ)のみパートナーとして選べる。
  • 第二部はデュエル勝利時に貰えるGXメダルを集め、タッグフォースに出場するシナリオ。
    • 決勝トーナメントはアニメのメインキャラと戦う事になるのだが、いずれかのメンバーをパートナーとしていると、該当するペアが消え迷宮兄弟が出場する。
  • 第三部はセブンスターズが登場し彼らを討伐するシナリオが軸となる。
    • こちらも選んだパートナーとのタッグデュエル。該当人物とタッグを組んでいる場合、本来組むはずだったセブンスターズとのデュエルはキャンセルされる。
  • いずれもアニメ1期に合わせたシナリオとなっているが、設定そのものが2以降と混ざったキャラもいる。
  • メインキャラにはそれぞれ専用ストーリーが用意されている(ちなみにメイン・モブ問わず、女性キャラのストーリーはほとんどギャルゲー状態になっており、そうした面からも評価されている。もちろんギャルゲーの始祖コナミだけあって女性キャラの可愛さはお墨付き。システム面とも合わせ「カードゲームが出来るギャルゲー」とも)。
    • 一方でシリアスであったり、キャラの成長を中心にすえた心温まるストーリーも多い。

賛否両論点

  • OCG準拠ともあり、ルール上越えられない壁は越えられないまま。
    • 一例として十代が《沼地の魔神王》を使ったり、カイザーが《融合呪印生物-光》を投入していたりと、デッキ補強はガチガチに固められている。もっとも大きくイメージが異なるデッキを持たされてるキャラはいないが。
      • この補強があるためか、旧作にしばしば登場した積み込み行為はまず見受けられない。

問題点

  • AIの思考ルーチンがまだまだ未熟。旧世代機の酷さに比べれば相当の改善がなされてはいるものの、素直に評価できる領域ではない。
    • 敵味方問わずなので、CPUのプレイングがひどく敗因に繋がることもある。これを理由に「1vs3のデュエル」と揶揄されることも。
      • 十代に合わせてHEROデッキを組むと切り札がいないことから事故を起こしやすく、カイザーは《サイバー・ドラゴン》をアドバンス召喚しない、攻撃出来ないタイミングで《パワー・ボンド》を使うなど、問題あり。
    • この問題が顕著に出るのが、開始直後にパートナーから手番が回る場合。CPUのデッキも構成だけはしっかりしているので、カード周りはいいものの、悪手を打ち続け壊滅状態からこっちにパスされることもしばしば。
  • 無論OCGそのもののルールが複雑で、公式裁定やエラッタが頻発する環境上CPUの思考に全てを組み込み最適解を導き出すというのは不可能な話ではあるが、自身の初期デッキすらまともに回せないキャラがそれなりに存在してしまうのは問題点として挙げられる。
    • デュエリスト1のキャラでも明暗が分かれる。デッキが弱いがプレイングに問題が出にくい丸藤翔と天上院はまだいいかもしれないが、堅実に強いのが万丈目と三沢の二人だけというのは問題がある。よりにもよって遊城十代はHEROデッキの軸が未収録、ルーチンに問題を抱えているのか融合も満足にしないなど、はっきりいって弱い。
  • 膨大な収録内容の為、ロードは長め。マップ移動とデュエル開始時、デッキ編集を開始するまで、編集を完了してメニューに戻るまでが目に見えて長い。
    • デュエル中のロードは上記に比べればほとんど存在しないのが救いか。とはいえ、フィールドのカードの枚数が多くなるとCPUの思考時間がどんどん伸びていく。
  • 《禁止令》《マインドクラッシュ》など、カード名を宣言する時は何千枚とある全カード一覧の中から宣言したいカードを探す必要がある。
    • 一応頭文字毎で括られてはいるが、それならば最初からデッキ構築画面を流用するなりして手間を省いてほしい所。
  • ゲームの初期制限構成が古い。
    • ギャップが1年差、その間に2回の改訂があり*1、当時の実際のOCG環境との間で使用可能・不可能カードの差が大きい。一応制限改訂を変更することも出来るが、CPUのデッキは変更がないため制限を破ってくる。
      • 1年ギャップの理由は製作開始時点の都合と考えられる。左証にあたるかどうかはさておき、06/03/01に制限から禁止カード入りした《強欲な壺》*2のためのボイスがある。
  • パックのまとめ買いが出来ない。○を押し続けるか連打して購入しよう。
  • 公式的にはネット対戦不可。
    • アドホック・パーティなどを使用すれば出来ないわけではないのだが、公式的に場が用意されているわけではない。

総評

それまでの遊戯王OCGを題材としたゲームと比べると非常に良い出来に仕上がっており、「遊戯王ゲーム=クソゲー」を根本的に覆した革命的な作品だと言える。アニメのキャラゲーとTCGが超融合を果たした良シリーズ。
一方でAIはまだまだこれからで雛形のものが搭載されている状態。パートナーの思考がデッキと噛み合わず酷い場合、こちらがアシストに回る形でプレイングせざるをえないのが難点。


余談

  • 下記の通り、本作をPS2に移植した『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX TAG FORCE EVOLUTION』も発売されている。

遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX TAG FORCE EVOLUTION

【ゆうぎおうでゅえるもんすたーずじーえっくす たっぐふぉーすえう゛ぉりゅーしょん】

ジャンル 対戦型カードゲーム
対応機種 プレイステーション2
発売元 コナミデジタルエンタテインメント
発売日 2007年12月6日
価格 6,980円(税別)
判定 劣化ゲー
ポイント 携帯機から据え置き機への劣化移植という珍品
ボイス撤廃、処理落ち増と踏んだり蹴ったり
カード追加も手抜きで、バランス崩壊の原因にも
劣化点の告知は一切なし
遊☆戯☆王 関連作品リンク

概要(EV)

上記、PSPソフト『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX TAG FORCE』のPS2移植作である。
PS2でこれ以前に2作発売された遊戯王ゲームはOCGとはルールの全く異なる別のゲームで、本作がPS2で初のOCGルールに対応した遊戯王のカードゲームソフトであった。
ディスク容量が多く、処理性能もおおむね上回る据え置き機への移植ということで、新規カードや演出・システム面など、様々な強化が期待されていた。
また、当時は『モンスターハンターポータブル 2nd G』による空前のモンハンブームが起こる前で、PSPの普及率はそこまで高くはなかった。
そのため、たとえ追加要素がなくPS2で同じものが遊べるというだけでも一定の需要があったと思われる。
しかし…

追加・変更点

  • 収録カードの増加
    • 使用できるカードの収録総数は『TAG FORCE』では「アニメオリジナルカード(未OCG化)」20種を含む2448種類だったが、このゲームでは続編『TAG FORCE2』で追加されたものを合わせ2889種類に増加した。
      • 要するに、全体の体裁は『1』、カードの収録内容は『2』に準じた移植作といえる。
  • TF2との連動
    • PSPで発売された『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX タッグフォース2』とのUSBコネクトによる連動要素に対応し一部キャラクターが使用可能となる。
  • 同梱の限定カード3種は新カードに変更。
  • OP主題歌及びキャラクターボイスの削除
    • 主題歌はおそらく歌っていたグループの解散と権利関係によるもの。

問題点(EV)

  • 最大の問題点は、オリジナル版にあったキャラクターボイスが全削除されたことである。
    • モーション等は変わっていないので、キャラクター達は虚しく口パクするばかり。
    • 本シリーズにおいて、デュエル中はターンが回ったりモンスターを召喚したりとあらゆる場面でキャラクターがしゃべるため、そこのボイスが切られたというのは致命的。
      • そもそもPS2時代の単体のソフトとしても、アニメ原作のゲームでありながらボイスなしなどというのは何らかの理由でもなければ問題外である。
    • 一応、字幕はPSP版と同じものが付いているが、喋らなければデュエリストの演出の魅力も大幅ダウンである。
    • 先に述べた通りPS2は多くの点でPSPのスペックを上回っており、PSP→PS2の移植でボイスが切られるなどということは普通あり得ない。
      なぜこんなことになったのかというと、アメリカ・イギリス・ドイツといった他国と共に同時発売されたためという説が有力である。
      • 各他言語版にもボイスはない。要するに全言語に対応させるためにボイスのないバージョンを作った後、その後日本語版のボイスを追加する作業をしなかったのだろう。
  • アニメ2期のオープニングテーマであり、移植前のオリジナル版でもオープニングムービーに使われていた歌『99%』が、別の曲に差し替えられている。
    • PSPの本シリーズでも『2』以降はアニメBGMが使われなくなったので、恐らく版権がらみだろう。
  • 追加カードのバランス未調整
    • 『2』のカードが収録されているのに、適用される禁止・制限カード*3は『1』の時点である2005/09/01のままというバランス崩壊っぷり。
      • このゲームが発売された時点では2007/09/01の改訂が最新。『2』での禁止・制限カードは2007/03/01改訂のもの。普通ならば、本作ではこのどちらかを採用するのが妥当だろう。
      • PSP版であれば通信を通して新しい改訂をダウンロードできるサービスがあるが、本作はPS2なのでそれもできない。
    • この改訂後に追加されたカードが大量に存在するため、《ダンディライオン》《(裁定変更前の)森の番人グリーン・バブーン》《未来融合-フューチャー・フュージョン》《E・HERO エアーマン》《冥府の使者ゴーズ》《N・グラン・モール》等の強力カードが3枚(フル投入)積めてしまうという無法地帯っぷり。
    • 言い換えれば、移植されることで追加された400枚以上のカード(実際のOCGで2年分)に対するバランス調整が一切行われていない
      • カードゲームによくある、新カードの登場に付随して強化されたカードも放置されてしまっているため、ゲームバランスが崩壊している。
      • またこの2005/09/01というのは「このカードが入ってないデッキはデッキではない」とまで言わしめた《強欲な壺》が禁止になる前の制限改訂であり、なんとほぼ全キャラクターが使用し、それぞれが専用の台詞を持つカード*4なのである。そのため《強欲な壺》を禁止にしないために2005/09/01の制限改訂にされたのでは? とまで言われている。
      • だが、それはボイスが付いているPSP版なら分かる話であり、ボイスが付いていない今作では単なる手抜きである。
    • もっとも、下記のようにCPUは新規追加されたカードを使ってこないし、こちらは資金に余裕が出てくるころでなければ新規追加されたカードを手に入れられない。
      • 対人戦もできないので、バランス崩壊するのは既にカードをだいぶ集め終わった後の対CPU戦ぐらいであり、実際はそこまで影響がある訳ではない。
  • カードが大幅に増えたにも関わらず、対戦相手の使うカードは移植前と何も変わっていない。
    • これが上記の制限リスト未改定の根拠だろう。
  • 400枚以上の追加カードは「チェッカー・フラッグ」というほぼ全カードを収録したパックのみの収録で、専用のパックは用意されていない。
    • そのため、欲しいカードがあるなら3000枚近くの膨大な収録カードから引き当てないといけない。
    • 一応封入率操作がされており所持枚数の少ないカードが出やすくなっているが、枚数が枚数のため欲しいカードを狙って引き当てるのはかなり困難。
    • デッキに入れられる最大枚数である3枚を入手したい場合は、更に困難な作業となる。
    • 「チェッカー・フラッグ」の出現の遅さもあって、新規追加されたカードの入手はどうしても遅くならざるを得ず、はっきり言ってカードの新規追加の意味を削いでいる
  • 『2』では発売時期の関係で「GLADIATOR'S ASSAULT」というパックのカードが一部しか収録されなかったのだが、本作でもこれが補完されていない。
    • 上と合わせて、単に『2』から収録カードをそのまま持ってきただけ、という手抜き仕事が否が応にも目に留まってしまう。
  • 画質や音質の向上は一切なし。単にPSP版の画面を引きのばしただけであると見られる。
    • 画面が広がり画面比率が変わった関係上粗もやや目立ち、はっきり言ってPS2品質としては若干見劣りする。
  • PSP版にはなかった、かなり気になるレベルの処理落ちが存在し、PSP版における微妙なロードの長さも改善されていない。
    • マップに人が増えてきたり、デュエル中にフィールド魔法を使って背景CGが表示されたりすると明らかに重くなる。
    • 上記の制限改訂などの問題も目立つが、実際遊んでいてキャラクターボイスの次に問題となってくるのはこの部分だろう。
  • パートナーのデッキ編集やカードアルバムの拡大機能など、『2』でシステム上追加・改善された点は何も反映されていない
    • これだけのやっつけ移植にかかわらず、パートナーの好感度を上げることができる「ドローパン」を購入する際のルーレットだけが何故か『2』仕様である。
  • 完全に1人プレイ専用で、メモリーカードを持ち寄ってもPSP版でできた対戦・協力プレイは一切できない。
    • 画面が1つしかない関係上、(相手の手札が見えてしまうので)対戦プレイは不可能なのはしょうがないが、協力しての2人プレイぐらいはできてもいいはずである。
    • これも主にハード上の関係ではあるが、ネットを使った対戦もできない。
  • これらの点はどれも公式ページ等で告知されていないため、買ってみるまでわからなかった。
    • 移植作品で告知もなく重要な項目の削除は詐欺と言われても仕方ないレベル。

総評(EV)

据え置き機から携帯機への劣化移植はよくあるが、その逆をやってのけたという珍しい作品である。
ボイス撤廃を筆頭に、ロードや処理落ちの悪化、バランス調整の悪化、2人プレイの撤廃……これだけの劣化が、明らかに単に移植で手を抜いた結果だというのも虚しい。
これらの点を我慢すれば、元のゲームの出来は良いので遊べないことはない。
だが、PSPを持っておらず、どうしてもPS2で遊戯王のOCGのゲームをやりたいとしても購入をあまりお勧めはできないレベルである。


余談(EV)

  • エンディングを見ると、ディレクター以下は明らかに中国人と思しき「李」「洪」「王」などの漢字2~3文字の名前が並んでいる。
    • その後「オリジナルスタッフ」と続いて日本人のスタッフが紹介されており、中国のスタッフが移植を担当したと推測できる。開発企業はスタッフロールからは読み取れない。
    • 必ずしもこういった下請け自体を否定するべきとまでは言えないが、この出来の原因が劣悪な中国企業への外注にもあった可能性は高いだろう。
  • 本作には付属カードが3枚同梱されているが、その1枚である《堕天使ナース-レフィキュル》が遊戯王で【シモッチバーン】と呼ばれるデッキのほぼ必須カード。
    その後の再録もされていないため割と高値で取引されており、2014年現在カード無しのこのゲームの中古価格を完全に上回ってしまっている。
    • こうなってしまうと、やはりこのゲームはカードのおまけとしか言いようが無い。
  • 一応、PSP版の『2』とUSBケーブルによって連動するという機能が備わっている。
    こちら側にはDPとフリーデュエルで対戦できるキャラが増えるがDPはともかく対戦可能になるキャラは『2』でも対戦できるキャラとレシピである。『TF2』側は一部キャラにグラフィックとセリフが追加される。これに価値を感じるかは人次第か。
    『2』のゲーム内容をコンプリートしたい場合はそのためだけに中古を探すのも悪くないが、それにしても『3』以降とは連動が無くなっているため微妙。