遊戯王デュエルモンスターズGX めざせデュエルキング!
【ゆうぎおうでゅえるもんすたーずじーえっくす めざせでゅえるきんぐ】
| ジャンル | カードバトル |  
 | 
| 対応機種 | ゲームボーイアドバンス | 
| メディア | 256MbitROMカートリッジ | 
| 発売・開発元 | コナミ | 
| 発売日 | 2005年10月13日 | 
| 定価 | 5,229円 | 
| プレイ人数 | 1~2人 | 
| セーブデータ | 1個(バッテリーバックアップ) | 
| レーティング | CERO:全年齢対象 | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | バグ・ルール処理ミスが多すぎ 「OCGとは異なる仕様があります」
 かなり薄い収録カード
 無理矢理なイベントデュエル
 え、KONAMIが作ったんだよね?
 | 
| 遊戯王シリーズ | 
 
概要
高橋和希氏原作の人気漫画『遊戯王』の原作完結の数年後を舞台にしたアニメオリジナルの続編『遊戯王デュエルモンスターズGX』を題材にしたカードバトルRPG。
プラットフォームをGXシリーズに移した初めての作品で、デュエル・アカデミアでの学園生活を体験できることで注目を浴びていたが…。
問題点
- 
ルール、カードの処理ミスとバグがあまりにも多い。
- 
以下専門用語を使用するため、公式データベースなどを参照の事。
 なお、OCGプレイヤー間での慣例に準拠し、単体のカード名は《》(二重山かっこ)で囲んで表記する。
 
- 
《お注射天使リリー》は、自分が「攻撃する時、または攻撃を受ける時」ライフポイントを支払えばその時だけ攻撃力が上がるという効果を持っている。
 このゲームでは攻撃するときは問題ないのだが、攻撃を受ける時はライフポイントを支払っても攻撃力が上がらない。
- 
「モンスター召喚成功時の優先権」が行使できない。
- 
片や召喚成功時の誘発効果は問題なく発動する
- 
しかしOCGにおいて2011年のルール改訂で「モンスターの召喚成功時に起動効果は発動できない」というルールに変更され、奇しくもこのゲームの処理通りの解釈となった。
 
- 
罠カードの《魔法の筒》が他の罠カードの効果を無効化する効果を持つ《王宮のお触れ》に無効化されない。
- 
《滅びの爆裂疾風弾》は本来《青眼の白龍》がフィールドに存在していなければ発動できないカードなのだが、このゲームは
いなくても発動できる
。
- 
《代打バッター》や《引きガエル》等の「~された時」がトリガーとなっている一部のモンスターには「タイミングを逃す」ルールが適用されず、生け贄等にしても効果が発動できる。
- 
しかも、このバグを利用しないと解けない詰めデュエルの問題まである。
- 
OCGでは「~された場合」のトリガーは「タイミングを逃す」ことにはならない。
 
- 
守備表示モンスターをダメージ計算を行わずに破壊する《ドリルロイド》で裏守備表示になっているリバース効果モンスターを攻撃した場合、そのモンスターのリバース効果が発動しない。
- 
OCGの2020年のルール改訂では「処理途中で発動条件となっている場所から離れた場合は発動しない」というルールに変更され、召喚時の優先権と同様にこのゲームの処理通りの解釈となった。
 
- 
相手モンスターを戦闘で破壊した後、フィールドに表側表示で存在しないとと効果を使えない《ニードルバンカー》等が相打ちでも効果が発動する。
- 
本来は相手にしか効果が及ばない「もっとも攻撃力の低いモンスターを破壊する《地割れ》」と「もっとも守備力の高いモンスターを破壊する《地砕き》」の効果が自分のモンスターにも及ぶため、最低攻撃力もしくは最高守備力が自分のモンスターであった場合そのモンスターが破壊されてしまう。
- 
《地割れ》に関しては、以前の作品にも同じバグがあったが、それがまた発生している上にバグが増加してしまっている。
 お注射天使リリーやバグストリームなどに関してはもはや「OCGとは異なる仕様」で弁解できるレベルではない。
 
- 
仕様や演出も公式作品とは思えないお粗末さ
- 
「収録カードは過去最高の1200枚」を謳っているが、ほとんどが通常モンスターであり、肝心の効果モンスターは歯抜けが目立つ。
- 
にもかかわらず収録されている効果モンスターですらバグが散見されるのだから、プログラマの質が低かったとしか言いようがない。
 
 
- 
「未収録はモンスターばかり」という点はDS作品と共通しているが、DS版は上画面にカードの3Dモデルを出すがために製作の手間から収録されなかったと考えることもできる。しかし、こちらはGBAの作品なのでそういった言い訳は通用しない。
- 
融合素材代用モンスターに至っては1体も収録されていない。
- 
この関係で、当時の最新パック「ELEMENTAL ENERGY」からただ1枚収録されている《E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン》は「弱小通常モンスター同士で融合→そのモンスターと別のモンスターで融合」とかなりの手間が必要になり、見向きもされない存在になってしまった。
- 
また、戦士族の「E・HERO」使いの主人公・十代はドラゴン族も加えた混合デッキを使用している。アニメではE・HERO以外のカードも使用はしていたが、当時はまだドラゴン族カードを使用していない。
 
- 
敵のAIも相当貧弱。
- 
プレイヤーを直接攻撃出来る時、こちらのライフポイントが多くても弱小モンスターを攻撃表示で出してくるなど、旧作品並の思考しか持ち合わせていない。
 
- 
敵のデッキには魔法・罠除去がほとんどない為、高攻撃力のモンスターを「攻撃表示の壁」にして《ウィジャ盤》を守り切るという特殊勝利が通用してしまう。
- 
ウィジャ盤による特殊勝利で獲得DP(お金)が増えることもあり、早い話がウィジャ盤ゲーである。
 
- 
もしくは週の最後に行われる寮入れ替え試験で称号「ドロップアウトボーイ」になり、その後のイベントで鮎川先生とデュエルをする。
- 
このデュエル、終わった後のライフポイントがそのままDPになるのだ。回復デッキを使えば余裕で1万超えも珍しくない。
 鮎川先生は魔法・罠破壊のカードを投入しているためにヴィジャ盤は安定しないが、それを抜きにしても弱い。
 
- 
デュエルのスピードこそオプションで設定できるが、相手のターンになるといちいちセリフが入るのでテンポが悪い。
- 
試験官以外の相手はドロー、モンスターを出すとき、攻撃、罠or魔法発動時、モンスターが倒された時の全てにセリフが入る。
- 
モンスターが戦闘で破壊された時には「~(倒されたモンスター名)を倒すとは…やるな!~(主人公の名前)!」と言うが、上記の通り攻撃力の低いモンスターを出してきた時もそう言ってくる。
- 
上記の台詞はオプションでOFFにすることも出来るが、今度は下記の評価点であるカットインまでも無くなってしまう。
 ……まあ真っ当なデュエルが楽しめないゲームだからあってもなくてもという感じはするが。
 
 
- 
デッキ編集時に、鞄に持っているカードだけを表示する事が不可能になっている。
- 
前までの作品はかばんのカードだけを表示する事が可能。デッキに入れてあるカードがあったとしても、それは複数枚持ってる場合だけ。
 このゲームではデッキに2枚、かばんに0枚だとしてもかばんにカード名が表示される。
 
- 
ゲームの各イベントの内容さえお粗末。
- 
原則、プレイヤーのレベル「デュエルランク」が上がる事でイベントが発生しストーリーが進む。
- 
その上げ方が「チュートリアルを全部見る」「100問ある詰めデュエルを進める」月一の試験で「カードのステータスを3択で10秒以内に選ぶ問題をこなす筆記試験」「ノルマ付きのデュエルを行う実技試験」等。
 ただの水増しでしかなく、作っている最中に面白くない事に気づいていたのだろうか。
 
 
- 
大原・小原と対戦する話があるが、大原戦に関してはただの詰めデュエル。しかも1手で終わる。
 小原戦に関しては正規のデュエルとなるが、正直それだけで良かったのでは。
- 
大山戦に至っては互いに制限リストを完全無視した固定デッキを使用。手札に所定のカードが5枚揃うと勝ちになる「エクゾディア」デッキで、かなりの運ゲー仕様になっている。
- 
こうした形式のデュエルは過去の作品でもあったのだが、大山は1枚のドローに命運をかけるタイプのデュエリスト。アニメで使用していたのはオリジナルカードだらけのデッキで再現が難しいので仕方ないと言えるが。
 
- 
万丈目軍団との戦いのフラグは「万丈目にデュエルを持ちかけつつ、やっぱりやめる」という、攻略本がなければ絶対に気付かないような条件の上、ゲームシステム的すぎて適切とは言えない行動である。勿論万丈目自身にも指摘される。
- 
最終的にアニメ同様、一旦逃げ出した万丈目が「サンダー」を名乗ってアカデミアに戻り、以降はサンダーとしての万丈目が定着するのだが、本作では制服は黒ではなくブルーのままで、性格や言動も変わらない。イベントとして必要性すらない。
 
- 
ゲーム内時間で1年経過すると制限リストの変更があるのだが、何が禁止・制限・準制限・無制限になるかはほぼランダム。毎年大幅なデッキ変更が必要になることが多い。
- 
ゲームのクリアともいうべき「デュエルキング」の称号は、デュエルランクと同じような試験を合格することで得られる。
- 
それが終わったところで、クリア後の特典としては鮫島校長とデュエルができ、勝つと名前を変えることができるだけである。そこまでやり込んだ人は一体…。
- 
「全員に10勝」という勝利数も称号条件に含まれるが、各キャラの勝利数はゲーム内のどこにも書いてないし、イベント方法も上記の通りどこにもヒントは無い。
- 
しかも、たとえデュエルキングになったとしても、前述の入れ替え試験に落ちれば1回で一番下の称号「ドロップアウトボーイ」に落ちる。これはひどすぎる。
 
評価点
- 
未収録も多いが、《サイバー・ドラゴン》をつぎ込んだデッキやカオス系統等、いわゆる当時のガチデッキはどうにか作れる。
- 
試験の結果により、オシリス・レッド、ラー・イエロー、オベリスク・ブルーの寮を転々としてそれぞれの生活を体験できる。
- 
後発のゲームは全て主人公がレッド寮固定なので、本作独自の要素。
- 
戦える相手に違いが出ることも独自要素だが、他の作品ではそううった限定条件はないため余計な仕様かもしれない。
 
 
- 
BGMの出来は良い。特に万丈目軍団とのデュエルBGMはとても良く雰囲気が出ている。
- 
一部のキャラクターには相手がダイレクトアタックをする時や、自分が最後の直接攻撃(ダイレクトアタック)する時にカットインが入る。
- 
カットインがある遊戯王の作品はこれと、DSの2008、3DSのWDCくらいである。
 
- 
遊戯王GXのゲームで、唯一鮫島校長や国崎康介とデュエルが出来る。
- 
特に国崎は今後の作品には登場すらしないので貴重である。
- 
後にアニメで鮫島校長が使った《サイバー・オーガ》はまだ未登場なので、彼はデュエル・アカデミアのオーナーである海馬瀬人の《青眼の白龍》デッキを使用する。
- 
ちなみに、後に鮫島校長とデュエル出来るゲームが発売されるが、それはタッグデュエル限定である。
 
 
- 
事実上アニメに先駆けてラー・イエローの寮長である樺山先生が登場し、デュエルすることもできる。影が薄いことを嘆く性格はこの頃から。
総評
原作再現のゲームとして失敗、カードゲームの作品として失格。ファンアイテムとしても擁護できる部分が少なく最下層の部類。
加えて前身の『DM』シリーズは王国編、バトルシティ編と
評価の高低
はあれど、エピソードは原作に沿って進んでいたが、
『GX』シリーズはこの後に『TAG FORCE』と『スピリットサモナー』と2シリーズが平行して発売されるようになり、ストーリーは入学からの仕切り直しとなった。
鑑みるに、この作品が完全に失敗だったことを公式も認めているのだろう、それくらい低レベルな出来上がりである事は疑う余地がない。
余談
- 
ゲームの本体こと特典カードの1枚である《ハネクリボー》のウインクバージョンは可愛いと評判。
- 
長い間再録されず一定の価値を保っていたが、2021年2月6日発売のパック「PRISMATIC ART COLLECTION」にて遂に再録された。
 
- 
本作をDSのGBAスロットにセットした状態で前作『ナイトメアトラバドール』を起動すると、ナイトメアトラバドールで《ハネクリボー》(通常イラスト)が3枚手に入る。…前世代に戻ってまで必要だったかどうかはさておき。
- 
しかし、そちらは《ハネクリボー》を生かせる《進化する翼》や《ハネクリボー Lv10》が収録されて無いので微妙。
- 
さらに言えば前世代なので、E・HEROシリーズも収録されておらずファンデッキにも使えない。
 
最終更新:2025年09月01日 10:54