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マリオとワリオ - (2017/11/26 (日) 15:21:45) の編集履歴(バックアップ)


マリオとワリオ

【まりおとわりお】

ジャンル アクションパズル
対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売元 任天堂
開発元 ゲームフリーク
発売日 1993年8月27日
価格 6,600円(税抜)
判定 良作
マリオシリーズ・関連作品リンク

概要

スーパーマリオランド2 6つの金貨』で登場した悪役、ワリオのスーファミ進出作品。
マリオペイント』以外では唯一となるスーパーファミコンマウス専用ソフトであり、通常のコントローラーではプレイ不可。
元はスーパースコープ用ゲームとして開発されていたが、スーファミマウス用ゲームとして発売された。

ストーリー

妖精の森にやってきたマリオ、ヨッシー、ピーチ。しかしルイージが迷子になってしまう。
ルイージを探すマリオ達だが、そこにワリオがやってきてバケツをマリオの頭に被せてしまう。
妖精ワンダはマリオをルイージの元に導いてバケツを外させようとするのであった…。

システム

  • 操作できるキャラクターはマリオ、ヨッシー、ピーチの3人。それぞれ移動速度が異なり、ヨッシーが最速、ピーチが最鈍になっている。移動速度が速いほど制限時間面では有利だが、操作はその分難しくなる。逆もまた然りで、移動速度が遅いほど操作は簡単ではあるが、その分制限時間面で不利となる*1
    • また、一定以上の高さから落下すると、着地時に一時的に硬直が起こる。この高さもキャラクターによって差がある。
    • 以下、説明はマリオで統一する。
  • ゴール地点まで到達するというのは従来のシリーズと同様であるが、今回マリオはバケツを被せられているため前が見えない。このため、マリオ本人はひたすら直進することしかできず、直接プレイヤーが動かすことはできない。
    • プレイヤーが操作するのは妖精ワンダ。彼女は魔法の杖を持っており、この杖で対象を叩く(クリックする)ことで様々なアクションを起こさせることができる。
      • マリオを叩くことでの方向転換を基本として、他にブロックを出現させて足場を作る、敵を倒すなどのアクションによってマリオを安全にルイージの元に誘導するのが目標になる。
  • 全8ワールド、80ステージ。ワールド1~8は自由な順番で攻略できるが、初心者は1画面しかなく仕掛けも少ないワールド1で練習するのが推奨される。
    • ワールド8をクリアすると、ワールド9が解放。ワールド9クリアで最終ワールドのワールド10が出現する。このためストーリーを終わらせるだけなら、ワールド1~7については特にクリアする必要はない。しかし全てのワールドクリアで…?
      • ワールドクリアの度にワンダがピコハンでワリオをフルボッコにするボーナスゲームが入る。ある程度叩きまくるとワリオの乗っている飛行機が爆発し、ワリオが黒焦げになるという演出もある。叩く度にコインが入手できるのでワンアップのチャンス。

評価点

  • 一つ一つのステージの構造が非常に凝っており、アクションパズルとして純粋に完成度が高い。
    • 単にクリアするだけならそこまで難しくないことも多いが、スターコンプリートなどを狙うと、ヨッシーを使っても制限時間がシビア。ゴールまでのルートが複数用意されているステージもあり、最短ルート開拓も熱い。クリアタイムやハイスコアを競うのも面白い。
    • たった1ボタンしか使わないにも関わらず、登場するギミックは多彩で、仕掛けの運用には頭をひねる必要がある。
      • わかりにくいかもしれないが、本作ではワンクリック=ワンアクションが徹底されている。ドラッグや、ダブルクリックと言った面倒なアクションはほぼ必要なし。「動かすだけでも楽しい」というのは異色作に見えてしっかりマリオしている部分である。
    • ステージ開始後、何かボタンを押すまではポーズがかかっている状態になっており、この間は自由にマップ構造を確認できる。事前に攻略ルートを構築した上での進行が容易。
  • ワールドごとにギミックが異なっており、一つ一つのステージごとの個性が強い。
    • 例えば炎の洞窟では炎を吐く敵、ツボーンが大量出現する、プクプク海では押す度に出現しているブロックが入れ替わるスイッチブロックが多数登場するなど。
      • また背景やかぶり物もワールドごとに異なる。かぶり物に合わせてワンダが叩く音も変わるなど芸が細かい。
  • BGMもワールドごとにイメージに合ったものが用意されており、完成度は高い。
    • グラフィックは奥行きがあるかのような背景を始め、まるでその場にあるかのような臨場感がある。
  • 3人のキャラクターでの難易度分け。単純にピーチが初心者向けでヨッシーが上級者向け…ということでもなく、ギミックによってはヨッシーの方が攻略しやすいなど、個性付けがキチンとされている。
    • キャラクターはワールドクリア、もしくはゲームオーバーで変更可能。ワールド毎にキャラクターが変更できるのは地味ながらうれしい。

賛否両論点

  • 難易度はマリオシリーズとしてはかなり高め。
    • 前半はそこまででもないが、後半のステージのいやらしさはシリーズでも群を抜く。決してクリアできないわけではなく、やりがいもあるのだが、万人向けを志向するシリーズの1作としてはやや異例。
      • ワールド10でゲームオーバーになると、ワールド9に戻されるというのも厳しいところ。

問題点

  • セーブ機能なし。せめてハイスコアの記録や中断機能、パスワードによる進行度保存などの配慮は欲しかったところ。

総評

単純なシステムに奥深い内容、というマリオシリーズのコンセプトをそのまま再現したような一作。
風変わりながらも、独特な面白さを持ち、その快感は他のゲームではなかなか味わえない楽しさである。
操作形態の都合上かバーチャルコンソール配信なども行われておらず、シリーズの中ではやや影が薄い印象があるが、プレイできる環境ならば是非プレイしてもらいたい。


余談

  • タイトルについてしばしば話題になる作品である。
    • 上のパッケージを見れば分かるとおり『マリオとワリオ』なのだが、サイトやカタログによっては『マウス専用 マリオとワリオ』になっている場合がある。
    • この記事ではパッケージのタイトルロゴ表記を優先した。
  • マウス専用なので、現在ではプレイ環境がやや厳しめ。
    • SFC用マウスは現在のPC用マウスと比べると非常に操作性が悪い。
    • ソフトにマウスは付属しないので別途用意する必要がある。大抵のプレイヤーは『マリオペイント』に同梱されたものを使用したことだろう。
  • ワリオが明確にマリオの敵として登場した作品は本作が最後になっている。
    • 以降はワリオシリーズとして独立したゲームの主人公として活躍する一方で、パーティーゲームなどでマリオと共演する際もあまりライバル関係は主張されないことが多くなっている。
  • 落下すると、かぶり物が一時的に外れる(マリオが先に落ち、後からかぶり物が落ちてきてまたマリオの頭に被さる)。
    • ガッチリはまっているのかと思うがどうやらそうではないようで、この光景を見たプレイヤーは例外なく「じゃあ自分で外せよ」とツッコむことになる。
    • まぁゲームとして成り立たなくなるので、「そういう物だ」と割り切れば済む話だが…。
    • コロコロコミックに連載されている漫画『スーパーマリオくん』の『マリオとワリオ』編では、ピーチ姫に被せられたバケツになぜか鍵がかかっており、行方不明になったルイージが持っている鍵でしか開かない、という設定になっている。
      • ちなみにこのエピソード、クッパとワンダが不慮の事故で融合して本来登場すらしないクッパが同行するわ主役の座を求めてルイージがモンスターと化してマリオに襲いかかるわワリオがパワードスーツを纏ってサムス状態になるわ最後の最後で強引に『ワリオランド』編にシナリオを繋げるわやたらカオスな内容になっている。
    • この他にコミックボンボンで連載されていた漫画『スーパーマリオシリーズ』の『マリオとワリオ』においては、コロコロに連載されていた『スーパーマリオくん』の『マリオとワリオ』とは異なり、こちらは『スーパーマリオランド2 6つの金貨』の後日談的なストーリーとなっており、序盤とラストで良心を持ったワリオが登場したり、マリオとピーチ姫が物語の最後まで妖精ワンダを美少女か美少年かで言い争ったりするシーンがあるものの、原作ゲーム版に近い設定を内容にしている。
  • 前述の通り、制作はかの『ポケットモンスター?』で有名なゲームフリーク。
    • メインスタッフも同じであり、制作総監督を田尻智氏、音楽を増田順一氏、キャラクターデザインを杉森建氏が務めている。
    • 「プレイするワールドを8つの中から選択し、各ワールドには10コースが存在する」という部分は同社開発の『クインティ』と同様。最終面に進む条件のみ異なる。