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ファミコン探偵倶楽部PartII うしろに立つ少女(スーパーファミコン版)
【ふぁみこんたんていくらぶ ぱーとつー うしろにたつしょうじょ】
ジャンル
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アドベンチャー
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対応機種
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スーパーファミコン
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発売元
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任天堂
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開発元
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任天堂、トーセ
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発売日
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1998年4月1日(書き換え開始日)
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価格
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2,100円
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レーティング
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CERO:C(15歳以上対象、VC)
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配信
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バーチャルコンソール 【Wii】2008年4月30日/800Wiiポイント 【Wii U】2013年7月31日/800円
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分類
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良作
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ファミコン探偵倶楽部シリーズ
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概要
ディスクシステムで発売された『ファミコン探偵倶楽部PartII うしろに立つ少女?』のリメイク版。
ニンテンドウパワーの書き換えサービス向けに制作されたものである。ストーリー及びゲーム全般の特徴は上のリンク先を参照。
ヘッドフォン(音量高め)推奨(いや、止めた方がいいかも……)。
オリジナルからの変更点
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ストーリーの大筋に変化はないが、発売当時の時代に合わせたテキストの変更及び補足が加えられている部分がある。
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ストーリー後編冒頭のあゆみ探しの3D迷路シーンが削除されてテキストによる描写になったため、ゲーム進行がスムーズになった。
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グラフィックが全面的に描き直されている。同じ場所でも時間経過により日が暮れるなど、描写が細かく臨場感たっぷり。
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オープニングの回想シーンや背景で一部アニメーションが取り入れられており、さらに臨場感が増している。
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背景は3DGCも使った写実的なテイストになっており、サスペンステレビドラマ的な雰囲気が強まった。
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キャラクターデザインもリファインされた。80年代の少女漫画調のビジュアルデザインから90年代漫画調のタッチに変更されており、
ゲーム中のグラフィックも写実的な雰囲気に変化した。
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BGMがSFC音源向けにアレンジされており、オリジナル版にはないBGMも新規に追加されている。
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セーブデータが作られる前の「FC版タイトル画面⇒進化したSFC版タイトル画面」へ変化する演出は、BGMも合わせて必見。
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あらすじ機能、メモ機能の追加。
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ゲーム再開時にあらすじを見て、それまでの展開を振り返ることが可能。内容を忘れにくくなった。
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メモ機能は聞き込みなどで新しい情報が入るごとに更新され、いつでも見ることができる。
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ボタンでメッセージ送りが出来るようになり、ゲームテンポがスムーズになった。
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「あゆみちゃんとのラブラブ度チェック」なるおまけ要素が追加された。
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ゲーム中の行動の取り方によってあゆみちゃんに設定された好感度が大きく変化し、ゲーム終了後、好感度の高さに応じたキャラクター1人が現れ、プレイヤーに対してコメントをくれるというもの。
あゆみちゃんからのお言葉をもらうにはハートマークをほぼコンプリートに近い個数(全20個)まで集めるという条件を達成しなくてはならないのだが、とにかくその難易度が高い。
攻略のヒントとしては、うかつに好感度の下がるような行動を取ってはいけない。(例:序盤の検視シーンで『とる』→『スカート』など)
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ちなみにラブラブ度チェックの結果発表の前に、ゲーム中の行動に基づいた性格診断もしてもらえるのだが、ここでの結果もメッセージ内容に影響する。
長所
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グラフィック、サウンドがオリジナル版からよりいっそう洗練された。
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恐怖演出の一環としてサンプリングボイスも密かに使用されており、それに気づくとより恐怖も盛り上がる。
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ROM媒体なのでセーブに煩わしさがなく、複数個所セーブ可能。画面の切り替え時の読み込みもないのでテンポがよくなった。
短所
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ビジュアル面・演出面が強化され洗練されたが、それにより恐怖感が薄れたとファンから指摘されることもある。
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これはホラー系のゲームリメイクでは必ずと言っていいほど指摘されるポイントでもある。最終盤のあるシーンはオリジナル版の方が怖いという人も多い。
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確かにFC版のシンプルが故に想像力を掻き立てられるシーン描写もなかなかだが、SFC版の容量を生かしたスチルやアニメーションの進化による演出強化も、時代の進化として大きく評価したいところではある。
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前編終了後はインターバルを挟まずにそのまま後編へ突入するが、その一方で後編開始冒頭に挿入される前編のあらましのナレーションがそのままであるため、若干、不自然になっている。
総評
過去作のリメイクとしては、旧作のファンも納得の出来栄え。短あらゆる点で洗練され、過去作のよい点、持ち味を見事に昇華させたと言えるだろう。
余談
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オリジナル版にはなかった正真正銘のゲームオーバーが2ヶ所存在する。
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最も、意図的にくり返しフラグを立てる必要があるため、普通にプレイする分にはまず気づかない、一種のお遊び要素のようなものである。
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「平成 新鬼ヶ島」では収録されていたオリジナル版の収録が今回はない。
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残念な点でははるが、前後編をまとめて収録のため容量的な問題なのだろう。
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多くのファンに望まれているにも関わらず、「消えた後継者」のリメイクは制作されず、更にシリーズの新作も未だ開発されていない。
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製作者が「80年代当時のあの頃だからこそ作れた作品であり、今の時代的に受け入れらるものではないと考えているから」だとインタビューで回答している。
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「消えた後継者」および「後ろに立つ少女」のオリジナル版が2004年8月10日にGBAで復刻販売されている。
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ニンテンドウパワーによる書き換えのみという発売形態により、知名度が低い。
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現在はWii/Wii Uのバーチャルコンソールで配信されており、プレイできる機会が広がった。
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余談中の余談。
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冷静に考えてみると本筋とは全く関係の無い所で謎が残っている。
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怪談がテーマなので以下のような怪奇現象が演出として取り入れられている。
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肖像画の目が動いた(ような気がする)。
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誰かに見られていた(ような気がする)。
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音に注意しているとすすり泣く声が聞こえる。
基本的にはテキスト中で主人公の主観で語られるためプレイヤーがそれを知覚することはない。あくまで物語の恐怖面を引き締めるためのエッセンスである。
だから「気のせい」で片づけられる。
だが、最後は違う。音の面から直接アプローチをかけてくる為プレイヤーはそれを否定できない。1度目こそ気のせいと思うかもしれないが、2度目以降はそうはいかない。
そして何よりプレイヤーを焦らせるのは、このことについて登場人物が一切言及しないことであろう。
…で、普通にプレイしている分だと気づきにくいが、あらためて整理してみるとこれらの現象は美術室に集中していることがわかる。
物語終盤に美術教諭の駒田は「ここには得体のしれない何かがいる」という台詞を残すが、通常ならこれは『うしろの少女』を示すものとプレイヤーは受け取るだろう。
しかし、前述の事実を確認した上で考えてみるとどうだろうか?
本編の真相と合わせて見ても(美術室は事件とは関係ないので)『うしろの少女』とは直接繋がらない。
美術室には『うしろの少女』とは異なるナニかが潜んでいる……?
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