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サガ フロンティア2 - (2015/04/20 (月) 14:29:15) の編集履歴(バックアップ)


サガフロンティア2

【さがふろんてぃあつー】

ジャンル RPG
対応機種 プレイステーション
発売・開発元 スクウェア
発売日 1999年4月1日
定価 7,140円
廉価版 スクウェアミレニアムコレクション:2000年6月29日/3,990円
PS one Books:2002年3月20日/2,625円
アルティメットヒッツ:2006年7月20日/1,575円
配信 ゲームアーカイブス:2008年12月20日/600円
分類 賛否両論
サガシリーズリンク


概要

  • サガシリーズ8作目にしてサガフロンティア?シリーズの第2作目。
    • サガシリーズ全体の傾向として基本的に世界観も全て毎回異なるため、『サガフロンティア』というタイトルを引き継いだものの前作とは大きく異なるゲームになっている
    • 今作の舞台はサンダイルという術至上主義がまかり通る中世風の世界。前作がGBサガ系のごった煮世界観だったのに対し、本作はロマサガ系の中世風世界観に戻った。もちろん世界観の繋がりは全くない。

特徴

ヒストリーチョイス

  • 本作の最大の特徴であるシナリオシステム。プレイヤーは、世界地図上に示された歴史上のイベントを選択することでシナリオを進める。
    • イベントの内容は様々で、パーティでの探索行もあれば「コンバット」という擬似的な戦争シミュレーションもあり、プレイヤーの介入できないエピソードを見るだけのものもある。1つのイベントを終えると次の時代のイベントが世界地図に現れる。
    • あるイベントが時間的にも地理的にも遠く離れた後代のイベントに密接に関わったり、歴史の表と裏を思いがけない形で繋いだりといった展開もある。
  • シナリオは国家間の戦争や政治の流れに大きく関わる表の歴史を描いたギュスターヴ編と、関わるキャラクターのほとんどが平民や冒険者で歴史書には記されない裏の歴史を描いたウィル・ナイツ編の2つに大きく分かれる。
    • スタート時に選択できるのは上記の二人だけだが、シナリオが進行し時代が移り変わると、彼らの子孫や後継者などがプレイヤーキャラになる。以前の主人公たちは引退したり死亡したり以後の動きがはっきり語られなくなったりする。
      • 子孫・後継者だけでなく前のシナリオの仲間キャラや敵が主人公をする外伝的なシナリオも多数ある。
      • このような主人公交代はロマサガ2の感覚に近いが、この作品のキャラクターは汎用キャラではなく全て固有の人格と設定を持った生々しい人間たちである。生まれも育ちも、該当シナリオに関わる理由も様々。
      • つまりサガフロンティアが大勢の主人公たちを一貫して操作することによりシナリオのバラエティの広さを追求したのに対して、この作品は歴史の裏と表という2つのシナリオの軸に複数の主人公を時代時代に交代させることで物語の深さを追求した作品といえる。
    • ギュスターヴ編は術が使えないために国を追放された王子ギュスターヴが母親や友人の支えによって成長し、やがて自ら国を興し覇者となる王道的なサクセスストーリー。ギュスターヴが表舞台を降りてからも、彼の後継者争いやその混乱に乗じた策謀などが描かれ、CMのキャッチコピー「主人公の死。そこから本当の物語は始まる」の通り、シナリオはさらに複雑に展開してゆく。
    • ウィル・ナイツ編はディガー(遺跡発掘者)として仕事をしながら父母の死の真相を探り復讐を遂げようとする初代主人公ウィルと、彼の志を共有するナイツの子孫たちの物語。オープニングでは15歳の少年であるウィルは、主人公が孫のヴァージニアに交代した最終シナリオでも、全ての元凶と決着をつけるため85歳という高齢で参戦する。
  • このシステムのおかげで自由度が低下した反面、シナリオはサガシリーズ最高とする声もある。
    • ただし、このゲームのシナリオは(意図的にだが)不明瞭であり、描写や説明が少なかったり謎を残した部分が多く、不評の声もある(詳しくは『問題点・賛否両論点』で後述)。

バトルシステム

戦闘システムは、閃きや連携といった旧作のシステムを引き継ぎつつ、変更や新要素が加えられている。ちなみに「見切り」は廃止されている。

  • 連携システム
    • 前作よりも演出は抑えられているが、新たに敵との連携が可能になった。通常は最大4連携のところを、敵が自身に使う特殊能力を利用した5連携が可能。
    • 連携数が増えるほどダメージも伸びる。これは後の作品にも引き継がれた。
    • 味方の素早さに関係なく、任意でキャラごとの行動順を設定できるため、少し計算すれば狙った連携を出しやすくなった。
  • デュエル
    • 敵と1対1で戦う戦闘方法。斬る・払う・炎・音*1といったコマンドを組み合わせて行う。
    • お供モンスターが出てこない、参加しない他メンバーのHPが回復する、技・術を効率よく習得できる(下記)等の多数のメリットがある。反面、ゲームオーバーになり易い、参加者しか成長しない等のデメリットも存在。
    • 行動を特定の順序で選択すると技・術が発動することがあり、発動すれば習得できる。これにより閃きや学習よりも技・術の習得効率が高い。デュエルでしか習得できないものもあるが、閃きでしか習得できない・閃きの方が習得しやすいというものも多数存在しており、閃きの重要性を損なうような事にはなっていない。
    • 相抜け・タイムリーアクション・カスタムアーツといった独自のシステムが存在しており、「構える」や「身を守る」等のコマンドにもそれぞれ効果がある。ただし、要素が多い割に作り込みが足りず、あまり意味のない仕様もある。
  • 年齢の影響
    • 本作ではバトルによる成長とは別に年齢により能力値が変化する。
    • 若年のうちは生命力に溢れ、LP(ライフポイント)の最大値が高い。大人になると力強さが強調されタフになる。老いが始まるとHP、LP、WPといった肉体面は脆くなるが精神面の代表であるJPは強化され続ける。
    • 長期にわたってバトルに参加するキャラは多くはないが、15歳~85歳とゲーム中で最長の活躍を見せるウィルは、これらの変化を顕著に確認できる。
  • 術システム
    • 術を使う際には、その源であるアニマを引き出せる装備や環境が必要になる。装備は攻撃力や防御力だけではなく、引き出せるアニマも考えて整える必要がある。
    • 鉄や鋼といった金属装備は攻撃力・防御力に優れるが、アニマを持たず術の触媒にならない。また、アニマを阻害する性質があり術力が低下する(反面、術による干渉を弱めるため術防御は上がる)。この設定はギュスターヴ編のシナリオにも強く関わっている。
  • 装備は耐久制
    • 本作ではGBサガシリーズのように、大半の装備に使用回数が設定されている。
    • 装備は敵や宝箱などからアイテム所持数を圧迫するほど手に入り、装備を使い切るとチップという換金可能なものが手に入るため、使い捨てが基本。「クヴェル」という使用回数が無限の装備や、使い減りしない金属装備も利用できる。
  • LPシステム
    • 旧作に比べて、各キャラの持つLP(ライフポイント)の重要度が高まっている。
    • 前作までは戦闘不能に陥る度にLPが減少し、ゼロになったキャラは離脱・使用不能という仕組みだった。今作では単に戦闘不能となった場合にはLPが減少しないが、LPが減少する局面は増えている。また戦闘中キャラのLPがゼロになっても、戦闘後に1だけ回復するためキャラが使用不能にはならなくなった。
    • 前作までとは異なり、戦闘終了後のHPは最大値の1/4までしか回復しない。また戦闘以外でHP回復術は使用できない。今回は、戦闘不能になっていなければ毎ターンの行動前にLPを1消費する事でHPを全回復できる。LP消費回復を行ったターンも、行動に制約を受けることはない。
    • 技・術を使用するためのポイント(WP・JP)が0になっても、LPを消費して使用できる。
      • なお、術と体術はLPを消費して繰り出すと通常よりダメージが増加する。そうそう狙って使えるものではないが、最大ダメージの連携を狙うやり込みなどにも使用された。
    • 今作はLPを削りながら行われるバトルであり、ボス戦は「パーティーキャラのLPが尽きるまでにボスを倒せるか」がポイントである。常にLP残量に気を配る必要がある。
  • ロールシステム
    • 各キャラにロールという役割を割り振ることで、戦闘時に独自の効果が発揮される。
    • 「鉄砲玉」は最速で行動できる、「スカウト」は戦闘開始時に味方の陣形が崩れにくくなる、「術強化」は術による攻撃効果が上昇する、など。
    • ただし、設定ミスで効果がないもの、効果が表記と異なるものが 過半数 を占めており、粗が目立っている。
  • その他
    • 戦闘の進行状況・優劣によって「見逃す」「停戦交渉」「敗走する」等が出現することがあり、敵を全滅させずに戦闘を終了させることが可能になった。
      • どれが出現するかはこちらと敵のHPの状況で変化。成功確率はこちらが有利な状態なものほど高い。有利な状態の戦闘終了にはアイテムのドロップ確率が上昇するものもあり、レアアイテム収集には有難い。
    • 前作にも言えることだが、敵味方の配置がわりとバラバラになる仕様。したがって、敵を包囲したり、味方がバラけたり、逆に敵に囲まれたりするいろいろなシチュエーションがある。陣形をきちんと組めない反面、扇型・円型・直線などの範囲攻撃の使い勝手が高く、また局面によって範囲が大きく変わるため、どこでどう使うかが後のシリーズより大切。

コンバット

  • 諸侯同士の戦争を表現したSRPG式の特殊バトル。ギュスターヴ編で4回ある。
  • 敵軍と自軍(プレイヤー側)に分かれ、マス目状のフィールドに配置された4人1組の自軍ユニットを動かして戦う。
  • 敵軍ユニットに接触すると、ユニット同士でバトルが開始される。
    • このバトルは特殊で、1ターンだけ戦い、ターン終了時にユニット内の合計HPが高かった側の勝利となる。敗北したユニットは退却するが、退路が塞がれていたり、4人全員が戦闘不能になった場合はそのユニットは消滅する。
  • コンバットでは「防衛ラインへの侵入」などの敗北条件を敵軍に満たされぬよう警戒しつつ、「大将ユニットの撃破」などの自軍勝利条件の達成を目指していく。
  • ユニットを構成しているのは、基本的に敵味方ともにコンバット専用の汎用(名前無し)兵士キャラ。ステータスは低く固定で、使用できる技も初期レベルのもののみ(プレイヤーは汎用兵士キャラの装備品、技に干渉できない)。
  • 自軍ユニットに別シナリオで育てたキャラを使えるなど、プレイヤー側に有利なコンバットが多いが、最後のコンバット「サウスマウンドトップの戦い」は本作屈指の難関と評されている。

2周目からのゲーム内容と引き継ぎ要素

+ クリア後要素のため格納
  • エンディング後はクリアデータを作成することができ、クリアデータではいくつかの要素をクリア時から引き継いだままのニューゲームが可能になる。
  • 2周目ではヒストリーチョイスが変化し、全てのシナリオが最初から自由に選択可能になる。いきなりラストバトル突入も可能。自由度が増して以前のサガシリーズらしいフリーシナリオ的な遊び方ができるようになる。
  • 強力なアイテムやロールを所持しているキャラのいるシナリオだけを選択して、効率よくパーティーを強化していく進め方が可能になる。また、習得していた技・術が全て最初から使用可能になっている(アイテム類やキャラクターの能力値は引き継がれない)。
    • 引継がれるのは良いことばかりではなく、モンスターの「学習レベル」という要素もある。これはプレイヤーが特定の攻撃を使用することで上昇し、モンスターの使用してくる攻撃の種類が増えるというもの。

評価点

世界観

  • 術至上主義という文化を細部まで反映した世界観は高く評価されている。ストーリーはもちろんの事、バトルシステムや武具といったプレイヤーが関与する部分の大半にその文化が反映されている。
    • ジャケットに描かれている折れた鉄の剣に象徴されるように、「鉄の武具」が本作のストーリーにおいて重要な役割を担っている。
      + ネタバレ注意
    • 作中の鉄器は「所持していると術力(=アニマ)を妨げる」ために世間では異端な存在であった*2。しかし、アニマを持たない術不能者であったギュスターヴは、鉄の強靭さに着目し、金属製武具で武装した術不能者の軍隊を編成する。その結果ギュスターヴは帝王に上り詰め、物語中盤以降は鉄の素材自体が世間に評価されていき、店頭に金属製武具が並んでいく。*3
    • パッケージにも描かれている「ギュスターヴの剣」は、ギュスターヴが少年時代に初めて鉄製の短剣を造ったときから理想として胸に描き、後に彼自身の手で造られた鉄の武器である。作中では彼の力の象徴として描かれ、彼がそれを超えることを目指した火炎剣ファイアブランドと並んで「世界最強の剣」と言われている。
      • 最終ボス「エッグ」にトドメを刺したのもこの剣である。エッグは物語終盤でギュスターヴを名乗る男を操り暗躍していたが、最終的にはギュスターヴの正統である男(名も読みを変えて継いでいる)によって、血筋と同じく受け継がれていた鉄の剣でトドメを刺される。
      • エッグと相討ちするかのようにこの剣は折れてしまうが、もはやこれからの時代には無用のものとして、ジャケットの絵の通り草原に捨て置かれる*4。ギュスターヴが築いた時代もここで終わりを告げ、人々が次代へと歩んでいくことを暗示して、物語の幕が引かれる。

グラフィック

  • 水彩画調のグラフィックは美しく、画面を落ち着きのあるものに仕上げている。
    • 砂漠に聳え立つ散水塔、氷と人工物が組み合わさった寒冷地の遺跡、琥珀色の映える虫の住処、うら錆びた古代の巨大橋脚など冒険の舞台のシチュエーションが浪漫に満ちていることもあって終始幻想的な雰囲気を味わえる。

BGM

  • 作曲家は旧来の伊藤賢治氏から浜渦正志氏に交代。発売当時は懸念の声もあったが、実際のゲーム中の音楽は非常に質が高く、現在では批判の声は殆どない。
  • ゲーム中の曲は主として3種類のメロディーしか使われてない。特定の旋律を変奏させながら複数の曲に渡って多用する事で統一感を生み出している。同じメロディーでも楽器や曲調を工夫して幅広いバリエーションを持たせるという職人技を披露している。例としては町の曲と戦闘曲が同じメロディーなのに違和感が全くないなど。
    • これは氏の「連続するシーンで、全く異なるメロディーを流すことへの違和感」から生まれた産物であり、氏がゲームへの造詣が深いことも作曲の要因となっている。
  • ゲーム全体としての音楽の調和もさることながら、単体の曲としても聴き応えがある。特に戦闘曲は伊藤氏とは方向性は違うものの、世界観との調和も相まって評価が高い。
  • 浜渦氏は次回作の『アンリミテッド:サガ』でも作曲を担当しており、ゲームとしてはあまり評価されなかったものの、BGMはやはり高評価を受けていた。
  • なお、この音楽手法は本作が出るまでコンシューマではほとんど採用されなかった珍しい手法である。
    • FFなど複数作に分かれてアレンジといった形ではあったものの一作品内で大胆に行ったのは初めて。

ユーザーインターフェイス

  • 本作ではL1=武具装備画面、R1=技装備画面、R2=ステータス画面となっており、メニュー仮面を経由せずに任意の画面を呼び出せる。クイックセーブも一瞬。
  • また、他のゲームでは殆ど見られない特徴として、本作では右スティックでもキャラクターやカーソルの移動ができ、片手での操作が可能となっている。

問題点・賛否両論点

シナリオ

  • ヒストリーチョイスによって一世紀近い歴史を辿る壮大なシナリオではあるが、説明・描写が不足しており、評価は分かれている。イベント内容やキャラの台詞を注意深く追うことで見えてくる事柄もあるが、アルティマニアや設定資料集を当たらなければ補完されない事柄も多い。
    • 発売当初、シナリオについては否定的な意見が多かったが、上記の性質から後にある程度再評価された。一方で、別売の書籍でやっと穴が埋まるような作りへの否定意見も根強い。「考察の楽しみを残している」という評価も、「プレイヤー置き去り、投げっぱなし」という評価も、どちらも不当なものではない。
    • 特に、キャラクターの描写に関しては、途中からゲーム中での登場が一切無くなって「あのキャラはあの後どうなった?」と思ってしまう脇役キャラが多い。ただし、この点に関しても関連書籍などを読むことでその後が補完できるキャラはいる。
    • 一部の事件は、最後まで真相が明らかにならず謎のままに終わるため、好みが別れる。
    • 過去のシリーズ作品よりも配慮は窺えるが、シリーズ伝統の粗雑な言い回しも見られる。
  • 本作のシナリオシステムは、従来の「特定の場所に任意に行く事で発生させる」ではなく「用意されたシナリオをある程度好きに選択できる」という形であり、従来作と同感覚では遊べない。
    • 基本的に世界各地を自由には移動できず、そのシナリオ内で定められた場所を動ける。時代や場所が違うので1つの事件をこなしている間に別の事件に関われないのは仕方ないが、同じイベント中でも場所を移動してしまうと直前の場所に戻れなかったりする。
    • これにより、回復手段が限られる上にボスラッシュがあるラストダンジョンでは苦戦を強いられる。特にラスボスはとてつもない強敵であるため、事前情報がなければまず最初からやり直す羽目になる。
  • 進め方によっては出てこなくなるシナリオが存在する。
  • シナリオを選ぶまでどの街に行けるか分からないのでアイテムの購入・処分がいつできるのか不明瞭。

戦闘

  • メモリ容量等の都合か、前作と比べてバトルスピードが遅くなり、ド派手なエフェクトの技やダイナミックなカメラワークも殆ど見られなくなった。
  • 前作で好評を博した連携は、条件が厳しくなり繋がりにくくなっている。前作では連携によってバトルが簡単になったことを悔やむスタッフの声があったため、本作はスタッフの意向通りとも言えるが、プレイヤーには賛否両論である。
  • シナリオの都合で、使用キャラは次々と代わり、最後には使用できないキャラが多い。キャラのストーリー面での掘り下げは旧作より深いが、好きなキャラを自由に選んで戦闘できない、育成の自由度が低いことに否定的な意見もある。
    • ゲーム自体は、技・術は共有で初期状態のキャラでも連携を活用すれば大ダメージを与えられる等、あまり育成をしなくても進められる設計にはなっている。しかし高を括ってロクな育成をせずにゲームを進めると、ラストダンジョンを筆頭とした強力なボスで詰まってしまう危険性もある。

所持金とアイテム引き継ぎの仕様

  • 所持金は主人公毎に独立している。そのためあるキャラが主人公の時にたくさん所持金があっても、そのキャラがそれ以降主人公にならなければ全て無駄となる。
  • チップ・アイテムは全てのキャラで共有なので、所持金で買えるだけアイテムを買い、積極的に使用して壊したり店で処分して増やせば無駄はないが、チップを換金できる町に立ち寄れるシナリオは限られる。チップ化するため戦闘でアイテムを使い切るのも面倒。
  • 装備は普通に使い切れる数を大幅に超えて手に入るため、ゲームを進めるに連れてじわじわとアイテム欄を圧迫していき、終盤に差し掛かる頃にはかなり余裕がなくなる。倉庫のような施設はなく、チップにするのも手間が掛かるので、結局捨てることになる場合も多い。
    • ちなみに道具欄が一杯の状態で一度しか入手機会のないアイテムのイベントを進めてしまうと、道具整理の確認などもなく入手できずに進んでしまう。これが起こる状況は少ないが、起きてしまうとその周回中は取り返しが付かない。
    • 道具欄が一杯だとモンスターのドロップアイテムも手に入らなくなってしまうので、後半の貴重な戦利品を取り逃してしまうことがある。「持ち物がいっぱいで入手できなかった」というメッセージも一切表示されないので、道具欄にはいつも空きを作っておきたい。

バランス

  • 歴代サガシリーズの例に漏れず、難しいところは理不尽なまでに難しい。特にギュスターヴ編・ウィル編ともにラストシナリオは非常に難度が高く、シリーズ随一とも評される。双方ともプレイヤーがシステムを理解しきれていないと厳しい。
    • ギュスターヴ編のラストバトルであるコンバット「サウスマウンドトップの戦い」は味方側が極端な劣勢で、敵味方の戦力を常に把握しなければならない上に高度な戦略的判断が要求される。一応力押しの攻略法はあるものの、リアルラックが絡んでくる。
    • ウィル編は、ラストシナリオを始めた時点でもうラストダンジョン以外に移動可能な場所がないため、補給が厳しくなっている。ザコは居るので、ある程度アイテム収集や育成は可能だが、LPはもし回復アイテムを前もって用意していなかった場合は回復方法がない。ラスダン道中でLPを大きく消耗した状態ではラスボスに勝つのは困難であり、最後になって「詰んだ」というプレイヤーは多い。
      • 控えメンバー2人は、ラスダンに配置された中ボスの4体のうちどれかとデュエルで戦える(1人につき1体だけ。4体全部は倒せない)。ここで倒したボスに応じてラスボスの形態が減るが、ラスボス戦で強力な全体攻撃を使う形態や、全体石化攻撃を使う形態は倒さないと難易度が高くなる。

不具合

  • 全部で28種類あるロールのうち11種の効果が無く、また4種の効果が表記と違っている

防具の性能表記

  • 本作の属性防御は前作同様「斬打突熱冷雷エ状」の8種類。しかし今回は実防御力の把握がかなり厄介であり、プレイヤーを混乱させやすい。
  • まず、表示されるのは【基本性能】【術力増強】【耐性】だけであり、内部データとして【物理防御】【術法防御】が存在する。
    • 物理防御は原則的に基本性能と同数値である。術法防御は基本性能の約0.5~2倍*5。また特定の属性防御に強いor弱い場合がある。ひいてはRS3の数値設定に近い。
    • 術力増強は各防具毎に個別に設定されている数値。1~5まであり、高いほど実防御力にボーナスが掛かる。
  • そして実防御力は【基本性能+物理防御or術法防御+(術力増強x最大JP/64)[上限30]】という計算式で決まる。
  • つまり、表示されている数値に内部データの数値を足し、更にαとβを加えたものが実防御力である。実にややこしい。
  • こう見ると非常に混乱するが、悪名高き『RS2』のように「強い防具かと思ったら実はクッソ弱かった」という事はない。従来のように表示数値の合算で決まらず、表示数値+内部数値で決まるため、特定の攻撃にのみやたら弱いという事態にはなりえない。基本的に数値の高いものを装備すればいいし、JPが上がれば実防御力も上がるため、数値以上の性能を発揮してくれるようになる。そこらへんは意外にもバランスのいい調整が施されている。
  • 簡単な話、こちらを育てて高数値の防具を装備すればいいだけなので、進行上大した問題にはならない。ややこしいだけで。インターフェイスの問題と言える。

総評

  • 発売後まもなく中古で1980円で売られていた。それが全てを物語っているゲーム。
  • 全体的に説明不足。アルティマニアで補完しなければいけないのはゲームとしてまずい。
  • キャラクターを育てる意味がラスト以外あまりない