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ツインビー - (2015/10/17 (土) 10:45:10) の編集履歴(バックアップ)


ツインビー

【ついんびー】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード
メディア バブルシステム
発売・開発元 コナミ
稼動開始日 1985年3月5日
プレイ人数 1~2人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
ポイント 『グラディウス』と並ぶ、コナミシューティングの金字塔
コミカルな外観とは裏腹に、難易度は非常に高い
分類 良作
ツインビーシリーズリンク

概要

  • 1985年にてコナミからアーケードにリリースされた、コミカル風味の縦スクロールシューティングゲーム。
  • 横シューティング界の超名作『グラディウス』と稼動年が同じであり、使用基板がバブルシステムである点も共通している。
  • シナモン博士が設計した2体の飛行型戦闘メカ「ツインビー」「ウインビー」*1を操作し、ドンブリ島を支配するスパイス大王と配下達に戦いを挑むというストーリー設定。
  • 二人同時プレイ可能。全5ステージ構成*2のループ制。

主なルール

  • 操作系統。
    • 本作はレバーと2ボタン(対空ショット・対地ショット*3)を使用する。
      • レバーで自機の八方向移動。
      • 対空ショットボタンで、射程制限のない直進型の"対空ショット"を放つ。対空敵・及びボス敵のみに有効。
      • 対地ショットボタンで、射程制限のある"対地ショット"を放つ。対地敵のみに有効。
        自機前方にはサイトが表示されており、対地ショットはそこへと投下される。
    • 二人同時プレイ専用で以下の操作が可能。
      • お互いの自機が横に接した(手を繋いだ)状態で対空ショットボタンを押すと、攻撃力の高い"ファイヤー攻撃"が放てる。
      • お互いの自機が縦に接した状態で対空ショットボタンを押すと、拡散ショットである"スター攻撃"が放てる。
  • ベル・アイテム・ミラクルボールについて。
    • ステージ中に浮遊している「雲」を撃つと、効果音と共に本作のメインアイテムである「ベル」が出現する。
      • 出現したベルをそのまま放置すると、放物線を描く感じで下位置へと落ちる。この時、ベルを対空ショットで撃ち込む事により、上位置へと押し上げられる。
      • ベルは5発撃ち込む度に変色を起こす。基本色は黄色だが、撃ち込む回数によって色が変わり、取得したベルの色の状態によってアイテム効力が変わってくる。
      • ベルを限界まで撃ち込むと、敵である「ハチ」に変わってしまう。こいつを破壊すると多めのスコアボーナスが得られるが、再度ベルへと戻す手段はない。
      • ベルを見逃がさずに連続取得すると、黄色ベルの入手スコアに倍率がかかる。最初は500点から始まり、最大で10,000点までのスコアボーナスとなる。
        但し、一回でもベルを画面内から逃してしまう・もしくはベルがハチ化してしまうと、倍率が元に戻ってしまう。
    • ベルの種類・及び効果は以下の通り。
      • 「黄色ベル」…スコアアップの効果。上記の通り、連続取得するとスコア倍率がかかる。
      • 「青ベル」…自機のスピードアップ効果。最大で16段階までスピードアップできるが、ミスする以外でスピードダウンする手段はない。
      • 「白ベル」…自機の対空ショットが攻撃判定の大きいツインショットになる。3WAYとの併用は不可。
      • 「緑ベル」…自機にトレースする形で動く分身(無敵オプション)を3機付け、自機と同じショットを放ってくれる。3WAY・バリアの併用は不可。
      • 「赤ベル」…自機に特定回数のダメージを無効化してくれるバリアを付ける。表面上では分身との併用は不可だが、実は裏技的手段での併用ができる。
  • ベルとはまた別のアイテムとして、地上の敵を"対地ショットで破壊する"事で「地上アイテム」が出現する。
    • ベルとは違い、アイテムは固定配置される形となる。また、アイテム効力はベルとはまた別物である。
  • 地上アイテムの種類・及び効果は以下の通り。
    • 「フルーツ」…スコアアップの効果。黄色ベルのそれとは違い、倍率によるスコア変動はない。
    • 「地上ベル」…自機の対空ショットが3WAY弾になる。ツイン・分身との併用は不可。一人プレイ時にて2回以上取得するとミラクルボール(下記)が現れる。
    • 「☆」…画面内にいる対空敵を全滅させる効果(対地敵・ボス敵には無効)。
  • 特定条件を満たすと、お助けキャラである「ミラクルボール」が出現する。
    • ミラクルボールは画面内を動き回り、触れた対空敵を倒してくれる。敵を破壊する度に500点のスコアボーナス。
    • 一人プレイ時では地上ベル2回取得時に、二人同時プレイ時では最初から出現する。プレイ人数によってボールの機軸に相違がある。
  • 手のダメージ・ミス条件について。
    • 本作の自機には「両手」が付いており、対空敵・ボス敵・敵弾に触れると片手づつが消失してしまう。
      • 両手すべてがなくなると、一切の対地ショットが放てなくなる。そのまま放置していると、対地敵の破壊はおろか、対地アイテム入手機会も逃してしまう。
      • 両手消失後は一回だけ「救急車」というお助けキャラが登場し、それに触れる事で両手が再生できる。しかし、再び両手がなくなってしまうと、ミスするまで二度と救急車は現れない。
    • 残機制を採用しており、ミス後は一人プレイ時・二人同時プレイ時を問わずに途中復活となる。残機がすべてなくなるとゲームオーバー。
      • ミス条件は「バリア効果なし状態の自機本体・もしくは両手消失時の自機が対空敵・ボス敵・敵弾に触れる(共に一撃死)」事にある。
      • ミスすると、それまでに得ていたパワーアップ(スピードアップや分身など)がすべて失ってしまうペナルティ。
    • 本作には一般的なコンティニューは存在しないが、二人同時プレイ限定で特殊なコンティニューが行える。
      • 片方のプレイヤーがゲームオーバー時にスタートボタンを押すと、ゲーム中のプレイヤーから残機を1つ消費してのコンティニューが可能。

評価点

  • コナミシューティングのヒット作。
    • 本作は同年稼動の『グラディウス』と同様に、商業的にヒットしたシューティングとして知られる。
      • 「両手の付いた自機が活躍するポップでコミカルな外観」「二人同時で仲良くプレイ」というセールスアピールがプレイヤーの心を掴み、マニアだけでなくライト層のプレイヤーも生み出した。
      • この「可愛い路線のシューティング」が好評だった事を受け、後に様々なツインビーシリーズの続編や関連作のリリース・及びメディアミックスが行われていく。
      • 余談だが、奇しくも同年には『HAL 21』(SNK)や『エグゼドエグゼス』(カプコン)といった二人同時プレイの縦シューティングがリリースされている。
        しかし、これら2作はマイナーとして見られがちで、商業的には本作ほどのヒットはしなかった*4
  • 実はあのゲームのリスペクト作品?
    • ゲームシステムとしては『ゼビウス』(ナムコ)の影響を受けたと思われる一面がある。
      • 「対空・対地ショットの使い分け」「対地ショットにはサイト表示がされる」といった共通点があり、本作を『ゼビウス』遺伝子を持つ作品と認識する者も少なくない。
      • 本作は「可愛らしいデザインを前面に押し出した」その作風によって、『ゼビウス』とはまた違う魅力を放つ作品としての評価を得ている。
      • 後のツインビーシリーズの多くは"対空・対地ショット方式"を継続しており、独自の方向性でシリーズを築き上げていく。
  • 連続ベル取得によるスコア稼ぎが熱い。
    • スコア倍率を継続した状態で黄色ベルを取得すると、凄まじい勢いでスコアが加算されていく。
      • 黄色ベルの最大入手スコアは10,000点。これを続けさまに取得すれば、万単位でのスコアが増えていく計算となる。ベル1つで10,000点入手できるのは非常に美味しい。
      • 本作において、黄色ベル抜きで10,000点を稼ぐのは結構な敵数撃破などを行わなければならず、スコア稼ぎの効率が悪い。よって、ベストスコアを目指すならば、確実にベル取得をしなければならない。
      • しかし、上記で述べた通り、ベル出現時でも地上敵の襲撃が絶えず迫ってくる。敵を倒しながらベル取得をキープするには、相当なプレイテクニックとパターン記憶が必要となるだろう。
      • 2周目以降のプレイにおいてはベルがほとんど出現しなくなる。同じ腕前でも1周目のベルをどれだけ取得したかによって、それまでの獲得スコアに大きな差が開くだろう。
  • 華やかで色鮮やかなグラフィック・BGM周り。
    • ツインビーシリーズ共通の特徴である「カラフルなグラフィックの書き込み」は、既に本作にて完成されている。
      • SF設定が多かった当時のシューティングは背景黒一色になりがちだったが、本作は「壮大に広がる海・緑豊かな陸地・ボス戦出現時は周囲に暗闇が覆う」などの表現が展開される。
      • 敵のデザインは「大根・タコ・ナイフフォーク」などの変なものが多く、可愛らしさと同時にシュールな雰囲気を漂わせていた。
      • 全体的にコミカル路線な本作ではあるが、ゲームスタート時やボス戦時において、SF風の渋いナレーションボイスが入る演出がある。
        コミカルの中に"こういう"リアル演出を取り入れたツインビーシリーズは本作のみであった。
    • 曲数は多くないが、BGMは名曲揃いである。
      • やはり時代的に多くの曲を取り入れるのは厳しかったのか、各ステージのメインBGMはすべて使い回し*5となる。ボス戦BGMは2つの楽曲*6ステージ毎に交互に流される。
      • ステージスタート時・パワーアップ系ベル取得後のハイテンションBGMはシューターにとっては非常に有名。これらをアレンジした楽曲が、同社の『BEMANIシリーズ』の一部作品に収録されている。

問題点

  • 意外と容赦ない難易度。
    • 見た目の可愛らしさとは裏腹に、本作の自機は些細な事でもミスしやすい程にもろい
      • 自機のやられ判定が思いのほか大きく、地上敵のトリッキーな行動パターンも相まって、異様に敵攻撃が回避し辛い傾向にある。
      • ミスしなくとも両手が消失し、どの道死亡フラグへと直結しやすいのも厄介どころ。救急車がミスまでに一回しか出現しない過酷さも厳しい。
      • ベルを撃ち込んでいる最中でも、隙を見せないまま地上敵が容赦なく襲ってくる事態多数なので、「ベルを回収する暇もなくミス連発」というのは誰もが通る道となるだろう。
      • ミスすると貧弱な"すっぴん"状態での途中復活となり、敵ラッシュ時にミスしようものなら"あっという間"にゲームオーバー直行になってもおかしくない。
    • このミスしやすい環境は、後のシリーズではある程度の改善がされていく事になる。
      • しかし、「この死亡フラグとの隣り合わせこそが"ツインビー"の醍醐味」「『グラディウス』もミス後の復活が困難だがら無問題」と解釈するマゾプレイヤーもいる…らしい。

総評

  • 正直、シューティングとしての作りは大味な部類に属してしまうが、「二人プレイができる可愛いシューティング」としては大成功を収めた作品であろう。
  • 当時の人気作だった為、家庭用移殖もかなり積極的に行われた。『グラディウス』に次ぐ程の移殖ソフトが発売されている。

家庭用移殖

本作の家庭用移殖は非常に多い為、「ソフト単体」と「オムニバス収録」の各分類に分けての紹介を行う。

ソフト単体としての移殖

  • ファミリーコンピュータ版(1986年1月4日発売、コナミ)
    ファミリーコンピュータ ディスクシステム版(1988年3月11日発売、コナミ)
    • FC版は家庭用移殖の筆頭。同年のFCシューティングとしては『グラディウス』『スターソルジャー』と並び、高売り上げを記録したソフトとして知られる。
    • 以下の変更点はあるものの、当時としての移殖度は良好な部類に入る。二人同時プレイも可能。
      • グラフィック・BGM周りがFC相当のレベルに書き換えられている他、原作における一部演出(ナレーションボイスなど)が削除されている。
      • 敵の種類が減り、総合的な難易度が原作よりも下がっている。
      • 両手にダメージを受けると、両手が一括で消滅してしまう。よって、原作よりも両手消滅の危険性が増してしまった。
      • ミラクルボールは一切出現しなくなった。
      • 自機の対空ショットが3WAY弾になる地上アイテムが「キャンディー」に変更された。
      • 家庭用オリジナルの地上アイテムとして「牛乳」が追加されている。取得すると1UPの効果。
    • 2008年8月5日からFC版がWiiのバーチャルコンソールが配信されている。2013年9月4日からはWii U側のVCも配信されている。
  • MSX版(1986年5月25日発売、コナミ)
    • FC版をベースとした移殖。グラフィック・BGM周りがFC版よりも劣るものの、ハードスペックを考慮すればまずまずの移殖度。二人同時プレイ可能。
  • X68000版(1988年2月発売、シャープ)
  • ゲームボーイアドバンス版(2004年5月21日発売、任天堂)
    • 『ファミコンミニ ツインビー』のタイトルでリリースされた。ほぼFC版のベタ移殖。
  • ニンテンドー3DS ダウンロードソフト版?(2011年8月10日配信開始、任天堂)
    • 『3Dクラシックス ツインビー』のタイトルでリリースされた。FC版をベースに、立体表現などの独自要素が追加されている。

オムニバス収録としての移殖

  • ツインビー PORTABLE(プレイステーション・ポータブル、2007年1月25日発売、コナミデジタルエンタテイメント)
    • AC版を収録。
  • Game Room(Xbox360 / Windows、2010年12月01日配信開始、マイクロソフトゲームスタジオ)
    • AC版を収録。『Game Room』の配信ゲーム全般にいえる事だが、再現度があまりよくないという問題あり。