「F-ZERO CLIMAX」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
F-ZERO CLIMAX - (2020/06/13 (土) 10:17:46) の編集履歴(バックアップ)
F-ZERO CLIMAX
【えふぜろ くらいまっくす】
ジャンル
|
近未来SFレース
|
|
対応機種
|
ゲームボーイアドバンス
|
メディア
|
128MbitROMカートリッジ
|
発売元
|
任天堂
|
開発元
|
朱雀
|
発売日
|
2004年10月21日
|
定価
|
4,800円(税5%込)
|
配信
|
バーチャルコンソール 【WiiU】2015年12月16日/702円
|
判定
|
良作
|
F-ZEROシリーズリンク
|
概要
圧倒的なスピードでコースを駆け巡る爽快感が魅力であるF-ZEROシリーズ6作目。
雰囲気は前作にあたるGBA版第2作『ファルコン伝説』と同じくアニメ路線を踏襲。
ちなみに「CLIMAX」の意味は「最後の」ではなく「究極の、最高潮の」という意味で使われている。
特徴
-
SFC版の2DベースながらN64の『F-ZERO X』に近い操作性を再現している。加えて、『ファルコン伝説』及びGBA第1作のテクニックである合力走法も可能になった。
-
登場マシンは39台。本作で新たに登場したマシンは前作で登場したマシンの改良版や量産型となっている。
-
グランプリでは自機を含めて24台でレースする。
-
市販された作品として、初めてコースエディット機能が実装された。
-
前作に続いてゼロテスト実装。いわゆるフリーランのようなモードで、苦手なコースを練習する事が出来る。
-
新要素「サバイバルモード」実装。
-
グランプリとは違う特殊なルールでレースをするというもので、勝てばアニメ版での名シーンの断片を取得したり出来る。
-
特定のマシンを使ってクリアすればそれに応じて新たなアクションが追加される。これらはタイムアタックで有用なものが多い。
-
レース中1周する毎にリアクターマイトを入手可能。更に1周した後は「ブーストファイア」が解禁される。ブースト中にさらにブーストボタンを入力するとリアクターマイトを消費してさらに加速する「スーパーブースター」が使える(1個につきブーストC相当の加速力が重ねがけされる)。
-
SFC版の「S-JET」に近いシステムで、3周制のレース中リアクターマイトは計2個まで入手できる。S-JETとの違いは、一度のブーストで複数分を一気に使用できること。
-
ちなみに「リアクターマイト」はアニメ版で登場した高エネルギー体で、「ドラゴンバード」等の一部のマシンに搭載されていた。本作ゲーム中ではどのマシンも同様に使用可能である。
-
前作ではカードe+でなければ入手出来なかったマシン「ソニックファントム」「ナイトサンダー」「エレガンスリバティ」「ムーンシャドー」の4台が、本作では通常プレイで入手可能に。
-
キーコンフィグが可能。自分の好きな操作性で遊ぶ事も出来るし、初代のような操作性にすることもできる。
-
キーコンフィグは「キーアクション」という名称であり、ボタン数の割に項目が豊富なため実質的にマシンのカスタマイズも兼ねている(後述)。
長所
-
グランプリモードやタイムアタックの面白さは歴代最高とも評される。
-
スピードを追い求める楽しさはGBAでも健在。しかも1レース上で24人も一斉に走ることになっているのに処理落ちが発生することもない。
-
特に最高速度でカーブを曲がりきった時の爽快感と達成感はまさに「CLIMAX」と言わんばかりに高まる。
-
ライバルを追い抜く、ブーストを使用するなど、何らかの行動を取るたびに、英語ボイスで一言ナレーションが入り、レースを盛り上げてくれる。
-
アクションの数が大幅に増量。前作以上にド派手なアクションの数々により、今作でアクション性の高いレースゲームとしてひとつの頂点に達したといえる。
-
その一つとして、スピンアタックをしている間にブーストを使うとマシンが回転しながら加速する「スピンブースト」になる。これは通常のブーストよりもエネルギー消費が多いが最高速が通常よりも高くコーナリングもしやすくなるアクションであり、アニメ版の主人公リュウ・スザクが使っていた大技の忠実な再現である。
-
カスタマイズも兼ねたキーコンフィグ「キーアクション」
-
前述のようにアクションはキーコンフィグで自由に割り当てられるので、プレイスタイルやゲームモードに合わせてアクションをカスタマイズする楽しみもある。デフォルトTYPE1ではAがアクセル・Bはブーストを割り当てたノーブレーキ仕様だが、ここから任意のボタンにブレーキなど操作を入れ替えることが出来る。
-
この「キーアクション」には条件を満たす事で追加されていくものもある。それらが加わってくると、単なるキーコンフィグではなくマシン自体のカスタマイズに近いものへと変貌を遂げていく。
-
たとえば「アクセル」だが、これはゲームが進むと最高速が落ちるかわりに必ずロケットスタートになる「ロケスタアクセル」、逆にロケットスタートのタイミングがシビアになるかわりに最高速が上がる「ブーストアクセル」が追加されていく。
-
コーナリング性能は「ナローターン」「ワイドターン」、スライドの効果は「ナロースライド」「ワイドスライド」、ブレーキの感度は「ライトブレーキ」「ハードブレーキ」をそれぞれ割り当てる事で、各操作の感度をさらに調整することもできるようになる。
-
ブーストも持続時間が伸びるかわりに加速時の最高速度が若干落ちる「ロングブースト」、逆に持続時間が短いが最高速度の高い「ブーストファイヤ」が隠されている。
-
初代SFCのコースも存在する。
-
そしてSFC版で存在していた旧テクニックや今作までに登場してきた新テクニックが上手い具合に共存している。これによりタイムアタックの自由度と熱中度も大幅に高まった。
-
ちなみにスタート時の演出もSFC版と同様で、懐かしさもある。
-
GBAのゲームとは思えないほどボリュームが凄まじい。
-
最初は6台しか選べないが、様々な条件をクリアするとどんどん増えていく。それと同時に遊べるコースも増えていく。
-
また上記のアクションやアニメ版の断片集めなどコレクション要素ややりこみ要素も多数。
-
そして、これだけ大量のマシンがあるのに変に性能の格差がないということは素晴らしい。スタッフがいかに丁寧にテストプレイをしたかが窺える。
-
全てのマシンには何らかの個性があり、何の躊躇いもなく自分にあったマシンを選べる。
-
ただし、慣れないうちは使いづらいマシンも存在する。勿論慣れればそのマシンにも他のマシンにはない個性が実感できるようになっている。
-
過去作BGMのアレンジはかなり大胆なアレンジが施されている。原曲の疾走感や熱さを損ねないアレンジであり好評の声は多い。
-
GBA音源でアレンジされた曲はどうしても貧相に聞こえてしまうのが通例だが、今作は数少ない例外の一つ。非常にかっこいいアレンジがなされている。
-
「キャラクタープロフィール」「ストーリーライン」というモードも存在する。
-
「プロフィール」では各パイロットとマシンのプロフィールを閲覧できる。
-
プロフィールの内容は基本アニメ版を基準としている。大半はゲーム版準拠でもあるが。
-
「ストーリーライン」ではアニメ版の全話のあらすじを閲覧できる。
-
かなり事細かいストーリーが掲載されているうえに、アニメの一部のシーンも画像で掲載されている。
短所
-
ハードルが高い。
-
今作は最初から難易度が結構高いのだが、にもかかわらず初心者へのフォローがあまり用意されていない。せいぜいゼロテストぐらいである。
-
そのため、今作が初めてという人はあまり面白くないと感じてしまうことも多いかも。逆に言えば、慣れさえすれば一気に中毒性が高まるともいえる。
-
タイトル画面で放置していると「バート先生のF-ZERO教室」というデモが始まり、基本操作や高度な操作を教えてくれる。初心者の人はゲームを本格的に始める前に、一度落ち着いてこれを見ておくといいだろう。
-
これもアニメ版の終わりに行っていたF-ZEROに関する解説コーナーを模したものであり、人形のバート先生が登場する。
-
「CLIMAX」と題してはいるが、その割にはGBA第1作や『F-ZERO AX』で初登場したキャラクターがハブられていたりする。
-
前者は「本作の舞台から25年が経過した未来」という設定、後者は開発・販売元が異なるという都合がある為、仕方ない部分は無いわけではないのだが。
総評
F-ZEROシリーズとして1つの頂点に上り詰めた集大成的作品。その完成度の高さはまさに「CLIMAX」と呼ぶに相応しい物となっている。
また、アニメ版のファンに対するサービスも相当なものであり、アニメ版を観ていない人にも楽しめる。
まだやった事のないF-ZEROファン、歯ごたえのあるレースゲームをやりたいという人はここからでもぜひやってみてはどうだろうか。