「BLOOD THE LAST VAMPIRE 上巻/下巻」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

BLOOD THE LAST VAMPIRE 上巻/下巻 - (2010/10/25 (月) 11:14:05) の編集履歴(バックアップ)


BLOOD THE LAST VAMPIRE(上巻/下巻)

【ぶらっど ざ らすと ばんぱいあ】

ジャンル アドベンチャー
※画像はPSP版
対応機種 プレイステーション2
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
開発元 Production I.G
発売日 2000年12月21日
定価 5,800円
ポイント 少女と刀とバンパイア
やるドラシリーズ最難関

概要

  • メディアミックスコンテンツ『BLOOD THE LAST VAMPIRE』の家庭用TVゲーム版。選択肢によって展開が分岐するインタラクティブアニメ「やるドラ」シリーズの一環として、上下巻の大ボリュームで同時発売された。
  • 同作品は他にもアニメーション映画、小説、漫画などで展開されている。作品間で物語のつながりはないが、「少女」「怪物」「日本刀」といった中心の素材が共通している。

システム

基本的には他の「やるドラ」シリーズ同様、アニメを見ながら、要所で表示される選択肢を選ぶ事で物語が分岐するシステムだが、本作独自のシステムも一部存在する。

  • BLOODレベル
    • 主人公の持つ唯一のパラメータ。特定の選択肢を選んだり、後述するBSSを空振りしたりすると上昇し、黄緑→黄→赤と変化する。この値に応じてエンディングが変化する事もある。
    • これが一体何の値であるのかは、下巻までの物語を見ないといまいち掴めないだろう。
  • BLOODサーチシステム(BSS)
    • アニメーションの中には、「選択肢ではない分岐ポイント」が時折出現する。プレイヤーが△ボタンを押すと一定時間サーチが発生し、見えない分岐ポイントと一致する事で物語が分岐する。
    • サーチ時間は画面下部のバーで表示される。BLOODレベルに対応しており、レベルが高いほどサーチ時間は短くなる。
      • 一度サーチを行った後、バーが回復するまでにタイムラグがあり、連打はできない。
    • 分岐ポイントは、画面下に鈴マークが表示されるものと、全くノーヒントの隠しポイントの2種類があるので注意。
  • 下巻は上巻のクリアデータを引き継いで始めるように出来ているが、下巻だけ買った人のために、プレイデータを作成できる簡単な導入編が用意されている。

評価点

  • 作画、アニメーション、ストーリー、演出、声優の演技など、アニメとして見た場合ほぼ全ての要素がハイレベル。
    • BGMは、種類こそ少ないが雰囲気は良く出ていて、音も臨場感に溢れている。ヘッドホン使用もお勧め。
    • 物語の伏線になっているOPデモの演出も上手い。
  • 登場人物の心理描写が、話の流れやキャラクターの表情といった細かい部分でも丁寧に描かれている。

賛否が分かれやすい点

  • 単なる選択肢制に留まらないBSSシステムは受動的になりがちなADVゲームに緊張感をもたらしたが、ちょっと気を抜くとタイミングを逃してしまうため、「判定が厳しい」「どこで分岐するのか判りにくい」と批判もされやすい。
    • アニメーションをスキップする事はできても止める事はできず、攻略に詰まった時の打開が難しい。いくら美麗で良質なアニメでも、何度も凝視していたら飽きが早まってしまうだろう。
    • 最初の内はBLOODレベルがすぐMAXまで溜まってしまい、特に上巻ではいつも同じ結末に至ってしまうという人も多い。
    • エンディングコンプリートは攻略本必須、100%クリアに至っては攻略サイト推奨とも言われている。とにかく分岐条件が細かい。
      • 例えると、「(選択肢)右へ行くか左へ行くか→左にしよう→(BSSで隠し分岐発見)やっぱり右にしよう」みたいな細かさである。バッドエンド確定ルートの救済措置的な隠し分岐も多く、達成率100%を一層困難にしている(バッド確定と知ってしまうと、BSSに頼らずともその選択肢自体を選ばなくなってしまうから)。
      • ちなみにコンプリート特典は、恒例の一枚絵表示と各エンディングルートごとのオートプレイモード解放。
  • ストーリーはモチーフこそ古典的だが、面白い。ただし、映像も含めた全体的な雰囲気が暗いので、好みは分かれる。
  • 重いストーリーに対し主人公が気弱なキャラなので、見ていてやきもきする。

問題点

  • 下巻のアニメーションも良質だが、一部にあからさまな尺稼ぎ(口パクなど)が見受けられる。
  • 下巻は物語が収束に入るため、上巻と比べると分岐パターンが少なくバリエーションに乏しく感じられる。ほとんど代わり映えのしないエンディングもある。
    • 上下それぞれを単品で楽しむ事はほぼ無理な上にこの点もあって、上下巻セットで考えた場合のボリュームとセット価格12000円弱という費用対効果に疑問の声が挙がる事もある。

総評

アニメーション作品としてみた場合の質の高さは誰もが認めるところだろう。そもそもアニメが好きであればなおさらである。だが、アニメが好きだからといって難しいADVゲームも好きとは限らない。このため、本作は非常に敷居の高い作品となってしまった。
作品が良質であればあるほど、落ち着いてじっくり眺めていたい場合もある。しかしBSSの緊張感から解放されるのは、達成が困難な100%クリア以降...暗い雰囲気の作品なので恐らくコア層向けなのだろうが、本作はそこから更に人を選ぶ。
タイミング重視の覚えゲーADVというデザインは新しかったが、広く受け入れられるものではなかったようだ。

移植

  • 2006年1月26日に、上下巻同時収録でプレイステーション・ポータブルに移植された。価格面の不満は大幅に解消された他、難易度やシステム面に改善が見られる。