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天外魔境II 卍MARU - (2023/01/31 (火) 17:16:07) の編集履歴(バックアップ)


天外魔境II 卍MARU

【てんがいまきょうつー まんじまる】

ジャンル RPG
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対応機種 PCエンジン スーパーCD-ROM2
ニンテンドーDS
メディア 【PCE】CD-ROM 1枚
【DS】512MbitDSカード
発売元 ハドソン
開発元 ハドソン
レッドカンパニー
アルファ・システム
発売日 【PCE】1992年3月26日
【DS】2006年3月6日
価格 【PCE】7,800円(税抜)
【DS】4,800円(税抜)
レーティング CERO:全年齢対象*1
配信 PCエンジンアーカイブス
2011年3月17日/838円(税込)
判定 良作
天外魔境シリーズ


概要

前作『天外魔境 ZIRIA』(以下、ZIRIA)の続編。
日本をモチーフにした架空の国ジパングのうち『ZIRIA』では描かれなかった、中部地方~西日本(九州・四国を除く)が舞台となっている。
主人公は「火多の国」に住むイタズラ好きだが根は優しいガキ大将・卍丸。
自分が「火の一族」の末裔と知り、各地にいる「火の一族」の末裔を探し、暴虐の限りを尽くす「根の一族」と戦い、各地に開花した暗黒ランを切るべく旅立つ。


特徴

  • 30分に一度はイベントが発生する・24名の声優起用とCD容量をフルに生かした部分がウリ。プレイ時間もやりこみ無しで70時間前後というボリューム。
    • 前作同様キャラクターの数やイベント時のアニメーションは健在。
    • ミュージックコンポーサーには久石譲、福田裕彦と言った名前が乗っている。
  • 戦闘自体の難易度は高めだが、邪聖剣ネクロマンサーファンタシースターIIのような凶悪なものではなくライトユーザーでも馴染み易い程良い難しさである。
    • 主人公の体の値(HP)が0になると敗走だが、敗走してもお金が減らされない等全滅のリスクがなく(前作は金半減だったが)、希少な非売品回復アイテムが所持していなければ宝箱から何度でも取れる等、救済措置がある。知らないと分からないが…。
  • シリーズの他作品と同様に、P.H.チャダの著書『FAR EAST OF EDEN』を原作としている。これについてくわしくは前作の記事を参照。

評価点

  • 当時の常識をはるかに超えた、充実したビジュアルとサウンド。
    • 頻繁にフルボイスのアニメイベントムービーが挿入され、またムービーのないイベントでもキャラクターが頻繁に喋る。
    • ボス戦ではテレビ画面の半分ほどの大サイズでボスの姿が映し出され、常に動きつづける。ボスの攻撃時の演出もよく動く。戦闘前後の台詞はフルボイスである。
      • ちなみに戦闘後のセリフには勝利後だけでなく敗北時のパターンも用意されている。負けるとボスにフルボイスで愚弄される。再戦時にも専用のメッセージで愚弄される細かさ。
    • にもかかわらず、ロードに関するストレスが少ない。
    • 例えば、頻繁に繰り返されるザコ戦闘では背景を黒くし、エフェクトやBGMなども簡素にすることでCD読み込みを排除。カートリッジ媒体並に快適なロード時間を実現している。町や村の中では、基本的に町を出るまでノーロード。
    • その一方で、イベントシーンやボス戦の直前では長めのCDロードが発生する。だがこれらは一過性のものであり、またこれからワクワクすることが起こる直前でのロードであるため、プレイヤーにもたらすストレスは少なくて済んでいる。
  • 個性豊かで魅力的な仲間達。またその個性が、特技やアイテムの所持量などのゲームシステムによっても現れている。
    • 主人公卍丸はプレイヤーの分身であるため、ほとんどセリフを喋らない。とあるイベントを除けば「母ちゃんおかわり!」「我が道に敵無し!」の2つだけ。その分卍丸が長台詞をしゃべる唯一のイベントは印象深く、天外魔境IIで最も感動したシーンに挙げるファンも多い。
    • 性能は直接攻撃よりだが平均的。各地で根の城から聖剣を解放するたびに新たな奥義を覚えていく。ラスボス戦では攻撃の要になる。通常プレイではあまり目にしないが、実は限界まで段を上げると素の素早さが1番高くなる。
    • 卍丸が初めて出会う火の一族であるカブキ団十郎は、当初は自己中心的な性格で、卍丸が直接頼んだ時に「苦労するのは嫌だ」といった理由で仲間にならない上に、卍丸が名を上げると勝手な発言と共に勝手に仲間になる。
    • 仲間になっても自分勝手な理由でパーティを離脱、各地で女を作る、天狗の巻物を盗む等ユーザの頭を悩ましてくれる。しかし卍丸に助けられる場面から自己のうぬぼれに反省しつつ、終盤は人に対する気遣いも見せるようになっていく。
    • 天才肌という設定の通り性能は万能型で、直接攻撃と術の両方をこなす。ただし後半は卍丸はおろか絹にすら総合攻撃力で抜かれてしまうため、補助系の術によるサポートや凍竜での追加効果による行動不能、奥義・悪態で敵の攻撃をひきつける係になる。
      • ユーザからは圧倒的な人気だったようで、次回作の主人公に抜擢された。
    • 極楽太郎は典型的なパワータイプで、体の値と攻撃力が非常に高いが、最終盤まで術が一切使えない*2。図体がでかいため道具(武具以外のアイテムの分類)の所持最大数が多いが*3、巻物はほとんど持てない。さらに極楽のみ、かばうコマンドを使うと味方全体が対象になる。
      • 見た目に反してパーティで一番の常識人。声を当てた赤星昇一郎氏の渋い名演もあって印象深いセリフが多い。ちなみに図体がでかすぎるため卍丸やカブキが装備するような普通の武器・防具は使えず、たらいや信楽焼きなどいろいろ変なものを装備して戦うことになる。
    • パーティの紅一点である絹は、儚げな印象通り体の値と素の守備力が極端に低く道具を3つしか所持できないが、巻物を大量に所持可能で技(MPと同義)も高く、絹専用の防具の守備力が高い。両親の死の後に相手を傷つけないという誓いを立てているため、両手を純潔の鎖(武具を持物として使うと敵の攻撃力を下げる「月読」の効果)でつないでおり、直接攻撃と攻撃系の術が一切使用できない(ただし攻撃アイテムや特定の乗り物に乗ったとき専用の攻撃コマンドは使用可能)。ただし、終盤…。
      • ラピュタやトトロの主題歌を歌う井上あずみ氏が声を当てており、本職の声優さんとは違った透明感のあるか細い声がキャラにマッチしている。
    • それ以外の登場人物(脇役とか敵とか)も非常に個性的である。
  • 絶妙な戦闘バランス。
    • 敗走のペナルティが宿に戻されるだけということもあってか、雑魚は強めに設定されており、一戦一戦全力で戦う必要があるが、歩いているだけで徐々に体力、技が回復し、段が上がると全回復する。
    • 本作のボスキャラは、体力と守備力に定評がありほとんどが長期戦。敵の体力とこっちの技力を見て、ペース配分を考えないとあっさりとジリ貧負けになる。
      • 特に名無しの十八番は体力が4000と桁外れに高く*4、しかも体力1200以下になると使用する「守りを捨てて…」では下手したら一発死級の強烈なダメージを出すという、中盤最大の壁ボスになっている。
    • しかし奥義と術をうまく駆使することで戦闘を有利に運ぶことができ、このあたりのバランスが絶妙。例として、
      • 凍竜等で敵を行動不能にさせた後、静乱斬*5で一方的に必中の連続攻撃を叩き込み
      • 城壁(物理系攻撃を無効化)もしくは結界(術系攻撃を無効化)をかけた極楽でかばうを実行して味方全体を守る
      • 赤影(術使用者の分身が1~3体出現)で出現させた影に体力消費技を使わせたり、防御面で的として敵の攻撃を分散させたり等
    • 各キャラが持つ奥義は大半は無制限に使用可能だが、多大なデメリットを併せ持つものが多い。与えるダメージは通常の4倍だが使用者の体力を半減させる、攻撃力・守備力・素早さを大幅に上昇させる代わりに体力がどんどん減少する、等々。そのため使いどころを見極める必要もあるが、戦闘中は常に敵の体の値(HP)が表示されている(ラスボスですら!)ので、相手と自分の状態に応じた行動を考えることができる。
      • これらの要素により、雑魚・ボス共に術・奥義をうまく使用すれば低段状態でも勝てる、経験値稼ぎをして段を上げれば誰でも簡単に勝てるという絶妙のバランスに仕上がっている。
    • おまけに戦闘のテンポも良く、オプションでメッセージ速度を上げればさらに速くなる。ノーロードと合わせて段(レベル)上げもさほど苦にならない快適なプレイが楽しめる。
  • 乗り物が豊富である。船*6やトロッコなどといった普通なものから空飛ぶ岩や巨大蜘蛛が牽く馬(?)車といったファンタジー的な乗り物、更には初期は戦車だが変形して飛行機や潜水艇にもなる万能移動機械、大仏ロボ(奈良の大仏の正体である)、空飛ぶ巨大要塞などなど挙げていくとキリがなく非常にバリエーションに富んでいる
    • 乗り物の登場シーンも印象的なものが多く、落書きが実体化する場面や、大仏が輝き、設置されていた寺院を壊して移動を開始する場面などがムービーで表現されている。搭乗中もモノによっては豪快なアクションをやらかしてくれる。主砲で砲撃できたり、問答無用で敵を踏み潰したり、望むところへ一瞬でワープしたり…。

賛否両論点

桝田省治節あふれる猥雑で生々しいイベントの数々

  • ゲームデザインを行った桝田省治自身が本ゲームのキーワードを「もっと下世話に、もっと猥雑に。」であると語っている。そのキーワードの通り、桝田省治節ともいうべきどこかエロティックなイベントの数々がこのゲーム独特の雰囲気を醸し出している。
    + もっと下世話に、もっと猥雑にの例(ネタバレを含む)
    • このゲームの目的は根の一族が各地に出現させた暗黒ランという巨大な植物*7を全滅させること。暗黒ランの目の前に行くと卍丸が暗黒ランに断ち切るビジュアルシーン(1本目と7本目の時のみ)が入るのだが、このとき卍丸は聖剣を暗黒ランに突き刺す(斬るのではなく突き刺す)。ちなみに、蘭という花はその形状から女性器に例えられることもある。つまりこのシーンの意味するところは…。ちなみに作者自ら公式攻略本でこれを語っている。
    • 尾張の弁天塔に弁天様を助けに行くイベントがあるのだが、ボスを倒した後の女中達、及び弁天様の会話が非常に意味深なものばかり。
      • 一晩泊めてくれた後で「弁天様にはナイショよ」と言ってたり、「耳と耳かきを比べたら、絶対気持ちいいのは耳のほうなんです。私、女に生まれて得をしたわ」と語りかけてきたり…。
      • 肝心の弁天様は胸元の大きく開いた和服を着こなし、目も眩むような美女*8。ちなみに『公式完全攻略絵巻』巻末の辞典によると、彼女は「ヘビが脱皮をするように転生を繰り返している」 「身長などを含む全ての容姿は、見た人の理想の姿に見える」らしい。ということはつまり…?彼女も2回目に話しかけると泊めてくれるのだが、その時のセリフは「あなたがあと五年早く生まれてれば、帰しゃしないんだけどねー」…どうやら、卍丸はよっほど彼女に気に入られたらしい。
    • 菊五郎という歌舞伎者のボスキャラがいて、和歌山城を乗っ取っているのだが、城内に謎の予定表が貼り出されていて、月:三 火:六 水:二 木:八 金:四、七 土:九 日: と書かれている。同じく和歌山城には女性が何人も捕まっており、「夜がこわい! このままでは体がこわれてしまう」「やつはケダモノよ………」という情報が聞ける。ちなみに女性たちは菊五郎に番号で呼ばれている。城中には男性もおり、「私はもう世の中に怖いモノなんか一つもありませんよ」とつぶやく。さらに詳しく聞き込んでいくと、女性からは「月曜日に割り振られている三番は女性たちの中にはいない、誰だろう?」という情報が聞ける。つまり、先述の男性も他の女性と同じく……。
    • ヒロイン「絹」に関係する、大変印象深いあるイベントシーンがあるのだが、これもまた上記の暗黒ランと似たような意味を持たされている。こちらも作者自ら公式攻略本でその意味するところを語っている。
    • 「肉の夢」「満開地獄」「人間牧場」「超絶真珠男」「夜の右手」「官能の横笛」「背徳の穴」等と敵の雑魚キャラ名が凄まじい。子供には分からないと思われるあたりも絶妙だ。
    • 他にも、「人肉切包丁」や「抗夫の腹巻」等の武器・防具の名前のインパクトも相当なもの。特に豚装備は事情を知ると…。
  • 所々で敵側が侵略地に起こす容赦ない仕打ち。
    • 桝田省治はこのゲーム製作にあたり、犯罪者や精神異常者に関する本を読み漁ったといわれている。それが「根の一族」の容赦ない仕打ちなどにも繋がっている。
    • そんな「根の一族」の将軍たち(いわゆる中ボス)は、いずれも忘れられない強烈なキャラクターばかり。コミカルな者もいれば、プレイヤーの心胆を凍らせる、恐ろしい物語を展開してくれる者もいる。
  • これらのグロ演出や下ネタはリアルな生々しさも本作の魅力の内とは言え、大きく人を選ぶ。

問題点

  • 戦闘演出の長さ
    • 全体攻撃の術でも個々のエフェクトが入る。また必中ではないためそれも合わさってストレスになりがち。
  • ローディングの要所要所の長さ
    • 実際ゲーム雑誌での早解きプレイの時間も当時、手法がまだ黎明期だったとはいえ、攻略手順を理解した人間が挑むものでありながら概ね約60時間を要していた。
  • いくつかのバグ
    • ボスを倒す前に倒した後のイベントが起こせたり、仲間離脱イベントと仲間がいる状態で起きるイベントの順番を違う状態で起こすことができ、場合によってはフリーズしてしまう。
    • 初期版に存在するバグには、 ゲーム開始時の状態によってはセーブが行えなくなる というものも存在(詳しくはソース参照)。

総評

前作『ZIRIA』からより一層のボリュームと派手派手しさと胸に響くシナリオやキャラクター達を盛り込んだ。
同時にRPGではほぼ慣習的であったレベル上げ重視のスタイルに対し、レベル上げをしなくてもやり方しだいで低レベルでもクリア可能なゲーム性を実現した。
前作で打ち出された、要所に挟まれるムービーイベントや、表情豊かなCGとフルボイスで描かれる魅力的なキャラクターなど今の時代のRPGの先駆ともいえる要素は本作にて完成度を高められ、高い評価を獲得することとなった。


移植版

  • PS2/GC/DS/PSPに移植/リメイク版がある。
    • これらに共通する改良点として、商店での装備の能力値が見られるようになった。術の消費を戦闘中に確認可能になった。マップ移動中のダッシュが可能になった。
    • PS2/GC版はグラフィックの3D化をはじめ、随所に手が加えられたリメイク版。凄まじいまでの低難易度化*9や残虐表現をわずかに弱めたなどの変化(しかし村のメッセージの改変が中途半端に残っている,終盤のイベントでも断面を見せないが腕が飛ぶ程度の残虐性は残っている)により、評価は良くない。そのためか微妙な出来のリメイクとされた。
    • DS版は一部のイベントを除いてオリジナルに忠実な移植が実現され、タッチペンによる弱・中・強攻撃や、2画面に対応した画面表示追加などを加えた移植版で、プレイ感覚はオリジナルに近い(タッチペンを一切使用しない操作も可能)。一部のイベント改変に関しては表現規制という大人の事情ゆえ仕方のないところである。
    • PSPには、オムニバスソフト『天外魔境コレクション』として移植(『ZIRIA』/本作/『風雲カブキ伝』/『カブキ一刀涼談』の4作を収録。2008年7月31日発売、2,940円)。また「PCエンジンアーカイブス」として単体でDL販売もされている。どちらも(一部表現の変更を除き)オリジナルプログラムをエミュレータでそのまま動かした内容。
      • CEROレーティングはPS2/GC/DS版がCERO:A(全年齢対象)、PSP版がCERO:B(12歳以上対象)となっている。
      • 今からプレイするのであれば、DS版かPSP版を推奨。
    • なおこれらの移植版はいずれも、タイトルが「卍MARU」から「MANJI MARU」に変わっているほか、一部表現がオリジナル版と異なっている。詳しくはWikipediaの「各機種版における違い」を参照(ネタバレなので要注意!)。
  • 2020年3月19日にコナミより発売の『PCエンジン mini』に本作が収録されている。
    • 画面のフラッシュやごく一部のグラフィック、禁止ワードの修正といった細かい点をのぞけば上記のイベントやムービーは原作そのままになっており、限りなく原作に近い移植となっている。
    • 収録に伴い桝田省治氏、岩崎啓眞氏、蝦名寿昌氏へのインタビュー記事が掲載された。

余談

  • 本作には「イケボ」という名前の雑魚敵が登場する。
    • 「イケメンボイス」の略を意味するスラングである「イケボ」が本格的に浸透するのは、本作発売より後の話である。
  • ハドソンからの唯一の指示が「制作費はいくらかけてもいいから発売日だけは守るように」だったという逸話がある。
    • …だが結局発売日は守られなかった。「スーパーCD-ROM2とほぼ同時に発売し、普及に勢いをつける」という目論見が崩れてしまい、PCエンジン界全体にとっても痛い発売延期であった*10
  • 「電撃PCエンジン」誌末期の付録「PCエンジンソフトカタログ」の総合評価において堂々の1位に選ばれている。
  • 中井貴一氏主演のTBSのドラマ「運命の逆転 盗まれた企業秘密!」では『邪聖剣ネクロマンサー』がDQなみの超人気RPGで、本作がそれを越えるソフトという設定になっている。このドラマには高橋名人もゲスト出演しているが、名人曰く台詞のミス*11を発見したもののすでに修正不可能な状況になっており、やむなくそのまま放送したとのこと。
  • 井上あずみ氏を声優に選んだのはゲームデザイナーの桝田省治氏だが、氏のイメージと違う声であった為、透き通った声が出せるような(そういう声しか出せないような)精神状態に無理矢理追い込んで、アフレコをさせた…と言う酷い話がある。
    • このとき、イベントシーンでの相手役の声優(こちらは当時相応のベテランさんである)もとばっちりで何度も何度もアフレコをしなければならなかったため、カリカリしてあずみ氏も相当怒られたらしい。桝田省治氏曰く「あずみさんはきっと僕のことを大嫌いだと思う」とのこと。
      • 「そこまでやるか…」と言いたくなってしまうが、妥協をしたくなかったのだろう。出典はこちら。
  • 百々地三太夫のみこし役の柿沢美貴と花火役の木下千鶴子は『ラストハルマゲドン(PCECD)』でも起用された。
    • 柿沢美貴の本職が『戦え!イクサー1』の歌手で木下千鶴子は舞台女優で声優業を活動したのが2年ぶりである。
  • また、『カブキ一刀涼断』ではみこしが参戦したが、声優がこおろぎさとみに変更された。
  • 桝田省治によると百々地三太夫はあからさまにオタク対策で入れたキャラで「こんな露出の高い忍者がいるわけねーだろ!」と思いながら露出の高いキャラを作ったとのこと。ちなみに名称が「百々地三太夫」に決まるまでは「伊賀くノ一三人衆」と呼ばれていた。初期の構想ではパーティが揃わない前半部分でNPCとして戦闘に参加させる案もあった。
  • 恐怖のストーカーイベント「孝子の文」は広井王子の実体験(手紙だけでは済まず本人が来たとのこと)が元ネタ。
  • 後の岩崎氏のコメントで明らかにされたエンディングの没案。
    + ... 「ラスボスを倒して地上に戻ると血の海が広がるだけの静かな世界に四人とも絶望的になるが、やがてみんな何かを悟り分かれていき、最後に卍丸も一人で歩き出す」というのを考えたが、あまりにもダークということで速攻で却下されて「神の力でみんな生き返ってめでたしめでたし」というご都合主義極まりないハッピーエンドが採用された。これじゃ作品のテーマも何もあったもんじゃない。
  • 本作の発売前にリリースされた『SUPER CD-ROM2体験ソフト集』に収録されてる体験版は火多の国の前半のツノ王とのボス戦でシナリオが終了するが、当時の雑誌インタビューで岩崎氏は「尾張までを体験版にしたかった」と語っており、体験版もデータ自体は尾張の国の一本目の暗黒ランを撃破する所までが(一応、遊べる状態で)入っている。

その後の展開

  • この後、『天外魔境』は『風雲カブキ伝』『ZERO』『第四の黙示録』と続く。
    • その内のどれも正規ナンバリングタイトルでなく外伝扱いであった。今作のラスボス・EDの性質上直接の続きは作りにくかったのかもしれない。正規ナンバリングタイトルであるIIIはPCエンジン末期に雑誌で取りざたされており、現在開発中! となっていた。
    • が、PCEがダメになってしまったのでPC-FXにて開発中! と情報が変わり、PC-FXも振るわなかったためIIIはお蔵入りしてしまう事になった。
    • 13年を経た2005年、待望のIIIが出ると言う事で大いに期待を寄せられたが、登場した『天外魔境III NAMIDA』はキャラクターデザインが当時公開していた物から大幅に変更され、シリーズを通して手がけてきた桝田省治が関わっていなかったためシリーズファンからの評価は芳しくないものとなっている。ちなみにI,IIとの関連は特にない。
      • 惜しまれながらも開発中止が決まったIIIではあるが、当時の電撃PCエンジンの記事によるとシナリオだけは既に出来上がっていたとされている。だが著作権の問題で本来IIIで使うはずだったシナリオが『NAMIDA』では使う事が出来なかったので、最初からシナリオを作り直さざるを得なかったという経緯がある。
      • そのIIIで本来使われるはずだったシナリオは、桝田省治自らが執筆した小説「ハルカ 天空の邪馬台国」「ハルカ 炎天の邪馬台国」にて日の目を見る事になった。