【ときめきめもりある】
ジャンル | 恋愛シミュレーション | ![]() ![]() |
対応機種 |
PCエンジン スーパーCD-ROM2 プレイステーション スーパーファミコン セガサターン プレイステーション・ポータブル |
|
発売・開発元 | コナミ | |
発売日 |
【PCE】1994年5月27日 【PS】1995年10月13日 【SFC】1996年2月7日 【SS】1996年7月19日 【PSP】2006年3月9日 |
|
定価 |
【PCE】8,800円(税抜) 【PS/SS・DX版】6,800円(税抜) 【SFC】9,980円(税抜) 【SS・SP版】9,800円(税抜) 【PSP】4,980円(税抜) |
|
書換 |
【SFC】ニンテンドウパワー 1997年9月30日/1,000円/F×8・B×4 |
|
判定 | 良作 | |
ときめきメモリアルシリーズ |
※画像はPCE/PS版です。また、本稿は主にその両方についての記述です。
恋愛シミュレーションのパイオニアであり、金字塔。ときめきメモリアルシリーズの第1作。
ギャルゲーファンならずともその名を知る人は数多い、同ジャンルの代名詞的存在といえる。
もともと、アーケードの冷え込みによるSTGの不調や家庭用作品の質低下、不法コピーの横行で劣勢に追い込まれていた当時のコナミが、「PCEだったら売れなくても…」という諦めムードで作ったイロモノ的ゲームであった。
当然低予算だったため、当時の水準でもグラフィックの質はそう高くなく、ファミ通クロスレビューでも低得点(*1)。他メディアでも騒がれるほどの作品ではなかった。
いくらPCエンジンとは言え、良質のアクションやシューティングで名を馳せていたコナミから突然ベタなギャルゲーが発売されたために「コナミご乱心」とまで評する人もいた。
だが電撃PCエンジン(現・電撃G's magazine)の「悪魔のゲーム」とまで表現した程の強烈なプッシュ、当時勃興したパソコン通信での口コミ等からジワジワと売れ出したという経緯がある(*2)。
作り込みは凄まじく、当時としては異例のフルボイス収録など、その斬新さ、面白さはそれ以上のものだった。
後続のギャルゲーの見本となり、また本作で初めてギャルゲーに触れたプレイヤーへ与えた影響は計り知れない。
非パソコンユーザーには無縁だった「恋愛シミュレーション」という新しいジャンルを紹介、なお且つ確立した。さらに、本作自体も高いゲーム性を持った良質な作品であることから、本作をギャルゲー最高傑作に推す声も少なくない。
PCゲームで好評を博していた『同級生』や『プリンセスメーカー』『卒業 ~Graduation~』から、前者からは恋愛要素、後者2作からは育成要素についての影響を色濃く受けている。故に本作の独自性はゲーム業界全体として見れば低い(*18)。
だが、本作が画期的だった所は、それらを一つにそつなくまとめ上げたという点と、PCエロゲ・ギャルゲーのヒット作を家庭用機に持ち込んだ点(余談にて記述)にある。
自分で自分のパラメータを上げ、女の子から告白されるように努力するというシステムは当時としては画期的であり、また当シリーズが後続のギャルゲーとも一線を画すものとなった理由でもある。
ギャルゲーファンのみならず是非とも触って頂きたい作品であるが、今ならゲームアーカイブスで続編ともども配信中である。
また、家庭用ならば特に理由がない限りセガサターン版が良い。インターフェースの強化や追加要素など、まさに完全版と呼ぶに相応しい内容となっている。
PCエンジン版が出た翌年、PSへの移植『ときめきメモリアル ~Forever with you~』が発売された。
*1 ファミコン通信(当時)は異常なほどPCEを嫌悪しており、クロスレビューでも常に飛び抜けて低得点を付けていた。
*2 当時のネットの狂いっぷりについて「超クソゲー」(大田出版)に、当事者からのドキュメントが載っている。
*3 多くのヒロインは登場条件が「参照能力が一定以上の時に特定のコマンドを平日に(言い換えれば学校で)行った場合」なので、平日は常に「休息」や同じクラブのヒロイン以外は登場しない「部活」を選び、休日に能力を上げるようにすれば、ヒロイン11名(隠しキャラを除く)の内7名を登場させない事ができる(8名を登場させないことも出来るが、非常に面倒なプレイになる)。また3年目になれば(美樹原愛を除き)ヒロインは増えなくなるので完全に自由になる。
*4 ただし、そんなに高い数値ではない。
*5 プレイヤーキャラは幼馴染の「詩織」と兄の好雄と区別する必要のある「優美ちゃん」以外は「苗字+さん」と呼ぶ。
*6 詩織の誕生日と血液型はプレイヤーが設定し、誕生日によって所属部活が決まる。
*7 SFC版では電脳部が存在しないため詩織が科学部に入ると紐緒さんが消滅する。
*8 理論上、知り合っているヒロインが1名だけなら問題ないはずだが、詩織と優美は強制的に知り合ってしまうので実際は不可能。
*9 本作が収録されていない海外版でも代わりに収録されている『沙羅曼蛇』からプレイ可能。
*10 前述のゲームシステム的に考えると、爆弾システムの説明(なぜ特定の女の子にばかりかまうとまずいのか?)になっている可能性もあり。
*11 ただし、シリーズ作品では『3』や『4』のようにメインヒロインの人気が低かったり他のヒロインに喰われたりして立場がなくなっているものもあるが。もっとも、『3』『4』のヒロインは「影が薄い」のが問題だったのに対し、詩織は(たとえ悪女扱いが理由だろうと)「濃いキャラ」と言う違いがある。
*12 特に好感度を抜かれやすい詩織。
*13 コナミ側の話では「イメージの付いていない人を選んだ」としている。
*14 選択肢が多く、ルートを模索することを楽しみに据えたゲームも勿論あるが。
*15 元々は背景画などの担当だったらしく『ときめきメモリアル プライベートコレクション』にて人物画をほとんど描いたことがなかったと答えている。
*16 OPムービーを高解像度で見る裏技があるのだが、そのクオリティでやってくれれば…。
*17 どんな理由であっても(期末試験の補習だったとしても)欠席したら強制退部になる
*18 あの模倣などに異様に厳しいコナミが、後に乱発された類似作に対して訴えていない点からも、自覚している模様。
*19 スタッフも、詩織以外はお邪魔キャラと呼んでいたと発言している。
*20 1980年代以前は膝下、1990年代も膝下だが放課後に(駅のトイレとかで)スカートを折り込んで膝上にまで詰めるのがブーム、2000年代に入ると学校指定の時点で膝上な制服が増える。まぁエロゲーなら昔からマイクロミニスカ制服だし…。
*21 『突撃パッパラ隊』でも同じく『どきどきメモリアル』と言う名のゲームが登場している。
*22 登場人物の「早乙女」優美と虹野「沙」希、藤崎詩「織」が元ネタ。
*23 『初恋物語』自体、元々がPC9801で「ときメモ」より1年早く1993年に発売されたゲームの移植という事もある。当時はPCを所持している層が少なく、また一部18禁な内容もあったがマイナーであった。
*24 SFC版では不良パンダ、クロコダイル
*25 主人公・詩織・美樹原は全員同じ中学校のはずだが、なぜか主人公は出会った時点で美樹原に見覚えがない。中学時代の美樹原が相当地味な子だったのだろうか…
*26 2023年、美樹原愛誕生日祝い描き下ろしイラストにて。
*27 例えば自分は使わなくなったから友人や家族にあげる、というこそすら許さないということである
*28 ただしこれは「OPムービーのラストシーンを作中で無断使用した」という理由が大きく、二次創作行為自体を訴えたわけではない。
*29 このことは軽い脱衣がある自社作のボンバーガールに詩織が出てくるさい、番外編的な漫画とはいえ公式でも軽くネタにされた程。
*30 尚、写真で使われてたのはSS版の限定版パッケージ。他にもときめきドラマシリーズの1巻(SS版)と『ときめきメモリアル対戦ぱずるだま』(SS版)が並べられていた