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ラングリッサー リインカーネーション -転生- - (2016/08/06 (土) 11:45:06) の編集履歴(バックアップ)


ラングリッサー リインカーネーション-転生-

【らんぐりっさー りいんかーねーしょん てんせい】

ジャンル シミュレーションRPG

対応機種 ニンテンドー3DS
発売・開発元 エクストリーム
発売日 2015年7月23日
定価 通常版:5,537円
限定版:9,241円(共に税8%込)
レーティング CERO:C(15歳以上対象)
判定 クソゲー
ポイント 2015年クソゲーオブザイヤー携帯機部門次点
基本的なインターフェースすらまともに出来てない
驚愕の戦闘画面
お約束の「BGM以外まともな所がない」
FC時代のSLGにも劣るゲーム内容
×ラングリッサー転生 ○クロスノーツ転生
クソゲーオブザイヤー関連作品一覧
ラングリッサーシリーズ


概要

DC&WS版『ミレニアム』から実に15年振りとなる、名作SLG『ラングリッサー』シリーズの最新作。
開発を手がけたのは一貫してシリーズを手掛け続けてきた、メサイヤの版権を受け継いだエクストリーム。
誰もが予想しなかった、「まさかの15年ぶりの最新作」という事で、ファンの期待は一気に高まったのだが…。

「おかしなスクリーンショット」「いつまで経っても詳細が公開されない戦闘」「開発元の社長が『ラングリッサーIII (PS2)?』の移植を手掛けたあのクロスノーツ創業者と同一人物*1」など、不安要素ばかりが重なり、一転してファンは不安な日々を過ごすこととなった。
そして発売直前生放送が満を持して行われたが、その内容が既に酷い有様*2であった為、発売前にしてある意味決着がついてしまった。

それでも熱心なファンは本作を手に取った。そして中身は、大体予想通りだった…。


システム

本作はSFC&PC-FX版『デア ラングリッサー』(以下『デア』)のシステムをベースにしている。

  • 戦闘は1ユニット兵士10名で構成される自軍ユニットを、マスに指揮官と傭兵を配置して、個別で移動・攻撃の指示を与えていき敵を撃破していく。
    • ターン制。自軍フェイズと敵軍フェイズを交互に行い、お互いのフェイズが終わると1ターン経過。自軍フェイズと敵軍フェイズを繰り返し、「敵の全滅」などといった勝利条件を達成するとステージクリア。
      • 上記は『デア』のシステム説明であり、本作では素早い者から順に動くシステムへと改変されている。そのため、フェイズという概念については乏しい。
    • なお、各ユニットには歩兵>>槍兵>>騎兵>>歩兵と言うような3すくみや、弓兵は飛行系に強いと言うように相性や特性を持つのでそれを活用して戦闘していく。
    • 戦闘予測という要素があり、敵指揮官や傭兵に攻撃を仕掛けるときに、有利・不利などの戦闘状況を予測することができる。
    • 指揮官が敵にやられると、その指揮官の傭兵も一緒に全滅してしまう。
    • 敵を倒すと経験値と資金が得られる。敵がアイテムを装備していた場合、そのアイテムを奪うこともできる。
    • 敵を倒したり、回復魔法を使用してHPを回復すると経験値が貯まる。経験値が貯まると指揮官がレベルアップし、攻撃力や防御力などの能力が上がる。
      • 指揮官はレベルが10になるとクラスチェンジすることになる。
    • マップは真上視点型の2Dだが、本作では一部演出は3Dで表現。
  • 戦闘の前には準備画面がある。
    • 指揮官を選んで出撃させる位置設定を行う。指揮官の人数はステージによって違う。
    • 傭兵を雇うことができる。初期は弱い傭兵しか雇えないが、指揮官が成長するとより強い傭兵を雇えるようになる。
    • 会話システムがここにあり、好きな指揮官を選んで仲良くできる。
    • ショップも利用でき、そこで指揮官の装備品の売買を行える。
    • データのセーブやロードはここでできる。
    • その他、戦術指南、アイテム、装備を確認できる。
  • イベントシーンは一般的なビジュアルノベルゲームとほぼ同じタイプ。
  • ベースになった『デア』では主人公の選択によりストーリーが変わっていくものであったが、本作でも主人公の選択により組する陣営が変わる。
    • 本作では「光輝の軍勢」「帝国軍」「闇の勢力」、この3勢力全てを敵に回す「放浪軍(『デア』でいう所の独立軍)」の4つのルートに分かれている。
  • マップ間の準備画面で各キャラクターと会話を楽しめる。キャラと仲良くなれば告白イベントもある…のだが、実はこの告白イベントにも大きな問題があったりする(詳細は後述)。

問題点

  • キャラクターデザインの変更と生じた難点
    • 『I』から『V』まで継続し、シリーズの顔であったうるし原智志氏から『ミレニアム』で一度変更されたキャラデザインだが、本作でもまた別のカイエダヒロシ氏に変更となった。
      • エクストリーム側は「新しい層にラングリッサーシリーズを遊んで貰いたいという想いがあったから」と公式発表しているが、やはりラングリッサーといえばうるし原氏の印象が強い為、戻してほしいという声は多かった。
    • カイエダ氏は『超速変形ジャイロゼッター』のキャラクターデザインを担当するなど実績もあるが、ミスマッチな人選だったという印象が拭えない。
      • 本作のイラストやその他のカイエダ氏のイラストを見ればわかるのだが、そもそも氏の画風はデフォルメ寄りでそれこそ『ジャイロゼッター』のようなホビーコンテンツ向けである。色使いもアニメ塗りならともかく、本作のようなリアル調を意識した塗りと合っていない為違和感がある。
      • また、パッケージイラストと立ち絵のクオリティに明らかに差がある上、さらにキャラクター毎にも力の入れ具合に差がある。ゲーム画面ではイラストよりも若干絵が簡略化されている。手抜きなのか納期ギリギリだったのか。
      • そしてゲーム中の顔グラフィックは、何故か揃いもそろって口が半開きの間抜け面。
    • また、公式に記載された「鬼才カイエダヒロシ氏による血の通った魅力あるキャラクターたち」なる胡散臭い宣伝文句もユーザーを困惑させた。というかカイエダ氏本人もこんな紹介をされたら困惑するのではないだろうか。
      • しかもこの一文は早い内に削除されている。
  • 操作性が悪過ぎる。
    • 誇張表現でも何でもなく「遊ぶ事自体が苦行」と言えるレベル。
      • とにかくレスポンスが悪過ぎる。常に動きがカクカクしており、カーソルの移動速度も遅いため非常にテンポが悪い。更新データVer.1.1で若干改善されたが、それでも快適に遊べるレベルには未だ程遠い。
      • Ver.1.1で一応カーソル移動の高速化が可能になったが、ユニットの居るマスに触れるとカーソルがカクつくというイラっとくる仕様。下画面のユニットステータスが切り替わるのにわずかな間があり、その間は画面が(カーソルも)一瞬止まってしまうからである。大勢のユニットが居る所ではさらにカクつく。カーソル移動はユニットを避けるように行わなければならない様は、「イライラ棒」と揶揄されるほどであった。
    • こんな仕様であるにも関わらずマップが無駄に広く、物凄くストレスが溜まる。
  • 基本的なインターフェースすらまともに出来ていない。
    • 出撃準備画面で敵ユニットの配置を確認出来ない。
      • つまり、実際に進軍するまでユニット毎の相性*3が分からないということ。
    • レベル10到達毎にクラスチェンジすることになり、2種類あるクラスのどちらか片方を選ぶ事になるのだが、選ぶ際に各クラス毎の詳細なデータを確認出来ない。
      • 文字通りカーソルを合わせて選択した時点で、データを確認する事さえも出来ずに強制的にそのクラスへとクラスチェンジしてしまうのである。後述の通り中断セーブ機能も無いので、もし気に入らなかったらそのステージの最初からやり直さなければならない。
      • これに関しては更新データVer.1.1のアップデートにより修正されて確認後にキャンセルができるようになった。
    • 入手した装備品を装備する事は出来ても「外す」事が出来ない。そのため、その装備を外したければ別の装備品をいちいち装備し直さなければならない。
      • 武器や防具ならまだ別にいいのだが、店売りされていない貴重なアクセサリーを間違えて目当てのキャラ以外に装備してしまうと悲惨な事に。
  • 戦闘中に中断セーブする機能が無い
    • 何らかの理由でプレイを途中で中断しなければならなくなった場合、またそのステージの最初から遊ばなければならなくなる。
    • 中断セーブは長丁場となりがちなこのジャンルでは定番かつ欠かせない機能であり、かなり初期の頃から搭載されている機能である。技術面でも搭載不可能とも言える機能ではないと思われるのだが…。
      • PS2版『ラングリッサー3』では中断セーブも可能であった。クロスノーツ時代より開発スタッフの質が低下しているのだろうか。
      • 一応、3DSにはスリープ機能があるが、電池切れなどの不測の事態が起きることを考えると、やはり必要な機能だろう。
  • 馬鹿な敵AI
    • 基本的に勝手に突っ込んできて勝手に死ぬのを繰り返すだけ。これでは戦略も何もあったものではない。
      • しかも目の前に移動不能の壁があったとしても、おかまいなしに突撃を繰り返そうとする。何故壁を避けて迂回するなどの基本的な行動が出来ないのか。
        おまけに敵の攻撃対象の判別基準がおかしく、何故か消耗している味方を無視して全く無傷の味方を攻撃したりする。
      • なお、これらの問題は旧世代のSLGでも対策がとられていた内容である。上記の中断もそうだが、テストプレイをしていれば容易に気づくと思われる問題なのだが…。
      • これに関しては更新データVer.1.1のアップデートで、「突っ込んでくるが、強い相手には手を出さず目の前で止まる」という行動をとるようになった。勝手に死なないぶん、幾らかはマシである。
  • 劣悪なシナリオ
    • 本作のシナリオ序盤の流れは大まかに言うと、「帝国軍が聖剣ラングリッサーを狙って、主人公アレスが住む街に突然襲撃を仕掛ける。アレスは逃げ込んだ教会において成り行きでラングリッサーを手にする事になり、帝国軍を相手に戦う事になる」という物なのだが…。
      • あろう事か伝説の聖剣であるラングリッサーを、物語開始直後からいきなり入手してしまうのである。
      • これだけだとさほど問題ではないと思われるが、これまでのシリーズではラングリッサーを入手するまでに様々なドラマが待ち受けていたということもあって、物語開始直後から初期装備としていきなり伝説の武器を入手してしまうと言うご都合主義的展開に違和感を感じるプレイヤーも多い。
    • これ以外にもシナリオ全体を通して内容が非常に薄く、常に説明不足、投げっぱなし、ユーザー置いてけぼり、まるで紙芝居など、全体的に足りていない。誇張表現でも何でもなく、今現在何が起こっているのかをユーザーの脳内で補完するしかないレベルなのである。
    • また本作では『デア』や『IV』のように物語途中で異なる勢力に所属する事が出来るようになるのだが、シナリオが上記の有様であるだけでなく、基本的に本作の物語は主人公であるアレスの視点でしか描かれない為、この2作品のような異なる勢力同士のドロドロの対立ドラマなどと言う物は見られない。
      冗談抜きで何が起こったのか分からないまま、物語が淡々と進んでいくのである。
  • シリーズ最新作としての時系列が不明な上、細かい矛盾点も多い
    • ラングリッサーシリーズの時系列は『III』→『I』→『II&デア』→『IV&V』となっているのだが、本作はいつ頃の話なのか今いちはっきりせず、メーカーからの公式発表も一切無い。
    • 作中でのキャラクターの会話から察するに、少なくとも『II&デア』の後の物語だというのは間違い無さそうなのだが。
    • しかしシリーズ最新作として見た場合、シリーズ経験者にとっては細かい所で矛盾点や違和感を感じ、整合性が取れていない部分が多い。詳しく書くと長くなってしまうので詳細は省くが、後述の「こうき」問題といい、シリーズを全く遊んだ事が無い者がシナリオを担当したとしか思えないレベルなのである。
    • 現在は『III』以外は過去作がゲームアーカイブスやバーチャルコンソールで配信されているので、「過去作が古過ぎて入手出来なかったので、資料だけを頼りにシナリオを作った」などという言い訳は通じないだろう。
  • 登場人物の1人である「ジェシカ」の扱い
    • これまで全てのシリーズに登場し、光の女神ルシリスの使いとして常に主人公たちを導いてきた女魔術師のジェシカだが、本作ではあまりにも雑に扱われ過ぎてしまっている。
      • これまでのシリーズでは「女神の使い」という立場からか、知的で聡明で神秘的な人物として描かれていたのだが、本作では何故かそのイメージが完全に改悪させられてしまった。
      • 例えば部屋の片付けが出来ない、すぐに拗ねる、子供扱いされて怒り出す、さらに何故か金の事をやたらと強調したり、戦闘の真っ只中だというのにいきなり何の脈絡も無く編み物を始めたり。
      • このように前作までの神秘的なイメージが欠片も感じられない、理解に苦しむようなコミカルなキャラに成り下がってしまった。開発陣は一体ジェシカの事を何だと思っているのか。
      • シリーズを通してプレイしてきた熱烈なファンの人たちの中には、あまりの改悪ぶりに激怒した人もいたのではないだろうか。『IV』でジェシカと恋仲になったマクレーン涙目。
      • ちなみに彼女の声を悠木碧氏が担当している事から、彼女の代表作の某アニメになぞらえ「魔法少女ジェシカ」などという、ある意味不名誉な呼び名まで付けられる羽目になってしまった。確かにジェシカは魔術師ではあるが…。
  • 告白イベントの問題点
    • 本作には『III』『IV』『V』でも実装されていた、主人公が各ヒロインの好感度を上げて告白し恋仲になる「告白イベント」が実装されているのだが、これにも大きな問題点が存在してしまっている。
      • 前作までは各ヒロインの好感度は隠しパラメーター扱いだったのだが、本作では主人公にどれだけ好感度を持っているかというのが視覚的に分かるようになっている。好感度が一番高い状態の場合「恋仲の関係」だと表示される。これだけならまだ前作から進化したとも取れるのだが…。
      • しかし実際に「恋仲の関係」となっている人物に告白しても、何故か断られるケースがあるのである。バグなのか仕様なのか不明だが、さすがにこれは問題なのではないだろうか。どうやら好感度以外にも何らかの条件があるようなのだが、その条件が全くのノーヒント
      • これは有志によるプレイ検証の結果、全キャラ共通で「恋仲の関係になってからもさらに好感度を上げ続ければOKで、それ以外の特殊な条件は一切無い」との事。
      • 自軍に、「恋仲の関係」のキャラが複数居る場合だと告白失敗するケースが有る一方で、自軍内で目当てのキャラの好感度を一番高くしておくと告白失敗しない。本作、内部的な数値(好感度)が100だろうが200だろうが、表記上はどちらも「恋仲の関係」なのである。単に内部的な数値をゲーム上で隠しているから余計な誤解を生んでいるだけなのかもしれない。
      • おまけに本作では血の繋がった実の妹であるリコリスとも恋仲の関係になる事が出来る。さらに上手くやれば複数の人物と「恋仲の関係」になる事が出来たりする。それだけならまだハーレムで済ませられるのだが、何故か男性キャラとも恋仲になれたりする。アッー!
    • ちなみにこれらの問題について、開発者は「好感度はアレスの単なる思い込みであって、本当に恋仲になっている訳ではない」などと釈明している。あくまでもバグではなく仕様との事らしい。
      • 確かに上記の通りならば「恋仲の関係」だと表示されていても、実際には「アレスがそう思い込んでいるだけ」なのだから、告白された本人が実際にはアレスを何とも思っていない…というケースも考えられるのだが…。
      • しかしそんな説明はゲーム中で一度もされておらず、説明書や設定資料集にもそのような記述は無い。ユーザーに指摘されて苦し紛れの言い訳をして逃げたと思われても仕方が無いだろう。
  • 劣悪な戦闘アニメ
    • 本作の戦闘アニメは『III』以来となる3Dで描かれているのだが、忌憚なく言えばその出来は「最悪」の一言。これによって評価が即座に決定付けられたと言っても過言ではないひどさであり、本作を端的に象徴するダメ要素である。
    • 戦闘が始まると、出てくるのは極めて等身が低く、目測1.2~1.3頭身ほどの「チビキャラ」。もはや「巨大な頭の下に身体がひっついている」というレベルで、シリアスさのかけらも感じられない。
      • (表現という意味においては)グラフィックがFC以下。キャラが必要以上にデフォルメされている……というより、「ビー玉」「豆電球」とまで言われる程に酷い有様となっている。
    • さらにキャラの動きが非常にもっさりしており、物凄くテンポが悪い。
    • 戦闘とは言うが、実際は何が行われているのかがさっぱりわからない。というのも「前述した玉がトロトロ歩み寄る(実際は歩いているように見えない。というか下手したら足も見えない)」→「謎の光が出てくる(斬撃とか矢が飛ぶエフェクトのつもりらしい多分)」→「相手は死ぬ」といった謎のやりとりで表現されているため。
    • 騎兵系ユニットの戦闘は、「可愛い」のレベルにデフォルメされた馬に乗った頭身の低いキャラが、のったりのったりと敵に近づいていき、ぴょこんとジャンプするとなぜか剣撃と火花が走って敵が倒れるという、幼児向け作品かなにかと勘違いしそうな代物である。
    • おまけに魔術師系のユニットでさえも何故か敵を殴りに行く。前作まではちゃんと魔法で攻撃していたというのに、何故こんな事になってしまったのか。
    • あまりにも酷過ぎるので、本作での戦闘アニメはOFFにする事が推奨されている。(OFFに出来なければ、今よりも更に酷評されていたのは間違いない)
      • ……というよりも、実際は誰に言われるまでもなく、殆どのプレイヤーが自主的にOFFにする有様であった。
    • なお、この戦闘が初めて公開されたのは発売直前(前述した生放送)である。
  • 豪華声優陣の圧倒的無駄使い
    • 本作の声優陣は悠木碧氏、たかはし智秋氏、上坂すみれ氏などの名の知られた顔ぶれが揃っているのだが、残念ながらフルボイスでは無い。
      • それどころか本作において流れる音声は「いくぞ!!」「レベルアップした!!」などの、俗に言う「パートボイス」のみ。テキスト上のキャラクターのセリフを声優陣が熱演してくれる訳ではないのが非常に残念。
      • パートボイスの作品は現在でもある程度見られるものではあるが、本作はジャンルの関係もあってそこまで台詞量が多いわけではないし、何より本シリーズはキャラ性を高めるために、元々フルボイスでやってきたという経緯がある。上記の色々な点と合わせて、作る側がシリーズの魅力を全く理解していないという証左だろう。
      • しかもこのパートボイス、何とキャラクター同士の会話の場面でも平然と使われていたりする上に、ボイスの内容がテキストの文章と全く合っていない事が非常に多い。幾ら何でも手抜きにも程があるのではないだろうか。
  • これまでのシリーズでは最早恒例となっていた、シナリオセレクトモードが本作では未実装。
    • その代わりという意味合いなのか、本作は前作までと比較して難易度がかなり低く抑えられており、またクリア後にデータを引き継いで最初からやり直す事が可能となっている。
    • だが今までのシリーズにおいて搭載され続けてきた(裏技扱いだが)システムが搭載されていないという事で、反発したユーザーも多かった。本作は前述の通り非常にテンポが悪いので、好きなシナリオを任意に遊べないのは余計に不便だと言える。
    • ちなみに実質エクストリームと同一企業であるクロスノーツが開発したPS2版『III』にも、シナリオセレクトモードは搭載されていない。こちらもそれを見越して難易度調整が図られているのだが、力を入れる所を間違えているのではないだろうか。
  • 本作では4つの勢力に所属する事が出来るのに、セーブデータが3つしか作れない。
    • しかも4つの勢力でのシナリオの中でさらに細かい分岐が発生し、最終的に8つのルートに分岐する。
    • これら全てのイベント、さらに全ての勢力のエンディングを観たいと思った場合、3つのセーブデータのどちらか1つのデータを消すしかないのである。
    • 『デア』でもSFC版・FX版共に同じ仕様だったのだが、こちらは両機種共にシナリオセレクトモードが搭載されていたので特に問題にはならなかった。だが本作では前述の通りシナリオセレクトモードが未実装な上にゲームのテンポが非常に悪いので、かなり面倒な事になってしまっている。

評価点

  • クソゲーのお約束、BGMの出来「だけ」は評価出来る。逆に言うと本作にはこれ以外に評価出来る部分が何一つ無い。
    • 作曲を手がけたのは『ラングリッサーシリーズ』の作曲を手掛け続けてきた岩垂徳行氏。
      • BGMはその殆どが旧作BGMのアレンジだが、アレンジとしてはかなり上質のものに仕上がっている。
      • 序盤からいきなり『デア』の光輝ルート最終面の熱いBGMが流れるので、懐かしさと共にテンションが上がった旧作ファンも多かったのではないだろうか。
      • また、発売日になったと同時に配信されたジェシカの3DSテーマは好評であった。使用されているBGM故の好評でもあるのだが。

総評

「名作の名を借りた“名状し難い何か”」……まさにそうとしか言いようが無い駄作である。
あまりの酷い出来に旧作のファンは激怒し、開発者側が本来狙っていた新規層からもそっぽを向かれる結果となってしまった。
一応、アップデートを行って遊びやすさが改善されているものの、現状でもSLGとしてはレベルが低く、風当たりは厳しい。

その惨憺たる出来はニンテンドーeショップでの評価にも明白に現れており、発売から9ヶ月が経過した2016年4月23日の時点で平均☆1.5と、これまでに発売された3DSの全てのゲームでもワーストクラスの低評価(内訳を見ても、プレイヤーの実に8割以上が☆1つを付けている。)となった。*4

ちなみに本作を発売したエクストリームは、メサイヤ関連の新作第2弾、3弾も企画していると公式発表している。
だがここまでファンの信頼を失ってしまったエクストリームが、果たしてどこまで巻き返せるのだろうか……
もっとも本作の評判や売り上げ、そして過去の例を思えば、そのまま音沙汰無くフェードアウトという結末も十分あり得るのだが。


余談

  • 特典のサウンドトラックの説明詐欺
    • 本作の初回限定版には、本作のBGMを収録したサウンドトラックが同梱されているのだが……
      • Amazonや楽天などの通販サイトでの説明文では「うるし原氏による、『I』と『II』に登場するクリスとリアナのイラストが入ったピクチャーレーベル仕様」などと書かれているのだが、実際にCDに描かれているのはカイエダ氏による、本作のジェシカとリコリスのイラストである。
      • うるし原氏のスケジュールの都合や著作権の問題など、色々な大人の事情があっての事なのだろうが、これに関しての説明文は何故か現在も修正されていない。なお通販サイトの説明文は実態と合っていないのに放置されるケースがゲームに限らず稀にある。
  • 幸いにして(?)本作の発売時期はジャンルがSRPGのゲームが沢山発売されていたためか、売り上げは伸びず被害者は少なかった。
    • エクストリームの決算報告によると、本作の売り上げは初週こそ9000本を達成したものの、それ以降全く売れず、目標の売上高には遠く及ばなかったとの事。人気シリーズだからというだけで売れる程甘くはないという事を露呈した結果となった。
  • TVCMも2種類放送されたが、こちらも2種類共にゲーム画面はマップくらいと戦闘アニメを映していない。
    うち1種類は女性キャラを前面に押し出すなど、まるでギャルゲーのような印象となっている。
  • ちなみに発売前に放送された前述のニコニコ生放送において、スタッフは「光輝」の事をドヤ顔で「こうき」と読むという大失態を犯してしまった。
    • シリーズ作品を少しでも遊んだ経験がある人なら分かる事なのだが、本シリーズにおける「光輝」の正しい読み方は「ひかり」である。それさえも全く理解していないスタッフが続編を製作していたというのだから、シナリオ面の破綻はなるべくしてなった当然の結果であろう。
      • 某氏が「ひかり」読みを気に入らずに、「こうき」へと改めたかったという可能性も考えられるが、真相は不明。仮にその通りならかえって性質が悪いが。
  • そのあまりに衝撃的な出来栄えから、発売後1ヶ月を待たずして携帯機KOTYに選評が届けられ、無事ノミネートを果たした。
    • 先に選評が届いていたゲー無『パズルボトル』と共に、2015年携帯機KOTYの門番として並み居るクソゲーを悉く追い返したという…。
    • 最終的には、歴戦のスレ住人をして「KOTYを狙いに来ているとしか思えない」と言わしめる程の怪作『機動戦士ガンダム バトルフォートレス』と大賞の座を争ったものの「アップデートである程度遊びやすさが改善された」という点が響き、本作は次点止まりとなってしまった。
      • 当然の事だが、大賞の座を逃したからといって本作の出来の酷さや、本作が多くのユーザーからクソゲーという評価を受けている事実には変わりが無いことは明記しておく。

その後の展開

  • こんなどうしようも無い程のクソゲーではあるが、何をトチ狂ったのか海外版が発売された。ここまでユーザーから凄まじいバッシングを受けているというのに、まだ懲りていないようである。
    • 恐らくこれは、売り上げ目標にまるで届かなかった本作の補填目的だと思われる。このこと(補填)は他ならぬエクストリーム公式サイトの決算資料(PDF)を見ると素直に記載されていた。なお2016年現在では決算関係の資料は公式サイトで配布が終了しており確認できない。
    • 海外版公式サイトでも不自然なまでに実際のゲーム画面を公開していない。これを騙し売りと呼ばずして何と呼ぶのか。
      • システム関係についても特に記載は無いが、実際に海外版を触ってみると戦闘マップやメニューの仕様は部分的にだが、オリジナル版より少し改善されている。が、やはりユーザー評価を一変させるほどには至っていない様子。
    • メタスコアは35。「絶対に買うな(意訳)」というレビューが投下されるなど、案の定海外のユーザーからも酷評を受けている様子。