重装機兵ヴァルケン

【じゅうそうきへいう゛ぁるけん】

ジャンル アクションシューティング
高解像度で見る 裏を見る
対応機種 プレイステーション2
発売元 クロスノーツ
開発元 ソフトアクション
発売日 2004年8月26日
定価 5,229円(税込)
判定 クソゲー
劣化ゲー
ポイント 2004年クソゲーオブザイヤー次点
クロスノーツ最大の悪行
あからさまな手抜きパッケージ
ゲームバランスも悪化
矛盾しているAPPENNDIXモード
PS2なのにSFCから劣化した操作性
兵士達の終(終幕)、アーク・ノバ下(落下)
いらない幻の0面、サラトガって何だ!?
無重力? ホールド? 何それ?
評価サイト「mk2」史上最低の100点中4点を記録
後年、開発者すら見限った
クソゲーオブザイヤー関連作品一覧
重装機兵シリーズリンク

概要

1992年発売のSFCアクションの傑作『重装機兵ヴァルケン』を、12年の時を経てPS2でリメイクした作品。
これにファンは歓喜したが、現実はもののみごとにファンの期待とは真逆な出来を徹底した、誰得な一作であった
あの原神敬幸氏が率いていたクロスノーツがやらかした所業のひとつにして、両者(社)を悪い意味で有名にした1本、それがこの通称「ヴァルケソ」「ヴァルクソ」である。


問題点

  • パッケージからしてひどい。なんとヴァルケンがSFC版のパッケージ絵から流用という驚きの手抜き仕様。ポーズがまんまなうえによく見ると、消し忘れた作業用アームが見えているというお粗末なシロモノ。
    • そもそも「荒野に飛び交う謎の円盤」という構図がすでに意味不明。そういうゲームじゃねえからこれ!

オープニング~0面

+ プレイに全く影響の無い謎の0面追加。
  • 本来のOPは丸々カット、タイトル画面前後のデモもカット。
    • かわりに「SFC版でカットされた幻の0面が復活」と喧伝していたが、内容は強制スクロールの完全一本道で、すぐに終わる。
      • しかも自機は無敵で、ボスは何もしなくても勝手に倒される…というチュートリアルにすらなっていないただの作業。OPデモの改悪である。
      • そもそもこの「幻の0面」とやらは移植スタッフによる捏造である。たしかにSFC版には容量の都合でカットされた要素が多々あったが、それは0面などではなかった。内容に深くかかわる肝心な部分はことごとく手抜きしておきながら、なぜこのような無駄なことに力を注いだのか。
+ タイトル画面。

アニメ調で背景から浮きまくっているヴァルケンの上半身はまだ看過できるが、タイトルロゴのすぐ左上でへこへこ動くヴァルケンのシルエットは何とかならなかったのか。

システム、操作性

  • 「難易度が高いため、クリアできないステージの練習用に」と、一度クリアしたステージを( 「到達した」ではない )単体で遊べるAPPENNDIXモードが搭載。子供でもすぐ気づくレベルの矛盾。
  • あきらかに意図されたものではなく、システムやゲームバランスの調整がなされていない結果、無駄に難易度が上がっている。
    • キーレスポンスと機動性(スピード)が低下し、SFCに似たボタン配置のPS2コントローラで操作しているのに違和感がある。
    • 射角の微調整が利かなくなり、歩兵などの小さい敵を倒すのが難しくなった。
    • ホールド(移動時に機体の向きを固定する機能)しても左右に向きが変わる。スタッフはホールドの意味を理解しているのだろうか。
      • つまり「射撃方向を固定し、敵弾を避けながら敵のいる方向に撃ち続ける」という操作ができなくなっている。
    • ポーズ中のマップ表示が削除された。にもかかわらず、クレアの「レーダーで確認できるわ」という台詞はそのまま。
    • 武器の退化。ミサイル、アームパンチの威力低下にくわえて、バルカンの弾速も遅くなっている。
    • 要所要所でいちいち読み込みが入るロードが多すぎ&やたらと長い。いうまでもなくテンポは最悪。

BGM・SE

  • 全体的にアレンジの質が低い*1、BGMに加え、最終面BGMがサビに入る直前でループ。(メインテーマや最終面)
    • まぬけたタイトルやブリーフィングのBGMはまだいいほうで、2面などはもはや雑音。ボス戦は音楽のせいで戦闘の雰囲気が完全にぶちこわし。
      • おかげで「みょ~ん」や「てれってってって♪」など、さまざまな空耳が生まれた。
    • ED曲はデータに入っているのだが、なぜか未使用。しかもこれも後半パートはカット。
    • 太鼓の音のような腑抜けた銃声、重量感のないジャンプ・着地音、ボボボというノイズじみたバーニア音、タイピング風のテキスト表示音、ピコッというアイテム取得音など、SEの大部分が改悪。音自体が鳴らなくなったものすら複数ある。
  • 以下、韓国の某ブロガーによる情報。
    • BGMを担当した「DJ eQuip」は本作プロデューサーの「SangKyu Nam」氏である。
      • SangKyu Nam氏は韓国においてゲーム音楽というジャンルを拓いた人であるが、作曲家としての能力はお世辞にも高いとはいえない(実際、本国でも評判が悪かった模様)。
        氏の作曲した曲を聴きくらべれば、↑の推測ができる。
      • じつは当時、活動を事実上休止していたようだが、このような形での復活には驚きであった。

ゲームバランス

  • 特定の敵を倒して得られるアイテムはすべて削除。
  • 自機の弱体化・操作性の悪化は前述のとおり。
  • ボス関係の当たり判定がめちゃくちゃ。さらにオリジナル版より敵の弾速が早いなど、敵はムダに強化されている始末。
    • ちなみにスタッフのインタビューでは「もっと難しくしたかったです(笑)

グラフィック

  • 全体的に横圧縮のかかったグラフィック。 うるし原智志氏渾身のデザインのキャラとドット絵もこれによって無惨なことに。
  • SFC版からの劣化点も多数。
    • 字幕に縁取りがついていないため、白い背景やエフェクトに埋もれてしまい、読めないことも多々ある。
    • オリジナル版では拡大パターンで再現されていた爆発エフェクトが、ショボいエフェクトに差し替え。
    • コンティニュー画面のカウントが迫力低下(SFCではボールが拡大縮小して数字の形に組んでいた)。
  • エンディングにも手抜き感が漂う。
    • 重要なワンシーンでコマ落ち。画面が切り替わるまで続く。また、エンディングの背景が謎のハニカム柄。
    • グッドエンドでもジェイクのヘルメットのディテールが変わり、クレアの左足が消えている。

演出

  • 細かい演出の殆どがカットされている。原作を知らない人は「そんな重箱の隅を突くようなことまでしなくてもいいのでは?」「細かいあげ足取りでは?」と思うかもしれないが、SFC版にはその細かい演出がゲームに彩りを添えて評価点となっていた以上、それの大部分をカットするというのは劣化以外の何ものでもない。次世代ハードでのリメイクでありながら、旧世代機でできていたことの再現すらできていない点からも、擁護の余地は見いだせない。
    • バーニアの噴射が壁や床に当たったときに煙がまき上がらない。
    • 無重力でも薬莢が放物線を描く。どうなってるんだこのゲームの宇宙は。(原作では宇宙空間では薬莢が浮いていた)
    • 大気圏突入前後のヴァルケンが赤熱しない。助けに来たバーシスは赤熱しているのに何故…。
    • 大気圏突入時に不自然なホワイトアウトの挿入(バリュート展開のドットアニメを作るのが面倒だったので手抜きしたというのがモロバレ)。
    • ヴァルケンから切り離されたブースターが、重力の有無を問わずその場にピタッと制止する。
    • 最終面でヴァルケンが天井を突き破って突入するシーンがあるが、溜めもせずスピードがノロノロ。
    • ちなみにリメイク版スタッフは、インタビューでSFC版の演出の細かさを絶賛していた。
  • 瀕死時の演出及びメッセージも削除。死亡時の主人公の叫びなども削除。
  • ロボットや兵器の演出も色々とひどくなっている。
    • バーシス(母艦)からの発進時、艦橋付近からニョッキリ生えてくるヴァルケン。のっけからこのありさまで、出鼻をくじくってレベルじゃないぞ!
      • ちなみに、ステージごとに発進口の位置がコロコロ変わるという感動的なまでの芸の細かさ。これは誰にも真似できない。おまけに、0面・5面のヴァルケンは発進前からバーニアを噴かしている。
    • コロニー外壁をぶち破る突入シーンでは、外壁にヌルリと挿入され、不時着時には無音でボヨンボヨン元気に跳ねるバーシス。
    • ロケットエンジンを破壊していくステージでは、エンジンだけでなく、なぜか噴射炎(バックファイア)まで爆散する。
    • 倒すと、ショボイエフェクトとともに忽然と消える大型の敵。
    • 無音かつ謎の挙動で暴れるラスボスの超巨大ロボ(巨大ジョイメカファイトと揶揄された)。

その他劣化点・改悪点

  • 誤字脱字。1面の『全速で離出(離脱+脱出?)だ!』、2面の『アーク・ノバ地下(落下)までの時間は~』等。
    • 百歩譲って「離出」は見逃すとしても、落ちることを「地下」と表記することは正気の沙汰とは思えない。スタッフの日常レベルの国語力が本気で疑われる。
    • 最終面の名称も『兵士達の終末(終幕)』に変わっている。
  • 大統領と対峙するシーンでなぜか流れるOPテーマ(SFC版は無音)。前述したように本作のBGMは殆ど改悪アレンジなので、完全に雰囲気ぶちこわし。
  • そのほか、あげていったらキリがなく、本作の劣化具合をまとめた特設サイトが同時に二つも生まれた(うち1つはこちら。もう一つは閉鎖されたが跡地)。

評価点

  • ここまで読めばだいたい察しがつくと思うが、今作単体で評価できる部分はまずないと言っていいだろう。
  • 強いて言うなら、アクションシューティングゲームとしての体裁は辛うじて保たれている事、極一部のBGMは改悪されずに済んだという事だろうか。

総評

マイナーながらそれなりに評価されていたSFC版、そんな作品のまさかのリメイクにファンは歓喜、そして蓋を開け、絶望していった。
なにしろシステム、グラフィック、演出、サウンド、なにもかもが見るも無惨に劣化し、リメイク作としてはもちろん、単体の作品として見てもひどいシロモノに変わりはてていたのだから。
少し触っただけでも「手抜き」や「根本からの技術力不足」などが劣化の原因と察せられる以上、「開発陣はまともに作る気が無かったのか」と非難されても仕方ないだろう。

時代を経てなお色褪せないヴァルケンの世界に触れたいのであれば、Wii及びWii UのバーチャルコンソールでSFC版が約800円で配信されているので、そちらを手にとるべきである。


余談

  • おそろしいことに、この改悪BGMをまとめたサントラが発売されている。
    • たとえ怖いもの見たさであっても購入はおすすめできない。もし興味を持ったとしても、丁寧なアレンジも入っている1992年発売版のほうを購入すべきだ。
    • ちなみに、このサントラだとサビは収録されているのだが、今度はループのつなぎめが改悪されるといった問題まで。
  • 当然、発売当時から評判は最悪で、中古屋に売却しようにも発売一週間も経たないうちに買い取り拒否する店舗まで現れた。
    • しかしそれはまだマシなほうで、フラゲ組の報告が出回ったことにより、発売当日からヤバイことになっている店舗まであったという…。
  • 上述した状況もあってか、開発の裏側が有志により掘り返されるようになる。
    • それだけにとどまらず内部リークまで始まり、結果としてお隣・韓国のゲーマー勢まで巻き込んだ騒動にまで発展した。
  • 原神敬幸氏は本作発売当時は雑誌インタビューで本作を絶賛、上記のサウンドラックにもコメントを寄せている。
    • だが後年、自身のブログで本作*2について「あれ(ヴァルケン)は自分がクロスノーツに入る前から企画が進行していた」と語った。
  • 開発側の予定では、さらなるシリーズ展開も構想され、スクリーンショットも公開されていたが、評判が祟ってか、当然のようにすべて続報はなく、自然消滅した。
  • ユーザーによる評価サイト「mk2」では同年のKOTY大賞作品すら下回る、 100点中4点 を叩き出してしまった。もちろん過去最悪の得点であることは書くまでもない。
    • このサイトでは、評価できる点としてなにか挙げなければならないのだが、評価を投稿したユーザーは「PS2でヴァルケンが出来ると期待させてくれた」「グラフィックが若干綺麗になった気がする」などとレビューする苦肉の策を取ったという。→参考
  • アマゾンのカスタマーレビューでも2018年10月現在、36人のレビュアー全員が★1つの評価を下している。一般的にどんなクソゲーであっても、レビューの数がそれなりに集まれば、少数のレビュアーが★2つや★3つ、あるいは皮肉やネタで★5つを付けたりするものだが、全員が★1つを付けるというのは珍しい。
  • 本作の開発会社クロスノーツは元メサイヤの事業部長だった佐藤昌平氏が設立した会社である。ただしビジネスサイドの人間でプロダクトサイドに携わってはいない。