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ぷよぷよSUN - (2022/09/26 (月) 08:58:07) の編集履歴(バックアップ)



ぷよぷよSUN

【ぷよぷよさん】

ジャンル 落ち物パズルゲーム


対応機種 アーケード
セガサターン
プレイステーション
ニンテンドウ64
使用基板 AC ST-V
発売元 AC他 コンパイル
PS再販 セガ
開発元 コンパイル
稼働開始日 AC 1996年12月
発売日 SS 1997年2月14日
N64 1997年10月30日
PS 1997年11月27日
Win95 1998年4月17日
プレイ人数 1~2人
配信 PS ゲームアーカイブス
2014年3月12日/600円
判定 なし
ポイント 『ぷよぷよ』シリーズ第3作
新要素「太陽ぷよ」に難あり
魔導物語・ぷよぷよシリーズ

概要

1990年代に一世を風靡した落ち物パズルゲーム『ぷよぷよ』シリーズの第3作。
闇の帝王・サタンさまが「肌を小麦色に焼いてギャルにもてもてになる」為だけに太陽を巨大化させ、灼熱地獄を生み出してしまった。
我らが主人公アルルは世界を元に戻す為に、変態魔道士シェゾは自身の愛する闇夜を取り戻す為に、そしてドラコケンタウロスは…どういう訳か日光浴をする為に旅立つ。
タイトルである「SUN」は3作目の「3」と、太陽を意味する英語「SUN」を掛けた物。

本作は決して「クソゲー」ではないのだが、『ぷよぷよ』の続編としては、4作目『ぷよぷよ~ん』と並び、とくに上級者ユーザーには批判され芳しくない評価を得ている不遇の作品である。

『ぷよぷよ』は対戦における駆け引きや戦略性が評価されるゲームでもあり、シンプルだが対戦での楽しさを最大限に引き出せるシステムが、2作目の『ぷよぷよ通』で既に確立されていた。
『ぷよぷよ通』が普及した結果、上級者の間では対戦に勝つための戦略が開発され続けており、より広範かつ奥深い戦略性を持つ続編がユーザーに求められていた。

そこで、『ぷよぷよ通』の出来を超えることを期待された『ぷよぷよSUN』だったが…。
『ぷよぷよ通』のディレクターだった森田健吾氏は「セガサターン版『ぷよぷよ通』でぷよぷよは完成した。
3を作るとしたらそれ以上のものにしなければいけないから大変」と発言している(『ALL ABOUT ぷよぷよ通』)。

AC版の使用基板は初代と『~通』まではメガドライブの上位互換基板であった「System C2」が使われていた。
だが、本作はサターンへの移植を見込んだことも考慮してか、サターン互換基板である「ST-V」が使われている。


特徴

※ゲームボーイ版についてはルール変更が多いので後述。

  • 太陽ぷよ
    • 『ぷよぷよ通』では、連鎖をすると相手のフィールドに「おじゃまぷよ」を降らすことができるが、このおじゃまぷよが「予告ぷよ」として自分のフィールド上部に表示されている間(降ってくるまでの猶予時間)に連鎖をすると、こちらがおくった分と同じ数だけの予告ぷよ(おじゃまぷよ)の数を減らすことができる(こちらが送った量が上回った場合は、その残りが相手のフィールドに送られる)。これを「相殺(そうさい)」という。
    • 『ぷよぷよSUN』では、おじゃまぷよを「相殺」すると「太陽ぷよ」が自分と相手のフィールドに同じ数だけ降る。このシステムは「日輪相殺(にちりんそうさい)」と名づけられている。
      • 「太陽ぷよ」の降る列の順番は決まっており、左列から順番に1→2→3→4→5→6→1→…と規則的に降る。
    • 「太陽ぷよ」を連鎖に巻き込んで消すと、通常より多くのおじゃまぷよを相手に送ることができる。連鎖のうしろで巻き込んで消すとより多くのおじゃまぷよを降らせることができることも含め、前作の「得点ぷよ」を公式に採用したようなものになっている。
      • 太陽ぷよの降るターンは、画面中央の太陽から光が発射、その光がフィールドに差し込む演出が入り、そのターンはおじゃまぷよが降らない。
    • また、「全消し」を行うと、全消しを行った連鎖と同じ数の太陽ぷよが自分のフィールドにのみ降る。代わりに、前作のようなおじゃまぷよ追加ボーナスはない。
  • セガサターン以降、コンシューマで出た『ぷよぷよSUN』は、「太陽ぷよを出現させなくする(太陽ぷよOFF)」機能が付いている機種もある。この場合、得点倍率・14段目の有無などの細かい点を除いて、『ぷよぷよ通』とほぼ同じになる。
  • 「ひとりでぷよぷよ」モードでは、1作目の『ぷよぷよ』を踏襲して難易度別にコースが分かれており、順番に現れる敵を倒していく形式なのだが、本作では難易度に応じて主人公が異なっている。
    • ドラコ(やさしい)・アルル(ふつう)・シェゾ(むずい)の順に難易度が上がる。また、エンディングまでのステージ数はドラコ・シェゾ・アルルの順に長くなる。
    • 『ぷよぷよ通』の移植版の一部で搭載されていた「漫才デモ」が引き続き搭載されている。ドラコ編EDでのオチが、アルル編第1ステージでのネタになったり、アルル編で経験値を得てレベルアップした勇者ラグナス・ビシャシがシェゾ編で元に戻ったりと、高難易度のストーリーは低難易度のストーリーの続き(二段オチ)になっている。また、アルル編・シェゾ編では後半に両者直接対決があり、アルル編ではシェゾが、シェゾ編ではアルルが敵として立ちはだかる。
  • 「ふたりでぷよぷよ」では、サタンさまとカーバンクルは隠しキャラ扱いで、あるコマンドを入力すると使えるようになる。
    • 本作には、他にも色々と裏技がある(「ひとりでぷよぷよ」モードにカーバンクルが突如乱入してくる*1…等)。
  • ストーリーの題材に合わせ、BGMは南国風の曲調が多い。
    • 「ひとりでぷよぷよ」のふつうモードに使用された「普通に遊ぼう」(NORMAL MODE)は後にアレンジされ、アルルのテーマとして使われた。
  • 他作品では一部機種を除いて19連鎖が限界だが、本作品のみ最大20連鎖可能*2。どちらにしろ、実用性はないが。

評価点

  • 「むずい(シェゾ編)」で出現する敵は、1作目のむずい同様にふつうの途中ステージからとなり、むずいの方がステージ数が少ない。しかし本作ではそれぞれに異なる漫才デモがあるため、1作目とは違い「ふつう」「むずい」を両方ともプレイする意義がある。
  • 漫才デモの完成度は高く、一部のデモ*3は未だにネタにされることも。
  • この作品からキャラ毎に個別の連鎖ボイスが付き、「ふたりでぷよぷよ」等の対戦モードではキャラ選択が可能になった*4
    • ちなみに過去のコンパイル作品と同じく、キャラの声優は豪華コンパイル社員(つまり素人)なのだが、総じてファンにはやたら人気が高い。個人の好みはあるが、プロ声優起用の『ぷよぷよ~ん』や『ぷよぷよフィーバー』以降と比べてもこちらのほうが良いというファンも多数。
    • ラスボスである「サタンさま」の声は(当時の)コンパイルの仁井谷社長が演じている*5
    • なお、素人でありながらも、「棒読み」の人はいない。中にはコンパイル社内でのオーディションで受かった人も声を担当している。
  • 連鎖時にキャラ別のカットインがフィールドの背景に表示され、演出がハデになった。本作のカットイン演出は未だにファンの人気が高く、これは『ぷよぷよフィーバー』以降の作品にもある程度受け継がれている。
  • 前作よりも登場キャラクター数は半減した(通:全36体 ⇒ SUN:旧キャラ12体 + 新キャラ6体)ものの、演出面では上記のように大幅に強化され、各キャラの個性がかなり強調されている。

問題点

  • 太陽ぷよのシステムは初心者でも上級者に勝つための一発逆転要素として導入されたものだが、以下の点からゲームバランスを崩しただけだとユーザーに批判されることになった。
    • ほんの2、3連鎖でも太陽ぷよを混ぜた連鎖で勝ててしまうため、戦略性をかえって削ぐことになった。
      • ちなみに太陽ぷよは連鎖数×6(1連鎖のみ3)の攻撃力を持つため、3連鎖程度でも相当な攻撃力となる。
    • 相殺による太陽ぷよは自分にも相手にも降るので、結局早く連鎖を決めた人が有利になる。
    • 大連鎖を狙おうとすると、太陽ぷよ自体がかえって邪魔物扱いされることがある。
    • 後から連鎖して相殺しきれなかった場合、太陽ぷよの発生タイムラグのせいで、おじゃまぷよ→太陽ぷよ→残りのおじゃまぷよの順で降ってくるため「連鎖に不要なぷよを消し、太陽ぷよを溜めて逆転する」という戦法が取れず、結局意味をなさない。
      • そのため一部では、「相殺できないおじゃまぷよ」とも呼ばれている。
    • ちなみに『ぷよぷよ通』の時点で「太陽ぷよ」に似た性質を持つ「得点ぷよ」が存在していた。こちらはあくまでおまけ要素であり、初期状態では使用しない設定となっている(対戦時に得点ぷよルールが選択できるほか、基板設定の変更で「ひとりでぷよぷよ」の特定のステージが得点ぷよルールになる)。
    • 対人戦であれば太陽ぷよは設定で登場させないこともできるので、不要であれば使わなければよい。

総評

演出が強化されキャラクターの持つ個性がより発揮させる等、キャラゲーとしては好評。
しかし、新要素の太陽ぷよは今一つ逆転の手段にも戦略にも組みにくい微妙な要素となってしまい、ぷよぷよ通のプレイヤーを納得させる事は出来なかった。


他機種移植

  • セガサターン版『ぷよぷよSUN』(1997年2月14日発売)
    • 『ぷよぷよSUN for SEGANET』(1997年9月4日発売) - 通信対戦対応(※サービス終了済)
    • 廉価版「サタコレ」(1998年7月30日発売)
    • 前述のように元のアーケード版がST-V基板で稼働していたことから移植が楽だったためか、最も早く発売された。
  • ニンテンドウ64版『ぷよぷよSUN64』(1997年10月30日発売)
    • N64用カートリッジの容量の関係か、漫才デモのボイスが削除されている。
    • キャラクターの動きなどはほぼ同じのため、突然口パクだけしたりするシーンがある。
  • プレイステーション版『ぷよぷよSUN決定盤』(1997年11月27日発売)
    • 廉価版「PlayStation the Best」(2001年4月12日発売) - 一部バグ修正
    • 廉価版・発売元/セガ(2003年1月30日発売) - サタンの声優変更・アトリエモードとスタッフロール削除
    • ゲームアーカイブス版(PS3/PSP/PSV)・発売元/セガ(2014年3月12日発売) - 内容は上記セガ廉価版に準拠
  • Windows 95版『ぷよぷよSUN』(1998年4月17日発売) - スポーツゲーム『白熱!ぷよりんぴっく!』を同時収録
  • ゲームボーイ版『ぽけっとぷよぷよSUN』(1998年11月27日発売) - ルールが一部変更された独自アレンジ移植(後述)
  • メガドライブミニ2版『ふたりでぷよぷよSUN』(2022年10月27日発売) - 2人対戦モードに特化させた独自アレンジ移植
  • その他、携帯電話向けアプリ移植(ストーリーはアルル編のみ)が存在

余談

  • ぷよぷよの全国大会などのイベントは、『ぷよぷよSUN』の発売にもかかわらず『ぷよぷよ通』が依然として多く使われた。
  • 『ぷよぷよSUN』の不振が、1998年3月のコンパイル経営破綻の遠因につながったという見方もあるが、同社の経営破綻はぷよぷよの大ヒットの頃から既に予兆があった。
  • 本作の特徴である「太陽ぷよ」システムは、以降はコンパイル開発作品ではGBC版『ぽけっとぷよぷよ~ん』とPS版『ぷよぷよBOX』を除き採用されていない。一発逆転可能な要素や相殺で攻撃をしのぐシステムは『ぷよぷよフィーバー』で一応の完成をみることになる。
    • その後、セガ開発の20周年記念作品『ぷよぷよ!! Puyopuyo 20th anniversary』にて、「ぷよぷよSUN」ルールが久々の復活を果たした。
      さらに、隠しコマンドで『ぷよぷよSUN』の台詞を再現した連鎖ボイスと、後述のGB版『ぽけっとぷよぷよSUN』準拠のルールにも変更できる。
  • アーケード版では、「試合開始早々いきなり勝利扱いになってステージクリアする」というとんでもないバグが稀に発生する。
  • この作品では珍しく主人公のドラコ・アルル・シェゾの3人がBADEND的なオチ*6

ぽけっとぷよぷよSUN

【ぽけっとぷよぷよさん】

ジャンル 落ち物パズルゲーム
対応機種 ゲームボーイ(カラー共通)
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売・開発元 コンパイル
発売日 1998年11月27日
定価 3,980円(税別)
プレイ人数 1~2人
判定 なし

概要(GB)

  • 上記『ぷよぷよSUN』のGB移植版。
    • ただし、単なる移植というわけではなく、従来機種のルールから色々と手が加えられている独自アレンジ移植となっている。

評価点(GB)

  • 太陽ぷよのルールが一部変更。
    • おじゃまぷよや太陽ぷよの降る位置が固定されておらず、まったくランダムな場所に降るようになった。
    • 日輪相殺発生のタイムラグがなく、相殺後即座に太陽ぷよが降る。それに伴い太陽ぷよの予告は無い。
      • これにより、後から連鎖して相殺しきれなかった場合、他機種では太陽ぷよの発生タイムラグのせいでおじゃまぷよを防げなかったが、GB版では相殺時に太陽ぷよから降るように変更されたため攻撃をしのぎやすくなった。
    • 全消し時に太陽ぷよボーナスだけでなく、前作同様に全消しおじゃまぷよボーナスを同時獲得できる。
      • それだけでなく、全消し太陽ぷよボーナス自体も直前の連鎖数分ではなく「(直前の連鎖数-1)×2 +直前の相殺分(合算)」に変更され、太陽ぷよの発生量が多くなった。
  • 前作『ぽけっとぷよぷよ通』および次作『ぽけっとぷよぷよ~ん』とのシリーズを超えた通信対戦が可能。ルールは『通』準拠となる。
  • 復活キャラクターの追加
    • GB版限定で4体の旧キャラ(スキュラ・ふたごのケットシー・うろこさかなびと・ミノタウロス)が復活している。
    • ただし追加キャラが登場するのはフリー対戦限定。
  • ゲームボーイカラー使用時は画面がフルカラー表示になる。
    • スーパーゲームボーイでプレイした場合はモノクロ準拠の配色のままだが、前作と同様に専用フレームが表示され、ソフト1本で対戦可能。
  • 優れたビジュアル
    • オープニングムービーは静止画なものの、味のあるイラストを丁寧に再現している。音楽もアレンジというよりは正統派な移植をしており、ゲーム内で使われていない曲も非常に丁寧に作られている。特にふつうモードの対戦中BGMの質が異常に高い。

問題点(GB)

  • ハードスペックの関係で演出がやや簡素になっている。
    • 漫才デモではなく、初期の『ぷよぷよ通』同様のキャラ紹介コメントになっており、そのコメントに対して紹介されたキャラが一言セリフを返すというものになっている。会話デモではないものの、こちらも個性は出ている。
    • 連鎖ボイスや個別のぷよ消えパターンは残念ながら無い。連鎖アニメは、連鎖したキャラが画面中央で相手を押し出すという独自のモーションになっている。

総評(GB)

ハードに合わせて演出は控えめなものとなっているが、ゲーム内容には問題がなく一部では進化した要素もある。携帯機だからと手を抜かれてはいないことがわかり、移植の質という点では高いクオリティといえる。