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ぷよぷよBOX

【ぷよぷよぼっくす】

ジャンル 落ち物パズルゲーム
対応機種 プレイステーション
発売・開発元 コンパイル
発売日 2000年12月21日
定価 4,980円(税別)
配信 ゲームアーカイブス:2017年11月22日/823円(税込)
配信元:セガゲームス
プレイ人数 1~4人
判定 なし
ポイント コンパイル最後のぷよぷよ
シリーズ4作ルールごちゃまぜ対戦
歴代キャラクターも総登場(敵として)
RPGモード搭載だが一部キャラ崩壊あり
もっさりな操作性・ノイズまみれのボイスが難点
復刻盤は悪い部分だけ再現
魔導物語・ぷよぷよシリーズ関連作品リンク


概要

  • コンパイルが開発した最後、そして20世紀最後のぷよぷよ。
  • これまでのシリーズ4作(初代SUNよ~ん)の総集編的なタイトル。4作のシステムとキャラが入り乱れる「ごちゃまぜぷよぷよ」や、RPG仕立の「ぷよぷよクエスト」、メガドライブ(MD)版の『ぷよぷよ』と『ぷよぷよ通』を移植した「復刻盤」など多くのモードを収録した作品。

特徴および問題点

  • プレイステーションで発売された他のシリーズ(『ぷよぷよ通決定盤』『ぷよぷよSUN決定盤』『ぷよぷよ~ん カーくんといっしょ』)よりも操作性が重い。
  • 連鎖ボイスはMD版ぷよぷよ通(しかも、ボイス2タイプの内の「音質が悪い方」)からの流用で、音割れが酷い。
  • 『ぷよぷよ通』ベースのシステムなのでプレイヤーキャラクターはアルル固定。個別連鎖ボイスなんてものも当然無い。
    • またSUN以降に登場したキャラ達の対戦中に表示される顔グラフィックは通風の絵柄となって新たに描きおろされている。
  • 登場キャラクターこそ多いが、単に敵として出てくるだけで自キャラには選べない(ぷよぷよ通の形式)。ストーリーの方に絡まず全く台詞の無いキャラも多い。
    • しかし懐かしいキャラの復活や新キャラも多い。コアファンでないと理解できないが。
  • 1人だけで遊ぶ場合、一見するとゲームモードは多いように見えるが、ほんの一部を除けばコンピューターと連戦する勝ち抜き形式のモードしかない。
    • 対戦を行わず1人でプレイする「とことんぷよぷよ」は「ぷよぷよ復刻盤(初代)」にしかない。当然システムは古い。
    • コンピューターとのフリー対戦は「みんな(3人以上)」モードの「ごちゃまぜぷよぷよ」でしかできない上に、CPUの思考ルーチンは選択不可。任意の敵キャラを自由に選んで戦うようなモードはない。
  • ツモ(降ってくる組ぷよ)に異常な偏りがある。一部のモード(主に対戦モード)では1・3組目と2・4組目が必ず同じ配色になるという致命的バグも。

ぷよぷよクエスト

  • オリジナルである「ぷよぷよクエスト」はRPGの戦闘がそのままぷよ勝負になったようなモードなのだが、そのシナリオにおけるキャラ崩壊が酷い。
    • 元々ぷよぷよシリーズのシナリオはゆるく、作品毎にキャラの性格が違ってもそれが当たり前というような状態だったが、一部のキャラ(特にシェゾ)の崩壊ぶりに流石にファンからも批判が出た(この作品に限らず、コンパイル晩期に制作されたぷよ・魔導シリーズ共通の問題点である)。
    + 本作で特に酷いシェゾの扱い(ネタバレ)
  • 以下は本作でのシェゾの扱いの数々である
    • 序盤、何故か橋の真ん中で熟睡していたところをアルルが熱いお茶で起こそうとするが、手が滑ってお茶がかかって飛び上がり、そのまま川に落ちて流される。
    • 貧乏で食べ物を買う金が無いのか、あちこちで食料を盗んでいるらしくみみっちく食べている。
    • キノコの生えた汚い洞窟を住処にしているらしく、干した服やトイレの壷、温泉を掘ろうとして諦めたらしき跡などがあり、さらに洞窟最深部にある大きな宝箱を開けると中でパンツ一枚のみのほぼ全裸で寝ている。
    • さらに、その裸の姿のままアルルとぷよぷよで対決(ご丁寧にも専用グラフィック)
    • そして倒した後はあっさり吹っ飛ばされ、そのまま放置。
    • 一応エンディングでは辛うじてフォローされてはいるが……。
  • 「シェゾが洞窟暮らし」というネタは『SUN』のオープニングで洞窟からシェゾが出てくるシーンがあったところから広まった二次ネタではあったが、公式でここまで大きく情けないキャラ崩壊ギャグをやってしまったことで大きな批判も出た。
  • フィールドのザコ敵とのエンカウント率も何気に高い。
    • 本作の戦闘はもちろん「ぷよぷよ勝負」であり、当然ながら1試合に時間が掛かる。特に落下速度の遅い序盤の敵は顕著。
    • さらに敵によってステータスが異なり、終盤の敵は装備を整えていないとダメージを与えづらい(相手に送るためのレートが高い)など色々と厄介。
    • エンカウント時に「逃げる」も選べるが、逃走に失敗すると強制的に戦闘な上おじゃまぷよ数段のペナルティ。ほとんど逃げられない敵もいる。
    • 負けるとハートが1つ減るライフ制&ショップなどで手軽に回復できる事から、MAXライフが多い場合はハートを犠牲にしてわざと自滅した方が速く進める場合も。
  • クリア後の隠し要素は無い。スタッフロールも無い。
    • 本作のスタッフロールはこちらのモードではなく後述の「ごちゃまぜぷよぷよ」のクリア時に流れるようになっている。
  • ラスボス「サタン」の城に行き、ルルーを倒して戻ろうとしても「ここまで来て戻るわけにはいかないよ」とアルルが言うので戻れない。ルルーを倒すと大量のゴールドが手に入る設定なのだが、このせいで全く無意味に。
  • 装備で強弱がかなり変わる。
    • 属性として「回転」「NEXTぷよ」「NEXT2ぷよ」「相殺」「クイックターン」「全消し」などが設定されており、その属性付きの装備をしないとそのシステムが使えない。
      • 初期装備の状態では「回転」「NEXTぷよ」のみの初代準拠ルール(ただし敵に相殺システムがあれば一方的に相殺される)。
      • 能力補正が高いからといってシステムの欠けた装備のみにすると回転ができなくなったりNEXTが見えなくなったりもする。
      • また、中には「ぷよの色数を減らす」「おじゃまぷよの種類を変える(得点ぷよ・固ぷよ等)」といった特殊なものも。
    • 攻撃力(相手に送るおじゃまぷよに影響)、防御力(自分が受けるおじゃまぷよに影響)、素早さ(落下速度に影響)も設定されており、これらの数値と必要なシステム属性をうまく組み合わせることが要求される。
      • なお、これらのパラメータは装備以外にレベルアップやドーピングアイテムでも上昇する他、能力値が低くても素の連鎖数自体が多ければ勝つことはできる。
  • ちなみにこの「ぷよぷよクエスト」で一番強いのはラスボスの「サタン」ではなく、「カーバンクル」である。町のキャラと対戦できる「対戦バッジ」入手後、アルルの家のセーブポイントの右側にあるツボの前で□ボタンを押せば対戦できる。
    • ただし強いと言っても思考ルーチンが強いわけではなく、単純にステータス(攻防速)が異常に高い。アルルが初期ステの場合、ぷよが高速で落下する中、カーバンクルの攻撃は1連鎖でおよそ1列、2連鎖で赤玉1個ほどなのに対し、こちらはたとえ5連鎖してもせいぜい1列程度しか返せない。
    • ただし、6連鎖以上すればカーバンクルの防御をぶち破って致死量を送れるため、高速落下とカーバンクルの猛攻に耐えつつ大連鎖を作れるなら勝つことができる。またCPUルーチン自体はあまり強くないため、ある程度埋めた所へおじゃまを少し送るとあっさり自滅してくれることもある。
    • 倒すと全属性を持つ強力なレア装備「マスターリング」が手に入るが、上記の通りカーバンクルはかなり凶悪な性能であり、いわゆる隠しボスのような扱い。
  • 最強装備の値段が高いので、それを購入しようにも金を大量に稼ぐ場合は作業ゲーになり飽きやすい。
    • ただし前述の通りぷよの実力が高ければ強い装備は不要である。
  • 建物に入る際にアルルがドアを殴って吹き飛ばしたり、室内の壷や大きな岩を杖の打撃で破壊したりなど、やや行動がシュール。
  • BGMのほとんどは、これより前に発売されたダンジョンRPG『わくぷよダンジョン決定盤』からそのまま流用(ただしBGM自体は非常に高評価)。

ごちゃまぜぷよぷよ

  • 初代・通・SUN・よ~んの4作品のスタイル(ルール)を選んで、作品の枠を超えて戦えるモード。
    • ぷよぷよスタイル(初代):相殺がないため、自分に送られた予告ぷよを無視して相手におじゃまを送れる(ただし相手からは相殺される)。原作と違いクイックターンやNEXT2は存在し、攻撃力が高めに設定されている。
    • ぷよぷよ通スタイル:相殺や全消しボーナス(おじゃまぷよ追加)のある標準的なルール。カーソルのデフォルトはこのスタイル。
    • ぷよぷよSUNスタイル:相殺や全消しをすると太陽ぷよが自分のフィールドに落下。日輪相殺で1ターンおじゃまぷよを保留可能(原作と違い、自分が相殺した時にだけ発生し、相殺したターンに必ず降る)。
    • ぷよぷよ~んスタイル:スタイルと同時に27種類の特技から1つを選び、ゲージを貯めてその特技を使用可能。特技の内容はDC版よりもGBC版の方を主なベースにしており、攻撃的な特技が多い(ただしGBC版とも少し違う)。このスタイルのみ落下アニメが細かくなり、ちぎりが遅くなる。
  • ……と、上記のようにスタイルは4つ選べるのだが、明らかによ~んスタイルの特技が強すぎる(当時の公式サイトのQ&Aでも「性能で言えば、おそらく「よ~ん」が一番有利です」と言われていた)。ちぎりが遅いハンデを抜きにしても、他スタイルで普通に戦うより遥かに有利。また、特技自体も使えるものと使えないものの差が大きい。
  • 1人用モードは、自分のスタイルを選択して多数の敵を倒していく勝ち抜き戦。
    • 甘口・中辛・辛口の3コースがあり、総ステージ数が異なる。
    • 出現キャラクターは今までのシリーズに出てきた敵キャラ達(一部、色違いという扱いで新規キャラもいる)で、SUN以降の敵もぷよ通風のグラフィックで描き直されている。
    • ただし漫才デモや敵ボイスはなく、エンディングも一枚絵。そのためただ単にザコ敵扱いなキャラが多数いるだけで、印象は薄い。
    • 出現する敵もほぼランダムなため、その周回では目当ての敵と戦えないこともある。
  • 対戦モードは2人用と3・4人用が選べる。多人数モードでのみ1人でCPUとの対戦も可能(2人用は対人戦のみ)。
    • 4人対戦はチーム戦形式を採用しており、複数名が同じチームを選べば、チームメンバーにはおじゃまぷよが送られず、仲間以外を全員倒せば勝利となる。極端な例では3対1なども可能。
    • 4人対戦時は通常はマルチタップが必要だが、マルチタップがない場合も1つのコントローラを2人で左右に分けて使って対戦する事も可能(公称:ラブラブシステム)。しかし、操作形態にかなり無理がある。

ほりあてぷよぷよ

  • 対戦専用モード。最初からフィールドにぷよが敷き詰められており、最下段にある宝箱を消すと相殺不可能な大量のおじゃまぷよを送り込める。
  • 自力連鎖での攻撃力がほとんど無いため、先に宝箱まで掘り進んで消した方が勝つというルール。
  • このモードも多人数対戦はあるが、ごちゃまぜとは違いCPU対戦は不可能なため、1人だけでは遊べない。CPUの思考ルーチンの関係だろうか。
  • なお、このルールは後の『ぷよぷよ! Puyopuyo 15th anniversary』にて「はっくつ」ルールとして復活した。

ぷよぷよ&ぷよぷよ通復刻盤

  • 基本的にMD版をベースにした移植。ボイスの音質が悪かったり、初代で連鎖ボイスが2種類(ファイヤー・やったなー)だけしかなかったり、通にとこぷよや漫才デモが無いところなどはMD版をしっかりと再現。
  • しかし完全移植と見せ掛けて、再現されているのはこういう見た目の部分だけで、中身は操作性が売りだった本家MD版とは似ても似つかない。単にMD版の皮を被っただけの何かである。
    • 操作性はやはり悪く、前述の組ぷよバグも起こっている。
    • CPUの思考ルーチンも一部変更されている(パララがぷよを回せるなど)。
  • 1Pプレイは1P側(左側フィールド)でしかプレイできなくなっている。このため、通の乱入機能も削除。
  • 初代では何故かおじゃまぷよを消した時に得点10点が設定されている(初代の移植では本作のみ)。
  • サウンドテストはBGM以外(ボイス・効果音・再生方法など)は選択不可能になっている上、没曲も消されている。
    • さらに、通ではメニュー画面のBGMなど一部の曲が初代と同じ曲に差し替えられている。微妙に違和感。
    • しかも原作には無かった誤植が新たに増えてたりする(BAROQUE → BAROQEなど)
  • MD版にはあった初代のウィッチやハーピーの特殊なぷよ消去アニメ(星型や音符)が何故か他キャラと同じ汎用アニメになっている(通の方では再現)
  • 通ではマスクドサタンの背景が微妙に新規(元画像の微改変)になった代わりに、1階層の延長戦でもこの背景を使い回し。
    • 何故か延長戦なのにFINAL STAGE表示まで出る。でもここでノルマクリアした場合は何事もなかったように2階へ。
    • ここでノルマクリア出来なかった場合、MD版ではそのままエンディングに行けたが、復刻版ではバッドエンドとなる。(決定盤も同様の仕様なため、バグ修正とも取れる)
  • 「復刻」と銘打ちながらも、MD版の悪い部分だけを完全再現し、良い部分が削られた劣化移植の見本のようなモード。
    • 元々MD版が支持されていたのは演出やモードが貧弱な事を差し引いての「快適な操作性」だったからであり、わざわざどうでもいい部分だけを再現して肝心の中身を犠牲にしては元も子もない。
    • 当時は「何故わざわざ(アーケード版ではなく)MD版を移植したのか」という声もあった模様。
    • そもそもPSでは既にモードが充実した『ぷよぷよ通決定盤』が発売済みだったため、敢えてこれで劣化MD版もどきをやる必要性がない。
    • ただし、初代ぷよぷよをPS上で遊べるのは唯一この作品のみである。
    • 現在MD版とAC版がVCで配信されているので復刻版の存在意義は消滅した。

公式戦モード

  • ぷよぷよ通のルールで対戦し、看板を賭けて戦う対人専用モード。元になったのは『ぽけっとぷよぷよ~ん』の1モード。
    • しかし、操作性や組ぷよバグが(ry

ぷよコミ!

  • ポケステを使ったコミュニケーションツール。似顔絵や文章を作って他の人と通信できる…のだが、内容はかなり微妙。
  • なお、当時のコンパイルクラブではこれを使った似顔絵コンテストも行われていた。

評価点

  • 「ぷよぷよクエスト」は新しい試みであり、エンカウント率やシナリオを除けばぷよぷよで勝負するRPGとしてきちんと成立している。
  • 「ごちゃまぜぷよぷよ」も、複数のルールを混ぜるという形式はシリーズ初であり、(演出は寂しいが)登場キャラクターの顔ぶれも豪華。
  • 「ほりあてぷよぷよ」は対戦相手がいるなら中々熱い良ルール。
  • 4人対戦モードはPSのぷよぷよでは初搭載(PS版の通とよ~んには収録されなかったため)。
  • 対戦時のエディットルールには本作にしか無いものもある。
  • 収録モード数は多く、「復刻盤」も劣化移植ではあるが2作品を丸々収録したものであり、お得感はある。

総評

20世紀を締め括るコンパイル最期の記念作品ではあるが、その内容はどうにも中途半端なものになってしまった。
ただしゲーム内容自体はやはり「ぷよぷよ」であり、単体で見れば遊べるレベルのソフトではある。
操作性やボイスさえマシだったら……、と惜しむ声もある。

結局、コンパイルは新たなヒット作を出せぬまま、セガから与えられていたぷよぷよシリーズの知的財産使用権を2002年に失い、自社展開作品の息の根を絶たれてしまう。
そして、万策尽きて会社は消滅の運命をたどることとなる。



余談

  • この作品の翌年にセガから初めてリリースされたぷよぷよがGBAの『みんなでぷよぷよ』。
  • ぷよぷよにRPGモードをメインとして組み込んだ作品は本作以降、シリーズ25周年記念として発売された3DSの『ぷよぷよクロニクル』が登場している。
  • 2017年11月22日にゲームアーカイブスで配信開始。これによりPS版のぷよぷよシリーズ本編(通・SUN・よ~ん・BOX)は全て配信済となった。

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最終更新:2024年02月18日 17:55