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New みんなのGOLF - (2023/04/06 (木) 20:23:09) の編集履歴(バックアップ)


New みんなのGOLF

【にゅー みんなのごるふ】

ジャンル スポーツ
対応機種 プレイステーション4
発売元 ソニー・インタラクティブエンタテインメント
開発元 クラップハンズ
SCEJAPANスタジオ
発売日 2017年8月31日
定価 5,900円(税別)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 賛否両論
ポイント シリーズ20周年記念作品
新しい取り組みがほぼ裏目へ
自由度は光る部分がある
みんなのGOLFシリーズ
1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / New / VR
ポータブル / ポータブル2 / GOLF場
SIEワールドワイド・スタジオ作品


概要

  • ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)(旧:ソニー・コンピュータエンタテインメント)が発売するゴルフゲーム『みんなのGOLF』シリーズの一つ。ナンバリングはついていないが、本作は実質的には『みんなのGOLF 7』に相当する。
    • ナンバリングが付けられていないのは、本作が原点回帰を目指した作品であり、コアなシリーズファンだけでなく色んな人にプレイして欲しいという思いからであることが製作者側により語られている*1
  • 原点回帰を目指した為か、難しいといわれる前作『6』と比べるとコース難易度は低下(ただし、DLCコースは旧作よりも高難度と称されるものもある)し、また「キャラクタークリエイト」など、これまでのシリーズとは異なる試みもされている。
    • その試みの一つとして、クラブを強化することで自分だけのクラブ「カスタムクラブ」を作ることが出来るシステムがあり、この強化に課金が必要なアイテムを使う方法があったことから、特に発売直後は課金要素について(悪い意味で)語られることが多かった(詳しくは問題点にて)。
  • その他、「ブレ」「本格ショット廃止」といった『6』からの変更点も、シリーズファンにとってマイナスと受け止められることが多い作品となってしまっている。

特徴

  • これまでの作品と異なり、本作には特定のプレイアブルキャラクターは存在せず、プレイヤーが自らのキャラをクリエイトしてプレイすることになる。
    • シリーズの顔ともいうべき「スズキ」はNPCとして登場する他、一定条件を満たすとスズキのパーツをカスタマイズパーツとして入手可能。一方、『3』以降ずっと登場しているグロリアは登場しない。
    • VSキャラで一度撃破したキャラについてはクリエイト時にそのまま摸倣してキャラを作成出来るようになっている。
  • パラメータはプレイによって成長していくスタイル。また、旧作同様にギア(クラブやボール)を装備することでパラメータを調整可能。
    • なお、本作ではボールについては最初から持っているものを除き消耗品となっており、1回ラウンドするとホール数に拘わらず1つ消費するようになっている。
    • パラメータにはクラブの番手(1Wや3Iのこと)毎にパワー、コントロール、バックスピン、クルクルの4つがあり、条件を満たすと使用した番手の所定のパラメータが上昇する仕組み。それぞれのパラメータの役割と成長の条件は以下の通りである。
      • パワー……その番手の飛距離が伸びる。95%以上のパワーでピンクゾーン内でショットし、フェアウェイやグリーンに乗せれば成長
      • コントロール……その番手のブレが減る。そのクラブでグリーンに乗せて、ニアピンであれば成長
      • バックスピン……その番手のバックスピン距離が伸びる。そのクラブでバックスピンを掛けてフェアウェイやグリーンに乗せてラン(ボールが1回地面についた後に転がった距離)が短ければ成長*2
      • クルクル……その番手でクルクル*3が発生しやすくなる。パターの場合はロングパットを成功、それ以外の場合はチップインに成功すると成長
    • クラブの番手毎に成長するといったが、これはクラブ毎ではなく、アカウント単位(キャラクターを複数作った場合でも成長度合いは共有される)の成長である。例えばスタンダードクラブの1Wでパワーを5まで上げた場合、ビッグエアーなどの他のクラブを使っても1Wのパワーは5となる。逆に1Wのパワーを20まで上げたとしても3Wや5Wの飛距離には何の影響もない。
    • クラブはパワーが増えるビッグエアーなどの他に、自分でパラメータを強化することが出来るカスタムクラブが存在する。詳細は後述。
    • キャラクターの作成に使うアバターアイテムはゲームをプレイすることで増やすことが出来る。コインを使って購入できるものもあるが、大抵はオフラインプレイのメインモードであるチャレンジ大会の景品やVSキャラの報酬として入手していくことになる。
      • オンラインコースにおいて、他のプレイヤーをコピーする際に所有していないアイテム(DLC品を除く)は相当金額をコインで支払うことで入手出来る。
  • コースはデフォルトでは全部で5つである。有料DLCにおける追加コースは全部で5つ。
    • 旧作同様、遊べるコースは1人プレイの進行によって増えていく。オンラインコースについても1人プレイで開放されていないコースでは遊べないが、対戦部屋などの場合は未解放のコースであってもゲスト参加ならばプレイ可能。
    • また、ティー位置に従来のバックティよりもさらにコース距離が長くなる「チャンピオンティ」が新たに追加された。最高スコアはレギュラーティ・バックティ・チャンピオンティで別々に記録される。
  • オンラインではゴルフコースをプレイに関係なく歩くことが可能なオープンコースとなっている。
    • ゴルフプレイ中にはほとんど意味がないであろう吊り橋や山の上り道などもしっかりと作られている。
    • このため、本作では9ホールを1つのコースとしたマップレイアウトがされている。ゴルフプレイ中には隣接するホールにボールを入れることも可能。
    • ゴルフコース中では釣りをしたり、カートに乗ったりすることも可能。
      • 釣りをすることでボールやコインを入手出来る場合もある。カートは現時点では移動速度が増えるだけであるが、オンライン対戦の一つ「ホール争奪戦」においては移動する上での重要な手段となる。
  • オフラインではチャレンジ大会をプレイしながらランクを上げていくのが目的となる。ランクを上げることで開放される要素もある。
  • オンラインでは9Hのスコアを競う「デイリー大会」と他のプレイヤーと対戦出来る「対戦部屋」「ホール争奪戦」を楽しむことが出来る。
    • オンラインでは1Hだけ自由にプレイする「1Hプレイ」も可能。ひたすらチップインを狙うこともできる。
    • 「対戦部屋」と「ホール争奪戦」はPS Plus加入者限定となっているが、「デイリー大会」「1Hプレイ」についてはオンラインに接続さえできれば誰でも参加可能。
      • 本日のおすすめコースの「デイリー大会」に参加したり、ラッキータイムで「デイリー大会」のラウンドを終えたりすると今月のアイテムと呼ばれるその月限定のアバターアイテムを入手することが出来る。
    • その他、無料アップデートで「全国大会」も追加された。概ね1ヶ月くらいに1回の頻度で開催されている。
  • ショットは本格ショットが廃止され、タイミングよくボタンを3回押すいわゆる「従来ショット」に一本化されている。初心者向けのオートインパクト機能を使えばタイミングを決定する3回目のボタン押しをしなくて済むが必ずしもジャストインパクト(一番良いタイミングでショットすること)になるわけではない。
    • また、従来ショットとして見た場合でもパッティングにおいてもタイミングを決定するボタン押しが必要となっている。これは同じようなショット方式を採用する他社ゴルフゲームにおいても異例。
  • 本作ではブレシステムが採用されている。簡単に言うとインパクトのタイミングにかかわらず左右に少しだけずれることがあるというシステム。
    • コントロールの値によってずれの量を減らすことは出来るが、完全になくすことはできない。

評価点

  • 臨場感の溢れるコース
    • プラットフォームがPS4になったこともあり、コースは自然豊かであり非常に美麗。PS4 Proであれば更に綺麗になる。
    • またオープンコースになったことにより、オンラインでただ歩き回るだけでも楽しめる。普段のプレイでは意識しない構造物が発見出来ることも。
  • コースはデフォルトで5種類と少ないが、旧作同様どのコースも特徴は大きく異なるので異なった感覚で楽しめる。
  • コースから外れた場所に打ち込むだけでOBになった従来作と異なり、現実と同様にOBゾーンに打ち込んだ場合のみOBとなる*4。これにより、わざと隣のホールに打ち込んで強引にショートカットするといったことも可能になり、コース攻略の自由度が増した。
  • 多彩なキャラメイク
    • キャラクターを自分で作ることが出来るようになったが、パーツはかなり多彩で自由度が高い。
      • 既存のアニメやゲームのキャラ、現実の人物を再現しようとしたものも。
      • 他のプレイヤーのキャラクターをコピーすることも可能*5であるため、気に入ったキャラクターを見かけたらコピーできる。コピーされた回数は参照されるのでコピーされた側のキャラメイクのモチベーションにも繋がる。
      • キャラクターは何度でもメイクし直せる。また、新キャラクターを作成した場合もキャラクターの成長度合いは共有されるので一から育てる必要はない。
    • 難点としてはPS4のゲームとして見た時にキャラの画質が低い点である。前作『6』(PS3/PSV)はおろかPS2レベルと言われることも。

賛否両論点

  • キャラクターの成長システム
    • 上述の通りキャラクターは使えば使うほど成長するシステムであるが、本作の成長システムには難点も多い。
      • パワーは必然的にフルパワーで打つ事が多いウッド、特にティーショットを打つことが多い1Wは成長させやすいが、他のクラブは成長させづらい。成長が偏った場合、1Wだと飛びすぎるが、3Wだと届かずパワー調整が難しい、といった状況になることも。
      • 一方、コントロールやバックスピンはグリーンオンが成長条件であるため、アイアン(3Iを除く)は成長させやすいが、ウッドや3Iは成長させづらい。バックスピンはまだいいが、コントロールはウッドにおいても重要なパラメータであり、成長させずに後半のコースに行くと苦労する羽目に。
      • ウッドでクルクルのパラメータを高めるのはもはや苦行である。トルネードカップであればチップインはかなり楽になるがもらえる経験値が減るという面倒なペナルティがある。もっとも有効活用出来る場面はあまりないので趣味の範囲だが。
    • そして、この成長システムによる成長によって最終的に到達する点はどのプレイヤーであっても同じとなる。多くのゴルフゲームで採用されている「パワーが増えるとコントロールが下がる(パワーが高いキャラはコントロールが低い)」といったシステムではないので、単純に成長した分だけ強くなる。成長させれば、全員平等でプレイ出来るという肯定的な意見もあるが、没個性的という意見もある。
      • 一番不慣れな初心者の時期が一番キャラが使いにくいという事態にもなっている。
      • 全国大会やストロークモードでは成長が一切考慮されないガチモードも選べるが、全員同じ条件でプレイするという意味でやはり没個性であるのは拭えない。
  • 対戦部屋の仕様
    • 対戦部屋はオフラインモードの「みんなでGOLF」モードと同様に他のプレイヤーと対戦出来るモードであるが次のような問題点がある。
      • 対戦部屋では公式ルールであったとしてもクラブの成長がなく、戦績は一切残らない仕様となっている。戦績はさておきクラブの成長はあってもよかったのではないだろうか。
      • その割に、ボールはしっかり消費し、カスタムクラブの調子が悪くなることはある。
    • 本作では国外のプレイヤーと一緒に遊ぶことも出来るが、部屋の設定で国外のプレイヤーをブロックすることは出来ない。
      • チャットはゲーム内で用意されている定型句であれば国外のプレイヤーとも意思疎通可能(自動で相手側の言語に変換されて表示される)だが、定型句以外はどうしようもない。もし、入室するプレイヤーを制限したければパスワードをつけるか、フレンド限定にするしかない。
    • 戦績が残らない仕様なので、気軽に遊ぶことが出来るが、切断ペナルティも存在しないため、OBになったり、負けそうになったりすると切断するプレイヤーも少なからず存在する。
      • また、本作では最後までラウンドしなければボールの消費がなく、クラブの調子が悪くなることもないため、最終結果が発表される直前に切断するプレイヤーもいる。実害はほとんどないが気になるところである。
    • 対戦部屋の検索においてフレンド部屋を除く、という条件での検索ができない。
  • ショット方式の一本化
    • 先述の通り、本格ショットは廃止され従来ショットに一本化。
    • 廃止された理由は不明だが、原点回帰の一環だと推察される。 また、本作はロード時間中にショット練習をする機能があるが、ロード中画面にはtipsが表示されるというレイアウトの都合上、従来ショット以外では表示するスペースが足りないため従来ショットのみしか採用できなかったという可能性もある。
    • この点については、「ジャストインパクトしやすい方式は人によって好みが分かれるので残してほしかった」という声がある一方で、「『6』においてチャレンジモードやスロットモードで普段使わないショット方式を強制されなくなったのは改善点」という声も見られる。
  • また、前作『6』に搭載されていた「ゲージ」「サークル」「矢印」の3種類のショット方式も廃止された。
    • 「ゲージ」はパワーゲージが曲がっている従来ショットの亜種、「サークル」は本格ショットを簡易化したショット形式である。 これらのショット方式は使用率が高めだったため、削除されたことには否寄りの意見が多勢である。
    • 一方で、「矢印」は非常に癖が強く使用率が極端に低かったショット方式だったため、この方式の廃止は妥当という意見が多い。

問題点

カスタムクラブに関する問題点

  • 強化関連
    • 本作では一定条件を満たすとカスタムクラブが入手出来る。カスタムクラブはゲーム内で入手出来る宝石を利用することで特定のパラメータを強化することが出来るものであり、自分好みのクラブが作れることがウリとなっている。
      • カスタムクラブの強化はパワー、コントロール、バックスピン、クルクルのいずれかのパラメータを選ぶことで、選んだパラメータが1~3段階強化される。強化段階はランダムであるが、強化出来るのは全部で11回となっている。
    • カスタムクラブは利用していると調子が悪くなることがあり、宝石を利用すると修理することが出来る。修理する毎に調子が悪くなるまでの間隔が短くなるがクラブが消滅してしまうということはない。
    • 限界まで強化したカスタムクラブは強化回数、強化段階を初期化することが出来る。初期化すると調子が悪くなるまでの間隔もリセットされる。
    • カスタムクラブが強化出来るのは11回と決められており、1回あたりの強化段階がランダムであることから、最終的にどれほどの性能のクラブが出来るかは運である。基本的にパラメータの強化段階は1が出やすく3が出にくいので最終的に強化出来る段階は20に満たないことが多い。
      • なお、余談であるが、カスタムクラブを強化した際にはオートセーブされるが、カスタムクラブを入手(初期化)した時点で強化段階は決められているので、バックアップを利用して強化をやり直しても同じ強化段階になるようになっている。
    • このクラブの強化に必要な宝石はランク7のチャレンジ大会の景品として入手出来る他、オンラインのオープンコースで拾うことが出来る。ちなみに大会の景品としては1回あたり2~5個ほど、オープンコースだと1つのコースにつき1日あたり最低2個入手出来る。強化に必要なのは1回あたり10個。
    • カスタムクラブは好きなパラメータを強化出来るという触れ込みであるが、
      コントロールを高めるとブレを減らすことが出来る。ただ、ブレを完全になくすことは出来ない*6上、後述するようにバックスピンだとそもそも意味がないパラメータである。
      バックスピンを高めるとバックスピンは掛かりやすくなるが、劇的な変化が見られるわけではない。また、バックスピンは後述のデメリットもあり多用が難しい。
      クルクルも高めたところで劇的な変化が見られるわけではなく、最大値まで高めたとしてもクルクルで弾かれることは普通にある。
      結果として純粋に飛距離を高めることが出来るパワーを上げる以外の選択肢を取るメリットがほぼない。
      • このことはカスタムクラブに限らず、対戦部屋において(カスタムクラブ以外のクラブを使う)プレイヤーの大半はパワーを高めるクラブであるビッグエアーを使っているという事実が物語っている。
    • 本作の1Wの飛距離は成長によって最大で280yとなり、そこからクラブのパワーが1増えるにつれ4yずつ飛距離が伸びる。ビッグエアーの1級のパワーは8であるため、飛距離は312yとなり、それより飛ぶパワーのクラブを作る場合はカスタムクラブで作ることになる。カスタムクラブのパワーの最大値は25であり、パワーが25のクラブが作れれば飛距離は380yとなる。
      • もっとも、強化出来る回数の制限があるため、パワー25のクラブを作るのは非常に難しく、普通は何度も初期化した上で作ることになる。
    • このクラブ強化については宝石の代わりにSチケットと呼ばれる1枚あたり100円(税別)の課金アイテムを使うことも出来る。宝石を使えば課金せずとも強化出来るが、ランク7の大会は難易度が高く、オンラインコースで宝石を集めるのはただただ地味な作業となってしまう。それに加えて上述の通り何回も初期化して作り直すことになる可能性が高い。ただ、課金をせずともパワー25のクラブを作ることは可能である。
      • オンラインコースで毎日宝石を集めるのならば1日に(DLCコースを除き)20個は手に入るのでランク7の大会をせずとも6日に1度はクラブを最大強化出来る計算である。
  • 強化以外
    • 上述の通りカスタムクラブをパワー特化で作成すれば飛距離最大380yのパワークラブとなる。この飛距離になるとレギュラーティーの場合、多くのPar4ホールで1オンが狙えるレベルとなる。
      • パワーを上げることのデメリットがない本作においてはパワーの差が純粋にスコアの差に直結しやすい。よって、実力以上に、どれだけパワーを高めたカスタムクラブを所有しているかが勝敗を大きく左右する。
    • デイリー大会ではギアの制約が一切存在しないため、上位はことごとくカスタムクラブ持ち(と思われる)のプレイヤーに占拠されることになり、パワー特化のカスタムクラブが出来なければそもそも同じ土台に立てない。
      • もっともデイリー大会で上位ランクに入る事によるメリットはないので自己満足であるが。
    • 対戦部屋やホール争奪戦においては勝敗に直結する問題であるが根本的な対策はない。対戦部屋であれば「スタンダードギア限定」の色物ルールを付けることでカスタムクラブを除外することが出来るが、それ以外のクラブも使えなくなる。ホール争奪戦においてはルール設定が出来ないのでどうしようもない。
      • スタンダードギア限定にしないなら、プレイヤー同士の了解の元でカスタムクラブを排除することしかできない。
      • 一応、対戦部屋はホール争奪戦も勝敗によるメリットはないのがせめてもの救いといえる。
    • 本作にはコンドル*7を出す、というトロフィーが存在するが本作のコースレイアウトを考えるとコンドルを出すためにはパワーをある程度高めたカスタムクラブが必須である。
      • ちなみにトロフィーコンプリートを狙う上ではコンドル3回を出さなければならない。狙えるホールが限られているため、ネットで狙い方が話題になった頃にはオンラインの当該ホールには人が殺到する事態となっていた(1Hプレイはオンラインコースでしか行えないため)。

カスタムクラブ以外の問題点

  • ブレ要素
    • 本作ではインパクトの成否に拘わらずボールが飛ぶ方向が左右にずれるブレの要素がある。ブレの方向はランダムであり、ジャストインパクトであってもブレることもあれば、インパクトミスをしてもブレが発生しないことはある(当然、インパクトミスをしたことによる左右へのずれは発生するが)。
      • 一応、ジャストインパクトだとぶれにくい、ミスショットほどぶれやすい、トップスピンだとぶれにくい、バックスピンだとぶれやすい(ゲーム内ではバックスピンだとコントロールの値そのものが無効となる旨語られている)、といった違いがある。
    • ブレによる影響はミスインパクトと比べれば微小なものである。しかしながら高難易度のコースになると、ちょっとしたブレでラフやバンカーに落ちたり、厳しいパッティングを要求されたりすることもある。上述の通り高難易度のコースで多用するであろうバックスピンだとブレが発生しやすくなるので尚更。
      • バックスピンだとブレが発生しやすいという仕様から、バックスピンのパラメータを高めるメリットが薄くなっている。
    • このように全く同じショットを打ってもブレ一つで大きく状況が変わることもあり、運の要素が結果を左右することも度々である。せめてジャストインパクトであればブレが発生しないようにしてくれれば、と思われる。
    • ガチで対戦したい場合、このブレ要素は邪魔以外の何者でもないので、オン、オフを切り替えられるようにして欲しかったという意見も。
      • もっとも、トップスピンをジャストインパクトで打てばブレはほぼ発生しないため、グリーンを狙う際にトップスピンを使うようにすればチップインも狙いやすくはなるが、常にピンに命中させられるような腕前でもなければグリーンの形状次第ではグリーンに乗せることもままならない場面も出てくる。
    • 誤解されがちだが、これらのブレ要素はみんなのGOLFシリーズにおける共通の仕様である。本作において、シリーズで初めて画面内に「どれだけ左右にブレたか」を表示するアイコンが登場したため、ブレが本作で追加された要素だという誤解が広まった可能性がある。
  • バックスピンのデメリットが大きい
    • スピンショットについてはバックスピンのデメリットが大きくなっている。
    • まず、上述の通りバックスピンはブレが発生しやすい。ジャストインパクトならばある程度抑えられるが、ジャストインパクトを外した場合にはかなり左右にぶれることも。
    • バックスピンのスペシャルショットをピンにぶつけた場合ホーミングという特殊ショットが発生する。ホーミングはピンの方向に向かってボールが強烈にスピンするといったものであり、発生するとそのままカップインすることが多い。しかしながら、グリーンの形状やバウンド加減によってはカップインせず、強烈なスピンが掛かった結果、グリーンの外にはじき出される事さえある。
      • トップスピンのスペシャルショット(ライジング)やサイドスピンのスペシャルショット(スパイラル)については発動すればほぼ確実にカップイン、万が一外れてもほとんどカップから離れないことを考えると不遇である。
  • パッティングの仕様変更
    • 本シリーズのショットは普通はパワーを決定してインパクトを決定するという2段階のボタン押しが必要であったが、パッティングはこれまでパワーを決定するだけでよかった。しかしながら本作ではパッティングにおいてもインパクトを決定する必要がありボタンを押す手間が1つ増えている。
      • 通常のショットのようなドクロマーク*8は発生しないが、当然インパクトゾーンを外すと左右にずれることになる。
      • ゲーム内のtipsでは「ショットの決定後に方向を変えたいと思ったときにわざとインパクトを外すことで方向を調整出来る」と書かれてはいるが、よほど切羽詰まった状況でなければ起こりにくい話であり、ただただ面倒になったという意見が多い。
  • アバターの収集が面倒
    • 本作は豊富なアバターやパーツが存在するが、パーツの色違いも全て別のパーツとして扱われている。
      • 髪型によっては30色以上にも分かれているものがあるが、これらは全て別パーツという扱いであるため、個々に集める必要がある。
      • パーツによっては一部のカラーだけが今月のアイテムに指定されていたり、全国大会の参加賞になっていたりするため、気に入ったパーツの好みの色がいつまで経っても手に入らないという事態も起こりやすい。
  • ロードが長い
    • 本作ではプレイ開始時などに結構30秒~1分ほどのロード時間が発生する。恐らくはオープンコースとなった影響であると思われる。
    • ロードが発生するのはゲーム開始時や終了後、9H終了後(9ホール単位なので10ホール~18ホールのデータを読み込むためと思われる)のみであるため、ラウンド中にロードが発生することはないので気にならないという人もいれば、後述する宝石集め等をすると頻繁にロードが発生するので気になるという人もいる。
    • オープンコース上でオンライン対戦部屋に参加しようとして自分が入る前に枠が全て埋まってしまい参加できなかった場合、何故かコースの読み込み直しが行われるという異常に不親切なシステムである。
      • なお、ホームエリアで対戦部屋から弾かれた場合は読み込み直しは起こらない。幸い、対戦部屋に入るときは通常ホームエリアを利用する(オープンコースから対戦部屋に入る意味はあまりない)ため、この仕様の実害は小さい。
  • オフラインモードが地味
    • オフラインモードはランク毎に分かれた大会をクリアしてVSキャラを倒していく、という展開であるが、ひたすら地味である。
      • オフラインモードの大会は旧作と異なりレギュレーションの幅が狭い。色物ルールが設定された大会はランク7にならないと出てこない。
      • また、ランク1は全ての大会がコース1のアウト(1~9ホール)、ランク2はコース1のアウト、イン(10~18ホール)、または18ホールとなっており、ランク2が終わるまでひたすら同じコースをプレイさせられることになる。
    • パワーショットが使える回数はオフラインモードでランクが上がる毎にマップに落ちているアイテムを拾うことで増えていく。正直、探すのが面倒という意見が多い。
    • ストロークプレイは記録こそ残り、クラブの成長もあるが、それ以外の特典(お金の入手、アイテムの入手など)が一切ない。
      • ストロークプレイでは風量(弱風、強風など)の設定ができない。チャレンジ大会などでは弱風であっても風量が普通である場合と区別されずに記録が残ることから、良いスコアを出すために弱風を設定できるようにして欲しいという意見も。
  • コンピュータの強さにムラがある
    • 本作のコンピュータ(特にクリア後のリベンジVSキャラ)は強さにムラがあり、チップインイーグル(ホールインワン)を頻発することもあれば急にミスショットをすることもある。
      • ショートホールで1打目OBからの3打目チップインパーはよく見られる現象である。
      • これはみんなのGOLFシリーズで受け継がれている要素であるが、従来作よりは極端ではなくなっている。
    • ただ、最初から最後までチップインを連発して蹂躙されるという展開はまず起きない。おそらく、予めこの程度のスコアで上がるという設定がされているものとみられる。
  • その他の問題点
    • ロード中に表示されるtipsが文章のみの形式になった。これは『5』以前と同様の形式であるが、前作『6』では図を併用した分かりやすい説明がなされていたので、その形式に戻してほしいという声がある。
    • プレイヤーのステータスであるジャストインパクト率についてはショットの上手さを示しているように見えるが、1Hプレイでトリプルジャスト(ジャストインパクトの範囲が増えるボール)を使っているとかなり高い値になることもあるためほとんど参考にならない。
    • オンラインコースではレギュレーションが日替わりでランダムに決定されるが、上記のコンドルを狙いたい場合などにはレギュレーションのせいで挑戦出来ないことも起きがち。
    • 時折フリーズが発生することがある。
    • オンラインコースの移動によっては空中で木に引っかかって移動不能になったり、地形にはまったりすることがある(メニュー画面から別のコースに移動することは可能)。
    • 初登場映像の中に、釣りの他に「パラグライダー」を遊ぶ事が出来る事を示すシーンが映っており、長らく公式サイトにもマイキャラがパラグライダーを行っている場面が表示されていたが、開発の過程で没となってしまい、ゴルフ以外の遊びは上記のようなアイテム探しと釣りのみが残った。映像を見て楽しみにしていたユーザーにとっては身も蓋も無い物となっている。
    • 発売前のデモ版では、ボールをカップに入れた際、前作同様マイキャラがそのボールを拾うという動作が有った。これについても製品版では削除され喜ぶリアクションのみとなった。前作に比べこの点は臨場感に欠ける。但しこのような悪くなった部分だけではなく、デモ版ではオープンコースでは「ホールは順番にプレイしないと次のホールがプレイ不可能」という仕様だったらしいが、製品版ではこの点も没になり最初からそのコースの全ホールを遊べるようになるなど、良くなった部分も存在する。
    • 長時間起動させ続けてると文字化けが発生することがある。直すには再起動する必要がある。
    • キャディの初期位置はランダムで固定のため、わざわざ毎回キャディを選ばないといけない。
      • 後にアップデートで改善した。
    • オンラインのオープンコースでのコインや宝石集めが面倒臭い。人によっては酔うこともある。
    • ベストスコアがカスタムクラブやトリプルジャストボール有りの記録とスタンダードクラブ&ボール固定の記録の2種類しか残せない。

総評

『6』から5年半ぶりに発売された「原点回帰」を謳った本作であるが、課金要素ありのカスタムクラブを筆頭として、シリーズファンが首を傾げる「本格ショット廃止」や「ブレ要素」といった改変の数々が本作の評価を落としてしまっている。
グラフィックは確かに美しくなっており、ゴルフコースを回っている感覚はしっかりと味わえる。だが、それで肝心のゲームシステムの評価を落としてしまっては本末転倒であろう。
もっとも、キャラメイクで自由なキャラを作り、オープンコースになったことで奥深い遊び方をしているプレイヤーも一定数は存在し、評価は否定寄りの賛否両論となっている。

余談

  • 課金によってカスタムクラブの強化が出来るという情報が若干改変されて広まった結果、カスタムクラブの強化には課金が必須な課金ゲームという印象がつきまとう作品となってしまった。実際には既に述べた通り課金は必須ではない。
  • リディー&スールのアトリエ』、『ファイナルファンタジーシリーズ』、レベルファイブ作品とのコラボがあり、コラボアイテムが登場している。
  • 長らく続いた本作だが、2022年9月30日にオンラインサービスが終了した。