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ゾンビの同級生はプリンセス -不死人ディテクティブ- - (2015/01/22 (木) 22:21:29) のソース

*ゾンビの同級生はプリンセス -不死人ディテクティブ-
【ぞんびのどうきゅうせいはぷりんせす ふしにんでぃてくてぃぶ】
|ジャンル|不死人ディテクティブADV|&amazon(B0057K02NS)|
|対応機種|Windows 2000/XP/Vista|~|
|発売元|アーベルソフトウェア|~|
|発売日|2011年8月26日|~|
|定価|通常版:8,800円(税抜)|~|
|レーティング|ソフ倫:&color(crimson){''18歳未満禁止''}|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|&color(red){''2011年クソゲーオブザイヤーinエロゲー板大賞''}&br完全無欠の''駄ゲー惨状''&br()''絶対ぇに''見逃せないリンク&br()探偵? 推理? ''どこが?''&br()''COMING SOON''|~|
|>|>|CENTER:''[[クソゲーオブザイヤー関連作品一覧>KOTYゲーム一覧]]''|
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#center{&size(35){''WARNING!!!!!!!''}&br()&size(20){''18歳以上のみ対象のアダルトゲームです。''}}
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#contents(fromhere)
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**概要
メーカーの社長でありライターでもある故・菅野ひろゆき氏の遺作。~
氏は本作の開発中に倒れ入院((意識不明状態が1ヶ月続くという大病であり、退院するも同年12月に脳梗塞で死去した。))した為、「シナリオ担当」というより「原作者」とでもいうべき立場となる。

何者かに殺されゾンビとして蘇った主人公による探偵もの…という触れ込みだったが、その実態は…。

**問題点
本作は「探偵ハイパーリンクシステム」なるものを売りとしている。~
テキストを読み進めていくと''文字色の違う単語''が現れる事があり、これをクリックするとTIP(その単語の解説文)が表示されたり、他の登場人物の視点にザッピングできたりするという、サウンドノベル『[[街]]』などと同様のシステムである…のだが、これが問題だらけ。
-基本的に''色の違う文字を見付けたら必ずクリックしないとクリアできない''と思って良い。クリックせずにその人物のシナリオをそのまま読み進めると、すぐにゲームオーバーになる。
--「その視点の人物が殺されてバッドエンド」などというものではなく、''突然シナリオがプツンと途切れて画面が真っ黒になってしまう''。そしてそのパートを最初から読み直すか、タイトル画面に戻るかの選択を迫られるだけ。
--ザッピング先に関しても、主要キャラ間だけで視点を回していればまだ良かったものを、''立ち位置がさっぱりわからないキャラや、脇役その1の様なキャラの視点にまでザッピングされる為''、各キャラへの感情移入はおろか、物語の全容を把握する事すら困難となる。
--バックログ閲覧機能は有るが、バックログからザッピングする事はできない為、1度リンクを見逃すと''そのパートの頭から読み直さなければならなくなる''。
--既読文章のスキップ機能も有るが、''ザッピングポイントをも容赦なくスキップしてしまう''為使い道は無い。
--第1話は''こうして全ての人物のシナリオを読む必要がある為、実質1本道のシナリオと言って良い''。探偵でも推理でもない。
---前年の同社によるソフト『デュアル・エム -空の記憶-』でもそうだったが、「ただ読み進めるだけのゲームにしたくない」という菅野氏の理念自体は分かるものの、結果的に''「推理もの」として成立しえないシステム''になってしまっている。
--ちなみに本システムが最初に搭載された『ミステリート 〜アザーサイド・オブ・チャーチ〜』では''リンクの色すら変わっていなかった''が、後に「イージーモード」としてリンクの色を変えるパッチを配信した。
---その頃に比べれば改善されたとも言えるが、そもそもこのシステム自体評判がよくなかったので、根本的に別のシステムを考えて欲しかったものである。

-第2話では''%%スタッフが面倒になったのか%%''、TIPは出てこなくなる((菅野氏の入院を考慮すると、第1話以外は他のライターが書いた可能性が高い。))。ザッピングポイントにしても各パートのラストに登場するのみとなり、「クリックすれば次のパートに進み、クリックしなければゲームオーバー」となるだけ。つまり''完全な1本道シナリオ''である。
--だったらわざわざ単語をクリックさせず、普通に次のパートに移る様にすれば良かったのでは? それだと[[「ゲーム」ではなくなる>MQ ~時空の覇者~]]が、''この出来ならそちらの方がまだマシだったろうに''。
--しかもこの第2話では''強制ザッピングが異常な回数で起こる''為、目を皿の様にして色違い単語を探し、マウスカーソルを正確に合わせて1回だけクリックする…という精密作業を強いられる事になる。
---但し、視点変更を活かした叙述トリックが使われている事にも触れておく。

-そして第3話は、数行のテキストの後に''「COMING SOON」と表示され、唐突にゲームは終わってしまう''。つまり全2話しか収録されていない。「全4話」と宣伝されていたはずだが…?
--''1か月以上後に''第3話はアドオンとして配信されたが、第2話とまったく同じザッピング方式であり、しかも悪役の設定や伏線を放り出す「打ち切りエンド」である。
---因みにこの第3話は「より本作を楽しんでいただける内容」と銘打たれていた為、あくまで「おまけ」であり、製品的には全2話で完結しているつもりらしい。''そして第4話は完全に無かった事にされた''。

-このメーカーでは恒例だが、ボイスも歌も入っていない。

-キャラクターデザインそのものは悪くはないが、イベントCGと立ち絵で明らかに顔の違うキャラがいる。
--更にエロCGは、''差分を除くと全9種類しかない''。

-後に菅野氏が一時回復した際に「心を入れ替えて面白い作品を作ろうと思う」と発言した為、本作は''制作者公認の「面白くない作品」''となってしまった。
--しかし菅野氏はその後、再度体調を崩して他の作品を世に出すことなく亡くなってしまう。~
仮に前述の憶測通り、2話以降に菅野氏がろくに関わっていなかったとした場合、よりにもよってコレが遺作になってしまったのは無念にも程があるだろう。~

-公式サイトのメイン画面のイラストには未だに、''主人公の顔の上に思いっきり「アドオン追加プログラム公開中!」のメッセージを張り付けている''。~
これだけでメーカーのやる気の無さがうかがえてしまうというものである…。

**総評
売りとされた筈のシステムが全ての元凶となり、この1点だけでプレイヤーにひたすらストレスを与える存在となってしまった。これにより、本作は2011年におけるクソゲーオブザイヤーinエロゲー板大賞を受賞した。~
同時受賞作となった『[[学園迷宮エロはぷにんぐ! ~イクぜ!性技のダンジョン攻略~]]』が、''クソ過ぎて笑える、ネタになるソフト''だったのに対し、本作は受け手にひたすら苦痛のみを与えるという、まさにクソゲーとして好対照の存在であった。

据え置き機で言うなら、''『[[四八(仮)]]』と『[[ダメジャー2>メジャーWii パーフェクトクローザー]]』が同年に発売されたらこうなっていた''…と言ったところだろうか?~
そう言えば''『四八(仮)』も制作者公認のクソゲーだった''。

ちなみにこの作品が出るまでは「アーベルのゲームはクソだが、ミステリー物は(最低でもシナリオが)当たり」と言われていたが、この作品はそちらの希望も切り捨ててしまった。