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クインティ - (2014/07/09 (水) 21:43:35) のソース

*クインティ
【くいんてぃ】
|ジャンル|アクション|&amazon(B000068H3O)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売元|ナムコ|~|
|開発元|ゲームフリーク、キッド|~|
|発売日|1989年6月27日|~|
|定価|5,145円(税込)|~|
|配信|バーチャルコンソール&br()【WiiU】2014年7月2日/514円|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|

**概要
後に『ポケットモンスター』を制作することとなる、ゲームフリークの初回作。~
ゲームフリークがゲーム制作集団としてアマチュア時代に開発機材が無いところから開発を始め、ほとんど完成品の状態でナムコに持ち込み、ナムコの要請でキッドとゲームフリークで手直しを行い市販されたらしい(Wikipediaより)。

**ストーリー
ここは不思議な人形の国。ボクの名前はカートン。ボクは3人の兄ちゃんと、かわいい妹の5人で楽しく暮らしていたんだ。~
ところが!ある日、ボクのガールフレンドのジェニーが、妹のクインティと3人の兄ちゃんたちに、さらわれていってしまったんだ。~
ボクがジェニーとばかり仲良くしているのが、くやしかったらしい。よーし、ジェニー、いま助けに行くぞ。待ってろよ!

**特徴
-パネルを「めくる」という斬新なシステム。
--「新しいアクションゲームとは、新たな動詞を考えること」という田尻智氏の思想を元に考えられたアクションである。
--パズルをめくって敵を滑らせ、壁にぶつければ面クリア。
--ステージは画面上に配置された横7縦5マスある画面固定型のゲーム。

-多種多様なパネルたち。
--スターパネル:100枚取ると1UP、さらに主人公のスピードが1段階上昇する。
--スペシャルスターパネル:ラウンド中のスターパネルが残り一枚になった時これに変化する。取るとスターパネル10枚分がボーナス。
--ムーンパネル:取ると暗くなり一面スターパネルになる。
--タイムパネル:制限時間を5秒延長するパネル。得点も2000点と高め。
--クロスパネル:そのパネルを中心に上下左右のパネルがめくられる。
--アタックパネル:中心に触れると主人公の向いている方向に飛ばされ敵にぶつかると、敵を倒すことが出来る。
--スペシャルボーナスパネル:光るアタックパネルで、乗るとボーナスステージへ行ける。
--ルーレットパネル:周期で次々と絵柄が変化し、中心を通過した時の絵柄の効果が表れる。
--サンパネル:自分以外のパネルをすべてめくる強力なパネル。
--エネミーパネル:敵が復活するマイナスパネル。配置してあるステージも多い。
--クロック&タイムパネル:4方向のうちひとつが点灯して時計回りにぐるぐる回る。踏むと点灯方向にパネルがめくる。
--メタルパネル:配置してあるパネルには進入できない、いわゆる防壁。アタックパネルで壊すか、破壊する敵を通過させることで壊せる。
--ガレキパネル:メタルパネルの残骸で通過できるようになったもの。
--ロックパネル:これが出現するとめくれなくなる妨害系パネルだが、あるステージでは有用になることも。

-ステージ全部で8つは自由に選ぶ事ができ、自分の好きなように攻略できる。

-アクションゲームではあるが、パズル要素が強めである。

-コミカルな世界観とは裏腹に昼ドラのようなストーリーも印象的。

**評価点
-シンプルだが奥深いシステム
--簡単なようでいて、頭を使う必要のある場面が多い。
---ただひたすらめくって倒そうとすると痛い目を見る。スターパネルを集めなければ敵に追いつかれてしまいすばやい行動もできず、一見有用なサンパネルも取ったら取ったでエネミーパネルだらけになったり、という罠配置も多くなってくる。
---敵の特性を生かす戦略もある。パネルをめくるミミーやクランプを利用して同士討ちさせて倒したり、ひたすら追いかけてくる敵をアタックパネル二重でひきよせて倒したり、ジャンプする間一方向にしか進めないジャンパーを隅に手繰り寄せてまとめて殲滅…といった多種多様な方法がある。
--パネルをめくる時に爽快感がある。
---意図しないところで敵が敵によってパネルをめくられて妨害されたり、倒されたりというシュールな場面が拝める。
---サンパネルを取ったときの豪快なめくりは必見もの。これがたくさんあると何度も取りたくなる。

-難易度は面が進むにつれ絶妙に上がる。しかしランダム要素はそれほど多くないため、パターンを練りこんでいけば安定してくるようになっている。

-ステージ数は全100面ありなかなかのボリュームがある。
--クリアしたプレイヤー向けには、隠しコマンドを入力することで難易度の高いEXTRAが用意されている。こちらも全100面だが、ステージセレクトがない。

-単純に面クリアするだけではなく、高得点パネル探しや高得点を得られるクリア方法を目指すやり込み要素もある。
--敵を全滅させるのが一般的なクリア方法だが、全部のパネルがめくれなくなった場合にもステージクリアとなりボーナス点までもらえる。
--パネルアイテムを無視すれば、10秒以内に速攻できる面もあり、展開のメリハリは効いている。

-敵も味方もとても可愛らしくキャラクターの動きや表情が細かい。敵キャラにはそれぞれ味のある個性があり、プレイヤーへの印象づけに成功している。

-2人同時プレイをして協力したり邪魔したりできる。ちなみにプレイヤーキャラの2Pは「パートン」。
--ステージを同時、別々に攻略することが可能。ミスをするかステージ制覇することで交代になる。
--同じステージを選ぶと「PAIR PLAY」になる。同時攻略が可能でどちらかが囮として利用し敵を倒すという方法や、味方同士をめくること(いわゆるアタックパネル状態)で敵を倒すなどという戦術ができたりと多種多様。難しいラウンドを攻略するにはもってこいである。
--めくりアタックをしたつもりが敵に当たり判定が発生してしまったり、敵をめくってプレイヤーにわざと当てたりするというバトルロイヤルに発展することもあり、下手をすればリアルファイトになりかねないことも。この点は『バルーンファイト』や『アイスクライマー』と同様である。

--万が一どちらかがゲームオーバーになっても片方の残機が1以上残っていれば、復活は可能。
--パートンがいる状態でクインティを倒すと少しだけエンディングの演出が違ったりと、細かい点にも気が配られている。

-BGMも聴き応えのある良曲揃い。時間切れになるとスーパーマリオシリーズのようにテンポが速くなるのも特徴。
--レストランステージ&タワーステージのような高揚感あるBGMが特に人気がある。他にもシアターステージやクラブステージといった専門分野にぴったりなBGMも存在する。
--マッシュルームステージではマネをする間だけBGMが流れ、コテージステージのBGMでは時間切れになると「''コォン!''」とゴングと共に繋ぎがあるという遊び心あるBGMも存在する。制限時間制があるのと敵の挙動もあって最後までゆっくり聞けないものがあるのが残念な点。
--作曲はポケットモンスターシリーズの音楽を手がけている増田順一氏。

**問題点
-エンディングまで行くにはかなり時間がかかる。
--パスワードやバッテリーバックアップが無いため、一度にぶっ続けで攻略する必要があるのが難点か。

-プレイヤーのスピードが遅い。スターパネルを100枚集めることにより解消はされるが、このスピードの上がり方に癖があり、段階によってはスピードが一時的に遅くなることもある。

-どことなくアーケードを意識した作りになっており、クリアのためにはある程度の稼ぎが必須。特に後半は敵のスピードが速いため、それなりにスピードアップしていないとノーミスでいくのはまず無理。

-パネルで敵を倒しまくる爽快感やリアルタイムパズル的な思考ゲームを目指したのだろうが、どちらとしても中途半端。どちらかを期待してプレイすると裏切られる。

-エネミーマスがうずまきになっている。これが多くを占めているステージもあるので目が疲れやすい。

-スイマーが現れるステージではすぐに時間切れを起こしやすい場面が多々ある。今まで海パン一丁で泳いでいた彼らが立ち上がってプレイヤーを追い掛け回す様は%%キモさ最高潮の%%トラウマもの。
--どういうわけか後年ゲームフリークが手がけるポケットモンスターにもスイマーに似たような容姿の「''かいパンやろう''」が存在する。おそらく元ネタはクインティからきているのだろうが、グラフィックや言動からしてやはり%%キモい%%個性的。

-ミュージアムステージはアーティストがプレイヤーを追い掛け回し、かつパネル封じの絵を描くので厄介。総じて後半からボス戦に渡って難易度が高い。ボス戦ではアーティストは自分の絵を描いて自身を複製させ、複製されたアーティストもまた自身の絵を描くので手間取っているとどんどん増殖されていくのでクリアするのに少々苦労がいる。

**総評
「めくる」という斬新な発想やシンプルだが奥深い操作性等、ゲームフリークの処女作として相応しいゲームである。~
その後、田尻智やゲームフリークがめざましい躍進を遂げるにもかかわらず、長らく続編、リメイク、バーチャルコンソール配信はされていなかった。

**その他
-ユーゲー(ユーズドゲームズ)2005年3月号にこのゲームのサウンドトラックが付録として付いてきた。

-2014年7月2日についにWii Uのバーチャルコンソールに配信された。

-海外では『MENDEL PALACE』という名称でハドソンから発売された。