「イナズマイレブン2 脅威の侵略者 ファイア/ブリザード」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

イナズマイレブン2 脅威の侵略者 ファイア/ブリザード - (2020/05/09 (土) 01:46:28) のソース

*イナズマイレブン2 脅威の侵略者 ファイア/ブリザード
【いなずまいれぶんつー きょういのしんりゃくしゃ ふぁいあ/ぶりざーど】
|ジャンル|収集・育成サッカーRPG|&amazon(B001IDYGC6)|&amazon(B002GWVC3E)|
|対応機種|ニンテンドーDS|~|~|
|メディア|2048Mbit DSカード|~|~|
|発売・開発元|レベルファイブ|~|~|
|発売日|2009年10月1日|~|~|
|定価|各4,980円|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[イナズマイレブンシリーズリンク>イナズマイレブンシリーズ]]''|
----
#contents
----

**概要
-『[[イナズマイレブン]]』の続編。
--基本的なゲーム内容は前作の記事に記述されているので、先に読むことを推奨する。

-「エイリア学園」と名乗る宇宙から来た侵略者を、全国各地で仲間を集めてサッカーで倒すことがストーリーの主軸となる。
-なお本作からはアニメ版の放送中にゲーム版が発売される展開となっていく。

**あらすじ
激闘から一週間後、河川敷で練習をしようと集合した雷門中サッカー部。練習を始めようとしたその時、雷門中にめがけて黒い物体が飛来していく。急いで向かったそこにあったのは崩壊した校舎。エイリア学園と名乗る宇宙人チームはサッカーで力を示し地球を征服すると宣言する。円堂たちは彼らに勝負挑むが驚異的な強さを前に蹂躙され、多くのチームメイトが入院してしまうほどの重傷を負う。~
エイリア学園は他の中学へもサッカーを挑み、勝利を続けては敗者たちの通う校舎を破壊していき力を見せつけていた。~
彼らを止めるため、新監督である吉良瞳子の下で円堂らは最強のチームを作る旅に出る。イナズマキャラバンに乗って、日本各地を巡る円堂たちの新たな挑戦が始まった。

**特徴・評価点

-キャラクターの設定、声優がアニメ版に合わせられ、顔グラフィックが一新された。
--また、アニメオリジナル技も殆ど逆輸入されている。

-「どんな敵でも、努力して強くなれば絶対勝てる!」といった熱さ、キャラ間の友情の熱さもストーリー上で健在、本作のシナリオの評価は高い。
--「強さ」というのが本作のテーマの一つであり、序盤から終盤までこのことについて悩む選手が多い。
---特に本作の主役キャラでもある吹雪の悩みはプレイヤーにも考えさせられるものになっている。
--「雷門のエースストライカー」に関する染岡と吹雪のやり取りや、ラスボス戦後などは熱い展開で友情を見せてくれる。

''選手関連''
-選手の上限が100人に増加
--通信対戦用のチームを作れるようになり、円堂のいないチームを作れるようになった。
--敵となる宇宙人たちもスカウト可能である。

-キャラチェンジ
--一部の選手にはポジション・見た目・能力値・技が別のものに変更できる。
---吹雪をめぐるストーリーではこのシステムも絡んでくる。

-女性選手の参戦
--前作でも大人チームや小学生チームに所属していた女性選手がいた。しかし使用できるのはクリア後で、数もかなり限られていた。女子専用の技、女子バレー部をイメージしたウェア(男性キャラも着る事が出来る)などが追加され、今作で本格参戦となった。

-現在「Take action!」の活動を続けるプロサッカープレイヤーの中田英寿がゲストとして登場。『2』の中でもトップクラスの性能を誇るキャラである。
--だが加入イベントの鬼難易度で、なかなか手に入らない人が続出した。

''必殺技関連''
-「スーパーノヴァ」や「ユニバースブラスト」のように宇宙をイメージした必殺技が増え、更に超次元なサッカーとなった。
--これらはすべて「エイリア学園」に所属する選手のみが習得できる。

-新たな必殺技のカテゴリにスキルが追加された。
--持っているだけで効果がある。個人に効果があるものからチーム全体に効果があるものまで様々。獲得経験値が増えるものも存在する。

-一部の必殺技の性能にロングシュートとシュートブロックが付与された。どちらも駆け引きを熱くさせる要素である。
--前者はフィールドのどこからでもシュートが可能になるもの。ちなみにロングシュート技が無くても普通のロングシュートが可能。
--後者は相手のシュートを弱め、ブロック側が強ければブロックした選手のボールになる。シュート技にも付いており、そのまま相手側へ打ち返せることもできる。

-1つの技を使い続けると技が強力になる技成長が登場。
--これにより序盤で覚える弱い技にもある程度使いどころが増えた。

''その他''
-やりこみ要素として前作の練習試合に変わる形で対戦ルートが登場。
--ストーリー上で戦ったチームのほかスカウト可能な1000キャラ以上の中から組まれたチームまで種類豊富。
--試合結果によって3段階のランクが決まる。最高ランクはS(無失点かつ5点以上獲得)。ごく一部のチームは特定の条件で挑まなければない。
---1つのルートをクリアすると報酬がもらえるが、ルート上のすべてのチームをSランククリアするとよりレアな報酬がもらえる。報酬の中には隠しキャラもいるため飽きを感じさせない。
--こちらもナンバリングを重ねるごとにチーム数が増加し、難易度も高くなっていく。

-バーニングフェーズが任意で出せるようになった。また全体的に弱体化した。
--効果時間も短くなり、消費TPも半減から4分の3となった。

-一度見たムービーが見れるようになった。『1』に比べ数も多い。

-各章の終わりに次回予告とアイキャッチが挟まれるアニメを意識した演出がある。

-新たな通信要素として協力対戦とシークレット通信というものも。

-バージョン限定の裏ボスが新登場
--上記のシークレット通信を行えば複合チームと戦える。

**問題点

-スカウトシステムが劣化。
--一度エンカウントしなければスカウトができなくなった。人脈スカウトもライン上にいる選手は全て引き抜く必要がある。
--またスカウトの際教えてもらう選手の場所があいまいな表現となっている。
--また、スカウトキャラの中ではウルビダだけが明らかに他と違うレベルでスカウトバトル時の能力が高い。
---育成の進んだキャラの属性一致シュート技もキーパーは平然と技なしで止めてくる。正攻法ではまともにやり合っても勝ち目が無いと言われている。
---ウルビダは終盤の敵チームに登場するクールな女性キャラということでキャラ人気も高く、それ故に涙を呑んだプレイヤーも多かった。

-キャラチェンジができるのはたった3人だけと少ない
--吹雪はストーリーの関係上、終盤のイベントを迎えたらキャラチェンジができなくなってしまう。
--デザームがチェンジ可能なら彼のチームメイト達もキャラチェンジ可能にしても良かったはずだが。

-一部スキルの効果
--オフェンスプラス、シュートプラスといった○○プラスというスキルが存在する。説明では覚えている選手が種類に応じたプレイに強くなるように見えるのだが、ディフェンスプラスはなぜか使用者ではなくMFに置かれた選手に、オフェンスプラスはDFに置かれた選手に効果が適用される。キーパープラスとスピードプラスはきちんと習得者のみに効果があるのでおそらくバグである。普通ならまず正しい効果が把握できない。というよりシュートプラスは誰に発生しているか不明で効果が分からない。
//ほとんど知られていないのでデマも間違われるかもしれません。一部のやり込みプレイヤーが最近になって発見したそうです。実際にプレイして確認もしています。

-対戦ルートの仕様
--「通信協力プレイで勝利せよ!」という条件が存在する。
---発売当時ならまだしも現在はプレイヤーの数もかなり少ない。協力してくれる人を探すだけでも一苦労である。
---そのルートでは序盤で離脱したとあるキャラが報酬のため余計にこの条件が厳しく感じてしまう人もいる。
--「レベル〇以下のチームで勝利せよ!」というルールの難易度がとにかく高い。
---本作は''仲間にしたキャラは経験値が自動で入りレベルアップする仕様であるため、システムと全く噛み合ってない。''
---「レベル〇以下のチームを編成するためにチームを作っていたら、いつの間にか経験値が入ってレベルが条件を超えてしまった」ということも発生してしまう。
---さすがに不満の声が多かったようで、『3』においては削除された。
--「シュート技を使わずに勝利せよ!」という条件の試合では文字通りシュート技は使えない…というわけではなく、「シュート技を持つキャラ自体が使用できない」というルールになっている。
---対戦相手のキーパーは必殺技を使ってボールを止めにくるため、普通にやってればゴールを決めることがまず不可能となっている。
---攻略法としては「シュートを数多く撃って相手に必殺技を使わせTP切れを狙う」「シュート極振りの選手を育成する」等がある。
---チームを作って試合をするだけなら簡単だが、上記の交流法だと前者なら対戦ルートのEXクリア条件である「5得点以上0失点」を達成しようとすると試合時間がかなり厳しいものになる。
---実は「前述したキャラチェンジで一時的にシュート技を覚えていない状態にする」「試合開始後に秘伝書(必殺技習得アイテム)を使う」などの抜け道はあるが気づかなければ専用の選手育成が必要になってしまう。
---こちらのルールは次作でも継続して存在しており、さらにそちらでは抜け道が無くなっているので最難関として挙げられる事が多い。
---対戦ルート自体はやり込み要素ではあるが、ここでしか仲間にできないキャラもいるため、キャラゲー要素の強い本シリーズでの不満点として挙げられることが多い。

-次回予告や章のタイトルでは容赦なくネタバレをされる、飛ばすことができないため純粋にストーリーを楽しみたい人には邪魔に感じる。
--特に2章はとある人物の離脱場面も予告で明かされるためネタバレをやめてほしいと言われている。

-ストーリー上の問題点
--「全国で強い選手を集める」という触れ込みのストーリーだが、「他県に強い選手が居るからスカウトしに行く」というのはたった2人だけ((そのうち片方は序盤で抜けた雷門メンバーであるため新キャラクターは1人。))。「別の目的で行った場所に、たまたま潜在能力の高い選手が居て成り行きで仲間になった」という選手がほとんどである。
---奈良編では奈良県最強の実力を誇る選手をスカウトするという展開があるのだが、彼をスカウトする理由が「彼のコネでテレビ局に入れてもらう」というもので、それ以降はストーリーに絡まない。地上最強のチームを作るのなら彼のような実績のある選手をメンバー入りさせれば良いのだが。既に後半に差し掛かっていたアニメ版との兼ね合いもあるかもしれないが…。

-ラストの演出について
#region(ネタバレあり)
-試合終了後に円堂の「サッカーやろうぜ!」というセリフがラスボス達の脳内に響き正気に戻るというシーン。
--これについて「宗教」「逆洗脳」「もはや超次元とかいうレベルすら超えている」等、評価が低い。
---ただし元々「円堂は『円堂教』なる宗教の教祖なのではないのか」というネタが存在しており、この演出はその代表的な場面だとネタにしているファンも居る。実際、後のシリーズではこの台詞を悪魔の呪文として設定を生かしている。
#endregion

-本シリーズのシナリオは「ツッコみどころが多いが超次元だから許せる」というのが特色である。しかし「超次元で考えてもおかしい」、「そもそも超次元で割り切る以前の問題」といった粗が目立ってしまっている。
--また中学生をメインに捉えた作品である以上仕方の無いことではあるが「何もかも子供たちに任せっぱなし」という問題点もある。また本作以降中学生サッカーの価値観が高くなりすぎているきらいがある。
---本作のシナリオを平たく言えば総理大臣が動く程の大規模な破壊活動を行っている正体不明のテロリスト組織を中学生が阻止しようとするもの、「''プロや自衛隊は何してるの?'' 」と言ったある種のつっこみどころなのかもしれないが…。

-キャラクターについて
#region(ネタバレあり)
''一之瀬一哉''
-前作は隠しイベントで仲間になる選手だった。アニメ版でもその隠しイベントを拾う形でレギュラーキャラとなり本作でもそのままメインキャラとなった、そのため彼の加入を知らない人にとって「一之瀬って誰?」となってしまう。
--一応前作のメインストーリー上でも秋と土門の口から名前は出るものの、二人の間では一之瀬は死んだことになっているため、故人のような扱いをされていたキャラが急にレギュラーとして登場するという混乱を招くような展開になってしまっている。

''ラスボス''
-チームの一部メンバーはなぜそのチームに加入したのか説明が無く、セリフも無い上に試合前のマップにも表示されないため非常にぽっと出感の強いメンバーとなっている。一応アニメ版ではある程度の補完はされている。
--さらにそのうちの西垣はアニメ版でかなり濃い設定が追加されているのだが、前作ではモブ同然のキャラクターだったためアニメ版に全く触れていないと「なんでこのキャラが居るの?」となってしまう。

''吹雪士郎''
#region(更なるネタバレあり)
-ブリザード版のパッケージを飾っており本作における主人公といえる人物。終盤まではキャラチェンジシステムでDFとFWを切り替えて使っていく選手である。
--実は幼いころ事故で家族を失い、FWだった弟・アツヤの人格が現れるようになった二重人格者(以降DFを士郎、FWをアツヤと表記する)。中盤以降は「自分はアツヤとして必要とされている」と思うようになる。しかし終盤ではその葛藤を乗り越えて大きく成長しDF・FW共に優秀な選手となるシーンは本作屈指の名場面でありファンからの評価も高い。
--しかし問題はDFとしての士郎を評価・フォローするセリフがあっても、プレイヤーが操作するシナリオ上の試合では士郎を使わせてくれることが殆ど無いので違和感が生じてしまうことである。実際ストーリー中で手に入る選手だけではフォワードはかなり不足しており、アツヤがかなり強力なため頼ってしまうプレイヤーが多々いた。
--アツヤの使用を要求されることが多いこと自体は彼の描写としては間違っていない((恐らくメタ的な視点でもプレイヤーに吹雪の苦しみをわかって貰おうとしているのかもしれない。))のだが、むしろアツヤの見せ場を作りすぎて''士郎としての見せ場が無さ過ぎる''シナリオとなっている。
---前線で士郎がボールを取り、チェンジを使ってアツヤがシュートを決めるということも一応できる。消費こそ激しいがとんでもなく強力な選手として扱える。しかしそれでもシナリオ上で士郎の見せ場がないことには変わりがないうえ、結局アツヤあっての使い方となる。
#endregion

''吉良瞳子''
-本作の雷門中の監督を務める謎の女性。初めて監督を務める試合では「無茶な采配に見えるが実は選手に負担を掛けない采配をしていた」と評価される。しかし一方で放任主義な部分が目立つ、中学生の子供の身を預かる立場としては無責任すぎる。
--上記のテレビ局のシーンで瞳子に交渉してもらおうとするメンバーに対し「そんなことをしたら大人にしか頼れないチームだと見られる、自分たちでどうにかしなさい」と言い放つ、流石に中学生に言うことではない。

''響木監督''
-素性の明かされていない瞳子に監督を任せたのは''他でもない響木自身''なのだが''終始彼女を疑い続けている''。
--実際瞳子は「黒幕の実の娘」だった事が判明する。よって疑っていたこと自体は間違いでは無かったのだが…。
---ちなみに彼女は黒幕の悪事を止めるために雷門に協力をしていたと明かす。
--彼女について説明するシーンもおかしい。敵本拠地に乗り込む直前にいきなり現れて「この中に我々を裏切った者がいる、裏切者はお前だ!」と言って瞳子を指さすのだが、「裏切った」とは言っているものの裏切った行為が無いためセリフとしては変。アニメ版ではそれをフォローするセリフがあったのだが…。
#endregion

**総評
前作からやり込み要素が増え、大幅にボリュームアップした。~
友情をメインにしたシナリオはファンの間でも評価が高く、シリーズの中でも特に人気。~
ミリオンヒットを達成した。

**その後の展開
-2010年7月1日に『[[イナズマイレブン3 世界への挑戦!! スパーク/ボンバー>イナズマイレブン3 世界への挑戦!! スパーク/ボンバー/ジ・オーガ]]』が発売された。

-2012年12月27日にカップリング作『[[イナズマイレブン1・2・3!! 円堂守伝説>イナズマイレブン#id_adb580e7]]』が3DSで発売された。