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*Burning Point
【ばーにんぐぽいんと】
|ジャンル|アドベンチャー|&image2(BURNINGPOINT.gif,height=200)|
|対応機種|PC-8801mkIISR以降|~|
|発売・開発元|エニックス|~|
|発売日|1989年|~|
|定価|8,600円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
1970年~80年代の古き良きアメリカ西海岸が舞台のミステリーADV。~
謎を解く点よりも、謎を解いていく物語を楽しむ事に主眼を置いた探偵小説といった趣のゲームで、ゲームとしての謎解き要素は弱い。
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**ストーリー
> マイク・スティールは故郷に戻っていた。ここで探偵事務所を開くためだ。そう、ついに幼い頃からの夢だった探偵となったのである。~
~
古いビルの二階に事務所を構えると、探偵業をスタートさせる。探偵最初の仕事は…宣伝からだった。こんな無名な探偵事務所に人を呼ぶために。なんとか作ったちらしを、一階の雑貨屋と昔なじみの軽食屋においてもらう。~
そんなある日、最初の客がやってきた。しかもその客は大会社の会長だった。ただその依頼内容は、一風変わっていた。~
~
先日あったホテル火災で焼死体として発見された孫娘の死を、確認してもらいたいというもの。そんなものは警察がやっていそうなものだが、会長婦人は焼きだされた遺体を孫ではないと言い張るのだそうだ。会長は心の区切りをつけるために、生死を明らかにして欲しいとの事だった。~
~
さっそく依頼を受けると、若い駆け出し探偵は町へと向かった。
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**システム
-コマンド選択式ADV。当時のADVの一般的なシステムだが、画面構成は変わったものとなっている。
--文章はよく見られる画面下の表示欄に表示されるのではなく、キャラクター側に噴出しが現れ、そこに台詞が表示されるようになっている。
--またこれまたよくある主人公目線の画面ではなく、主人公であるマイクも画面内におり、相手とは向き合って話す事になる。
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**評価点
-まさしく探偵小説ADV。
--推理ものなのだがシステムとしては謎を解く要素はなく、謎を解くよりもストーリーを楽しむものとなっている。
--CGは豊かな色合いで描かれ、暖かいアメリカ西海岸情緒に溢れている。またBGMもどこかなつかしいアメリカテレビドラマを思い起こさせる。一方カメラワークなどはそれほど凝っていない。だが、この半端さがテレビドラマを思わせる面もある。また画面構成もそれを思わせるもの。プレイヤーは彼の捜査を、テレビを見るように横から眺める形になっている。
--ライトだが練りに練られた文体と巧妙に敷き詰められた伏線が二重奏を織りなすシナリオ、趣味がそのまま職業になったかのような主人公を筆頭とする個性的なキャラクターたち、そのCGやBGMと合わせプレイヤーを引き付ける。&br伏線の張り方は見事の一言であり、オープニングから畳み掛けるように張られ、回収されても次々と補充と言わんばかりに張られていく。エンディング直前まで小出しし続けてプレイヤーを引き込んでくれる。
--ストーリーはいくつかの章に分かれているが、各章の終わりに捜査状況のまとめが入る。おかげで話の進み具合が理解しやすい。
-コマンド選択式だが、このシステムにありがちな無駄な選択が起こりにくいものとなっている。
--まず次に何をすべきかが想像しやすい話作りになっており、迷う事が少ない。さらに分からなくても事務所での考察で、現状の目的を確認できる。
--目的の場所に行くとフラグが立つまで移動コマンドが現れないため、フラグの取りこぼしが起こらない。また、話が進むと、行く必要のなくなった場所は移動先から消えるため、無駄な移動が少なくなる。このように、なるべく選べるコマンド自体を減らすように構成されている。
-パッケージにはマイクのプロフィールや、依頼契約書、作中での新聞などが同梱されていた。しかも新聞に載っている広告の電話番号は、ゲーム上で実際にかける事ができ、ちょっとした遊びとなっている。
--実はこの新聞、非常に重要。と言うのも。新聞からしか手に入らない情報(ゲーム本編では提示されない情報)が必要な場面があるため。所謂[[マニュアルプロテクト>メタルギア2 ソリッドスネーク]]と呼ばれるコピー対策である。
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**問題点
-ストーリー冒頭は少し違和感がある。
--開いたばかりで実績もない事務所に富豪が依頼に来るかと言うと少々疑問。表立って依頼できない内容、等の理由付けもない。
-親切過ぎる登場人物
--調査の際、様々な人物に話を聞くことになるが、ほとんどのキャラは質問に喜んで答えてくれる。いっそ裏があるのかと疑ってしまうくらいだが、特にそういった事もない。
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**総評
どこかなつかしさを感じさせる作品だ。その映像やBGMは、古き良きアメリカ西海岸といった雰囲気をかもし出し、プレイヤーを没頭させる。ゲームとしても非常に丁寧な作り。ストーリーが分かりやすいだけではなく、さらに理解させるために、要所々でまとめが入る点も、その心配りが窺える。~
コマンド選択式にありがちな、無駄な選択によるテンポの悪化も起こりにくい。これら丁寧さのおかげで、秀逸なストーリーを十分味わえる。~
当時、良質ADVをいくつも出したエニックスらしい作品である。
*Burning Point
【ばーにんぐぽいんと】
|ジャンル|アドベンチャー|&image2(BURNINGPOINT.gif,height=200)|
|対応機種|PC-8801mkIISR以降|~|
|発売・開発元|エニックス|~|
|発売日|1989年|~|
|定価|8,600円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
1970年~80年代の古き良きアメリカ西海岸が舞台のミステリーADV。~
謎を解く点よりも、謎を解いていく物語を楽しむ事に主眼を置いた探偵小説といった趣のゲームで、ゲームとしての謎解き要素は弱い。
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**ストーリー
> マイク・スティールは故郷に戻っていた。ここで探偵事務所を開くためだ。そう、ついに幼い頃からの夢だった探偵となったのである。~
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古いビルの二階に事務所を構えると、探偵業をスタートさせる。探偵最初の仕事は…宣伝からだった。こんな無名な探偵事務所に人を呼ぶために。なんとか作ったちらしを、一階の雑貨屋と昔なじみの軽食屋においてもらう。~
そんなある日、最初の客がやってきた。しかもその客は大会社の会長だった。ただその依頼内容は、一風変わっていた。~
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先日あったホテル火災で焼死体として発見された孫娘の死を、確認してもらいたいというもの。そんなものは警察がやっていそうなものだが、会長婦人は焼きだされた遺体を孫ではないと言い張るのだそうだ。会長は心の区切りをつけるために、生死を明らかにして欲しいとの事だった。~
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さっそく依頼を受けると、若い駆け出し探偵は町へと向かった。
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**システム
-コマンド選択式ADV。当時のADVの一般的なシステムだが、画面構成は変わったものとなっている。
--文章はよく見られる画面下の表示欄に表示されるのではなく、キャラクター側に噴出しが現れ、そこに台詞が表示されるようになっている。
--またこれまたよくある主人公目線の画面ではなく、主人公であるマイクも画面内におり、相手とは向き合って話す事になる。
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**評価点
-まさしく探偵小説ADV。
--推理ものなのだがシステムとしては謎を解く要素はなく、謎を解くよりもストーリーを楽しむものとなっている。
--CGは豊かな色合いで描かれ、暖かいアメリカ西海岸情緒に溢れている。またBGMもどこかなつかしいアメリカテレビドラマを思い起こさせる。一方カメラワークなどはそれほど凝っていない。だが、この半端さがテレビドラマを思わせる面もある。また画面構成もそれを思わせるもの。プレイヤーは彼の捜査を、テレビを見るように横から眺める形になっている。
--ライトだが練りに練られた文体と巧妙に敷き詰められた伏線が二重奏を織りなすシナリオ、趣味がそのまま職業になったかのような主人公を筆頭とする個性的なキャラクターたち、そのCGやBGMと合わせプレイヤーを引き付ける。&br伏線の張り方は見事の一言であり、オープニングから畳み掛けるように張られ、回収されても次々と補充と言わんばかりに張られていく。エンディング直前まで小出しし続けてプレイヤーを引き込んでくれる。
--ストーリーはいくつかの章に分かれているが、各章の終わりに捜査状況のまとめが入る。おかげで話の進み具合が理解しやすい。
-コマンド選択式だが、このシステムにありがちな無駄な選択が起こりにくいものとなっている。
--まず次に何をすべきかが想像しやすい話作りになっており、迷う事が少ない。さらに分からなくても事務所での考察で、現状の目的を確認できる。
--目的の場所に行くとフラグが立つまで移動コマンドが現れないため、フラグの取りこぼしが起こらない。また、話が進むと、行く必要のなくなった場所は移動先から消えるため、無駄な移動が少なくなる。このように、なるべく選べるコマンド自体を減らすように構成されている。
-パッケージにはマイクのプロフィールや、依頼契約書、作中での新聞などが同梱されていた。しかも新聞に載っている広告の電話番号は、ゲーム上で実際にかける事ができ、ちょっとした遊びとなっている。
--実はこの新聞、非常に重要。と言うのも。新聞からしか手に入らない情報(ゲーム本編では提示されない情報)が必要な場面があるため。所謂[[マニュアルプロテクト>メタルギア2 ソリッドスネーク]]と呼ばれるコピー対策である。
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**問題点
-ストーリー冒頭は少し違和感がある。
--開いたばかりで実績もない事務所に富豪が依頼に来るかと言うと少々疑問。表立って依頼できない内容、等の理由付けもない。
-親切過ぎる登場人物
--調査の際、様々な人物に話を聞くことになるが、ほとんどのキャラは質問に喜んで答えてくれる。いっそ裏があるのかと疑ってしまうくらいだが、特にそういった事もない。
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**総評
どこかなつかしさを感じさせる作品だ。その映像やBGMは、古き良きアメリカ西海岸といった雰囲気をかもし出し、プレイヤーを没頭させる。ゲームとしても非常に丁寧な作り。ストーリーが分かりやすいだけではなく、さらに理解させるために、要所々でまとめが入る点も、その心配りが窺える。~
コマンド選択式にありがちな、無駄な選択によるテンポの悪化も起こりにくい。これら丁寧さのおかげで、秀逸なストーリーを十分味わえる。~
当時、良質ADVをいくつも出したエニックスらしい作品である。