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*悪魔城ドラキュラ Xクロニクル 【あくまじょうどらきゅら えっくすくろにくる】 |ジャンル|アクション|&amazon(B000TKWVG2)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |メディア|UMD 1枚|~| |発売・開発元|コナミデジタルエンタテインメント|~| |発売日|2007年11月8日|~| |定価|4,980円|~| |プレイ人数|1~2人|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |廉価版|コナミ・ザ・ベスト:2009月10月8日/2,940円&br()ベストセレクション:2010年7月15日/1,980円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[悪魔城ドラキュラシリーズリンク>悪魔城ドラキュラシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 1993年にPCEで発売された『[[悪魔城ドラキュラX 血の輪廻]]』のリメイク。~ 内容は原作と同じく、FCD版初代『[[悪魔城ドラキュラ]]』に近いステージクリア型のアクションゲームであるが、~ 本作は原作を3Dグラフィックにし、様々な追加要素を盛り込んだアレンジ移植である。~ また原作である『血の輪廻』、原作の続編である『[[悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲]]』も収録されており、条件を満たすと遊ぶことができる。 ---- **特徴 『血の輪廻』の記事でも説明されているのでそちらも参照していただきたい。 -グラフィックはすべて3Dに書き直されたが、ゲーム内容はステージクリア型の2Dアクション。ステージ途中にはルート分岐があり、進んだルートによってボスが異なる。異なるルートのボスを倒した場合は裏面に進む(一部ステージを除く)。 --分岐して裏面に進んだ場合、ステージナンバーに「'」が付く。 --原作からして高い頭身のドットで表現されていたこともあり、人物はリアル頭身で表現される。 -使用できるキャラは主人公の「リヒター・ベルモンド」と女性キャラである「マリア・ラーネッド」の二人。 --性能はマリアの方が上なので、初心者はこちらで攻略するのがオススメ(救出しないと使えないが)。 -データごとに「達成率(%)」が記録される。最高は100%で、ボスを倒したり、特定のアイテムを集めたり、キャラを助けたりする度に増える。 --当然、ただクリアするだけでは100%にはならない。ステージを隅々まで探索する事が求められる。 ---- **改良点・追加要素 -敵の配置やキャラの挙動などが微調整され、原作より更に遊びやすくなった。 --ただ決して簡単なゲームではなく、アクション初心者には少し厳しい難易度ではある。また原作より難しくなっている箇所もある。 --ステージ内で集められるお金を払って見れるボス戦のお手本動画や、ほぼ上位互換キャラのマリア等の初心者救済要素はある。また原作同様何度も挑戦する事で上達し、クリアできるバランスにはなっている。 -会話シーンの追加やボスの登場ムービーの追加等、演出面が強化された。 --原作のビジュアルシーンと違い、これらは初回プレイでもスキップ可能であり、テンポを損なっていない。 -原作にあった探索要素の強化 --新たな仕掛けとして「赤い骸骨の壁」「水晶の壁」が追加。特定の条件を満たさないと壊せない。 --「サウンドアイテム」という収集要素が追加。入手するとアイテムの番号に応じた音楽がサウンドモードで聞けるようになる他、後述の「サウンドアサイン」で使えるようになる。 ---手に入るサウンドは原作のものはもちろん、『月下の夜想曲』のBGMもある。 --また、原作では達成度(%)とビジュアルシーンぐらいしか特典しか無かった女性キャラの救出が、探索において重要な役割を発揮するようになった。 -ステージごとにクリアタイムが記録されるようになり、各ステージごとでのタイムアタック的な遊びができるようになった。 --記録タイムはリヒターとマリアでそれぞれ別々。 -エンディングが分岐するようになった。 --特定の条件を満たさないとあるステージで原作とは違ったボスが現れ、バッドエンドルートに進む。 --一方、条件を満たすとグッドエンドルートになるが、ラスボスに第3形態が追加される(原作は第2形態まで)。この第3形態はかなり強く、原作でも''弱い''と言われた第1~2形態より難易度が高く、ラスボスらしい強さに仕上がっている。 -「STAGE5'」の内容が大幅に変わった。 --原作では背景が他のステージの使い回しで、ボスもいなかったが今作では新たに作り直され、ボスも追加された。 ---条件を満たすとバッドエンドルート限定のボスとも戦える分岐へ行けるようにもなる。 --難易度はかなり高めだが、クリアや探索をしなくてもエンディング条件には影響しない(当然達成率には影響する)。 --ちなみに同ステージは完全に別物では無く、ステージの基本的なギミックなどは取り入れられつつもアレンジされている。 ---難所の一つだったグレートアーマーx2戦やルート分岐の存在など、オリジナルへのリスペクトともいうべき箇所も見受けられている。 -キーコンフィグが追加された。 --変更した内容は『血の輪廻』でも適用される。また『[[SFC版>悪魔城ドラキュラ (SFC)]]』のように、ワンボタンでサブウェポンを発動させる設定にすることも可能。 -サウンドアサイン --簡単に言うと、ステージで流れるBGMを変更できる機能。前述のサウンドアイテムを集めると変更できる音楽が増えていく。 --変更可能な音楽のラインナップはXクロニクル本編に加えて、同時収録の血の輪廻と月下の夜想曲の3作。また特定の条件を満たすと3作に未収録の楽曲が追加される。 -ボスラッシュモード --サブウェポンとハートの置かれた準備部屋とボスステージを交互に進んでいくモード。 --ランダムにボスが選ばれる「ランダムラッシュ」、表と裏それぞれのボスと順番に戦う「表ルートボスラッシュ」「裏ルートボスラッシュ」、ラスボスを含めすべてのボスと戦う「フルラインナップラッシュ」の4つがある。 --クリア時にはタイムが記録され、一定のタイム以内にクリアすればサウンドアイテムやゲームアイテムが貰える。 --アドホック通信に対応しており、2人で協力して挑戦する事も出来る。 -オリジナルゲーム『血の輪廻』『月下の夜想曲』の収録。 --両作品とも本編で道中に落ちているゲームアイテムを入手する事でプレイ出来るようになる。ゲーム内容は省略されておらずほぼそのまま。 --『月下の夜想曲』はPS版がベースだが、SS版にあったマリアとの対決イベントやマリア・ラーネッドでのプレイが追加されている。ただし他のSS版の追加要素はこちらにはなく、マリアもSS版とは全く仕様が異なっている(後述)。 --また両作品とも中断機能、タイトルに戻る機能が追加されている。 --余談だが原作で、古いシステムカードを使うと遊べた『あくまぢょおどらきゅらX(ペケ)』も収録されている(当然メッセージは変更されている)。 -日本語・英語で言語変更が可能。 --Xクロニクル本編はもちろん、オリジナルゲーム2種にも適用される。ちなみに字幕は日本語のまま。 --『血の輪廻』は本編の流用という形ながらも本作が初ローカライズ。流石に元のPCEのボイスの音質の悪さまでは再現されていないがやむを得ないだろう。 --『月下の夜想曲』も本作でほぼローカライズが作り直しとなった関係で全てボイスが新録されている(詳細は余談の項を参照)。 ---- **賛否両論点 ''Xクロニクル本編'' -原作では当時の『[[ときめきメモリアル]]』でも使用されていたアニメタッチのデザインが採用されていたが、本作ではそれが廃され小島文美氏によるシリアスタッチのイラストなった。 --しかし、ほぼ全員タッチが変わっただけでなくデザイン、声優、イベントシ-ンでの演技も大きく変わっているので、原作に思い入れがある人には少々辛いものがある。 --もっとも、原作のアニメデザインも賛否両論であり、本作での変化を喜んで受け入れるファンも存在する。 --マリアのロングヘアーやスカートがなびく動きなどを3Dで表現するのが難しかったのもデザインが変わった理由の一つ。 -音楽もすべてアレンジされている。中には原作とかけ離れたアレンジがなされた曲や、曲自体が差し替えられているものもある。 --決して出来が悪いわけではないが、原作もCD-DAによりクオリティの高いBGMが作られていたため、どちらが良いかはこれも好みによるだろう。 --BGMそのものも一部変更されているものがあり、STAGE5'がステージごと差し替えられた関係で『Op.13』がサウンドアサイン限定((Xクロニクル用の新規アレンジ自体は用意されているが、クリア率100%達成が入手条件となっている。))になってしまったのは惜しむ声が多い。~ またSTAGE7のBGMであった『巣窟』も[[X68000版>悪魔城ドラキュラ (X68000)]]の楽曲『MoonFight』に差し替えとなり、新規アレンジも用意されなかった(原曲は収録されている)。 --一応サウンドアサインを使えば原作の曲に出来る(もっとも、そのためにはサウンドアイテムを集める必要があるが)。 -『血の輪廻』のリメイク版であるXクロニクル本編では原作に比べ探索要素が掘り下げられているのだが、その反面初見のアクション初心者やシリーズ入門者といったプレイヤーに対しては原作よりも不親切な仕様・仕掛けが増えており、良く言えば「歴代のファン向け」、悪く言えば「一見様お断り」と言った調整となっている。 --上記の通り本作で原作『輪廻』をプレイするためには、Xクロニクルの裏ルートのステージでアイテムを入手しなければならない。しかし先に本リメイクをある程度やっておかないと『輪廻』をすぐにプレイできないにもかかわらず、寧ろ『輪廻』を先にプレイし仕掛けや戦い方を覚えていないと対処法が分かり辛い様な構成になっているものも多い。 -グラフィックが2Dから3Dに変化しリアリティは向上したものの、初見の状態でも敵の攻撃の軌道の回避方法や仕掛けの対処法が察し易かった原作に比べるとリメイクの方は視認性が悪くなってしまっているものがある。 --例として骨柱の炎やドラキュラの炎などの視認性が原作よりも悪く、輪廻含む悪魔城シリーズをある程度経験し、炎の軌道の規則性を予め理解しておかなければ回避方法を見出し辛い様な構成になってしまっている。((原作では視認性が良いため対処しやすく、更にドラキュラの炎に関してはリヒターの背丈とほぼ同じ位の高さがある事が視覚的に分かりやすいため、「ドラキュラにダメージを与えつつ炎を避けたいが、鞭で炎を消して避けるのは難しいし、通常ジャンプでも中々避けられない。ならば通常より高く跳べるバック宙を利用し、鞭のリーチギリギリで素早く攻撃した後にドラキュラ側へと跳べばもしかすると…」といった感じで難易度の低い回避法がプレイヤーに遠回しに伝わる様な構成になっている。)) ---カエルの石像の仕掛けも変更。原作では「比較的敵が湧かない安全な場所に目立つカエル像があり、そこに鞭を当てて仕掛けを起動させる」というライトユーザーでも比較的気付き易い様な配慮がされた構成だったのに対し、リメイクの方では「カエル像が載っていないステージ端の石像まで、''該当石像より前の位置に出現する''色違いの敵カエルを誘導する((おまけにカエルは一度倒すとそのままでは復活せず、復活させるためにはプレイヤーが死んでミスをしたり、中断セーブを使いステージ前半までやり直す等しなければならない))」という初見殺し気味なものに変更されている。 --但しテラ救出のための階段の入口は原作よりも分かりやすくなっている。 -原作『輪廻』と異なりアネットを救出するためには他ステージに囚われている女性2人の救出も必須になった。 --リメイクとして原作プレイヤーの意表を突く、という点では必ずしも悪いと言える訳ではないが、ゲーム終盤のステージ6開始前に囚われた彼女の描写があり、プレイヤーが彼女の救出に意欲的になる様な演出があった原作((Xクロニクルでは無くなりステージ1で攫われる演出に変更))や、救出難易度は高いが「あそこで穴に落ちてしまったのが原因だったのだろうか」「鍵を長い間保持していればどこかに入れる部屋があるかもしれない」などと言った様に考え攻略することで、自ずと救出ルートに進む様な導線が引かれていたSFCの『[[XX>悪魔城ドラキュラXX]]』に比べると、上記した様にシリーズ入門・初心者に対しては少々不親切になっている。 #region(詳細 救出しなかった場合のネタバレ注意) -隠された鍵の隠し部屋に行きアネットを救出しておかないと、「XX」の様にドラキュラの手にかかり敵と化したアネットと戦わなければならず、更にドラキュラ自体も倒しきれずにバッドエンド直行となる。 --しかし救出できなかった際に「なんでもっと早く助けに来てくれなかったんだ」という旨のアネットの台詞があり、(攫われたステージ1での事を指しているのかもしれないが、)各ステージを時間をかけてじっくり探索する必要がある救出条件に対してこの台詞がイマイチ噛み合わず、更に直前にある鍵の部屋は他女性を助けない限りダミーのハズレ部屋にしか入れないなど全体的に理不尽気味な演出が多く、原作に比べ暗くなった作風も相まって初見プレイヤーのアネット救出の意欲を削ぐ様な構成になってしまっている。 ---一応バッドエンド後には「多くの女性を救出すると出現する隠しボスを倒せば先に進める」という旨のヒントメッセージも表示されるが… --原作『輪廻』では助けなくてもドラキュラを倒してノーマルエンドに進める上に、上記リメイク版のダミー部屋がこちらではアネットがいる正解の部屋のため救出難易度自体も低い。助けないとバッドエンドになる『XX』でもドラキュラ自体は倒す事ができる上、上記した様に強制はしないができるだけ救出を促させる様な構成になっている。 #endregion ---- **問題点 ''Xクロニクル本編'' -グラフィックが3Dになった弊害で、ドット絵でははっきり見えていた仕掛けや敵の配置が見辛くなっている部分がある。 -フレームレートが30fpsと2DACTとしてはやや低く、精密な動作を要求される場面では入力に重さを感じやすい。 --ちなみに同時収録の『血の輪廻』『月下の夜想曲』は原典通り60fpsで動作する。 ''血の輪廻'' -ゲーム開始時のデモの音声がXクロニクル本編と同じものに差し替えられている。 -ビジュアルシーンにおいて音ズレが発生している。そのため、キャラの声と口の動きが合っていないシーンも。 --ディスクアクセスに起因するものなのか、ダウンロード版では音ズレしない。 -ステージボス撃破後に魔力の結晶を取得した際にキャラ動作がスローモーションにならない。 --一方、Xクロニクル本編の方では魔力の結晶を取得するとスローモーションになる点が再現されている。のだが「リメイクで再現出来た物が同時収録されている筈の原作では出来なくなった」とはいかがなものか。 ''月下の夜想曲'' -霧変身のキー設定が「狼変身のボタンと蝙蝠変身のボタンの同時押し」に固定されてしまっている。 --デフォルトでは狼変身がL、蝙蝠変身がRなので、設定画面では便宜上「L+R」と表示されているがこれ以外の組み合わせでも変身は可。 --恐らくL2、R2ボタンが無いことによる仕様変更なのだろうが、アーカイブス版ではアナログパッドで代用できる。本作では本編での設定でアナログパッドに操作を切り替えることが出来るので、その弊害で代用が出来なかったものと思われる。 --更に厄介なのは、これらのボタンを押し続けないと変身を維持できないということ(PS版ではワンタッチで変身/解除できた)。 -効果音のキーが原作と異なる。 -マリアモードでのマリアの性能がSS版と大きく異なっているが、その性能があまり良くない。 --エネルギー弾を撃ったりコマンドで四聖獣を召喚するなどかなりはっちゃけていたが、今作では血の輪廻に準じた性能に変更された。 ---通常攻撃は鳥で、四聖獣もサブウェポン扱い。急降下キックが可能。ハイジャンプもできるがSS版と異なり鳥に掴まって飛ぶものに変更された。 --そのためか全体的に火力がかなり落ちている。通常攻撃は貧弱でサブウェポンが無いとかなり苦しい。またサブウェポンも一部はあまり役に立たないという始末。 ---とは言え、このおかげでリヒターを止められずアルカードに制止を依頼するという展開が納得できるようにはなった。 --また、アルカードやリヒターのように無敵判定のある技もない。 ---リヒターのタックルと同じコマンドで前転ができるが、早く移動できるわけでもなく、敵にぶつかった際あと一撃で倒せない状態だとこちらもダメージを喰らう誰得仕様。 --もっとも、通常攻撃で倒せる敵も少なくない上、機動力は他の二人に比べてもかなり高めであり、普通に遊べるレベルではある。 ---他の二人と違いダッシュ無しでも早く移動でき、ダッシュはワンボタンかつ空中でも出来るので空中での横移動はかなり快適。 ---地味にサブウェポンを二つ所持する事も出来る。 --ちなみにボスの方のマリアも上記の変更点に合わせる形となりSS版とは全面的に別物。実質的に「''見た目だけはSS版と同じだが中身は別物''」といった感じである。 ---前後のやりとりはSS版と変わらないが、怪物図鑑の記述は異なる。後、SS版よりレベルが2低い(SS版:48、PSP版:46)。 -一部の曲が差し替えられている。 --マリア戦のBGMが「Guardian」で無くリヒター戦と同じ「異形の血族」になった。 ---「Guardian」はSS版限定のBGMでサントラにも収録されておらず人気も高いので、収録されなかったのは惜しいところである。 --またエンディングテーマも山根ミチル氏による新曲「哀悼のセレナーデ」に差し替えられている。 -初期装備持ち越しバグが緩和された。 #region(ネタバレ防止、ゲームバランス崩壊技なので注意) ~ -オリジナルでは「X-X!V''Q」ネームでスタートしデスに装備を剥ぎ取られる通路の前で「ワザと大ダメージを受けて吹っ飛ばされることで通路を強行突破」して装備を持ち越すというもの。 --LCK以外はステータスが低くなってしまうという仕様を付いた技(ステータスが高いと吹っ飛ばない)であり、ゲーム全体において慎重なプレイを必要とされる事からバランス崩壊にはかろうじて((装備が強力なのでカバーが可能、高LCKのおかげでクリティカルやアイテムドロップが頻発、お金も回復アイテムや魔道書購入くらいしか使わないのでゴリ押しが効き易いという一面もある。))なっていなかった。 -今作では直前の部屋からジャンプして通路に入り''着地する前に部屋に戻る''事で装備を持ち越せる。 --「「X-X!V''Q」吹っ飛びバグ」と違い、ステータスは通常の能力が適用され特にテクニックも必要とされないので完全なイージーモードとしてプレイすることが可能。 ---一方オリジナル版でこのバグで用いられていた「X-X!V''Q」に関してはクリティカル乱発やアイテムコンプリートが容易になる面が残っているので利用価値は下がったものの相変わらず有効な裏技である。 #endregion ---- **総評 原作の良い所を損なわず、更にボリュームアップを図った良リメイク。~ またPCE版『血の輪廻』とシリーズの転換点となった『月下の夜想曲』もまるまる遊べて、かなりお得である。~ 古参ファンから悪魔城シリーズに初めて触れる人まで幅広くお勧めできる作品になっている。 ---- ---- **余談 -海外では『血の輪廻』が発売されておらずSFC移植の『[[悪魔城ドラキュラXX]]』のみが発売されていた。そのため海外ファンは本作の登場で初めて『血の輪廻』に触れることが出来るようになった。 --正式な英名も定められ、『Castlevania:Rondo of blood』となった。つまり日本語とほぼ同様。~ ちなみに『月下』のプロローグ同様、最終面のタイトルは「Bloodline」となっている。日本語版最終面「血の輪廻」のようにゲームタイトルが再掲される演出が採用されなかったことになるが、これは海外では実は[[このタイトルは使用済みだった>バンパイアキラー]]ためと見られる。 --海外版の本作に収録されている『血の輪廻』では、デモシーンの音声も(Xクロニクル本編からの流用という形だが)英語に変更されている。細かい字幕等も日本語から英語に変わっている。 --2010年にWiiのVCでPCE版が配信された。PSP収録版と違いVCの仕様上日本版そのままのためデモーシーンも日本語音声だけで、字幕表示もされない。 -本作収録版の『月下の夜想曲』(『Castlevania:Symphony of the Night』)の方も当時発売されたPS版とはかなり仕様が異なり、移植というよりは''1からローカライズを開発し直した''という方が適切なほど変更点が多い。 --当時の海外PS版では一部の使い魔が登場していなかったが本作では全て登場する。それに伴い変更されていた魔導器の配置も全て日本語版と同じに戻された。 --また、ボイスが全て録り直され、訳もかなり変わっている((例えば、「滅びよ!ここはお前の住む世界ではない」が英語ではPS版は「Die monster. You don't belong in this world!」、Xクロニクルは「Dracula. Die now, and leave this world! You'll never belong here!」となっている。))。Xクロニクル本編とのキャストを統一するのが目的だったと見られるが、本編には登場しないアルカードもきっちり全て録り直されている。~ ちなみに新キャストは概ね日本語版の声優に近い声質の役者を選んだようだ((PS版では「ドラキュラより渋い声のアルカード」とネタにされるなどかなり印象に差異があり、海外でも吹き替えの評価は芳しくなかった。))。リヒターとアルカードの新キャストは後の『HoD』『スマブラSP((英語音声はリヒターはルフレ(男)、アルカードはマルスとキャストが同じだったりする。))』でも続投した。 --マップ切り替え時の表示など他の部分も細かい修正が入っている。 -主人公リヒターの声優は『月下の夜想曲』と同じく梁田清之氏が担当している…のだが、10年の時を経て氏の声質がかなり変わったため『月下』のイメージとはかなり異なった声になっている。 --ちょうど本作には『月下』が収録されているので、聞き比べて見るのも面白いだろう。 -後にPS4で配信された『悪魔城ドラキュラXセレクション 血の輪廻&月下の夜想曲』は一見するとオリジナル版の移植に見えるが、どちらのタイトルもインターフェイス面や一部変更された仕様など本作と共通している部分が多いため、実質的に[[PSP移植版の再移植>グラディウス ポータブル/パロディウス PORTABLE]]という事になっている。 --日本人からすれば違和感のあるやり方だが、海外では上記の通り本作でローカライズが作り直されていることから考えると今更古いバージョンを出すわけにはいかないという事情もあるのだろう。
*悪魔城ドラキュラ Xクロニクル 【あくまじょうどらきゅら えっくすくろにくる】 |ジャンル|アクション|&amazon(B000TKWVG2)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |メディア|UMD 1枚|~| |発売・開発元|コナミデジタルエンタテインメント|~| |発売日|2007年11月8日|~| |定価|4,980円|~| |プレイ人数|1~2人|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |廉価版|コナミ・ザ・ベスト:2009月10月8日/2,940円&br()ベストセレクション:2010年7月15日/1,980円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[悪魔城ドラキュラシリーズリンク>悪魔城ドラキュラシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 1993年にPCEで発売された『[[悪魔城ドラキュラX 血の輪廻]]』のリメイク。~ 内容は原作と同じく、FCD版初代『[[悪魔城ドラキュラ]]』に近いステージクリア型のアクションゲームであるが、~ 本作は原作を3Dグラフィックにし、様々な追加要素を盛り込んだアレンジ移植である。~ また原作である『血の輪廻』、原作の続編である『[[悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲]]』も収録されており、条件を満たすと遊ぶことができる。 ---- **特徴 『血の輪廻』の記事でも説明されているのでそちらも参照していただきたい。 -グラフィックはすべて3Dに書き直されたが、ゲーム内容はステージクリア型の2Dアクション。ステージ途中にはルート分岐があり、進んだルートによってボスが異なる。異なるルートのボスを倒した場合は裏面に進む(一部ステージを除く)。 --分岐して裏面に進んだ場合、ステージナンバーに「'」が付く。 --原作からして高い頭身のドットで表現されていたこともあり、人物はリアル頭身で表現される。 -使用できるキャラは主人公の「リヒター・ベルモンド」と女性キャラである「マリア・ラーネッド」の二人。 --性能はマリアの方が上なので、初心者はこちらで攻略するのがオススメ(救出しないと使えないが)。 -データごとに「達成率(%)」が記録される。最高は100%で、ボスを倒したり、特定のアイテムを集めたり、キャラを助けたりする度に増える。 --当然、ただクリアするだけでは100%にはならない。ステージを隅々まで探索する事が求められる。 ---- **改良点・追加要素 -敵の配置やキャラの挙動などが微調整され、原作より更に遊びやすくなった。 --ただ決して簡単なゲームではなく、アクション初心者には少し厳しい難易度ではある。また原作より難しくなっている箇所もある。 --ステージ内で集められるお金を払って見れるボス戦のお手本動画や、ほぼ上位互換キャラのマリア等の初心者救済要素はある。また原作同様何度も挑戦する事で上達し、クリアできるバランスにはなっている。 -会話シーンの追加やボスの登場ムービーの追加等、演出面が強化された。 --原作のビジュアルシーンと違い、これらは初回プレイでもスキップ可能であり、テンポを損なっていない。 -原作にあった探索要素の強化 --新たな仕掛けとして「赤い骸骨の壁」「水晶の壁」が追加。特定の条件を満たさないと壊せない。 --「サウンドアイテム」という収集要素が追加。入手するとアイテムの番号に応じた音楽がサウンドモードで聞けるようになる他、後述の「サウンドアサイン」で使えるようになる。 ---手に入るサウンドは原作のものはもちろん、『月下の夜想曲』のBGMもある。 --また、原作では達成度(%)とビジュアルシーンぐらいしか特典しか無かった女性キャラの救出が、探索において重要な役割を発揮するようになった。 -ステージごとにクリアタイムが記録されるようになり、各ステージごとでのタイムアタック的な遊びができるようになった。 --記録タイムはリヒターとマリアでそれぞれ別々。 -エンディングが分岐するようになった。 --特定の条件を満たさないとあるステージで原作とは違ったボスが現れ、バッドエンドルートに進む。 --一方、条件を満たすとグッドエンドルートになるが、ラスボスに第3形態が追加される(原作は第2形態まで)。この第3形態はかなり強く、原作でも''弱い''と言われた第1~2形態より難易度が高く、ラスボスらしい強さに仕上がっている。 -「STAGE5'」の内容が大幅に変わった。 --原作では背景が他のステージの使い回しで、ボスもいなかったが今作では新たに作り直され、ボスも追加された。 ---条件を満たすとバッドエンドルート限定のボスとも戦える分岐へ行けるようにもなる。 --難易度はかなり高めだが、クリアや探索をしなくてもエンディング条件には影響しない(当然達成率には影響する)。 --ちなみに同ステージは完全に別物では無く、ステージの基本的なギミックなどは取り入れられつつもアレンジされている。 ---難所の一つだったグレートアーマーx2戦やルート分岐の存在など、オリジナルへのリスペクトともいうべき箇所も見受けられている。 -キーコンフィグが追加された。 --変更した内容は『血の輪廻』でも適用される。また『[[SFC版>悪魔城ドラキュラ (SFC)]]』のように、ワンボタンでサブウェポンを発動させる設定にすることも可能。 -サウンドアサイン --簡単に言うと、ステージで流れるBGMを変更できる機能。前述のサウンドアイテムを集めると変更できる音楽が増えていく。 --変更可能な音楽のラインナップはXクロニクル本編に加えて、同時収録の血の輪廻と月下の夜想曲の3作。また特定の条件を満たすと3作に未収録の楽曲が追加される。 -ボスラッシュモード --サブウェポンとハートの置かれた準備部屋とボスステージを交互に進んでいくモード。 --ランダムにボスが選ばれる「ランダムラッシュ」、表と裏それぞれのボスと順番に戦う「表ルートボスラッシュ」「裏ルートボスラッシュ」、ラスボスを含めすべてのボスと戦う「フルラインナップラッシュ」の4つがある。 --クリア時にはタイムが記録され、一定のタイム以内にクリアすればサウンドアイテムやゲームアイテムが貰える。 --アドホック通信に対応しており、2人で協力して挑戦する事も出来る。 -オリジナルゲーム『血の輪廻』『月下の夜想曲』の収録。 --両作品とも本編で道中に落ちているゲームアイテムを入手する事でプレイ出来るようになる。ゲーム内容は省略されておらずほぼそのまま。 --『月下の夜想曲』はPS版がベースだが、SS版にあったマリアとの対決イベントやマリア・ラーネッドでのプレイが追加されている。ただし他のSS版の追加要素はこちらにはなく、マリアもSS版とは全く仕様が異なっている(後述)。 --また両作品とも中断機能、タイトルに戻る機能が追加されている。 --余談だが原作で、古いシステムカードを使うと遊べた『あくまぢょおどらきゅらX(ペケ)』も収録されている(当然メッセージは変更されている)。 -日本語・英語で言語変更が可能。 --Xクロニクル本編はもちろん、オリジナルゲーム2種にも適用される。ちなみに字幕は日本語のまま。 --『血の輪廻』は本編の流用という形ながらも本作が初ローカライズ。流石に元のPCEのボイスの音質の悪さまでは再現されていないがやむを得ないだろう。 --『月下の夜想曲』も本作でほぼローカライズが作り直しとなった関係で全てボイスが新録されている(詳細は余談の項を参照)。 ---- **賛否両論点 ''Xクロニクル本編'' -原作では当時の『[[ときめきメモリアル]]』でも使用されていたアニメタッチのデザインが採用されていたが、本作ではそれが廃され小島文美氏によるシリアスタッチのイラストになった。 --しかし、ほぼ全員タッチが変わっただけでなくデザイン、声優、イベントシ-ンでの演技も大きく変わっているので、原作に思い入れがある人には少々辛いものがある。 --もっとも、原作のアニメデザインも賛否両論であり、本作での変化を喜んで受け入れるファンも存在する。 --マリアのロングヘアーやスカートがなびく動きなどを3Dで表現するのが難しかったのもデザインが変わった理由の一つ。 -音楽もすべてアレンジされている。中には原作とかけ離れたアレンジがなされた曲や、曲自体が差し替えられているものもある。 --決して出来が悪いわけではないが、原作もCD-DAによりクオリティの高いBGMが作られていたため、どちらが良いかはこれも好みによるだろう。 --BGMそのものも一部変更されているものがあり、STAGE5'がステージごと差し替えられた関係で『Op.13』がサウンドアサイン限定((Xクロニクル用の新規アレンジ自体は用意されているが、クリア率100%達成が入手条件となっている。))になってしまったのは惜しむ声が多い。~ またSTAGE7のBGMであった『巣窟』も[[X68000版>悪魔城ドラキュラ (X68000)]]の楽曲『MoonFight』に差し替えとなり、新規アレンジも用意されなかった(原曲は収録されている)。 --一応サウンドアサインを使えば原作の曲に出来る(もっとも、そのためにはサウンドアイテムを集める必要があるが)。 -『血の輪廻』のリメイク版であるXクロニクル本編では原作に比べ探索要素が掘り下げられているのだが、その反面初見のアクション初心者やシリーズ入門者といったプレイヤーに対しては原作よりも不親切な仕様・仕掛けが増えており、良く言えば「歴代のファン向け」、悪く言えば「一見様お断り」と言った調整となっている。 --上記の通り本作で原作『輪廻』をプレイするためには、Xクロニクルの裏ルートのステージでアイテムを入手しなければならない。しかし先に本リメイクをある程度やっておかないと『輪廻』をすぐにプレイできないにもかかわらず、寧ろ『輪廻』を先にプレイし仕掛けや戦い方を覚えていないと対処法が分かり辛い様な構成になっているものも多い。 -グラフィックが2Dから3Dに変化しリアリティは向上したものの、初見の状態でも敵の攻撃の軌道の回避方法や仕掛けの対処法が察し易かった原作に比べるとリメイクの方は視認性が悪くなってしまっているものがある。 --例として骨柱の炎やドラキュラの炎などの視認性が原作よりも悪く、輪廻含む悪魔城シリーズをある程度経験し、炎の軌道の規則性を予め理解しておかなければ回避方法を見出し辛い様な構成になってしまっている。((原作では視認性が良いため対処しやすく、更にドラキュラの炎に関してはリヒターの背丈とほぼ同じ位の高さがある事が視覚的に分かりやすいため、「ドラキュラにダメージを与えつつ炎を避けたいが、鞭で炎を消して避けるのは難しいし、通常ジャンプでも中々避けられない。ならば通常より高く跳べるバック宙を利用し、鞭のリーチギリギリで素早く攻撃した後にドラキュラ側へと跳べばもしかすると…」といった感じで難易度の低い回避法がプレイヤーに遠回しに伝わる様な構成になっている。)) ---カエルの石像の仕掛けも変更。原作では「比較的敵が湧かない安全な場所に目立つカエル像があり、そこに鞭を当てて仕掛けを起動させる」というライトユーザーでも比較的気付き易い様な配慮がされた構成だったのに対し、リメイクの方では「カエル像が載っていないステージ端の石像まで、''該当石像より前の位置に出現する''色違いの敵カエルを誘導する((おまけにカエルは一度倒すとそのままでは復活せず、復活させるためにはプレイヤーが死んでミスをしたり、中断セーブを使いステージ前半までやり直す等しなければならない))」という初見殺し気味なものに変更されている。 --但しテラ救出のための階段の入口は原作よりも分かりやすくなっている。 -原作『輪廻』と異なりアネットを救出するためには他ステージに囚われている女性2人の救出も必須になった。 --リメイクとして原作プレイヤーの意表を突く、という点では必ずしも悪いと言える訳ではないが、ゲーム終盤のステージ6開始前に囚われた彼女の描写があり、プレイヤーが彼女の救出に意欲的になる様な演出があった原作((Xクロニクルでは無くなりステージ1で攫われる演出に変更))や、救出難易度は高いが「あそこで穴に落ちてしまったのが原因だったのだろうか」「鍵を長い間保持していればどこかに入れる部屋があるかもしれない」などと言った様に考え攻略することで、自ずと救出ルートに進む様な導線が引かれていたSFCの『[[XX>悪魔城ドラキュラXX]]』に比べると、上記した様にシリーズ入門・初心者に対しては少々不親切になっている。 #region(詳細 救出しなかった場合のネタバレ注意) -隠された鍵の隠し部屋に行きアネットを救出しておかないと、「XX」の様にドラキュラの手にかかり敵と化したアネットと戦わなければならず、更にドラキュラ自体も倒しきれずにバッドエンド直行となる。 --しかし救出できなかった際に「なんでもっと早く助けに来てくれなかったんだ」という旨のアネットの台詞があり、(攫われたステージ1での事を指しているのかもしれないが、)各ステージを時間をかけてじっくり探索する必要がある救出条件に対してこの台詞がイマイチ噛み合わず、更に直前にある鍵の部屋は他女性を助けない限りダミーのハズレ部屋にしか入れないなど全体的に理不尽気味な演出が多く、原作に比べ暗くなった作風も相まって初見プレイヤーのアネット救出の意欲を削ぐ様な構成になってしまっている。 ---一応バッドエンド後には「多くの女性を救出すると出現する隠しボスを倒せば先に進める」という旨のヒントメッセージも表示されるが… --原作『輪廻』では助けなくてもドラキュラを倒してノーマルエンドに進める上に、上記リメイク版のダミー部屋がこちらではアネットがいる正解の部屋のため救出難易度自体も低い。助けないとバッドエンドになる『XX』でもドラキュラ自体は倒す事ができる上、上記した様に強制はしないができるだけ救出を促す様な構成になっている。 #endregion ---- **問題点 ''Xクロニクル本編'' -グラフィックが3Dになった弊害で、ドット絵でははっきり見えていた仕掛けや敵の配置が見辛くなっている部分がある。 -フレームレートが30fpsと2DACTとしてはやや低く、精密な動作を要求される場面では入力に重さを感じやすい。 --ちなみに同時収録の『血の輪廻』『月下の夜想曲』は原典通り60fpsで動作する。 ''血の輪廻'' -ゲーム開始時のデモの音声がXクロニクル本編と同じものに差し替えられている。 -ビジュアルシーンにおいて音ズレが発生している。そのため、キャラの声と口の動きが合っていないシーンも。 --ディスクアクセスに起因するものなのか、ダウンロード版では音ズレしない。 -ステージボス撃破後に魔力の結晶を取得した際にキャラ動作がスローモーションにならない。 --一方、Xクロニクル本編の方では魔力の結晶を取得するとスローモーションになる点が再現されている。のだが「リメイクで再現出来た物が同時収録されている筈の原作では出来なくなった」とはいかがなものか。 ''月下の夜想曲'' -霧変身のキー設定が「狼変身のボタンと蝙蝠変身のボタンの同時押し」に固定されてしまっている。 --デフォルトでは狼変身がL、蝙蝠変身がRなので、設定画面では便宜上「L+R」と表示されているがこれ以外の組み合わせでも変身は可。 --恐らくL2、R2ボタンが無いことによる仕様変更なのだろうが、アーカイブス版ではアナログパッドで代用できる。本作では本編での設定でアナログパッドに操作を切り替えることが出来るので、その弊害で代用が出来なかったものと思われる。 --更に厄介なのは、これらのボタンを押し続けないと変身を維持できないということ(PS版ではワンタッチで変身/解除できた)。 -効果音のキーが原作と異なる。 -マリアモードでのマリアの性能がSS版と大きく異なっているが、その性能があまり良くない。 --エネルギー弾を撃ったりコマンドで四聖獣を召喚するなどかなりはっちゃけていたが、今作では血の輪廻に準じた性能に変更された。 ---通常攻撃は鳥で、四聖獣もサブウェポン扱い。急降下キックが可能。ハイジャンプもできるがSS版と異なり鳥に掴まって飛ぶものに変更された。 --そのためか全体的に火力がかなり落ちている。通常攻撃は貧弱でサブウェポンが無いとかなり苦しい。またサブウェポンも一部はあまり役に立たないという始末。 ---とは言え、このおかげでリヒターを止められずアルカードに制止を依頼するという展開が納得できるようにはなった。 --また、アルカードやリヒターのように無敵判定のある技もない。 ---リヒターのタックルと同じコマンドで前転ができるが、早く移動できるわけでもなく、敵にぶつかった際あと一撃で倒せない状態だとこちらもダメージを喰らう誰得仕様。 --もっとも、通常攻撃で倒せる敵も少なくない上、機動力は他の二人に比べてもかなり高めであり、普通に遊べるレベルではある。 ---他の二人と違いダッシュ無しでも早く移動でき、ダッシュはワンボタンかつ空中でも出来るので空中での横移動はかなり快適。 ---地味にサブウェポンを二つ所持する事も出来る。 --ちなみにボスの方のマリアも上記の変更点に合わせる形となりSS版とは全面的に別物。実質的に「''見た目だけはSS版と同じだが中身は別物''」といった感じである。 ---前後のやりとりはSS版と変わらないが、怪物図鑑の記述は異なる。後、SS版よりレベルが2低い(SS版:48、PSP版:46)。 -一部の曲が差し替えられている。 --マリア戦のBGMが「Guardian」で無くリヒター戦と同じ「異形の血族」になった。 ---「Guardian」はSS版限定のBGMでサントラにも収録されておらず人気も高いので、収録されなかったのは惜しいところである。 --またエンディングテーマも山根ミチル氏による新曲「哀悼のセレナーデ」に差し替えられている。 -初期装備持ち越しバグが緩和された。 #region(ネタバレ防止、ゲームバランス崩壊技なので注意) ~ -オリジナルでは「X-X!V''Q」ネームでスタートしデスに装備を剥ぎ取られる通路の前で「ワザと大ダメージを受けて吹っ飛ばされることで通路を強行突破」して装備を持ち越すというもの。 --LCK以外はステータスが低くなってしまうという仕様を付いた技(ステータスが高いと吹っ飛ばない)であり、ゲーム全体において慎重なプレイを必要とされる事からバランス崩壊にはかろうじて((装備が強力なのでカバーが可能、高LCKのおかげでクリティカルやアイテムドロップが頻発、お金も回復アイテムや魔道書購入くらいしか使わないのでゴリ押しが効き易いという一面もある。))なっていなかった。 -今作では直前の部屋からジャンプして通路に入り''着地する前に部屋に戻る''事で装備を持ち越せる。 --「「X-X!V''Q」吹っ飛びバグ」と違い、ステータスは通常の能力が適用され特にテクニックも必要とされないので完全なイージーモードとしてプレイすることが可能。 ---一方オリジナル版でこのバグで用いられていた「X-X!V''Q」に関してはクリティカル乱発やアイテムコンプリートが容易になる面が残っているので利用価値は下がったものの相変わらず有効な裏技である。 #endregion ---- **総評 原作の良い所を損なわず、更にボリュームアップを図った良リメイク。~ またPCE版『血の輪廻』とシリーズの転換点となった『月下の夜想曲』もまるまる遊べて、かなりお得である。~ 古参ファンから悪魔城シリーズに初めて触れる人まで幅広くお勧めできる作品になっている。 ---- ---- **余談 -海外では『血の輪廻』が発売されておらずSFC移植の『[[悪魔城ドラキュラXX]]』のみが発売されていた。そのため海外ファンは本作の登場で初めて『血の輪廻』に触れることが出来るようになった。 --正式な英名も定められ、『Castlevania:Rondo of blood』となった。つまり日本語とほぼ同様。~ ちなみに『月下』のプロローグ同様、最終面のタイトルは「Bloodline」となっている。日本語版最終面「血の輪廻」のようにゲームタイトルが再掲される演出が採用されなかったことになるが、これは海外では実は[[このタイトルは使用済みだった>バンパイアキラー]]ためと見られる。 --海外版の本作に収録されている『血の輪廻』では、デモシーンの音声も(Xクロニクル本編からの流用という形だが)英語に変更されている。細かい字幕等も日本語から英語に変わっている。 --2010年にWiiのVCでPCE版が配信された。PSP収録版と違いVCの仕様上日本版そのままのためデモーシーンも日本語音声だけで、字幕表示もされない。 -本作収録版の『月下の夜想曲』(『Castlevania:Symphony of the Night』)の方も当時発売されたPS版とはかなり仕様が異なり、移植というよりは''1からローカライズを開発し直した''という方が適切なほど変更点が多い。 --当時の海外PS版では一部の使い魔が登場していなかったが本作では全て登場する。それに伴い変更されていた魔導器の配置も全て日本語版と同じに戻された。 --また、ボイスが全て録り直され、訳もかなり変わっている((例えば、「滅びよ!ここはお前の住む世界ではない」が英語ではPS版は「Die monster. You don't belong in this world!」、Xクロニクルは「Dracula. Die now, and leave this world! You'll never belong here!」となっている。))。Xクロニクル本編とのキャストを統一するのが目的だったと見られるが、本編には登場しないアルカードもきっちり全て録り直されている。~ ちなみに新キャストは概ね日本語版の声優に近い声質の役者を選んだようだ((PS版では「ドラキュラより渋い声のアルカード」とネタにされるなどかなり印象に差異があり、海外でも吹き替えの評価は芳しくなかった。))。リヒターとアルカードの新キャストは後の『HoD』『スマブラSP((英語音声はリヒターはルフレ(男)、アルカードはマルスとキャストが同じだったりする。))』でも続投した。 --マップ切り替え時の表示など他の部分も細かい修正が入っている。 -主人公リヒターの声優は『月下の夜想曲』と同じく梁田清之氏が担当している…のだが、10年の時を経て氏の声質がかなり変わったため『月下』のイメージとはかなり異なった声になっている。 --ちょうど本作には『月下』が収録されているので、聞き比べて見るのも面白いだろう。 -後にPS4で配信された『悪魔城ドラキュラXセレクション 血の輪廻&月下の夜想曲』は一見するとオリジナル版の移植に見えるが、どちらのタイトルもインターフェイス面や一部変更された仕様など本作と共通している部分が多いため、実質的に[[PSP移植版の再移植>グラディウス ポータブル/パロディウス PORTABLE]]という事になっている。 --日本人からすれば違和感のあるやり方だが、海外では上記の通り本作でローカライズが作り直されていることから考えると今更古いバージョンを出すわけにはいかないという事情もあるのだろう。

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