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ホームベーシック

【ほーむべーしっく】

ジャンル プログラミング言語
対応機種 SC-3000/SG-1000+SK-1100
発売元 セガ・エンタープライゼス
開発元 セガ・エンタープライゼス
マイテック
発売日 1985年8月15日
定価 ホームベーシック:9,800円
ホームベーシックLEVELIIB:7,000円
搭載RAM容量*1 ホームベーシック(16KB)
ホームベーシックLEVELIIB(不明*2)
判定 なし


概要

過去にセガハード系で発売されたBASICカートリッジの後継となるソフト。
前年にファミリーコンピュータで発売された『ファミリーベーシック』の影響を受けていると思われるところがあり、本製品はゲーム作成に特化したソフトとなっている。


特徴

起動すると、スタート画面が表示される。なお、リセットボタンを押すことでいつでもスタート画面に戻ることができる*3

  • シュートゲーム
    • 固定画面のシューティングゲームで、画面上に表示されているフルーツターゲットを全部取得でステージクリアとなるゲーム。
    • 画面背景はBASICで共有しており、またBASICでメモリの値を修正することでゲームの設定を変更可能。
  • けいさんボード
    • キーボードで数字や演算子を入力して計算ができるモード。
    • 四則演算や小数点にも対応しているが、入力・計算できる数字は整数部8桁・小数部8桁まで。
  • BASIC
    • BASIC言語を使ってプログラミングができるモード。命令セットは過去製品のBASIC LEVELIII基準であるが扱える数値は整数のみの整数型BASICとなったため値が小数を扱うような命令(数学関数など)は削除・仕様変更された。扱える数値は-32768~32767で、配列は2次元まで。
      • なお命令体系が変更されたこともあってか、ファンクションキーによる入力支援機能は廃止された。
    • キャラクターサイズが6x8から8x8に変更になり*4、ひらがなの表示が可能になった*5
    • PLAY文によるMMLの演奏やスプライトの衝突割り込み処理判定が追加されてよりゲーム向けに特化した形になった。
    • 過去製品同様、別売りの「データレコーダ」を使用することで、カセットテープにプログラムデータを保存することもできるほか、VRAMの内容*6についても保存ができるようになった。
  • パターンのへんこう
    • スプライトのエディットを行うモード。GUIでドットの操作を行うことでスプライトの定義が可能。
    • またスプライト定義用のコマンドに利用するデータに変換する機能も有している。

評価点

  • ゲーム機でプログラミングができる。
    • 過去製品同様、お手軽にプログラミングができるのは大きな利点。ソフト本体もそこまで高価ではないのでハードルは低い。
    • 搭載RAM容量も16KBと比較的大きく、過去製品の最上位製品ほどではないにせよそこそこ大規模なプログラムの構築が可能。
  • GUIによるスプライトのエディットが可能。
    • スプライトのエディットをGUI形式で行うことが可能で、視覚的にスプライトを作成できるようになった。
      • 作成したスプライトをスプライト定義命令のデータに変換する機能もあるため、PCG機能の変換データとして流用することも可能。
    • また、シュートゲームが収録されている関係上プリセットで用意されているスプライトもあるのでゲーム制作の助けにできる。
  • BASICの高速化
    • BASICが整数型になったことで処理が高速化し、BASICだけでも前作に比べゲームは作りやすくなった。
    • また、PLAY文の追加によるMML演奏やスプライト衝突割り込み命令が追加されたことでさらにゲームを作りやすくなった。
    • VRAMのデータも直接セーブ/ロードできるようになったため、プログラムでの定義を介さずに背景画面・スプライトパターンの読み込みを直接行えるのも地味にありがたい。

問題点

  • カートリッジ内にプログラムの保持ができない。
    • 本作発売時点でははまだカートリッジへのバックアップが一般的ではないうえ、搭載しているRAMがそれなりに大容量な分バックアップ機能を搭載するのはコストの面から困難なため仕方がないところはある。
  • BASIC言語故に動作が遅い。
    • 高速化のために整数型に変更になったとはいえ、それでも言語の性質上遅いのは仕方がない部分はある。
  • ファンクションキーによるコマンド入力支援ができない。
    • これに関しては過去製品から命令体系が変更・削除されたため仕方のない側面はある。
  • 過去製品のBASIC LEVELII/LEVELIIIとの互換性に若干難あり。
    • 基本的な命令セットはほぼ同一なものの、整数型ゆえに値の範囲が狭く、実数を扱うことができないため処理を変更する必要がある。
    • また、ひらがな表示可能になったのと引き換えにキャラクタサイズが6x8から8x8に変更になり、1画面の文字表示数も変わったため、テキスト画面を利用したプログラムでは画面構成の変更が必要になってくる。
  • けいさんボードの存在意義が微妙。
    • 8桁の数字までしか扱えず四則演算しかできないけいさんボードは実用性が微妙。
    • 実際本作を購入しているユーザーであれば過去製品も購入している可能性が高く、実数計算を行うのであれば使用できる数値の範囲が広く数学関数がそろっているそちらを使うのが便利。

総評

過去製品の実行速度の遅さやゲーム作りに不利な仕様を改善し、サンプルゲームも搭載したことでよりゲームを作りやすくなった点は評価できる。
また、競合するファミリーベーシックに比べてフリーエリアも格段に大きく、単色スプライトであるがスプライトの内容及びキャラクターを変更可能なのでゲーム制作の自由度に関しては十分戦える性能ではあった。
ただ当時としてはホビーパソコンの進化も早く、競合となるMSXについても価格が安価になっていた*7ため価格優位性がなくなっていたこともあってあまりインパクトを残せなかった。そういう意味では発売時期に恵まれなかった製品ともいえる。

最終更新:2026年02月22日 08:45

*1 ただし実際のフリーエリアはシステムのワークエリアとして利用している分が消費される。

*2 製品価格と過去製品の関係からおそらく3KBだと思われるが情報がないため不明。

*3 なお、本製品は過去製品とは異なりリセットボタンを押してもVRAMのデータはクリアされない。

*4 ただしテキストモードの表示範囲は38x24から29x24に変更された。

*5 ただし過去製品にあったグラフィック文字を置き換える形になったためグラフィック文字は大幅に削除された。

*6 キャラクターやスプライト、グラフィック画面のデータが対象

*7 MSX陣営では前年の1984年10月17日に発売されたカシオのPV-7がSC-3000のと同価格の29,800円で発売、翌年にはRAMを増強したPV-16が同価格で発売されている。