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メトロイドプライム4 ビヨンド

【めとろいどぷれいむふぉー びよんど】

ジャンル ファーストパーソンアドベンチャー
対応機種 Nintendo Switch
発売元 任天堂
開発元 Retro Studios
発売日 2025年12月4日
定価(税込) パッケージ版: 7,128円
ダウンロード版: 7,100円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:B(12才以上対象)
判定 なし
ポイント 実に17年ぶりのナンバリング続編
『プライム』シリーズらしさが満載
ついにライバルになるサイラックス
ソルバレイでの移動や収集要素に難あり
ストーリーは「次回に続く」
メトロイドシリーズ

メトロイドプライム4 ビヨンド Nintendo Switch 2 Edition

【めとろいどぷれいむふぉー びよんど にんてんどー すいっち つー えでぃしょん】

対応機種 Nintendo Switch 2
定価(税込) パッケージ版: 8,128円
ダウンロード版: 8,100円
備考 Switch版を所持している場合は、
アップグレードパスを購入すれば
税込1,000円でSwitch2版を遊べる
ポイント 4K/60fpsに対応
Joy-Con 2のマウス操作も可能

※共通部分は省略



概要

任天堂が販売する『メトロイド』シリーズ内の分家筋と言える3DFPA(ファーストパーソンアドベンチャー)『メトロイドプライム』シリーズの最新作。
本作に関する初報はSwitchの発売初年度であった2017年の6月に公開されたのだが、そこから開発会社の変更などもあり開発は難航。
最終的に発売されたのは初報から8年以上も経過し次世代機であるSwitch2が発売された後の2025年12月となった。

本作は『Nintendo Switch 2 Edition』も発売されており、マウス操作などこのエディション独自の機能も存在するが、ストーリーやゲームとしてのボリュームには違いはないため、本項では併せて紹介する。


ストーリー

コスモ歴20X9年。

デラソン系の惑星タナマールにある
銀河連邦UTO研究所が、
サイラックス率いるスペースパイレーツ軍の
襲撃を受けた。

研究所からの救援要請を受け、
連邦本部は近辺の調査任務についていた
サムスを急行させる。
(公式サイト「STORY」より引用)


特徴

  • これまでのナンバリング作同様、主人公であるサムスを操作して探索・謎解き・戦闘を軸に進行する。
    • 『プライム』シリーズの特徴と言えるバイザーは、通常時のコンバットバイザーとおなじみスキャンバイザーの2種類。この内スキャンバイザーは、序盤にサイキック能力を使うための「サイキック・スキャンバイザー」にアップグレードされる。
    • ミサイルタンクや属性チャージショットなどの隠されたアイテムを集めてサムスを強化する収集要素も健在。「グリーンクリスタル」という鉱物を破壊してエネルギーを集めると段階的にご褒美が貰えるという回収専用のアイテムも追加されている。
      • プライム3』同様、ゲームを終盤まで進めることでアイテムが隠れている場所をマップに表示する機能も解放される。

サイキック能力

  • ストーリー冒頭の後にサムスは惑星ビューロスに飛ばされ、そこで新たに入手する能力。
    • もっとも大半の能力は名前にサイキックと銘打たれているだけでボムやグラップリングビームなどほぼ過去作でも定番の能力である。
    • 大きな新要素と言えるものが「サイキック・コントロールビーム」。これは発射後のチャージビームの弾道を自由に操作できる能力で、操作中は時間の流れが遅くなるため大型の敵や高速移動する相手の特定の部位の狙い撃ったり、通常射撃の射線が通らない位置にあるギミックを起動するのに使える。
      操作感覚としては『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』に登場するビートルが近い。
      • なお、コントロールビームはスキャンバイザー中にしか使えないため、本作では戦闘中においてもスキャンバイザーへの切替を多用することになる。

ヴァイオラ

  • ある程度ゲームが進行すると入手できるバイク型の乗り物。
    • 本作では惑星ビューロスの各エリアは広大な砂漠である「ソルバレイ」を介することで接続されており、ここではヴァイオラに搭乗して移動できる。
    • ヴァイオラは搭乗可能な場所であればいつでも自由に乗り降り可能で、搭乗中は自動追尾弾である「プロジェクタイル」や体当たり攻撃の「パワースライド」が使用可能。

銀河連邦兵

  • 惑星ビューロスの各地にはサムスと同様にタナマールから飛ばされてきた連邦兵が複数名おり、各エリアの一部の場面では協力して敵との戦闘やギミックの攻略を行うことになる。
    • 同時行動中はサムスのみならず連邦兵の体力も表示され、体力が尽きるとダウンし、その状態で敵の攻撃を受けるとゲームオーバーとなる。
      • ダウンした連邦兵はサイキックバイザーを使うことで回復可能。
    • 各連邦兵はステージクリア後は拠点に移動するため、探索する上で常時連邦兵を連れまわすことはなく、同行機会はストーリー進行に依存している。

評価点

  • 引き継がれた『プライム』らしさとファンサービス要素
    • 間に『フェデレーションフォース』を挟んだとはいえ、ナンバリングとしての前作『プライム3』からは実に17年も空いてしまったが、これぞ『メトロイドプライム』というシリーズの基礎は抑えている。
    • ストーリー的には新章の幕開けだが、ゲームとしての武装やギミックは『プライム』の4番目として過去作を踏襲しており、過去作でも部分的に描かれていた味方や連邦兵との共闘などが本格的に盛り込まれている。
    • 特に今回の武装の性能やダンジョンの構成は過去作のセルフオマージュ的なところがあり、分かる人ならば過去作を思い起こしながら楽しめるようになっている。
      • 特殊ビームの仕様は『プライム2』に近いが、もちろん『2』の問題だったアモの補充周りは改善されていて気軽に使えるようになっており、そうでありながらボス戦ではあまり何も考えず使いすぎると枯渇する程度に上手くバランスが取れている。
  • 作品のコンセプトやビジュアルに対して色々な意見もあった『フェデフォ』の象徴たるメックだが、本作ではナンバリング作品に本格登場する。
    • 本作冒頭ムービーの戦場を駈け抜けメックに急いで乗り込もうとする連邦兵などは、特にメックと生身を切り替えて進行するミッションを遊んだ経験があれば同作のゲームプレイを思い起こすだろう。
    • メックはなにぶん『フェデフォ』ではディフォルメ体型かつテクスチャも3DSのスペック相応だっただけに、少々デザインが浮ついていたが、
      本作ではずっしりした重量感と存在感のある巨大ロボとして描かれるために、これまでのイメージとは大きく異なる姿に驚いたという声や想像していたよりもカッコいいという声も。
  • そして、ついにようやく本格的に敵役となったサイラックスとサムスの激突が本格的に描かれる。
    • 本作にてサムスのライバルとなるサイラックスだが、その初登場は2006年にDSで発売された『ハンターズ』まで遡る。
    • その後『プライム3』と『フェデフォ』でも再登場の布石を打ちつつも20年近くサイラックスの出番はなかったので、もはや今更再登場しないのではないか?との風説も流れていた。
      それだけに、よもや今になりサムスとサイラックスの戦いが幕を開けたことは、ファンに対して大きな衝撃を与えた。
      • しかも、サイラックスとの戦闘においてはちゃんと初出の『ハンターズ』を意識してか基本的にはタイマンで、サイラックスの持ち武器であるショックコイルや変形形態であるロックジョー、変形中の特殊攻撃であるワイヤーボムまできちんと最新グラフィックで再現されている。
      • また、『ハンターズ』のサイラックスの特性の一つに(専用武器であるショックコイルを使うと)「相手の体力を奪う」というものがあったのだが、
        本作のサイラックスとの戦いではある場面でこの要素をシステムとして非常に面白い形に落とし込んだ攻撃があるので、遊んだ経験がある人ならニヤリとできるだろう。
  • 各ダンジョンは『スカウォ』までの3Dゼルダに近い構成で、明確な攻略手順を見つけて解き進める楽しさがある。
    • 任天堂テイストのあるユニークな仕掛けもあり、例えば2番目のダンジョンであるボルトフォージは言ってしまえば「バイク工場」であり、最奥まで行って工場を復活させ、そこから生産設備の合間を縫って脱出…という発想の妙が光る。コーティング処理を施す高熱のレーザーを組立品を盾にしつつ躱したり、サムス自身を作業用アームにバイクのパーツだと誤認させて次フロアに運ばせたりと、直感的ながら程よく頭を使う謎解きは実に任天堂らしく、高い達成感と満足感を与えてくれる。
      • スキャンバイザーで攻略の鍵や情報収集をしつつ、その過程でビューロスの住民であったラモーン族の痕跡を辿っていく物語の語り方も実に『プライム』シリーズらしい。
    • 敵とのバトルも単に通常攻撃を撃つだけでなく、地形や武装を上手く活用したり『メトロイド』らしく3Dアクション性が求められるものになっている。
      • ボス戦も個体ごとのそれぞれの個性と弱点部位があり、相手の隙を見抜いてしっかり攻撃していく…という任天堂の3Dアクションの王道を抑えている。
  • 惑星の探索を助けてくれる銀河連邦兵
    • 各エリアでは連邦兵との共闘になる箇所もあり、シリーズとしての新要素であると共に、導線を分かりやすくして単純にサムスが敵をひたすら倒すだけではないゲームデザインが成立している。
    • 隊員たちはダンジョン内での戦闘の際も共闘し、適度に援護をして敵を倒してくれる時もあるが放置しているとやられたりと、ただの足手まといにはならないが戦闘の緊張感も残す程度に強さのバランスが取れている。
      • 一方で、ダンジョンの序盤・終盤やボス戦ではサムス単独で挑むようになっており、『メトロイド』シリーズの持ち味であるサムスの孤独感を邪魔しない程度に出番のつり合いもとれている。
    • 作中世界観の深堀りとしても、「縁のない一般兵からサムスがどう思われているか」という視点がゲーム本編で明示されるのは新鮮。各隊員もサムスのために捨て石になる覚悟を見せたりと、全体的に好感の持てるキャラクター造形になっている。
      • とりわけ、サムスが作中の「女性」からどう見られているのか?というシリーズとして極めて珍しい観点からの一幕もある。
  • 美麗なグラフィックと古代文明×SFと『メトロイド』シリーズらしさを感じるアートワーク。
    • すでに末期となって次世代機にバトンを渡したSwitchだが、同ハードで発売されたゲーム内で比べるのであれば十分に美麗なグラフィックとなっている。
      • テクスチャもスタッフがこだわったと言うだけあってよく作られており、サムスのスーツの部位ごとの微妙な質感の違いも表現されている。
      • 非常に細かい部分のこだわりで言うと、これまではムービーシーンなどでの外から見た時のバイザーの形状とサムス視点でのバイザーの形状が若干違いがあったが、本作ではようやく同じ形状になった。
    • 各ロケーションも風景や施設のライティング、反射表現もしっかり描写されていて、古代の神秘性とSF要素がバランスよく共存している。
    • 移動時に使うヴァイオラと新たな専用スーツのデザインも格好良く、走行中の視覚的な快感を高めている。
  • これだけのグラフィックながらパフォーマンスも良好。特にすでに旧式化しているSwitch版であっても60fpsでの動作が安定している。
    • そしてSwitch2エディションのクオリティモードはSwitch版以上に美麗ながらも、常時60fpsのまま4K画質で楽しめる。
      • Switch版では靄などのエフェクトに若干ゲームっぽさを感じてしまうもの、Switch2エディションは半透明の環境効果もかなり自然に処理されている。サムスのスーツの細かなモールドや、オブジェクトの微妙な凹凸、遠景などもくっきり表示される。
    • Switch2エディションはHDRに対応しており、対応テレビ・モニターで遊べば眩しい日差しや電撃などの光源表現がより鮮烈なものになっている。
      • 携帯モード時は4Kではなくなるが、パフォーマンスはそのままに美麗さも概ね維持している。
    • そして目玉であるSwitch2エディションのパフォーマンスモードは、現状のSwitch2向けタイトルでは数少ない120fps動作に対応している。
      • ソルバレイでの移動時を除けば原則戦闘時含めて120fpsを維持しており、対応モニターで遊べば超ヌルヌルである。
  • BGMもしっかりシリーズらしさを踏襲していて好評。
    • 作曲は過去作にも参加した任天堂所属のベテランの山本健誌と濱野美奈子が担当しており、古代文明の謎めいた雰囲気と「大いなる悲劇」が起こった地であるビューロスの不穏さを同時に演出している。
    • 美しいピアノと女声コーラスの織りなす、神秘性とSFがミックスされたいかにも『メトロイド』らしい「フューリーグリーン」や、ホラーな展開からプレイヤーを鼓舞するような突然イケイケな音楽が流れだす「アイスベルト パワーオン」などは特に好評。
    • ボルトフォージの発電機を起動させた時に流れるBGMや、ヴァイオラで施設間を繋ぐ通路を駆け抜ける時に流れるBGMは、シリーズの中でも珍しいロックを前面に押し出したサウンド。映像と見事にマッチした疾走感のあるスタイリッシュな曲調で人気が高い。
    • とりわけサイラックスとの対決時のBGMは『ハンターズ』のものとは全く異なる新規のBGMが描き下されている。激しくスピーディーなロック調の中に重厚なコーラスが散りばめられ、本作の楽曲の中でも特に盛り上がる一曲である。

賛否両論点

  • 従来のゲームの延長線上のゲーム
    • 評価点の裏返しにもなるが、本作は64~Wiiの任天堂系列の3Dアクションゲームの延長線とも言うべき保守的なゲームデザインがなされている。
    • ダンジョンでの謎解きは解答に気づいた時は面白いが、『ブレワイ』や『ティアキン』のような解答の択の多さや『バナンザ』のような力ずくで突破してしまえるような自由度はない。常に問いに対する1つだけの攻略法が求められる。
    • また、本シリーズ内においても『プライム2』及び『3』は様々な新システムを追加したり、『ハンターズ』『フェデフォ』はメインのゲームジャンル面で別物だったが、本作では上述した通りコントロールビームとヴァイオラを除けば良くも悪くも基本過去作のままである。
      • 新たに獲得したサイキック能力も、前述したように本質は既存の能力と大差なく、実際の操作もスキャンバイザーに切り替えて対応ギミックを起動するものが多いため、あまり目新しさは感じられない。
    • 大きな新要素と言えるコントロールビームとヴァイオラは、前者に関しては戦闘・偵察・ギミックの解除と使用箇所は多く、敵との戦闘でも単に命中させるだけではなく時には一度に複数箇所を貫通させる操作が求められたりとゲームデザイン的にも特定のギミック専用の要素にならないように上手く活用されている。
      • 対してヴァイオラは、初入手時にわざわざ練習コースを走らされるワリにはテクニックはあまり要求されず、基本的に移動手段に留まっている。
      • ソルバレイ上ではスピード出し放題なのだが、各エリアの出入り口では速度制限が課せられて強制的に徐行運転を強いられるため爽快感を阻害される。
      • 一応、ヴァイオラに乗ったまま戦うボス戦などもあるため完全に移動用だけではないが、せっかくの新要素ならより活用して欲しかったところ。
    • この他、新たに「ボムのエネルギーをサイキック能力で投擲する」アクションも登場しているが、「ボール状態でボム長押し→ボール解除しバイザー切替→設置したボムをロックオンし掴み→対象に向けて射出」と操作が煩雑で、ギミック解除用としてもテンポが悪い。モーフボールを経由せずに直接ボムを掴めれば早いのだが。
      • 実はボムを弱点とする敵に有用な攻撃にもなるのだが、上記の操作を戦闘中にやる必要があり、妨害や反撃を受けやすく実用性は皆無に近い。使わずともクリアは可能とはいえ、イースターエッグ的な仕様としてもいまひとつである。
  • 喋らないサムス
    • 作中にて銀河連邦の兵士らがサムスに声をかける場面が多々あるが、それに対しサムスは一切声を返さない。モノローグもないまま進行するため、見ていて不自然だったりサムスの感情が把握しにくいとの声も。
    • 一方、サムスがベラベラと喋る『Other M』には批判もあったので、「サムスは喋らない派」からはあまり問題視されていない。
      • もっとも同作が賛否が分かれた理由は単に喋るだけではなく「公式の解釈違い」を起こされたという側面もある。実際、『フュージョン』などの他作品や漫画作品でサムスが喋る場面は特に問題になっていない。
    • 本シリーズは『スーパー』『プライム2』『リターンズ』などの作品ではサムスが喋らないからこその名シーンとなった場面があるので、サムスと言うキャラクターにユーザーそれぞれが抱くイメージを守るという観点でも喋らなくしたのはそれはそれで間違った選択ではないと言える。
      • とはいえ『フュージョン』の終盤のようにサムスの台詞があるからこそシナリオが活きた場面もあり、『プライム』シリーズでも『フェデフォ』ではサブキャラ扱い故にサムスの台詞も存在していた。そして『ドレッド』ではこの辺りを上手くバランスを取って好評を得たので、特に仲間の存在感が大きい本作では要所で喋るという形にしてもよかったのではないかとの意見もある。
  • 仲間との通信について
    • 序盤でとある連邦兵を救出して以降、その兵士と通信することが可能になる。ストーリー進行に応じて情報を貰えるほか、長時間行き詰まっていると向こうからの通信が来て行き先のヒントを貰えるという、『プライム』のリモートスキャンのような機能である。
      • しかし本作では機能としてのON・OFFはできず、自力で目的地を探したい時、あるいは知っていてヒント自体が不要という時でも通信が入ってくるため、余計なお世話と感じるプレイヤーもいる。
    • また、ポーズメニューのマップ画面でサムスから連邦兵へ発信する操作もあるが、一部のタイミング以外では発信しても通信障害で繋がらず、ヒントが欲しい時に貰えない。
      • 上述のように攻略の自由度を許容したゲームデザインではないため、どこか一個のギミックで詰まるとそこで投げだしてしまう可能性があるにもかかわらず、「大まかな行き先」以外のヒントは基本貰えない。
      • もちろんネットで見られる時代にヒント機能はいらないという事情やこういった要素があると「ヌルい」という意見はあると思うが、だったら「こちらから発信」を用意しなくてもよかったのではないか。
      • …と、思いきや終盤になるとこちらから発信した場合もちゃんと解答してくれるようになる。クリア目前で詰まないように補助してくれるのはありがたいが、それなら答えてくれる場面を増やして欲しかったところ。
    • また、通信が来ている時は、ポーズメニューを開くと強制的にやり取りが入ってしまう。逆に通信障害で繋がらなかった場合も数秒間のノイズ演出が入り、いずれもスキップ不可なのでゲーム進行を阻害される。
  • 前作までと比べ、やや変化したゲームバランス
    • 本作は『プライム』のナンバリング三部作と比べて敵の攻撃が強力な傾向にあり、従来の「回避して撃つ」というプレイスタイルでは苦戦する場面もある。特に戦う機会が多いグリーバー*1とサイボット*2は顕著。
      • グリーバーは高速のサイドステップでこちらのチャージビームやミサイルなどを回避してしまい、飛び掛かり攻撃で一気に距離を詰めてくる。
        サイボットは体が大きくない上に飛行能力を持っているので狙いを定めづらく、射程距離が非常に長く威力も高いレーザーを撃ってくる。
      • どちらの敵も大量に攻めてくる所謂「雑魚ラッシュ」のポイントがゲームの序盤から終盤に至るまで複数箇所に配置されている。エネルギータンクやサブウェポンの乏しい序盤は特に厳しく、適切な攻略法を知っているか否かで進行のスムーズさが大きく変わってくる。
      • 本作には『プライム』シリーズの本編作品では珍しくヘッドショットの概念があり、雑魚敵の頭を狙えば通常よりも大きなダメージを与える事ができるのだが、ゲーム中ではそれについて特に説明される事はない。
      • 特にコントロールビームはヘッドショットを狙いやすく、サイボットに至っては直撃させれば大きな隙を作る事もできるが、コントロールビームはギミックを解除するための技だと思い込み通常戦闘で使うという発想に至らない事もある。
    • サイドステップ中に壁や共闘中の味方キャラに接触するとボヨンと跳ね戻されるような挙動をするので、回避しようとする→跳ね戻って攻撃を食らってしまうことも。
  • パワーアップの実感が弱い場面もある。
    • 過去作同様ゲーム進行でパワーアップアイテムを入手し、それによって新たな道を開拓したり、今まで苦戦していた戦闘が楽になるという『メトロイド』のお約束は確かに存在している。
    • しかし、アイテム獲得直後にすぐに有効活用できない局面もある。
      • 問題点で述べるが特殊ショットは獲得後に一度拠点に戻らないと使用可能にならず、終盤ではミサイルの使用にデメリットがあるエリアでその強化版を獲得できるという、素直にパワーアップを実感できない状況がある。
      • 特殊ショット自体もチャージのない初期状態では、弱点属性以外の敵にはサイキックビームで挑む方が戦いやすい。
      • ミサイルも、グリーバーはピンポイントで避けてきたり、乱発は出来ないぐらいの弾数制限がある。威力がある分妥当な制約と見るか、これならほぼサイキックビームでいいと思うかは人次第。
    • この他、本作のスーツ関連のパワーアップは環境への適応機能などが追加されず、実質的にヴァイオラを運用可能にするために見た目が変わるだけである。また、サイキック能力といいつつテレポートといった派手なアクションは用意されておらず、人によってはイメージに沿ったパワーアップが得られていないと思う箇所も。
      • また、過去作では複数用意されていたバイザー機能が実質2種類しかなかったり、スクリューアタックなどの能力が無い点を惜しむ声もある。
  • 銀河連邦兵との共闘時の仕様
    • 各隊員の体力ゲージの表記は役職名となっている。基本的には問題ないが、最終盤にて全員と同行する場面でやや混乱を招く。
      • なお、海外版では普通に個人名表記となっている。
    • 戦闘における各隊員の能力の差別化や個性付けは薄い。
      • アンドロイド兵が機械仕込みの怪力で格闘戦も行える程度か。
      • ただ、戦闘面でも仲間が活躍しすぎるとサムスが独りで戦うというシリーズらしさが損なわれてしまう懸念もあるので、妥当な調整とも言えなくもない。
  • 上述の通り20年近く「銀河連邦とサムスを憎んでいる」という設定以外は謎の人物だったサイラックスの人物像が描かれたのだが…。
+ ストーリー終盤のネタバレ注意
  • しかし今回描かれた描写も断片的で、サイラックスの来歴は十分に説明されず、待ちに待った伏線回収として期待が大きかっただけに、「回収されたようでされてなく物足りない」感は否めない。
    • サイラックスは要所要所でサムスを邪魔してくるが、具体的に何が動機なのかはその時点では分からず、中盤以降は最終盤までそもそも出てこなくなる。
    • 戦闘前のムービーや、コンティニュー時にサイラックスからの台詞を聞くことができるのだが、どれもサムスを挑発、嘲笑するような言葉ばかりで、彼自身の心情や来歴が語られることはなく、「なぜ銀河連邦とサムスを憎んでいるのか」という疑問については結局明かされない。
    • 最終盤の決戦の直前に、実はサイラックスは元銀河連邦兵だったということがおぼろげながら判明するムービーが流れる…のだが、そのまま戦闘に突入するため、このムービーの詳細もこの時点では分からずじまいのままである。
      • 条件を満たすと、そのムービーの完全版が閲覧できるが…。
        + 以下、さらに重大なネタバレを含みます。
      • その中身とは、「かつて銀河連邦兵として最前線で戦っていたサイラックスは、戦場にて上官の命令を無視し勝手に突貫してパイレーツの新型兵器を奪取しようとする。
        しかしながら、パイレーツは兵器を起動してしまい奪取に失敗し部下を失ってしまう。そんな中やってきたサムスは圧倒的な力でパイレーツの新型兵器をたった一撃で破壊してしまう。
        座り込むサイラックスに向かってサムスは手を差し伸べる。しかしながらサイラックスはそれを振り払い、振り払った手を見つめているうちに手は今のサイラックスのものに重なる…」というもの。
        • サムスが手を差し伸べた場面で振り払う描写は劇的だが、描写からすると一兵士として外部のバウンティハンターであるサムスに頼る上層部を快く思っていなかった、あるいは自分の無力さにやるせない気持ちになったようだが、これで「連邦やサムスを憎んでいた」というのは単なる逆恨みではないか。
          • 今回味方側の一般連邦兵の勇敢っぷりが目立つので尚更サイラックスの小物感が著しい。
        • ただし「サイラックスからの連邦・サムスへの感情はただの逆恨み」とは一言たりとも作中でそうだと明言されるわけではない。あくまでムービーの状況から想定しうる一般的観点に基づく解釈だと記載しておく。
          • このムービーでのサムスとの邂逅以前・以後のサイラックスの経歴は結局謎のままで、パイレーツの新兵器になんとかして奪取したいほどの特殊な価値があった可能性や、サムスのみならず連邦まで憎んでいるのは過去作でも幾度か描かれてきた何らかの連邦の暗部に触れた結果、サムスへの憎しみは鳥人族やサムスの過去のミッションとなんらかの関連がある…なども予想されている。
            • 次回作以降でより精細な情報が明かされこのムービーに対する見方が変わるが起きる可能性はあるので、上の記述は「その通説を採用した場合における意見」だと思って欲しい。
            • 余談だが、本ムービーは「サムスのスターシップのデザイン」「サイラックスの過去時代に『フェデフォ』から投入されたはずのメックがいる」といった描写から、時系列に関して謎が多い。なお、サムスは伝説のパワードスーツを装備しているほか、『プライム』のスーパーミサイルと思しき攻撃を確認できる。
        • また、そもそも初出の『ハンターズ』のサイラックスは「究極の力がアレンビックに眠るという怪しいメッセージを信じてのこのこやって来た結果、ラスボスの触手に敗北し能力を吸収されてしまう」
          というぶっちゃけ冴えない*3役回りだったので、元来そんなに大物でもなかったとは付け加えておく。
          • 一方で動機が「サムス個人への私怨」(であれば)シリーズの敵でも珍しい存在で、その意味では無二のポジションを獲得したと言えるかもしれない。
            • 「悪」としての格のあるリドリーやダークサムスにレイヴンビーク、存在そのものが許されざる寄生生命体X、と言った歴代の敵役や、
              治安維持の責務は果たしているが大組織故の腐敗や後ろ暗い部分も見え隠れする連邦軍とは被らない、歪んだ等身大の悪役像の確立には成功している。
          • 本作でのある場面でのサイラックスのモーションがさながら「二日酔い」に見えるなど妙なネタ要素も相まって、(本人もサムスも大真面目に行動しているだけなのだが)総じてファンからのサイラックスの印象は結果的には小物界の大物というべき妙な存在になっている。また、ストーリーの最後の最後でヴィランとしての爪痕は残すので、シリーズファンからは次回作以降でのサイラックスの立ち回りを期待する声もある。

問題点

  • ゲームオーバーになった際の失敗演出が長く、すぐにリトライを選べないため、スピーディなゲーム再開ができない。
    • また、各エリアの大ボスはボス戦直前から復帰できるのだが、中ボスクラスの敵にやられると、その部屋のすぐ目の前ではなくその道中やセーブポイントから丸々やり直しになる箇所がある。
    • 同様の問題点は『プライム リマスタード』でも指摘されていたにもかかわらず本作もそのままになっている。こうした不親切さも旧世代のゲームのような作りと言える。
  • 取り返しのつかない要素
    • ゲーム冒頭に登場する敵・味方や特定のボス戦限定のスキャン対象を取り逃すともうそのセーブデータでスキャン100%は達成できなくなる。
      • これも過去作や昔のゲームではままあったが、昨今のゲームとしては時代遅れだろう。
      • 特に序盤のとあるボスに関しては単なる攻撃弾にしか見えないものまでスキャン対象として設定されており、スキャン100%達成を阻む完全な初見殺し要素と化している。『ハンターズ』に比べればこれでもまだマシなのかもしれないが…。
    • 一部の大ボスに関しては、とあるスポットでホログラムの姿を確認でき、きちんとスキャンもできるので、こうした形で後からでも回収できるようにすれば良かったと思われるのだが…。
      • なお、上述した攻撃弾を含む一部ボスに関しての救済措置はない。どうせなら全ての要素に救済措置を設けて欲しかったものである。
      • とある場面で大量の雑魚敵に囲まれることになるが、ここで登場するクリーチャーもスキャンはこの時のみとなる。ただし、こちらはスキャンを逃した場合のみ一度だけ再登場するという救済措置がある。やや変則的な状況で戦う都合もあるだろうが、この配慮を他にもできなかったのだろうか。
    • クリア後の周回要素はあるものの、Wii版3部作や『プライム リマスタード』と違ってスキャンの記録を引き継ぐことができなくなっている。下記のエンディングや他の仕様も相まって、ここで落胆したプレイヤーもいるだろう。
  • 所々にある使い捨てな要素
    • 各エリア・ダンジョンの進行は概ね一本道構造であり、一部を除いてストーリー上で再訪する必要のないエリアが大半を占めるようになった。
      • 過去作でも似たような構造はあったが、本作では各エリアは完全に独立しているため、エリア間を繋ぐ近道や抜け道は存在せず、そうした形で再利用される空間もなくなってしまった。
      • ヴァイオラ用の練習コースなど、その気になればレースゲームに転用できそうな個性的なマップもあるが、そうしたミニゲームは用意されておらず、ストーリー上で一度通過すれば一切立ち寄る必要のないエリアとなる。
      • ブーストボールで起動できるサイキック・ブーストレールも、一見するとエリア内でのワープ移動に使われるものかと思いきや、実際は一周して元の位置に戻ったり、タンク類のアイテムを1つ拾えるだけだったりと大して移動せずに使い切りになるものばかりである。単純に正規ルートとして使われることもあるが、エリア再訪時の移動の短縮になるといった役割はない。
    • グリーンクリスタルも、初発見時こそフューリーグリーンに少量が配置されているが、それ以降は全てソルバレイで入手することになる。チュートリアル的な配置とはいえ、フューリーグリーンにあることでかえって統一感を崩してしまっている。
    • 上でも触れた「とある場面で出てくる大量のクリーチャー」は、初登場時こそだいぶ苦しめられるが、これも一度突破すれば二度と対峙することはない。スキャン漏れの救済措置としての再出現時も数体で崖の上からこちらを見下ろしているだけで、スキャンが完了すると直ちに姿を消してしまう。このクリーチャー自体も殲滅された訳ではなく、再度来襲してきてもおかしくはないのだが。
      • かと思えば、一部の中ボスが雑魚扱いとして再配置されるエリアはあり、通過する時の煩わしさこそあるがスキャン忘れのフォローにもなっている。このように「もう少し上手く調理できなかったのか」と思わせる要素は至る所に存在する。
  • ストーリーの結末
    • 特大のネタバレになるので詳細は記載しないが、本作のエンディングは奇麗に丸く収まるものではない。「そして次回に続く」という物である。
      • クリフハンガー自体は過去の『プライム』シリーズでもやってはいるが、きちんと各惑星での事態への対処やミッションは目的通り完遂しており、その作品単体としての物語は完結させていた。対して本作は消化不良感も強く、悪い意味で 「えっ!これで終わりなの?」 と思わざるを得ない。
      • これに関してプロデューサーの田邊氏は「プレイヤーが「えっ!これで終わりなのっ?」と戸惑いを抱いたまま、エンドロールを眺めるという状況を提供することで、より記憶に残るゲームにしたかった」とコメントしており、意図的なようである。
        だが、さすがにあまりにすっきりさせず曖昧さを残し過ぎたオチでもあるため評判はイマイチ。
      • また、過去作では条件を満たせばベストエンディングに分岐したり、次回作への伏線を残す追加ムービーが挿入されたりしたが、本作では追加ムービーこそあるものの分岐や次回作の伏線の類ではないため、少なくとも本作単体では消化不良感は解消されないと言える。
  • ラモーン族について
    • 作中の舞台となる惑星ビューロスにかつて存在していた種族であるラモーン族。シナリオを進めるとかつて栄華を極めた種族ながらも、「大いなる悲劇」と呼ばれる惨事により滅亡してしまったことが明らかになるのだが、その真相はというと…。
+ ネタバレ注意
  • その「大いなる悲劇」の真相とは、「良かれと思って行った行為が結果的に種族全体の破滅を招いた」というもの。作中にたびたび登場するクリーチャーであるグリーバーも実はその「行為」によりかつてのラモーン族が変質してしまった成れの果ての姿である。
    • 旧作の滅亡済みの種族の殆どは何らかの外敵が襲来してきたことが滅亡の要因になっていたのだが、ラモーン族に関しては外敵の脅威には一切晒されておらず、自分達の施策が図らずも同胞に甚大な影響を及ぼし滅亡を招いたという経緯であり、単なる自業自得の自滅との見方もできてしまう。
      グリーバー化の原因となった行為は、当該施設での作業従事者のログブックでも徹底的な安全性の検証をが行われていたかの記述がなく、尚更自らが産み出した闇に飲まれたという印象は否めない。
    • 最終的に生き残った数少ないラモーン族がとった行動は「救世主たる選ばれし者(≒サムス)の到来を予言し、宇宙中にその者の捜索に向かう」という行動で、もはや万策尽きた状況故にやむを得ないという側面はあるものの、今ひとつ同情感が湧きにくい。
      • 一方で銀河連邦兵との拠点での会話ではラモーン族に対して「勇敢で尊い人種」「思いやりのある善良な人々」など同情するだけでなく作中では確認できないような描写に基づく評価をしており、プレイヤー視点では違和感を覚えてしまう。
    • この他、ある場所に設置されている機械になんらセキュリティもなく「利用者にサイキック能力と、重要施設の全権限を与える」機能があるのがゲーム終盤で確認できる。
      メタ的にはシナリオ上の都合とも思われるが、あまりにも無責任な設計であり実際にラスボスに利用されてしまうので、この点でも反感を覚えやすい。
  • 面白みに欠けるソルバレイ
    • 各エリアを繋ぐハブの役割を果たすソルバレイだが、一面殺風景な砂漠がひたすら続くので視覚的につまらない。
    • ソルバレイにはショットのパワーアップが何個かある以外はサブクエストなどもなく、『ゼノブレイド』シリーズのようなランドマークや秘境、シナリオクリアとは無関係な挑戦要素であるユニーク敵、『アルセウス』以降の『ポケモン』のように戦力兼収集対象をあちこちに配置する…等の広いマップであること自体に意味を持たせる作りになっていない。
    • 序盤からメックを修理したいという話も出てくると共に最初から砂漠のあちこちにパーツは落ちているのだが、攻略順を変えたりシーケンスブレイクはできない。必ず回収イベントが起こる終盤まで待つ必要がある。
      • 実はサブクエ等が無いのも意図したもので、田邊氏は「自由に走り回れることを最優先にするために、道もなく、障害物もないだだっ広い場所にしてあります」「目標物がひとつ目についたらそれに向かって、集中して走っていけるように作ることが重要」とコメントしている。
      • しかしながら走り抜けるには無駄に広く、すぐには目的地にたどり着けない。たどり着いてもロードが挟まるので次のエリアに行くことの盛り上がりからいきなりテンションが下がる。
      • 新エリアに関しても初回こそどんなマップだろうとの期待はあるが、本作のゲームデザイン上以前訪れた地に再び訪れることがあるので、そこでロードが挟まった時のテンションの低下は他のゲーム以上に大きい。
      • 「集中して走って行けるように」とコメントしているわりには、ヴァイオラ搭乗中に雑魚敵が襲ってくることがある。搭乗中の特殊攻撃で即撃墜できるのでまず負けること自体がないのもあって、ただただ鬱陶しい。
    • ソルバレイにおけるコンテンツの一つとして、砂漠上の各地に発生したグリーンクリスタルの収集がある。 ゲームの序盤にその目的は「ラモーンの歴史と知識が詰まった果実『メモリーフルーツ』を結実させるため」であると、一見するとサブクエストにも思えるような導入で説明されるのだが…。
      • グリーンクリスタルの回収は地面から突き出ている結晶を破壊する事で行えるのだが、結晶は一か所に大きい物と小さい物がいくつか群生しており、この内の小さい物の当たり判定が妙にシビアで壊しにくい。
      • 概ねヴァイオラで体当たりして壊す事になるが、形状が前後に細長く、さほど小回りも利かないヴァイオラでは小さい結晶に体当たりをしようとして空振りしてしまう事が多い。ブーストによる体当たりなら攻撃範囲が広く結晶を壊しやすいのだが、ブースト自体がゲージ制で連発できないのであまり有効な回収法とは言えない。結局ヴァイオラから降りてミサイルなどで壊してしまった方が楽だったりするため、収集のテンポは総じて悪い。
      • 特徴で記したように、この収集要素にはきちんと報酬もあるのだが、それらの事前説明が一切なく、収集した後に拠点近くの祭壇に納めに行く必要もあるため、作業の面倒くささもあって放置したまま進行するプレイヤーも多かった。
    • また、ソルバレイにおけるセーブポイントは砂漠中央付近の1ヶ所しかない。ゲームを中断したい時に不便であり、これの存在に気付かなればソルバレイではセーブできないと思い込む可能性もある。
    • ソルバレイ移動中はBGMが無く、環境音と時折遠くからなんらかのSEが聞こえるだけなので走っていると眠たくなる。
      • 実はBGMありにできるのだが、それは特定のamiiboを使って解放するかスキャン100%の報酬になっており、(対応amiiboを所持していないと)少なくとも初回プレイ時には聞けない。
    • 「スカウトボット」というロボットを特定の武器で攻撃して起動させるとマップ上のアイテムの位置を表示してくれるのだが、ソルバレイでは放浪する仲間とのイベントで貰えるアイテムも当該イベント発生前の段階で表示されてしまう。
      • そのことに気づかず、ギミックも何もないイベント発生予定地を無意味に捜索してしまうプレイヤーも多数見られた。
  • ファストトラベルなし&エリア移動ムービーはスキップ不可
    • ダンジョン内から入口までいつでも自由に脱出できる機能や、拠点及びクリア済みのダンジョン間でのファストトラベル機能がない。
      • 一応ダンジョン内では往路から帰還する際に変化する箇所があったり、ストーリー上後戻りできなくなるような場所もあるので常時脱出できない作りにしたのは理解できなくもないが、ソルバレイ上のどこからでも拠点に帰れる機能や、終盤にアイテム回収率100%を目指すために各ダンジョン間でワープできる機能は最低でも欲しかったところ。
    • 特に、特殊ショットの追加・アップグレードを行うためには、わざわざ拠点に戻って連邦兵と話す必要がある。
      • 過去作でも『プライム3』のPEDスーツなどサムスのスーツへの直接改造を行って機能を追加したことはあったが、そのような大掛かりな改修を除けば大半の作品で現地の入手したテクノロジーがスーツにそのまま組み込まれていた。
        今作でもラモーン族の技術や能力がパワードスーツに追加される場面はあるため、何故ショットのパワーアップだけはわざわざ帰って改修して貰う必要があるのか、という世界観的な理由付けも弱く、ゲームとして無駄な移動だと感じる。
    • また、エリア間を移動する際のムービーはマップのローディングを兼ねているためスキップできず、移動のたびに数十秒待たされることになる。
      • ヴァイオラや何らかの乗り物で移動している場合はまだしも、場所によっては長い通路をひたすら全力疾走していくサムスの姿が描写されており、妙に不穏なBGMも相まって少々シュールな印象を受ける。
  • ゲーム終盤の難点の多さ
    • 終盤に発生する一連のイベントは一言で言うと「ソルバレイでの宝探し」になる。悪い意味で『風のタクト』の終盤を思い出したとの感想も。
+ ストーリー終盤のネタバレ注意
  • 終盤のストーリーはまず、あるエリアに突入するにあたって惑星に同時に転移されたと推察される連邦製兵器を回収して使えないか、という話になる。そこでこれまで砂漠で見つかっていたメックパーツを回収…とはすぐにはならない。
    • まずはメックパーツを回収するための「手段」を用意するイベントを起こす必要があるため、特定の基地に行ってボスと戦う必要がある。
    • その後連邦兵から輸送のために必要な素材を貰う…のだが、その兵士がフィールドのどこにいるかは「煙とハーモニカ」しかヒントがなく、砂漠が広大すぎてどこにいるか想像つかない。
      • 一応ボス戦を行った南東方面にいるため、偶然でも南か東に進んでいれば煙に気づく可能性はあるが、反対側に行ってしまうと相当迷うことになる。
      • なお、その仲間がソルバレイに単独で出向くイベントは「当の仲間と合流したステージをクリアし、一旦フューリーグリーンの拠点に帰った後」でようやく発生するようになる。
  • こうして輸送用の素材を確保して拠点に一度戻った後にようやくソルバレイ上でメックパーツを回収できるようになるが、これが全6か所ありしかも移動・回収中に雑魚が襲ってくるので鬱陶しい。パーツ自体はマップにも表示されて迷うことはほぼなく、出てくる雑魚もほんの数体でこの時点だとサムスが強化され切っていてまず苦戦しないだけになおさら。
    • 1か所だけソルバレイ上になく発見時に中ボス戦が挟まれるといった捻りの効いた展開はあるものの、他のパーツも雑魚ラッシュがあったり、逆に敵はいないが謎解き重視にする等、メリハリをつけるべきだっただろう。
    • これでも『プライム』のアーティファクトや『プライム2』の大空聖堂キーよりはマシになっている部分もあるのだが、さすがに20年ぐらい前のゲームと比較してマシというのは擁護として苦しい。
  • そしてメックのパーツを集めていざラストバトルへ…となるのだが、ラストバトルに挑むためには前述のグリーンクリスタルを100%以上収集する工程が必須になる。
    • だがこのグリーンクリスタル収集、上記の「メモリーフルーツの入手」を目標として依頼されるためにサムス達の「惑星から脱出する」という目的と何一つ合致していないこともあり、ゲームクリアに必須な要素と認識しにくいという問題がある。
      しかも、クリスタル自体も「自然とラストバトル前に100%近く集まる」といったのものではなく、何も考えずに進めているとその時点では30%程度しか集まっていない。
      結果、クリスタル収集を放置していたプレイヤーはクリア目前にして地味かつ面倒な回収作業をやる羽目になる。
      • 100%に達していないままラストバトルに挑もうとした場合、仲間の1人が「先にメモリーフルーツを手に入れる必要がある」と唐突に言い出し、次の展開に進むのを拒否されてしまう。既に惑星から脱出する手段は整ったはずなのに、それを後回しにしてまで脱出に関係ないものに固執する理由が分からない。
      • 一応、納めたグリーンクリスタルが25%を超えるとサイキックビームを強化されるため、収集すればパワーアップに繋がるという導線自体はあるのだが、上記のように事前説明がなく、判明するのは納品をした後と遅すぎる。下手をすれば、ビームを強化できる事にすら気づかないままゲームを進める羽目になる。
      • また、ソルバレイのクリスタルはゲーム進行に応じて配置数が多くなっていく仕組みになっており、100%以上の回収には最終盤で手に入る武装が必須なので、早い段階でクリスタルの回収を一気に進めておく事はできない。意識的に集めていても70~90%程度が限度である。
      • 補足すると最高値は200%であり、100%と言っても「フィールドに落ちている全部」を集めなくてもクリアはできるのが救い。
        とは言え、今度は200%でギャラリー全開放を目指す時に「残りのほんの数%が見つからない!」という状況になりやすいが…。
      • また、ソルバレイのみならずフューリーグリーンや各地に点在する祠にもグリーンクリスタルが少数存在する。
        後者は自然発生したものではなく、ラモーンの民が選ばれし者のために供えたとされる容器入りのクリスタルなのだが、その割には場所も統一されておらず妙に見落としやすい配置がなされており、200%を目指す場合は取りこぼしに悩まされがち。
    • クリスタルの納品率が100%以上になりメモリーフルーツを入手すると、同時に「レガシースーツ」が解放され、ミサイル35発の消費と引き換えにバリアを張る能力を獲得できるのだが、上記の通り100%回収を達成した時点であとはもうラストバトルに向かうだけなので、活躍の場は非常に少ない。
      • レガシースーツのデザイン自体は好評だが唐突に獲得できることもあり、これまたメモリーフルーツのついで感は否めない。
        バリア自体も雑魚敵を触れただけで消滅させられるなど弱いというわけではないが、消費が大きいため乱発はできずラスボスの苛烈な攻撃を防ぐには心もとない性能だったりと、最終装備という立ち位置に見合ったインパクトは感じられない。
    • こうしてグリーンクリスタル回収して手にした本命のメモリーフルーツだが、最終決戦に至るまでの展開には全くもって関与せず、エンディングに出てくるだけで終わる。
    • メモリーフルーツ自体はそのエンディングの見せ場を作っているので全く無駄とは言い切れないものの、サムスの置かれた状況的にはあってもなくても大差のないもので、苦労が報われるほどの達成感が味わえるとは言えない。メタ的に解釈すればエンディングの描写と矛盾しないように入手を強制されていただけにも思えてしまう。
  • 一方メックも、ラストバトル前に「最大出力の攻撃で行く手を阻む障害を取り除くも、攻撃の負荷に耐えられず大破する」という筋書きをムービーで演出されるだけに留まる。
    メックならではの絵面の派手さはあり、「障害の排除」という役割こそ果たしてはいるが、一方で「メックと共に巨大ボスと戦う」「目的の達成までメックを守りぬく」といったゲームプレイに関わる展開は一切なく、わざわざプレイヤーにパーツを集めさせたにもかかわらず肩透かしな形で出番が終わってしまう。
    • なお、ラストバトルへの突入前には「全員で無事に砂漠を乗り越えるぞ」と意気込むシーンもあるのだが、砂漠の突破そのものもムービー中の暗転で片付けられてしまう。実際にラストバトルが控えているので消耗は避けたいとはいえ、盛り上がりに欠けるのは否めない。
  • ストーリー以外でも、ラストバトルの前半部分にてラスボスの形態移行が止まるバグが確認されている。
    幸い遭遇率は高くないようだが、発生タイミングが悪いとそのまま詰む可能性もある厄介なものである。
    • にもかかわらず、本作は 発売後のアップデートがなされておらず 、バグも放置されている。これ以外の不具合はほとんど確認されていないとはいえ、流石にいかがなものか。
  • ラスボス戦後にとある操作を要求される場面があるのだが、それを行わず数十秒経過すると普通にゲームオーバーになり、ラスボス戦途中からやり直しになる。
    • 操作自体は技術的に難しいわけではなく、状況を考えればゲームオーバーになるのは不自然ではないのだが、そこに至るまでの展開がその「操作」を躊躇わせる内容であり、「このまま放置したら別の展開が待っているのでは?」とも思わせる状況でもある。操作しなくてても勝手にムービーが進むと思い込むと、予想だにしないゲームオーバーで唖然とする羽目になる。
  • ゲームクリア時にはセーブも可能なのだが、上記のようにスキャンの引継ぎはない。
    にもかかわらずクリアデータを保存してしまうと、そのセーブデータではラストバトルの突入前に戻ったりすることはできず2週目をはじめからプレイするのみ*4となる。
    引き続きスキャン・アイテム収集を行いたい場合はセーブせずにエンディングを終える必要がある。
    • 引継ぎがないことや2週目確定となることの説明はされるものの、ひとまずクリアデータを残そうという発想から深く考えずにセーブしてしまい、達成率が不完全であったのにアイテム収集にも戻れず泣く泣く2週目を続行する羽目になったプレイヤーも少なくない。
    • シリーズとしては突飛な仕様ではなく、説明もなされるものの、引継ぎがない点も含めて昨今のゲームとしては明らかに不便。クリアデータから再開する時はラストバトル突入前or2週目開始のどちらかを選ばせる形でよかったのではないだろうか。
  • 総じて、不親切かつリターンを味わいにくい構成が詰め込まれた形となっており、ゲーム終盤まで付き合ってくれたプレイヤーのプレイフィールを下げてしまっている。
  • グラフィック・安定性の代償かSwitch版はロードが長く、場面によってはSwitch2版の約2倍程度かかる。

総評

ダンジョンの攻略は面白く、没入感のある世界観や特徴的なBGMなどは順当に『メトロイドプライム』の新作だと言えるものになっている。
また、Switch版はもはや8年前に発売されたゲーム機であることを考慮すればかなりの努力が伝わり、Switch 2 Editionに関しては新ハードの機能実証品としても見どころがある仕上がりである。
ストーリーも「サムス・アラン」のキャラクター性を守った上で、サムスと多彩な登場人物たちの関係性はこれまでになかった描き方をされており、シリーズファンなら一見の価値はある。
ようやく出て来た中身にはいささか賛否もあったが、長年「次に来るライバル」であったサイラックスが正式にサムスのライバルに昇格したのも、シリーズ全体として一歩前に進めたと言える。

一方で、2025年発売のゲームとしては不便・不親切な要素が目立つ。
とりわけフィールド移動の面倒さはゲーム全体を通してのマイナス点であり、さらに終盤の展開や仕様は、本作の評価を大きく落としてしまっている。
それ以外でも所々に古臭い仕様や目新しさに欠ける部分が見られ、旧作の悪かった部分も引継いでしまっている感は否めない。
ファンを待たせている間に期待値が高まりすぎていたのもあるが、それを差し置いても文句なしの良作には至れなかったと言わざるを得ない。

とはいえ、今後も『メトロイド』シリーズに付き合っていく覚悟がある層であれば、新章の第一章としての価値はある。
言うなれば、『プライム3』といつ発売されるかも分からぬ『5』への「繋ぎ」と呼べる一作だろうか。


余談

  • 本作のTVCMは複数公開されており、その一つ「仲間と共に篇」では、かつて『Other M』の日本語音声にてサムス役を演じた小林愛氏がナレーターを務めている。
    • あくまでサムスの心情を表したナレーションであり、サムス役そのものという訳ではないのだが、意外な形でのファンサービスとなった。
  • これまでの『プライム』シリーズは作中時系列的には『初代』~『2』や『スーパー』の間の出来事とされていたが、本作は『スーパー』~『フュージョン』の間であることがスタッフにより言及されている。
    • また、エンディングから逆算してシナリオを製作していったとも語られており、結末に関しては最初から決まっていたようである。
  • 開発経緯について
    • 概要で述べた通り初報こそ2017年に公開されたのだが、それから開発が途切れずに継続していたわけではなく、19年初頭に「開発を継続した結果、メトロイドプライムシリーズの続編となるタイトルに求める品質には届いていない」との理由により開発体制が見直され、制作会社が『プライム』及び『2』と『3』を製作したレトロスタジオに変更されたことが告知された。(当時の開発体制変更を伝える動画
    • 「だとしてもそこから6年も経ってないか?」と思われるが、実はレトロスタジオにて旧作を作ったスタッフは現在では別会社に転職して在籍していなかったり、一人称視点のゲームの開発ノウハウを持った人材が皆無に近かったために、開発を移すという決断が為された後にまずはスタッフ集めから始めなければいけなかったとのこと。
      • レトロスタジオは開発仕切り直しから3年後になっても本作の開発スタッフの求人募集をしていたので、製品版の本作は開発現場での作り込みに時間を要したというよりは、企画全体としての進め方やチームの組閣部分での苦戦が大きかったものと伺える。
    • 結果的に初報からの長期化の一因となった17年の初報だが、当時のインタビューでNOAの社長(当時)だったレジナルド氏は「(任天堂は)基本的に近場に発表する作品を公表するが、例外もあり、その一つが『メトロイドプライム4』」という旨のコメントをしていた。
      • レジナルド氏はこの発言の真意までコメントしていないが、上記の通りシリーズとして動きが無かったことや『フェデフォ』の反応を受けて待っているファンに向けて先出しした方がいいという判断だと思われる。もっともここまで難産になるとは当時の経営陣も思ってもいなかっただろうが…。
  • 本シリーズのプロデューサーを務めた田邊氏はインタビューにおいて本作が「任天堂で制作する最後のタイトル」「もう今後シリーズの制作に参加できないことが決まっている」とコメントしており、具体的な去就は不明ながらも製作現場からは一線を退くことが明らかになっている。
最終更新:2026年05月23日 01:24

*1 主要な6エリアの内4箇所で頻繁に遭遇する、エイリアンのような敵

*2 主要な6エリアの内2箇所で主に遭遇するロボット

*3 これはサイラックス以外の全ハンターにも言えてしまうが…

*4 一応、クリアデータの保存後でもオートセーブからの再開は可能だが、ラストバトル直前からの再開になるのでアイテム収集に戻ることは不可能である。