パックマンバトルロイヤル
【ぱっくまんばとるろいやる】
| ジャンル | ドットイートアクション |  | 
| 対応機種 | アーケード | 
| 発売元 | バンダイナムコゲームス | 
| 稼動開始日 | 2011年3月 | 
| OP価格 | 498,000円(税別) | 
| プレイ人数 | 1~4人 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | よみがえっただけのドットイート | 
| パックマンシリーズリンク | 
 
概要
世界的大ヒットを飛ばした『パックマン』の生誕30周年記念として誕生したアーケードゲーム。
原作は1人用ゲームだが、本作は対戦ベースとなっており1~4人までプレイ可能。
またプレイ料金も(店舗側の設定が必要だが)100円で4人までプレイ出来る。
専用筐体は4つレバーとボタンが取り付けられており、モニターはテーブル筐体のように平面で、省スペース化を図っている。
システム
基本的なシステムは『パックマン』と同じである。以下、相違点。
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四人同時対戦プレイ可能。
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道中に押しているパワーエサを取得するとパックマンが巨大化。モンスターを食べられるだけでなく、対戦相手のパックマンを捕食する事も出来る。捕食されたパックマンは退場する。
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巨大化したパックマンは通常のパックマンよりも移動速度に優れる。
 
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パックマンは互いに干渉し、パワーエサを取得していない状態で接触するとお互いにはじきあう。
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これでモンスターにぶつけて相手を倒す方法も。
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巨大化したパックマン同士でも干渉し反発しあう。
 
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全てのエサを食べ終わると画面内に新たにエサとパワーエサが配置される。
 
評価点
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カジュアル層を意識したゲームであること
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後述する要素によりクレーンゲームやプリクラを主体とした若者、ファミリー層がワイワイ遊ぶことを意識している。
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幅広いプレイヤー層を意識したアーケードゲームは近年では珍しい。
 
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100円で4人までプレイ可能
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普通はプリクラを除き、アーケードゲームはプレイする人が各々100円以上支払いプレイするのが当たり前だがこれは100円で1~4人まで遊べる。
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グループで立ち寄った際に気楽に遊べる料金設定と言える。
 
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ゲーム性と操作性が非常にシンプル
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近年のアーケードゲームでは(キッズカードゲームを除き)「レバー+複数ボタン」「体感型デバイス」または「タッチパネル」がメインであり、操作性が複雑化しているため慣れが必要で、直感的なプレイ感覚を推している作品であってもお年寄りや操作が苦手な人にはやはり取っつきにくい。
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一方で、本作はレバーとスタートボタンのみであり「レバー=移動」と1つの動作のみに結びついており、とてもわかりやすい。よって近年のアーケード作品によくある「ごちゃごちゃしている」「難しそう」「解りづらい」という点がほぼない。ゲームルール自体も非常に単純明快である。
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無論、それは原作自体が30年も昔の古いゲームであるゆえなのだが、複雑化が進んでいるゲームがほとんどの昨今では、このわかりやすさという要素は非常に重要な要素である。
 
 
難点
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プレイヤーのプレイ意欲に結びつき難いシステムの古さと単調さ
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内容自体は過去作のゲームシステムにほんの少しの追加要素を足しただけであり、本質的には30年以上も前の古いゲームであることには変わりない。
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システム自体が今となっては単調すぎるゆえに、過去に作品を遊んだことのあるゲーマーにとってもプレイ意欲に結びつくとは言いがたく、パックマンシリーズをある程度知っている、あるいは全く知らない新規層にとっても訴求力が低いといわざるを得ない。
 更に遊ぶためにゲーセンに行く必要があり、売りである複数人同時対戦も一緒に遊ぶ人がいなければならないという条件も重なって、メーカーが期待するほどの売り上げには繋がらなかった。
 
総評
『パックマン』と言う単純明快なシステムと、誰でも知ってるゲームを発展させて4人対戦させようと言うアイデアは悪くないと言える。
妨害手段も豊富で、非常にシンプルなルールながらも、勝ち残るための戦略を組み立てるだけの駆け引きは十二分に存在している。数人でプレイすればそれなりに盛り上がるだろう。
だが、20年以上も前の根本的に古いシステムのアーケードゲームをそのままゲーセン向けにリリースするという需要面への考慮のなさには疑問を抱かざるをえない。
これならいっそ低価格販売、PSPのアドホック対戦可能などの方が売り上げや出回り、話題性も期待できたのではないだろうか。
近年の「重たい」ゲームばかりのアーケードゲームにおいて、このようなカジュアルゲームがプライズ機やプリクラ以外で登場するのはそれなりに意義があるが、それがインカムに結びつかないのは本作でも例外ではなかった。
同じようなカジュアルゲームとして、同じバンナムのエアホッケー『ビッグバンスマッシュ』が広く出回っていることからも、インカムには繋がらずとも集客には貢献するような要素がもう少しほしかったところである。
余談
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ゲームセンターでの稼働は振るわなかったが、498,000円という専用筐体としては安価なOP価格、ネットワーク対応も育成要素も収集要素もないシンプルな機能から、カジュアルゲームの例に漏れず、バーなどに設置されている事が多い。
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北米におけるパックマン人気は日本のそれとはけた違いなのは有名だが、もし本作が海外でも出されていたら、結果はまた大きく違っていたのかもしれない。
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オペレーターに優しくない筐体仕様
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専用筐体必須のゲームだが、縦2m横89cm奥行き1m89cm。重量は130kgにも及ぶ。
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規模の大きいゲームコーナー等に行けば目にする事ができるためそういう印象を受けないが、バンダイナムコの予想を大幅に下回る数しか出なかったらしい。
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テーブル筐体同様に、周囲に立席スペースが必要なため、風適法での評価上の占有面積は同サイズの筐体よりもずっと広い。また、テーブル筐体が駆逐され、アップライト型またはコクピット型筐体が主流な現在、壁に沿わない設置で背中合わせにも出来ない本作の筐体は思った以上に設置場所に困る。このため、エアホッケーやキッズライドと共に並べられるようなケースも多かった。
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優しくないとは書いたが、OP価格はどちらかと言うとオペレーターに優しい部類である。安く、目を引いて、一応は実際に遊べる集客用のオブジェみたいな位置づけになるだろうか?
 
最終更新:2023年11月04日 14:45