幕末浪漫特別編 月華の剣士 ~月に咲く華、散りゆく花~

【ばくまつろまんとくべつへん げっかのけんし つきにさくはな ちりゆくはな】

ジャンル 対戦格闘アクション
対応機種 ネオジオポケット(カラー専用)
Nintendo Switch
発売元 SNK
開発元 【Switch】Code Myystics
発売日 【NGPC】2000年3月16日
【Switch】2020年10月29日
定価 【NGPC】3,800円(税別)
【Switch】800円(税込)
プレイ人数 1~2人
レーティング 【Switch】CERO:A (全年齢対象)
廉価版 ネオジオポケットベストコレクション
2001年8月2日/2,500円(税別)
判定 なし
ポイント 雰囲気は出ているデフォルメ
白虎「直衛示源」の出番が無い
月華の剣士シリーズ
一幕 / 二幕 / 特別編
NEOGEO POCKET COLOR SELECTIONシリーズ


概要

幕末浪漫第二幕 月華の剣士 ~月に咲く華、散りゆく花~』のネオジオポケット版といえる作品。
ただし、『第一幕』から登場しているキャラはそちらのストーリーも収録されている。

キャラはデフォルメされており原作から削られた要素も多いが、携帯機向けにアレンジされている。

システム

  • 基本的なシステムは『第二幕』と同様。
    • 前後それぞれ2回入力でダッシュ及びバックステップ。
    • Aは武器攻撃(押す時間で強弱)、Bは蹴り(接近している場合の後ろ入力は投げ)や弾き(立ちは前+B、しゃがみは下+Bだが、設定でA+B(しゃがみは下入力込み)に変更可能)。
    • ダッシュ中のBは「力」だとガード不可、「技」「極*1」だと打ち上げ。
    • ゲージMAXで「力」では特定の必殺技から超奥義へのキャンセル「昇華」(体力ゲージ点滅時はゲージ消費なしで可能)や潜在奥義(体力ゲージが点滅している必要あり)、「技」では乱舞奥義(下2回+攻撃の後、攻撃ボタンの連続入力)が使用可能。「極」はどちらも可能。
  • デフォルトで使用可能なキャラは『第一幕』『第二幕』共通のデフォルトで使用可能なキャラ。
    • 『第一幕』ラスボスである嘉神慎之介や『第二幕』新規キャラは隠しキャラとなっており、『第二幕』をクリアしたキャラに応じて解禁されていく。
    • 『第二幕』に入ったキャラのストーリーモードはオプションボタンでキャラ選択することで『第一幕』に戻せる。
  • 集めたポイントで「巻物」を購入できる。全113種類。
    • 獲得ポイントはステージ(今何人目か)と残体力のみで決まる。
    • 例えば、デフォルトで使用可能なキャラは使用するだけで「プロフィール」、ストーリーモードを開始すると「旅の目的」、『第一幕』のエンディングを見ると「エンディング1」が購入可能になり、「エンディング1」購入で以後そのキャラのストーリーモードでのプレーは『第二幕』になる。
      • 『第二幕』のストーリーに関するものは「新たなる旅の目的」「エンディング2」の2つ。
    • ゲームシステムを変更する「奥義の書」は2個まで装備でき、それぞれ様々な効果を持つ。
      • 臨・兵・闘・者・戒・陣・列・在・前・賭・得・漢の12種類が存在し、このうち「漢」を装備した場合は本作オリジナルの隠し剣質の「漢」を使用できる(入手には全巻物のコンプリートが必要)。
        剣質「漢」の基本性能は「力」と同様だが、ガードが一切できなくなり、代わりに相手の攻撃の1段目を食らってものけぞらないスーパーアーマーが付く。
    • 中にはミニゲームが開放されるものもある。神崎十三と骸*2はミニゲームのみでの登場。
      • 「神崎十三 in ほうむラン競争」*3 - 一条あかりが投げる球を打ち、10回合計の飛距離を競う。対戦では双方を10回ずつ行いホームラン回数と飛距離で勝敗をつける。
      • 「骸 in 地獄門大脱出」 - 骸が地獄門に吸い込まれる(画面上では上から降ってくる)障害物をかわしながらひたすら地獄門の吸引に抗い続ける。加速しようとすると徐々に体力を消耗するが、滑空中は回復する。
    • ネオジオポケット版では通信で巻物の交換も可能。

評価点

  • 原作の雰囲気は出ている
    • デフォルメこそされているが、原作の雰囲気はきちんと出ている。
    • ストーリーモードでは対戦前(一部ステージは対戦後も)には画面上部でセリフが表示される。
  • 原作の『第一幕』『第二幕』のストーリーを共に収録
    • キャラクターは減少しているものの、両方に出ているキャラクターはどちらのストーリーも収録されている。

賛否両論点

  • 「昇華」がA+B同時押しで使える
    • 手っ取り早く入力できる一方、暴発しやすいとも言える。
      • Switch版だとある程度時間を巻き戻せるので、暴発したのをなかったことにしたり発動タイミングを微調整したりできる。
  • (Switch版)「ほうむラン競争」での自演ポイント稼ぎ
    • Switch版では、コントローラーが2個あれば「ほうむラン競争」の対戦で1P側のみほうむラン連発でポイントを稼ぐのが手っ取り早い。やや虚しい作業だが効率は良い。
      • 飛距離は打者側のパワーとタイミングが主に影響するが、投手側のパワーも若干絡む模様。
      • 解禁条件がスペシャル巻物の4番目なので、そこに到達するまでにもいくらか時間がかかる。

問題点

  • キャラクターの減少
    • 特に、設定上重要ポジションであるはずの直衛示源*4の出番が無い点は疑問が浮かぶ。
      • ミニゲームに出ている十三や骸と違って巻物にイラストが存在するのみ。
    • また、『第一幕』の中ボスポジションであった暁武蔵も出番が削られている。
    • ネオジオポケット移植版格ゲーでは容量の関係で原作登場キャラクターが全員出ているものは無く、他タイトルではそのフォローもほぼ無いため、ミニゲームや巻物で参戦していない彼らの姿が見られる本作はまだマシなほうではあるが。
  • 超奥義・潜在奥義が出しにくい
    • コマンドが4方向での表記になっているせいか、他のネオポケ格ゲーに比べて超奥義・潜在奥義が出づらい。
      • 超奥義を「昇華」で出す場合に限っては上述したように2ボタン同時押しで出せる。
  • 原作同様の剣質バランス
    • 原作同様、「『極』は『昇華』『潜在奥義』が使えるだけで全般的に弱い『技』」なバランス自体は変わっていない。
      ただし、「奥義の書」で攻撃力と防御力を強化すれば多少は改善できる。
  • (Switch版)対戦で2Pが勝つとポイントが減る
    • 対戦モードでは勝った側が負けた側からポイントを奪えるのだが、Switch版の場合1P側のポイント変動だけが反映される。
      • 同様の仕様は『SNK GALS' FIGHTERS』のアイテム争奪にもあったが、あちらは2Pが勝った際はアイテムを奪わないことで回避可能なのに対し、こちらは回避不能。

総評

ネオポケ移植作品としては雰囲気の再現性もよく良移植であり、ストーリーモードの構造によりシリーズ全体におけるストーリーの流れもわかりやすい。
一方で、直衛示源の出番が無い点についてはファンにとって残念である。


余談

  • 「骸 in 地獄門大脱出」は原作での彼のエンディングのパロディだったりする(あちらは「GAME OVER」の文字に激突してそのまま画面下に飲み込まれるまでがエンディング)。
  • デフォルメされたドット絵だからかは不明だが、『第二幕』雪のエンディングが全裸なのにもかかわらずSwitch版のCEROレーティングはA(全年齢対象)。こういう謎なレーティング判定はCEROにはよくあることである
    • なお、原作自体の移植版はB(12才以上対象)となっている。
  • 2020年10月29日に、ネオジオポケット作品の復刻シリーズ『NEOGEO POCKET COLOR SELECTION』第4弾としてSwitch版が配信開始。開発は『二幕』のPS4/Vita版移植を手がけたCode Mystics。
    • 実機エミュレーションを基本とした動作となっており、ゲームリセット時の操作で言語切り替え可能。
    • 後にオムニバスソフトの『NEOGEO POCKET COLOR SELECTION Vol.1』にも収録された(2021年3月18日発売)。
      • 同日までに発売された6作+新規4作が収録されている。
最終更新:2024年01月06日 09:27

*1 剣質選択時に上6回→下3回→上4回で選択可能

*2 『第一幕』の紫鏡と同一人物。

*3 説明書では「ほうむらん競争」と全部ひらがな表記

*4 「四神」のうち白虎に相当する。なお青竜は楓、朱雀は嘉神真之介。玄武はもちろん玄武の翁。