ポンポコ
【ぽんぽこ】
| ジャンル | 画面固定ジャンプアクション | カタログ | 筐体 | 
| 対応機種 | アーケード | 
| 発売元 | シグマ商事 | 
| 開発元 | セイブ開発 | 
| 稼働開始日 | 1982年 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 狸が主役 | 
 
概要
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1982年にてシグマ商事(後のケイエム企画)がリリースしたアーケードゲーム。開発は後にシューティング界のヒット作『雷電シリーズ』を生み出す事となるセイブ開発が行っている。
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ジャンルとしてはジャンプ動作のある、横視線の固定画面でゲームが進行するドットイートタイプアクションに該当する。
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1~2人交互プレイ可能。全20ステージ構成だが、それをすべてクリアしてもステージが続くエンドレスループゲームである。
主なルール
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主人公の狸を操作して画面内に8つ配置されているアイテムをすべて回収すればステージクリアとなる。
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アイテムはステージによって違い、フルーツや野菜などの他に何故かビールが配置されているステージもある。おそらく「ビールは狸の大好物なんだろう」と解釈するしかないのかもしれない。
 
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コントローラーはレバーとボタン1つでの操作となる。レバーにて狸の移動操作、ボタンはジャンプに使用する。
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レバー左右で狸の前後移動操作。はしごに近づいた状態でレバー上下でそれを乗り降りできる。
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レバーニュートラル状態でボタンを押せば、狸の向き前方に「小ジャンプ」を行う(垂直ジャンプはこのゲームには存在しない)。
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レバーを前後どちらかに入れながらボタンを押せば、狸の向き前方に小ジャンプよりも長く飛べる「大ジャンプ」を行う。
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ジャンプは小ジャンプの方が速い。
 
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ステージ内には敵があちこちでうろついており、これをかわす必要がある。
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敵は鼠と蛇。鼠は移動速度の違うものが何種類もいる。蛇は壺の中に隠れており、壺に触れなければ出てこない。
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敵の動きは全てそのフロアを一定基準に左右で動いているだけに過ぎず、特別に機軸が読めないトリッキーな動き回り方はしない。よって、敵パターンの把握は同期のゲームの中でも容易な部類に入るだろう。
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しかし、このゲームにおける狸の攻撃手段は一切存在しない為、敵に近づいた場合はそれを避ける以外にミスを回避する方法はない。
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また、ジャンプで敵をかわすという方法も通用しないので、敵との正面衝突は死を意味する結果となる。
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敵を確実にかわすには「はしごの中間部分に留まっていると絶対に敵に触れないのを利用してやり過ごす」という方法がある。
 
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フロアのあちこちに「画鋲」や「穴」があり、それらをジャンプしないと先に進めない。避けそこなえば当然ミスとなる。穴の大きさにばらつきがある。
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アイテムの他にも「壷」が置かれている。これに触れると以下の2種類の効果のどれかが発生する。
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一つはスコアボーナスが得られる効果。いわゆる「当たり」である。
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もう一つは壷の中から前述の通り蛇が発生し、より回避が困難になる効果。いうまでもなく「はずれ」である。
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しかも厄介な事に、最初からいる敵の移動スピードは速めで、蛇のスピードは非常に遅い。もしそれら2匹が同じフロアに留まると、その時間差のコンビネーションによってはしごまで到達できず、どうあがいても上のフロアに進めなくなり、上フロアにアイテムが残っている場合においては最悪クリアは詰みとなってしまう恐れもあるので要注意である。
 
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壷の中が当たりかはずれかは外見上ではわからないが、どちらが入っているかは完全固定である為、配置パターンさえ記憶さえすればはずれを極力避ける事も可能。
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また、壷はアイテムとは違い触れなくてもクリアには影響しないので、あえて壷を避けアイテムだけを回収する安全重視な攻略法も通用する。ちなみに敵はジャンプで越えられないが、壺はジャンプで越えられる。よほど悪い配置でない限り、蛇を全く出さない事は可能。
 
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残機制ですべてなくなるとゲームオーバー(コンティニューは不可)。
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ミスする条件は「狸が敵に触れる」「穴や画鋲を避けそこなう」「画面上部にあるタイマー(制限時間)が0になる」のいずれかとなっている。
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ミス後はすべてのアイテム、敵、壷が初期の状態に戻された完全戻り復活となる。これにより、上記の詰み状態に陥っても残機さえ残っていればゲームそのものがクリア不可能になる心配はない。
 
評価点
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コミカルな世界観。
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狸が主役、アイテムは果物や野菜、敵がネズミや蛇など、ほのぼのした雰囲気がある。
 
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システムがシンプルで分かりやすく、パターンを見切る面白味がある。
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ステージを進める度にアイテムや穴などの配置が厄介になる。
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小ジャンプの方が大ジャンプより速いため、可能な限り小ジャンプを使う方がいいのだが、当然ジャンプ距離は短い。双方のジャンプの使い分がコツの一つ。
 
問題点
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乏しいゲーム性。
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操作はジャンプと移動だけ。敵の動きもフロアを左右に動くだけと単純、ステージギミックなどもなく、プレイヤーのできる事が少ない。操作は単純ながらも奥深いゲーム性、という訳でもない。
 
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見た目が地味。
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派手さや変化に欠け、デモやプレイ画面を見ても面白味を感じられない。
 
総評
非常にシンプルなルールであり、初見のプレイヤーでも即効で入り込める親しみやすさを持っている。ただそうは言っても、ゲーム性の淡泊さは否定できない。出来が悪いという訳ではないものの、影に隠れてしまう存在だった。
余談
残念ながら家庭用移植の類は全くされておらず、今プレイする環境は大幅に限られるのが実情なのが悲しいところ…ではある。
知名度の低い当作品だが、韓国では日本では考えられない位に大ヒットを記録し、レトロゲームの代名詞のひとつとして挙げられる位に人気があった。その為、1999年頃にはアプリ等で移植されたり、イオリス社からリメイク作品として「ラクーンワールド」というアーケード作品もリリースされている。
最終更新:2024年08月13日 19:55