電車でGO! プロフェッショナル仕様
【でんしゃでごー ぷろふぇっしょなるしよう】
ジャンル
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シミュレーション
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対応機種
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プレイステーション Windows
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発売元
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PS
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タイトー
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Win
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アンバランス
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発売日
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PS
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1999年12月9日
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Win
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2001年6月15日
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定価
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6,320円
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廉価版
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PS
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PlayStation the Best 2000年12月7日/3,080円
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Win
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本格的シリーズ 2004年9月17日/1,980円
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判定
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スルメゲー
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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シリーズ最多の収録路線 話題の列車から懐かしい列車まで 相変わらずのゲームバランス
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電車でGO!シリーズ
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概要
1999年にタイトーからリリースされた専用筐体を使用した電車運転ゲーム『電車でGO!シリーズ』の家庭用オリジナルタイトル。タイトルの「プロフェッショナル仕様」は、過去最高の収録路線と「現役車両から引退車両を運転できる」ダイヤといった、当時のシリーズ最高のボリュームの多さを指している。
ゲームルールは初代を参照。
収録路線
初代および『2』(PS版)に収録された路線を全てプレイアブルにしている。
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「秋田・東北新幹線」 秋田-大曲-盛岡-新花巻
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『2』で収録された区間。在来線の列車が大幅に増強されたほか、『64』に続いて東北新幹線のみの運転も可能。
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「ほくほく・上越線」 直江津-犀潟-六日町-越後湯沢
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『2』で収録された区間。新たにJR区間だけを運転する列車が収録された。
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「山手線」 渋谷-東京-上野
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初代で収録された区間。東京~上野は本作初収録だが、実態はリフレッシュ工事中との設定で京浜東北線の線路を走るもの。
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「京浜東北線北行」 品川-東京-上野
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『2』で収録された区間。朝夕に運転する各駅停車の列車が追加され、シリーズ初の夜間走行のダイヤも1本設定されている。
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「東海道線」 品川-横浜
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新規収録区間だが、既存の京浜東北線との並行区間である。185系「踊り子」や215系といった特徴的な列車が多数登場。
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隠しダイヤの151系「第一こだま」のみ、横浜到着後に後述のJR京都線の運転に移る。当然ながら横浜~京都はカット。
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「JR嵯峨野線」 亀岡-京都
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初代で収録された区間。通過駅のある急行「丹後」や特急「あさしお」が収録された。
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「JR京都線」 京都-大阪
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初代で収録された区間。これまで未収録だった新快速や特急が多数実装された。
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「大阪環状線」 大阪-今宮-新今宮-天王寺
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『2』で収録された区間。天王寺駅では新たに連結ボーナスゲームが追加されたダイヤも。
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「鹿児島本線」 博多-小倉
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『2』で収録された区間。香椎線直通のキハ40が新たに収録。
評価点
圧倒的なボリューム
シリーズ最多の収録ダイヤ
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初期の時点で収録ダイヤはシリーズ最多の48。隠しも含めるとその数実に85ダイヤ。これまでのシリーズとは一線を画す収録数である。
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これまで登場していた路線は収録ダイヤを大幅に増やして登場。京浜東北線は品川→上野間を運転する北行と品川~横浜間を運転する南行が同時収録された。
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ほくほく線は直江津側の信越本線だけでなく、六日町~越後湯沢間の上越線も運転できるようになった。上越線区間は『2』で製作を打ち切られた過去があり、今作でようやく日の目を見ることになった。
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並行する京浜東北線のグラフィック流用ながら、新規路線として東海道線を収録。途中停車駅が川崎と横浜のみで一見短そうに見えるが、1駅間の距離が非常に長いため、運転時間は長い。
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難易度や爽快感だけでなく、発売時既に廃止になっている往年の名列車や、受け狙いのネタ列車など、印象に残る個性的な列車がずらりと並んでいる。本作では新幹線に続き客車列車も登場した。
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具体例
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「やまびこ48号」200系H編成
「Maxやまびこ46号」E4系
「Maxやまびこ70号」E1系
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前作で隠しとして登場した東北新幹線の盛岡~新花巻間を200系やE4系、E1系にて運転するダイヤ。わずか1区間のみの運転で、電GO史上最低難度といえるネタ路線。
「特急秋田リレー6号」キハ110系300番台
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秋田新幹線開業直前の1年間運転された特急列車。当時を再現したイベント臨時列車という扱い。ダイヤ面では性能の悪いディーゼルカーであることに加え、天候は雪という非常に厳しい内容となっている。唯一キハ110系が運転出来るダイヤである
「特急はくたか9号」681系2000番台
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途中駅に停車しないノンストップ便。直江津から越後湯沢まで合計17駅連続通過という爽快感溢れる列車。最高速度160キロという高速運転が楽しめる。
「臨時急行シュプール野沢・苗場」583系
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かつて運転されていたスキーヤーお抱え列車。もちろん天候は雪。急行ではあるが先行する快速列車を追い越すことなく続行するダイヤのためか、100~110キロ超えが当たり前な当路線において70~80キロ前後で走る。
「信越本線普通」115系
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総走行距離1400kmを越えると解放される隠しダイヤ。正式にはJR線である直江津~犀潟間をJRの車両で運転する。
「臨時特急とき12号」181系
「臨時特急第一こだま」151系
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国鉄時代に運転されていた特急列車がまさかの登場。ただし、前者は六日町~越後湯沢間と運転区間が短く、後者は容量・ゲームの都合上、品川~横浜、京都~大阪のみの収録となり、横浜~京都間は省略されている。
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鹿児島本線では対向列車として151系つばめ(はと)が登場。直流型電車である151系は交流電化の鹿児島本線を走れないが、交流型電気機関車に電源車を連結して牽引されることで九州に入線していた、交直両用電車が導入されるまでの1年間しか走っていなかったマニアックな編成。
「山手線内回り(渋谷8:58発)」205系
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リフレッシュ工事のため田町以降の山手線の線路が使えないという設定で、田町以降は京浜東北線の線路を走行する。
「京浜東北線北行(品川22:57発)」209系
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実はシリーズ初となる夜間帯の列車。深夜の窓明かりなどが独特の風合いで再現されている。
「急行丹後2号」キハ58系
「特急あさしお10号」キハ181系
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非電化かつ単線区間における優等列車の運転の難しさを楽しめる路線。駅通過の度に対向列車を待たせていたり、ポイント通過の度に速度制限が入ったりと、運転最高速度は低めでもきめ細かな加速・減速を要求される。なお、特急あさしおは本来二条駅停車のはずなのだが、今作では通過になっている。
「嵯峨野線普通」DD51形+旧型客車
「臨時快速丹後94号」
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シリーズ初の客車列車。とにかく加速・減速ともに最低クラスの性能だが、その分の時間は確保されているため、それほどダイヤは厳しくはなく、良くも悪くも極めてのんびりとした運転になる。ただし両者とも上り勾配が続く二条~丹波口間、下り勾配が長い上に速度制限が続く馬堀~保津峡間はとにかく我慢の必要な運転となるほか、丹後94号は降雪の中で前述のきめ細かな加速・減速を繰り返す厳しい運転になる。
「臨時快速嵯峨野ホリデー」221系
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嵯峨野線のホームから発車する関係上、京都から向日町まで貨物線を走行する変則的な運転が楽しめる。そのため、西大路駅ではなく少し手前の貨物駅である梅小路駅(現:京都貨物駅)を通過する。しかし、向日町通過後は特に目立った点なし。
「急行たかやま」キハ58系
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当時、日本で唯一グリーン車を連結して運転していたディーゼルカーによる急行列車。優等列車ならば120~130キロ近い高速で走行する京都線を最高速度95キロで走っていくため、感覚が鈍りやすい。更にディーゼルカーであるため性能が悪く、天候も雨と運転環境は最悪である。
「寝台特急はやぶさ」ED76形
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シリーズ初のブルートレイン。博多を出発すると小倉まで22駅連続通過というダイヤ。ただし機関車牽引列車故に性能は悪く、運転速度も80キロ程度と爽快感には欠ける。
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この他にも221系・223系のほか、153系・117系による歴代の新快速や、発売時既に引退していた山手線・京浜東北線の103系など、印象に残る車両は多い。
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ATC運転線区の設定増加
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これまでATCによる運転は東北新幹線だけであったが、今作では山手線と京浜東北線もATCによる運転となった。
細かくなった演出面
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同じ区間を走る列車でも、列車種別の違いだけでなく、車両編成の長さが違うという設定で停止位置が異なるようになった。
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例えばほくほく線の普通列車は2本収録されているが、六日町行きは2両編成であるため、ほくほく線内の駅はホームいっぱいに停車するが、越後湯沢行は単行なので基本的にホーム中央に停車する。
改善点など
ナビゲーションシステムの導入
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列車の進行に合わせて常時動作しており、信号や速度制限標識、警笛標識等が事前に分かるように表示されるようになった。このため前作まであった「いきなり信号や制限速度が表示されて減速が間に合わず減点になってゲームオーバー」ということはなくなった。
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ただし駅を通過した直後の信号の現示は、駅を通過するまでは「?」で隠されてわからなくなっている。
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またATC運転の路線では導入されていない。
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難易度をハード、ベリーハードにするとナビゲーションシステムは表示されなくなるため、従来のゲームシステムで運転することも可能。
その他隠し要素
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ベリーハードでノーコンティニュークリアすると、以後その列車で天候を選択することができるようになる。これにより、雪の降る深夜の京浜東北線や、青空の下を走るシュプール号なども運転可能になる。
修正点
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全てではないが初代や『2』で実際の路線・ダイヤと異なっていた点が何点か修正された。
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ほくほく線の各信号所は、列車交換を行う列車のみ退避線に入り、列車交換を行わない列車は速度制限なしで通過線を通過していくようになった。
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山陰本線で改名後の「嵯峨嵐山駅」となっていた「嵯峨駅」はようやく名前が旧線時代のものに訂正された。
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京都線快速は停車駅が見直され、現行ダイヤ通りに山崎駅も停車となったほか、ほくほく線の快速も虫川大杉駅に停車するようになった。
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はくたか号も十日町駅停車列車が485系、十日町駅通過列車は681系になった。また、犀潟駅も2番線ではなく1番線を通過するようになった。
賛否両論点
掴みづらい車両性能
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実車再現と言えばその通りなのだが、車両によって性能が違う。加速も減速も良い車両もいれば、悪い車両もいるし、加速は悪いが減速は良いという車両もいたりと性能はバラバラ。
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更に天候によっても性能は悪くなるし、朝夕の時間帯に運転される列車は乗客が大勢乗っており重くなっているという仕様でブレーキの効きが悪くなっている。
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中には「途中の駅から大勢客が乗ってきて、当該の駅を過ぎるとブレーキの効きが悪くなる」「逆に大量降車して、当該の駅を過ぎるとブレーキの効きが良くなる」という仕様の列車まで。
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ただでさえ完全パターンゲー、覚えゲー要素の強い当シリーズにとっては、ますます初心者には優しくない。こういった意味でもまさに「プロフェッショナル」と言えるだろう。ただし、電車の性能、天候、乗客の多さ、どれをとっても現実の鉄道運転士に通じるものであるため、完全な欠点とも言い切れない。
一部対向列車のの違和感
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153系の新快速や151系のこだま号を運転する際に、221系などの現代の車両とすれ違うのは違和感がある。
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もっとも、車内放送の中で「復刻運転扱いの臨時列車」として運転されているという設定であることが説明されているため、「何かしらの技術で当時の車両を復元して運転している」と解釈すべきである。
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そもそも、当該のダイヤに限り沿線風景等を全て作っていたら恐ろしい容量が必要になってしまうので、仕方がないところではある。
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一応165系の急行などその年代に走っていた列車を対向列車として登場させるなど、何も配慮していないという訳でもない。
問題点
相変わらずの難しさ
運転操作の難しさ
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前作での「突然現れた速度制限で減点される」という課題こそ改善されたものの、減点の多さや停車の難しさといった根本的なゲームバランスを筆頭とする問題点は改善されておらず、結局初心者に厳しいゲームバランスに落ち着いてしまっている。
一部クリア困難なダイヤ
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プロフェッショナルという名に恥じない超高難易度路線が多数あり、一部はクリア自体困難なダイヤも存在する。
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反面明らかに表記される難易度と実際の難易度が一致していないであろう路線も散見される。
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また今作にはどう頑張っても100点が取れないダイヤも存在する。
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前作『高速編』でも100点と定通が両立できない路線があったが、今作では無くなるどころか更に増えてしまった。
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高難度ダイヤの具体例
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「秋田新幹線こまち22号」
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当時のこまち最速列車で、大曲~盛岡間ノンストップ運転。神宮寺までのダイヤは前作の「2」の特級こまちと同じなので、刈和野~神宮寺の平均速度が線内最高速度の130km/h以上も前作通りとなっており、全駅定通と100点の両立が不可能である。更に大曲以降も全体的にダイヤが厳しく、盛岡~新花巻では最高速度275km/hで運転できるが、275km/hまで加速しても余裕はあまりない。
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「理論上では」全駅定通と100点の両立は可能であるが128.25km/hを一定時間維持し続ける必要があるため、現実的にはまず不可能であることに変わりない。128.25km/h以上出してしまうと総合評価で減点されてしまう。
「ほくほく線普通(越後湯沢行き)」
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雨の中での運転だが、HK100形は性能が良いのでブレーキ性能もさほど低下しない。しかしそれでもうらがわら~虫川大杉間とまつだい~十日町間のダイヤが非常に厳しい。前者は1区間前の大池いこいの森~うらがわら間も遅れが出やすいため、遅れを引きずってますますダイヤが厳しくなることもザラ。後者は110km/hを保ってもなお、十日町手前の制限45へのブレーキが早いと定時運転が難しく、100点を取ることが難しい。
「山手線内回り(渋谷8:58発)」
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リフレッシュ工事が見どころのダイヤだが、天候が「?」となっているため悪天候での運転になる可能性がある。悪天候になるとブレーキ性能がかなり低下するためクリアがかなり難しい。そして悪天候時で新橋に定着してしまうと有楽町で絶対に2秒以上延着するという仕様になっているため、どう足掻いても100点を取ることが不可能である。因みに天候晴れなら100点を取れなくはないものの、新橋~有楽町に1秒たりとも余裕が無いので100点は困難。
「京浜東北線南行(103系)」
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高速域の性能が鈍い・天候が雨・ラッシュ時間帯・そして前述の京都線以上に鬼畜なダイヤという4重苦を背負う運転が強いられる路線。特にブレーキは全く効かず、ダイヤに至っては大森から先は遅れ回復が実質不可能なほどの厳しさを誇っている。
「嵯峨野線普通(キハ40)」
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性能が悪いディーゼルカーに加え、天候が雨。そして嵯峨までのダイヤが非常に厳しい。しかし、嵯峨以降はダイヤに余裕があるので、嵯峨を超えた上で列車の性能に気を付ければ完走は容易。
「京都線新快速(223系1000番台)」
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通過駅主体のダイヤだがとにかく余裕がない。最高速度の130km/hで走らないと定通が取れない駅が多い超高速ダイヤとなっているため、1~2秒遅れただけで130km/hを大きく超えた運転しなければならなくなるという、とんだスピード超過列車になっている。
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もっとも、当時のJR西日本の新快速も競合私鉄路線に対抗するため余裕が無いダイヤが組まれており、130km/h以上で回復運転することも当たり前だったこともあり、ある意味実車再現と言えなくもない。
「京都線普通(103系)」
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高速域の性能が鈍い電車なので全体的にダイヤが厳しくなる。おまけに天候は雨である。特に前半は高速域の性能の鈍さに、後半は駅間の短さから遅れ回復の難しさに苦しめられる。
「鹿児島本線普通715系」
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電車の性能が悪くダイヤも非常に厳しい上、運転時間が非常に長い。約50分に渡り「ギリギリまで加速し、ギリギリまでブレーキを粘り、きついブレーキをかけて一気に減速して停車する」「少しでもブレーキのタイミングがズレたら即ゲームオーバー」という状況が続く仕様から、攻略本でも「シリーズ一二を争う高難易度路線」と謳われるほど。更に天候がランダムであり、天候が雪や雨では定刻運転不可能な駅が5駅も存在するため、100点どころかノーコンティニュークリアすら至難の業となる。
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このような極悪難易度と化しているのは、本来813系で運転されるダイヤに、715系という性能の悪い車両を無理やり充当しているためである。上記の客車牽引列車よろしく当時の最新列車と比較して低い性能の列車に合わせてダイヤを調整されていないのだからこうなるのは必然と言えるだろう。
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隠し路線開放条件
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最後の隠し路線の開放条件が「総走行距離が1500キロを超えること」「(前述の1500キロ路線も含め)当該列車以外の84路線を全てクリアする」というものなので、完全クリアには一部の超高難度路線もノーコンティニュークリアしなければならないため、初級者には非常に厳しい。
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ただし最終隠し路線の第一こだまを出すだけなら、84全ての路線を銅星にする、つまりコンティニューありでも最終駅に到達できればよいので高難度路線をノーコンティニューでクリアする必要は無い。また、ゲーム設定は変更しても構わない。
第一こだま以外の隠し路線はニコニコ大百科の記事が詳しい。
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第一こだま以外の隠し路線はノーコンティニューで他のダイヤをクリアする必要がある場合もある。例としてこまち22号など。
その他
中途半端な車内放送
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例えば関空快速の大阪駅発車後の放送は「関空快速関西空港行きです。天王寺までの停車駅は…」とゲーム内で運転される区間の停車駅だけを挙げるため、リアリティに欠ける。
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一方で寝台特急はやぶさと臨時特急とき12号はきちんと停車駅を全て挙げてくれるほか、特急はやぶさは車内の案内や飲食物の購入に関する注意事項を案内したり、特急あさしおは京都到着の際に新幹線の乗り換え案内をするなど、列車によって出来にムラがある。
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なのに発車案内(運転する列車の紹介画面)では、どの列車も停車駅が全て表示されている。
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現実の列車において途中で担当する車掌区や会社が変わる場合、途中駅までの停車駅案内になるという放送もあるが、新花巻のような中途半端な場所までの案内をする放送はまずありえない。勿論新花巻駅は会社境界駅でも乗務員交代駅でもない。
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特急雷鳥やにちりん等の電車優等列車とキハ58等の気動車優等列車の車内放送では車内チャイムである鉄道唱歌もしくはアルプスの牧場が流れるのだが、客車列車の車内チャイム、ハイケンスのセレナーデが収録されていない。該当するはずの列車は2本とも車内チャイム無しで放送を始めてしまう。
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もっとも、言い回しも大して重視していない上に棒読みだった前作から比べれば大きく改善されている。
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また、臨時快速嵯峨野ホリデーと第1こだまの車内放送でメタ発言ともとれる内容が流れる。嵯峨野ホリデーについてはまだそれなりに雰囲気を重視しているものの、第1こだまについては完全なメタ発言であり運転シミュレーションゲームとしては違和感のある内容となっている。
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ただしあまりにふざけていたりプレイヤーの怒りや失笑を買うような内容ではなく、スタッフなりの真っ当な思惑があって入れた事は想像に難くない内容ではある。
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メタ発言ともとれるその放送内容
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嵯峨野ホリデーは「第1こだまのダイヤ開放条件を『臨時列車の復刻イベント』と称して示唆する」というもの。
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「第1こだま号の記念乗車券は現行ダイヤの全ての列車に乗車すると発券される」「途中駅で降りた場合は無効になる」と述べており、隠し要素を世界観やリアリティを崩すことなく仄めかしている。
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第1こだまは大阪駅の到着の際に「本日は臨時特急第1こだまにご乗車、ありがとうございました。またのプレイをお待ちしております」という復刻運転以前にこの収録路線がゲームであることを開き直ったかのような内容を吐いてしまう。
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ただし前述のクリアの難しい超難易度路線も含め84ものダイヤをクリアしてきたプレイヤーという名の運転士は、ここまで多大なる時間と努力を費やしてきたのもまた事実で、それへの労いともとれる。
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京都線の水増し同然ダイヤ
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京都線には手抜きして収録内容を水増されたとも捉えられるダイヤが存在する。
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雷鳥14号、雷鳥22号、スーパー雷鳥26号、白鳥は天候や難易度設定こそ違うものの全て「新大阪駅と大阪駅に停車する485系の特急」という意味では同一のものである。見た目は別物だが性能面で大した変化がない。
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スーパー雷鳥のみ最高速度が130km/hだが、この列車が130km/h運転を行っていたのは湖西線および北陸トンネル内のため、このゲームとは関係ない区間での話である。
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また同路線の201系普通は京都発と高槻発の2ダイヤが収録されているが、高槻~大阪間は所要時間・天候が全く同じ。つまりこの高槻発のダイヤは京都発のダイヤの一部を切り取って別列車扱いで収録されていると言って差し支えない。
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設定上は京都発が西明石行き、高槻発が新三田行きとなっており、車内放送もきちんと行き先を告げているのだが、西明石行きと新三田行きが分岐するのは大阪より2駅先の尼崎駅と収録区間外の話であり、ゲームで運転する上では変わり映えしない内容となっている。
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また高槻発の方がブレーキ性能が良いということで一応の差別化は図られている。
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他の路線を見ると例えば秋田新幹線のこまちやほくほく線のはくたかは同じ区間で複数本収録されているが、使用車両や停車駅、信号所での列車交換の有無等の差別化が図られている。
一部再現ミス
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大阪環状線のダイヤで西九条に停車する際に阪神西大阪線への乗換を案内するのだが、なぜか「阪神西九条線はお乗り換えです」と誤って放送されている。
UI面の不備
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ワンハンドルタイプでプレイした場合、マスコン・ブレーキレベル表示がナビゲーションシステムと重なってしまう。
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ワンハンドルタイプの専用コントローラーを使用した場合、マスコン・ブレーキレベルは画面左上に表示されるが、ナビゲーションシステムが画面左に表示されることにより、マスコンレベル表示部と被ってしまい、非常に見えづらくなってしまった。先方の信号や標識がマスコンレベルのせいで確認できず、大きな支障となっている。
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次回作の『プロフェッショナル2』では、マスコンレベル表示部が重ならないように改良されている。
Windows版
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Windows版のグラフィックがPS版と同じポリゴンになっている。これは本作~『汽車』の3作品が該当する。
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車両紹介の説明文や画面上部のマスコン・ブレーキレベルの文字を見れば一目瞭然。ドットが目に見えるガタガタなグラフィックになっている。
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つまりはPCの性能を持て余しているということになる。これは本作にAC版が存在しないため、PS版から移植されたことによるもの。移植は開発元であるタイトーではなく、サードパーティのアンバランスが行っていたため、仕方ないことではあるが残念である。
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同じくWindows版で、雷雨で運転すると稀にゲームが落ちることがある。
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雷が鳴るタイミングでフリーズしてそのまま強制終了となるのだが、運転開始後にいきなり発生することもあれば、数時間経っても発生しなかったりと、発生頻度が完全にバラバラ。
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ただし初期天候が雷雨のダイヤは1つしか無いため、天候を雷雨に変更しなければとりあえず遭遇はしない。ただしその唯一の雷雨ダイヤを運転したい時はどうしようもないが。
総評
全路線クリアまでの時間は非常に長く、当時現役だった車両から、既に引退した車両も運転可能であったりと、ボリュームは非常に充実したものとなっている。
しかしながら、ナビゲーションシステムの導入で理不尽な速度制限に引っかかることは少なくなったとはいえ、根本的なルールは据え置きである。シリーズ特有の「完全覚えゲー&パターンゲー」であることには変わりなく、ライトユーザーには不向きと言わざるを得ない。
良くも悪くも「プロフェッショナル仕様」という言葉通りのボリュームと高難易度を誇るゲームであり、「電車でGO!シリーズや鉄道運転ゲームが好きでとことんやりこみたい」いう人、あるいはシリーズ経験者にこそ勧められるスルメゲーに仕上がっている。
最終更新:2024年07月28日 09:17