ANGELUS 悪魔の福音
【あんじぇらす あくまのふくいん】
| ジャンル | アドベンチャー |  | 
| 対応機種 | PC-8801mkIISR以降、PC-9801VM/UV以降、 FM77AV、MSX2
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| 発売・開発元 | エニックス | 
| 発売日 | 1988年7月 | 
| 定価 | 8,200円 | 
| 判定 | なし | 
 
概要
ホラーサスペンスADV。当時のエニックスのゲームと同様、外部からスタッフを募って作られた。
システムとしてはオーソドックスなコマンド選択式。コマンド自体も見る、話す、考えるなど基本的な物。
ストーリー
ペルーの大規模ダム工事の落成式で、工事の責任者シュミットは挨拶の途中で突然苦しみだす。
体中の血管が浮き出し、肌も緑に変色するという異様な死に方をした同時刻、日本でもエイミという少女にも同様の症状が起きる。
ロンドン・ポスト社の記者ブライアン・パールは出張先から帰国途中の機上で、隣人に同様の症状が発症するのを目撃する。
彼はこれをきっかけに、これらの異様な出来事の真相究明へと向かう事となった。
特徴・評価点
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ホラーゲームとしての完成度の高さ
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被害者の異様な死に様、曰くあり気な古い書物、謎の言い伝え、そして全ての鍵を握る青い石。
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謎が一つ解けるほどにオカルト的な色合いが色濃くなる展開は、ホラーサスペンスとして非常に評価が高い。
 
 
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演出にアニメを多用している。
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被害者が奇病によって様子が変わっていくシーンは特筆する出来。
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また会話シーンでは口パクをするようになっている。
 
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アプリケイション・システム
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一度クリアすると、ストーリーを通して見る事ができるようになる。
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シナリオの評価が高いだけに、クリア後に最初からシナリオのみに集中して堪能できたのは好評だった。
 
 
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豪華な外部スタッフ
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『ダーティペア』のキャラクターデザインや『うる星やつら』の作画監督をした土器手司、そして『ドラゴンクエスト』の作曲を手がけたすぎやまこういちが加わっている。
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おかげでグラフィック、音楽共なかなかの出来。
 
賛否両論点
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コマンド選択式ADVに多い無駄な選択の多さ。
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当時のゲームとしては話を進める為にコマンドを探す楽しみもあったが、やはり同じコマンドを繰り返す結果になりやすいのは少々難点。
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また、本作は会話からフラグがどこにあるか推測し辛いのも辛い。
 
 
問題点
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アニメーションが通常会話では長くてだれる。
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会話時にも口パクをアニメーション表示しているのだが、そのせいでメッセージを飛ばせないためゲームのテンポを悪くしている。
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コマンド選択式ADVである為、全く同じ会話を繰り返す事も多いので、余計辛い。
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さらに、前述のアプリケイション・システム実行時にもアニメーションが入る形で進行するため、メッセージの進行が遅いという問題も。
 
 
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ご都合主義的展開が少し気にかかる。
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ホラー系のストーリーとはいえ、異様な死にざまを早々にオカルトと結びつけたり、裏付けのはっきりしない情報を信じたり。
 
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ぶつ切りED
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「目前の目的は達成しつつも伏線を残し新たな問題が…」というホラー作品に良くある終わり方であるが、伏線を残した終わり方には非難の声が多かった。
 
総評
良質なADVを多く作っていたエニックスのゲームとして注目を浴びた作品。
オーソドックスな作りながらも、グラフィックやBGMなどでは安定した面を見せた。
出来がいいだけにストーリーに少々粗があったり、会話演出がむしろテンポを悪くしているのが残念。
とはいえ、当時のホラーサスペンスとしての評価は高い。
その後の展開
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PC-98版では一部にシナリオが追加された。
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EDは変わってないので、続きが気になるのはそのままだが…。
 
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続編『ホーリーナイト』は、キャラクターデザインにアニメ『機動戦士Ζガンダム』の北爪広幸氏、シナリオに『J・E・S・U・S II』の六月十三氏、サウンドにゲーム音楽作曲家の古代祐三氏など錚々たる名前が挙がっていた。PC-98での発売予定である程度話が進んでいたのだが、延期に次ぐ延期の末エニックスがPCゲーム事業から撤退。PCエンジンに移行して発売予定となったが結局発売されることはなかった。
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今でも続きを待っているプレイヤーは多く、その点からも本作の評価の一端がうかがえる。
 
余談
最近ではプロジェクトEGGでの配信が困難になっている。
最終更新:2024年05月19日 10:47