Nega0
【ねがぜろ】
| ジャンル | ガールズデバッグADV | ASINが有効ではありません。 | 
| 対応機種 | Windows 2000/XP/Vista | 
| メディア | DVD-ROM 1枚 | 
| 発売・開発元 | ETERNAL | 
| 発売日 | 2009年9月25日 | 
| 定価 | 8,800円(税別) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| レーティング | アダルトゲーム | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 複雑な設定とシナリオ バトルは◎
 キャラが受けるかどうかが問題
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| ETERNAL作品リンク | 
 
概要
『輝光翼戦記 天空のユミナ』で華々しいデビューを飾ったETERNALの二作目。
バトルは前作から簡略化したが、ADVとしては進化している。ただし、スケールやシナリオに関しては前作よりも人を選ぶものになっている。
万人受けしないため、知名度も『ユミナ』に比べると及ばないが、本作には本作にしかない魅力が詰まっている。
あらすじ
この世界は人々の認識という、あやふやなものでできている。
各個人の認識は巨大な集合認識に繋がっていて、
それが世界の状況を決定しているのだと、
未来からやってきたらしいノートパソコン(のようなもの)
の中の彼女は言った。
その認識を強引に世界に適用させ、
現実を曲げてしまう行為こそを、魔法と呼ぶのだと。
そして魔法を使うには、
魔法の存在を信じる心と環境が必要なのだと。
本当は存在しなかった嘘を、
真実だと思いこめる心が必要なのだと。
彼女は続けた。
強引に書きかえた願いはやがて世界に大きな矛盾を起こし、
やがては世界のフリーズ現象を引き起こす。
そして、そんな魔法を使える魔法少女を増やす
七面倒な魔法少女が、近い将来出現してしまうと。
つまり、世界はピンチらしい。
「だかられーこさん、
あなたの夢を信じない心が必要なんです。
不条理を修正するデバッガーとなって、
このピンチを救ってください!」
ネガティブ少女の正義のスパナが、ファンタジーを現実へと引き戻す。
さよなら、ご都合主義。
(公式サイトより引用)
用語
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魔法
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認識を自分の都合のいいように作り替えてしまう存在。これを使う存在を総じて魔法少女という。
 
キャラクター紹介
    
    
        | + | クリックで展開 | 
宇崎なおた}
主人公。ご都合主義のようなもので、謎の勇者パワーを授かる。歳の割には妙に達観している節があり、それがれーこのカンフル剤になっている。
 効率的を主に考える効率主義者。
 
夢埜れーこ}
なおたの幼馴染。非常にネガティブであるが、そのネガティブさによってデバッガー「ネガティブゼロ」へ変身出来る。とにかく自分が一番信用出来ず、嫌いな存在と言って聞かない頑固者。
 物語では結構重要な存在。
 
守沢いちよ
れーこの唯一の親友。文武両道でスタイルもよく、おまけに性格も柔和。完璧な少女であるが、彼女には非常に辛い過去があり、今の状態はそれを押し込めているからである。
 れーこに対しては少々意地悪な面を見せる。
 
九重ナナカ}
パッキンツインテのクール少女。一人称がボク。彼女もデバッガーであり、「クールセブン」と名乗っている。
 とっつきにくいところがあるが、心配性で面倒見が良かったりもする。シドという携帯型パソコンを持つ。
 ちなみに、前作『天空のユミナ』でも似たような性格で、かつ似たような声優を起用したキャラが存在している。
 
ファソ
未来からやってきた、れーこのパソコン。お調子者で、性悪な部分を隠しもしない。普段はパソコンのちびキャラだが、長身美女である実体化も可能。
 しゅごおおおお、という独特な鳴き声を持つ。
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デバッグシステム
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シナリオ中に、テキストの矛盾点を洗い出してどんどん突っ込んでいく。
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突っ込まれた認識は正常化され、通常とは違ったシナリオへ分岐していく。時折、エッチな展開になることも。
 
バトルシステム
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エリア
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画面左上の3つのゾーンで、赤い部分が敵の射程範囲内となる。
 それ以外の場所へ移動すれば攻撃は当たらないが、与えるダメージが低くなる。
 
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チェインスキル
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トリガーアプリから連鎖する。ただし、同じエリアにいないとチェインは発動しない。
 
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スイッチアプリ
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単独でのチェインは限りがあるため、味方の攻撃に派生させる。
 
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カウンター
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敵の攻撃と同じタイミングで移動アプリを使って攻撃すると、敵の防御率を無視した1.5倍のダメージを叩き出せる。
 
評価点
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秀逸なバトルシステム
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バトルはシンプルだが、ゴリ押しできるような甘い難易度ではない。
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中には、ダメージ覚悟で飛び込む必要のある敵もおり、それなりに歯ごたえのあるバトルが楽しめる。
 
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熱いBGM
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バトルBGMが特に良い。1ループが長めであるため、バトルが長丁場になっても気にならない。
 
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デバッグシステム
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あくまでADVとしての選択肢をデバッグに割り当てただけに見えるが、これによって分岐するシナリオはお馬鹿シナリオに繋がることもある。
 また、そのENDも非常に多岐にわたるため、やりこみ派には良いだろう。
 
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キャラクターの成長度
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れーこは当初非常にネガティブでプレイしていてイライラすることも多いが、最終ルートでは驚嘆するくらいの勇敢さを身につけ、
 彼女の成長の成果が実感出来る。やることも非常に規模が広く、人はここまで変われる、ということを身に沁みさせてくれる。
 
賛否両論点
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濃ゆいキャラクター勢
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まともなキャラを探す方が難しい。全てのキャラが大体酷いことをしたりされたりしている。
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なおたはまともなんじゃ?と思うが、効率主義という言葉を利用して、自分への負担を軽くした上で、最良な策を講じるという策士なキャラなため、これについては賛否が分かれる。
 所謂努力する事なかれ主義であるため、ネガティブ全開のれーこに対しても、これといった思いやりが希薄。
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れーこについては、最終章でようやくまともなキャラに成長するが、それまではただただストレスが溜まるうじうじキャラ。
 第二章が特に顕著で、本作のシナリオは非常に長いため、この辺りで投げてしまうプレイヤーは多いと思われる。
 声優の演技力が祟って、うじうじボイスが余計に癪に障る。
 
    
    
        | + | 重要なネタバレ含む | 
まず、本作の最初のシナリオはなおたは既に死亡しており、それによって認識世界の特異点となったれーこが、なおたが存在する世界にねじ曲げたというところから始まる。それをデバッグしに、未来からやってきたれーこの娘であるナナカが、母のデバッグを行うというもの(ナナカの未来では、なおたは存命している)。
 結果的に魔法の根源であるラスボスを倒すが、世界を正常に直したと同時に、なおたも消えてしまう。
 最後は、なおたがすぐ後ろにいるかもしれない…という淡い期待で、笑顔で振り返るれーこの一枚CGでENDとなる。
 この結末については、最早一定の評価を下すことは出来ないだろう。
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問題点
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複雑な世界観
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シナリオの時点で、本ゲームの世界はかなり不安定な状況に陥っている。そのため、ちょっとしたことで矛盾が生じ、そのために元一般人だったれーこが駆り出されるため、シナリオの展開がやや強引なのは否めない。
 
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あまり意味のないスタイル
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貧乳だろうが豊胸だろうが、どのCGでも同じ大きさに見える。いちよルートでも、そのスタイルを活かしたプレイはない。
 
    
    
        | + | 重要なネタバレ含む | 
ファソの正体
誰が作り、誰の性格を引き継いだのかは判明しない。シドは恐らくなおたが作ったものだろうが、ファソに関しては明言されていない。「まるで、なおたさんのことは昔から知ってるようです」という思わせぶりな発言があるが、謎の上塗りである。
 
ナナカの父親
恐らくはなおたなのだろうが、なおたとれーこの血筋には金髪キャラがいない。そのため、父親別人説が出てきても不思議ではない(作中でナナカ以外の金髪キャラはいないため、考察にならないだろうが)。
 
兼定について
なおたの悪友キャラであるが、実はラスボスと密接した関係であることが判明する。しかし、それを匂わすようなフラグは存在せず、多少発言がメタ的である程度。この辺りの設定は意外性を持たせたかったのだろうが、兼定である理由が全く説明されない。
 女子の制服を持っているのも、ラスボスに着せるためという理由があるが、かなり苦しい。そもそもラスボスは人間ではない(仮の姿では少女であるが)。
 
れーこについて
なぜれーこが特異点になったのか、なぜれーこだけが世界全体をねじ曲げてしまうほどの魔法を使えたのか、その理由もはっきりしない。
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総評
作品としてはかなり癖が強く人を選ぶ作品である。FDも特に出ていない(といっても、輝光翼戦記シリーズ以外は未出だが)。
ADV要素は
あくまで前作と比べてであるが
強化されているので、その点は安心してプレイ出来る。
バトルは中々歯ごたえもあり、テンポも良くなっているので充分楽しめるだろう。
最終更新:2023年03月07日 21:50