新紀幻想 スペクトラル ソウルズII
【しんきげんそう すぺくとらる そうるずつー】
| ジャンル | シミュレーションRPG |  
  
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| 対応機種 | プレイステーション2 | 
| メディア | DVD-ROM 1枚 | 
| 発売元 | アイディアファクトリー | 
| 発売日 | 2005年1月27日 | 
| 価格 | 通常版 | 7,140円 | 
| 限定版 | 9,240円 | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| レーティング | CERO:全年齢対象 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 3勢力操作による戦記 いつものIFゲーバランス
 章が進むと跳ね上がる難易度
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| ネバーランドシリーズリンク | 
 
概要
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アイディアファクトリーの看板シリーズの一つ『ネバーランドシリーズ』の一つであり、『ソウルズシリーズ』の2作目。
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魔族の国「ネバーランド皇国」、人間達の「新生シンバ帝国」、そして第三勢力「ローゼス解放軍」をそれぞれに操作する、後に「7年戦争」と呼ばれる事になる長い戦争の模様を描いた作品。
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今までのシリーズ総まとめの様なシナリオで、シリーズ古参キャラから(発売時)最新のキャラまでが入り乱れている。
 
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戦闘システムは前作(ソウルズ1)を踏襲しており、そこに新システムが追加されている。
特徴
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複数勢力の操作
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3つの勢力それぞれでの戦闘中の行動や戦闘外の選択等が、別勢力の行動や選択肢に影響する。
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例えば勢力Aが海上封鎖を行うと、勢力Bで陸を進むか、海を進むかの選択があったのが消え、陸路のみになる等。
 
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それぞれの行動により最終的にはシナリオも分岐し、複数のEDへ分岐する。
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後作で正史となる「真ルート」も存在する。……が、条件は非常に面倒。
 
 
評価点
戦闘システム
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自分のスキルを組み合わせるだけでなく、仲間のスキルとも組み合わせ、戦闘中に非常に強力なスキルへと昇華できる。必殺技同士を連携させ、さらに強力な必殺技にもできる。
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これにより、自分達より強力な敵に対しても、味方同士で上手く連携する事で対処も可能。
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色々変化はしていくものの後作でも引き継がれていくシステムであり、基礎はこの頃から安定している。
 
やりこみ要素
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武具の合成では、鍛えた武具を店に登録して買える様にするか、更に強力な武器へ鍛えるか等の選択もあり、どう合成を進めていくか考えさせられる。
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上記選択はどちらを選んでもその武具がなくなってしまう為、両方選択したい場合、同じ武具を複数回鍛える必要がある。
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またアイテム、スキルの合成は上記のような選択こそないが、合成の種類は多くやり応えがある。
 
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クリア後の追加ダンジョンでは強力な敵が待ち構えており、一筋縄ではいかない。
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こちらもクリア後限定で入手できるアイテムを使って武具を合成出来たりと、出来ることは多い。
 
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これらのおかげで一度はまるといくらでもやる事があるため、好きな人はかなり飽きにくいゲームに仕上がっている。
賛否両論点
シナリオ
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3つの勢力をそれぞれの主人公と言える「ヒロ」「ナイヅ」「ミュウ」の視点を主軸に進めていくのは、戦争の各視点での違い等を楽しめる反面、視点が定まらず少々話を理解しにくくなっている所もある。
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過去作のキャラが大量に登場する為、過去作をどれだけやっているかで、シナリオをどれだけ楽しめるかが変わってくる。
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物語の主軸は過去作をやってなくても楽しめるが、やはりサイドストーリー等は過去作(特に前作)前提の点が多い。
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既存キャラを含めキャラは非常に多いが、3勢力それぞれで物語が進む為、キャラが多い割には影の薄いキャラは少な目。
 
ゲーム難易度
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章が進むごとに敵の強さが跳ね上がる。
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大まかに言うと、その章の最終戦をギリギリ倒すくらいだと次の章の雑魚敵にすら苦戦し、その章の最終戦を余裕で倒すくらいで次の章の雑魚戦がちょうど良いくらい。
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レベル上げやスキル・武具の合成等をしっかりやっていけばそれほど詰まる事はないが、何となくやっている位だと、どんどん辛くなっていく。
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最終的には評価点のやりこみ要素に繋がるので、はまる人にははまるが、気軽にプレイするには向かない難易度。
 
 
問題点
複数勢力が完全独立
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上記ゲーム難易度もあり、3勢力それぞれでレベルアップ等をする必要があり、少々手間。
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武器を合成し強化した後、店に登録する事で、その武器を店で買えるようになるが、その登録情報も勢力毎に独立している。
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最終的には合流し、一つの登録情報が2周目以降に引き継がれはするものの、やはり手間。
 
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また、2周目以降の引継ぎにも不便な点があり、各種ポイントの3分割はともかく、武具やアイテム、スキルが勝手に振り分けられるのが痛い。
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その為、2周目以降に強力な武器がある勢力とそうでない勢力で非常に差が出る。
 
ロード時間
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気にならない人もいるが、各種ロード時間は少々長め。
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少なくとも、気の早い人だと頻繁なロードにイライラする程度にはある。
 
グラフィック
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そもそもがあまり力を入れていないのかもしれないが、PS2としてはあまりクオリティが高くない。
一部仲間キャラの加入条件
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探索や選択肢等が必要で、最後のほうに加入する一部のキャラの条件は非常に面倒。
真ED条件
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インターネットで攻略情報がやり取りされる時代に、攻略本が出るまで情報がはっきりしなかったレベルの条件。おまけに攻略本にも間違いがあった。
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3つの勢力それぞれで行動選択肢が出るが、各章毎に、「どの勢力をどの順番で選び、どの選択肢を選ぶか」を間違えられない。
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例をあげると、ある章では「先に帝国で話を進めると進撃ルートを選択できるが、皇国の話を先に進めると前述の進撃ルートの内片方を封鎖するイベントが自動で発生。とあるキャラはその封鎖された進撃ルートで加入するが、当然そのキャラを仲間にする事も出来なくなる」といった具合。
 もちろん選択肢を選べるようにした所で、選択肢自体を間違えれば真ルートへの道は閉ざされる。
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さらに、勢力Aで戦闘→勢力Bで戦闘→勢力Cで戦闘→勢力Aで会話イベント……のように、勢力切り替えでしっかりとイベントを見る必要もある。
 
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各章の最後にはどの勢力視点で歴史を進めるか選べるが、ここでもほぼ間違えられない。
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大体は3勢力中2勢力程度の選択幅はあるが、どちらかでは強敵の撃破や全滅が必要だったり、条件が追加されたりする。3勢力中1勢力しか当たりがない場合も。
 
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強敵の撃破、一定ターン内のマップクリアはもちろん、倒す必要のないボスをあえて倒さない、あるマップでは一定ターン以上あえて長引かせる、等も必要。
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正しく真ルートの条件を満たしているか確認できるのは、終盤も終盤。失敗したと分かった場合の精神的ダメージは大きい。
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ソウルズ2の真ED条件は知ってる人同士では今でも語り草になっている。
 
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ちなみに真ルートに入ると通常以上に敵も強くなる為、1周目に真ルートを目指すと痛い目に遭う。
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上記条件の面倒さもあり、周回プレイ等のやりこみ前提で敵を設定している模様。
 
総評
後作の『ブレイジング ソウルズ』同様に、戦闘システム、合成システム等が気に入った人にとってはやり応え抜群で、とにかく嵌る人はひたすら嵌る。
クリア後が本番と言う人も。
シナリオ面でも好き嫌いが分かれるものの、3勢力操作による戦争描写は良く出来ており、それなりに好評。
ただし、戦争の残酷描写などはそれほどは描かれていない為、戦争のそちら方面を期待すると拍子抜けするかもしれない。
ゲーム難易度は気軽に遊ぶのには向かないが、がっつりとやりこむには適した難易度。
戦闘システム自体の評価はそれなりに高い為、もう少し遊びやすい難易度なら人にも勧めやすかくなったかもしれない……。
後にPSPへ軽い追加要素を入れて移植されたが、その出来は……。(詳しくは下記)
新紀幻想 ~SSII アンリミテッドサイド~
【しんきげんそう えすえすつー あんりみてっどさいど】
| ジャンル | シミュレーションRPG |  
 | 
| 対応機種 | プレイステーション・ポータブル | 
| メディア | UMD 1枚 | 
| 発売元 | アイディアファクトリー | 
| 発売日 | 2005年10月27日 | 
| 価格 | 4,800円 | 
| 廉価版 | IFコレクション 2009年3月12日/2,800円
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| プレイ人数 | 1人 | 
| 判定 | 劣化ゲー | 
| ポイント | 無難な追加要素と壊滅的なロード時間 | 
 
概要(PSP)
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『新紀幻想 スペクトラル ソウルズII』のPSP移植版。
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一部の追加要素を除き、変更点はない。
評価点(PSP)
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クリア後のやりこみ用ダンジョンの追加
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既存のやりこみ用ダンジョンにさらに深層が追加。
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歴代シリーズの大物等とも戦える。
 
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成長上限の撤廃
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ステータスは限界を超えてレベルアップボーナスを割り振れるように。
 
問題点(PSP)
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異常に長いロード時間
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プレイ続行が困難になるレベルでロード時間が長い。プレイヤーの感覚・忍耐力の問題ではなく、本当に長い。その上頻繁に入る。
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会話の文章を1つ進める度に長めのロード、町あるいは戦闘マップの切り替え時に10秒程度のロード、技の演出前に長めのロードetc……
 
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凄まじい処理落ち
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ステージにもよるが、戦闘開始時のキャラ配置演出が異様に重く、実際に操作可能になるまで数分かかる(PS2版はものの数秒)。
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処理落ちのせいで、町の入口からショップまで移動するのにかなり時間がかかる。
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凄まじく重いエフェクトのせいで、いつまで経っても戦闘が進まない。
 
総評(PSP)
元々やりこみ要素が多いだけにどこでも遊べる携帯機との相性自体は良く、さらなるやりこみ要素を追加しての携帯機移植自体は自然な流れなのだが、UMDのロード時間が全てを台無しにしてしまっている。
それも多少のロード時間ならともかく、あまりロード時間を気にしないという人でも投げたくなる酷さはいかんともしがたい。
わざわざ廉価版まで発売しているが、廉価版でも改善はされていない。
というか、この出来で何故廉価版まで出した。
追加要素に関してもシナリオ変更などはないので、素直にPS2版を遊ぶのがいいだろう。もしくは下記Android版か。
余談(PSP)
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後にPSP版をベースに「スペクトラルソウルズ」のタイトルでスマホアプリとして移植された。
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金額はiOS版はプロローグ3章のみ無料の税込1260円。Android版は税抜き1200円。配信当初はしばらく無料配信も行われていた。
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こちらでは流石にロード時間の問題は改善されている。当初の無料配信や携帯してやりこむという側面に合致していたこともあって、何気にオススメされていた。どうしてPSP版でこうならなかったのか……。
 
最終更新:2022年05月28日 16:50