「修正依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。
依頼内容は対人戦についての記述の追記です。
DEAD OR ALIVE 4
【でっど おあ あらいぶ ふぉー】
ジャンル
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対戦格闘
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対応機種
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Xbox 360
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発売元
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テクモ
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開発元
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テクモ(Team NINJA)
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発売日
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2005年12月29日
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定価
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8,190円(税込)
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通信機能
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Xbox LIVE対応
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レーティング
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CERO:18歳以上対象 |
廉価版
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プラチナコレクション: 2007年11月1日/2,940円
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判定
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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激ムズなCPU戦 なのにイージーは無し 対人戦バランスは良好
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DEAD OR ALIVEシリーズ
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概要
板垣伴信氏が率いるTeam NINJAによる3D格闘ゲーム『DEAD OR ALIVE』シリーズの第4作。
当初は360のローンチタイトルとして発売される予定だったのだが、プログラムに不具合が発生して29日に発売延期になっている。
360のキラーソフトとして期待されていたのだが、この発売延期のせいで足をすくわれる形になってしまった。
このゲームには「打撃」「投げ」「ホールド」の三竦みが存在し、打撃が投げに強く、投げがホールドに強く、ホールドは打撃に強い。
この三竦みがゲーム中において非常に上手く機能しており、他の格闘ゲームで言う所の「ハメ殺し」が事実上できなくなっている。
オンライン対戦も可能で、対戦ツールとしてのバランスは非常に優れていると断言できる良作である…対戦ツールとしては。
しかしこのゲーム、1人で遊ぶ際には一転して恐ろしくストレスが溜まる仕様となっている。
問題点
CPUが凶悪過ぎる
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とにかくCPUの強さが半端ではない。ストーリーモードの1人目ですら本気でプレイヤーを殺しに来ており、空中コンボなどを平気で繰り出してくる。
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それでも2人目あたりまでならガードが甘くゴリ押しでもどうにかなるが、3人目あたりから恐ろしく超反応になり、打撃ボタンを押した瞬間にパンチ連打からいきなりホールドに切り替えてくる、投げで対抗しようとすると打撃が飛んくる、ガードを固めると投げられるなど、完全に後出しジャンケンをやらされてるようなもの。
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「プレイヤーの行動に対して○%の確率で有効な反撃を行う」というルーチンになっているため、相手の超反応を利用した安定した攻略法というものもない。つまり、今作のCPU戦ははっきり言って完全に運ゲーなのである。
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だったら難易度下げればいいと思うかもしれないが、実はこのゲームの難易度設定はノーマル、ハード、ベリーハードのみで、何故か難易度イージーが存在しない(前作までは存在していた)。
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しかも難易度ノーマルでこの理不尽な仕様であって、ハードやベリーハードとなると上記の理不尽さにさらに磨きがかかり、とてもじゃないが人間に太刀打ちできるレベルでは無い。
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現在はタイトルアップデートで若干難易度の調整が図られたようだが、それでも難易度ノーマルですら初心者お断りのままであり、それなら最初から難易度イージーを実装してほしい。
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コンティニューは無制限でロードも短いので、何度でもすぐやり直せるのが救い。運ゲーということは、逆に言えば「ずっとやっていればいつかはクリアできる」ということでもある。
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その観点で言えば、実はかなり簡単とも言える。多彩な技を使ったり複雑なコンボを極めたりタイミング良くホールドしたり、といったスキルが無くとも、適当にプレイしていればいつかはクリアできるのだ。回数試行が苦にならなければ、シリーズ中でもクリア難度はかなり低い。ただ、それが楽しいかと言うと…。
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ちなみに今回、隠しキャラの1人であるエレナの出現条件は「初期状態で選択可能な全員でストーリーモードをクリア」というものであるため、上記の超難度もあって非常に煩わしい。
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実は360本体のオプション機能で「ゲームの初期設定」で難易度を「やさしい」にする、もしくは「年齢」を80歳~99歳などの高齢にすることで難易度を低下させられる。
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もっとも、このような方法など普通にプレイしていればまず気づくことはなく、わざわざ本体設定を変更しなければならない時点で何かが間違っている。
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しかも試合が進むにつれあまり大差はなくなっていき、特にラスボスの強さはほとんど変わらないので、ここばかりは純粋にプレイヤーの技量と忍耐が試される。
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プロデューサーの板垣氏は「『バーチャファイター2』のCPUアキラ」くらいの強さを目指した、と語っている。
ラスボス「ALPHA-152」の理不尽さ
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CPU戦の理不尽さは上に述べたとおりだが、特定のキャラのストーリーでラスボスとして登場する「ALPHA-152」の強さは、他の理不尽なCPUキャラさえも雑魚に思えてしまう程の凶悪な代物である。彼女のあまりの強さに絶望したプレイヤーは多いだろう。
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かすみのクローンである彼女の技はかすみに準じたものになってはいるが、その強さはかすみの比ではない。空中に浮遊していたり、短距離をワープしたりと、予測不可能な動きをしては、一度攻撃がヒットすると体力を半分近く奪うほどの連携を叩き込んでくる。
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また、投げ技も一度で半分以上体力を奪うものがほとんどであり、カウンターで投げを食らった時は一気に7割近くのダメージを受けることさえもあるためホールドを狙うのもままならない。とにかく鬼のように強いため勝てるか否かはほぼ運次第である。
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このようなデタラメな強さ故か、彼女は前作のラスボスであった幻羅と同様にプレイヤーキャラとして使用できず、実際に「ALPHA-152」を使用できるようになるのは『DOA5U』以降となる。
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そんな強力なボスだが、なんとタイムアタックのラストに出てくるため、上級者でもタイムアタックに挑戦したのにゲームオーバーになって時間どころではない、ということが多発してしまう。
ストーリーの中途半端さ
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凝ったストーリーが用意されているにもかかわらず、多くのキャラのエンディングがストーリーと無関係なため、投げっぱなし感が強い。
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『DOA』シリーズではいつものことだが問題点であるのは確か。完全にストーリー無視のお祭りゲーならまだしも、わざわざ中間デモまで用意しているストーリーを盛り上げるだけに、不完全燃焼感が出る。
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今作のストーリーはエレナがメインであるのと、特に深い目的もなくDOAに参加しているか大会主催者であるDOATECとの因縁が無いキャラクターがいるためだと思われる。
作中のかすみの言動について
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本作のかすみの目的は「兄との平穏な暮らしを目指して大会に参加した」というものだが、かすみの置かれている現状と状況を考えるとおかしいと言わざるを得ない。
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まず、かすみのキャラクター設定を簡単に説明すると「過去に兄を襲撃した敵を討つために全てを捨て抜け忍になった」キャラクターである。ならば、上記の理由で行動することは到底許されるものではない。
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また、兄と再会した時は「兄さんと一緒にいられるならDOATECなんてどうでもいい」と発言している。兄の使命や立場を考えれば暴言にも等しい発言である。
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さらに言ってしまえば、かすみは、過去の自分の行動が原因で結果的にではあるが、DOATECの悪行を手助けしてしまっているのでなおさらである。
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もっとも、かすみがこのような軽挙妄動な行動に出ることはそもそも初代からして上記の抜け忍をやらかしているので今に始まったことではない。だが、これに関してはかすみの心情を考えれば理解できるものであり許容しやすかった。
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一方で本作は心情的に考えても理解に苦しむため許容しづらいものになってしまった感は否めないだろう。
理不尽過ぎる実績
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「やらなければいい」と言えばそこまでだが、本作で獲得できる実績の内容が、あまりにも理不尽過ぎる。
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例えばオンラインで10連勝とか20連勝とか、オンラインで20連勝中のプレイヤーに勝て、サバイバルバトルで100勝しろ、などまともにやったら不可能と呼べるような代物が多過ぎる。
隠しコスチュームの減少
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シリーズの魅力である隠しコスチュームだが、てんこ盛りに用意されていた『2(UT)』に比べて量が大幅に減少している。
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具体的にはUTでは一番コスチュームが多かったかすみは20着も用意されていたが、本作では7着だけ。正式なナンバリングである『3』に比べれば増えているのだが、次世代ハードでこの差は…。
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またコスチューム内には、過去シリーズでも登場した物や色違いのコンパチ物もいくらか含まれている。シリーズの魅力だけに不満とするユーザーは多かった。
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本作は制作期間に余裕が無いということで少なめであると公表されていたので、仕方ないのではあるが。
評価点
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プラットホームを360に移しただけあって、グラフィックは前作からさらに向上。世界一美しい格闘ゲームの名は伊達ではない。
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新キャラにマリポーサ、エリオット、こころの3人が加わった。特に、こころは人気が高い。
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また、条件を満たせばバンジースタジオとのコラボである『Halo』のスパルタンが使用できる。ただし、中に入っているのは『Halo』の主人公・マスターチーフではなく、チーフと共に生き残った女性スパルタンということになっている。
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プレイヤーキャラも『2』のラスボス万骨坊なども登場しており、今までのシリーズで登場したプレイアブルキャラ全てが使用可能なため、まさにシリーズ集大成と呼ぶに相応しい内容になっている。
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今までのシリーズで何故か発することがなかった、やられボイスが本作でようやく付いた。
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忍者勢がやや有利なのは相変わらずだが、三竦みによるゲームバランスは健在。
総評
そもそも、従来の格闘ゲームにあった「打撃」「投げ」に「ホールド」を加え、初心者であっても手詰まり状態になることを少なくして、スリリングな駆け引きを楽しめるようにすることが『DOA』シリーズのコンセプトであった。
しかし4作目ということもあるのだろうが、本作は完全に初心者お断りのゲームになってしまっており、格闘ゲーム初心者や新規プレイヤーを呼び込もうとか、そういう意図が感じられない。
上記のように1人用モードでCPUを相手に遊ぶと、あまりの理不尽さ故にストレスがたまるばかりである。
それでもゲームの展開は非常に速くてテンポが良く、ゲームバランスも従来からさらにより良く調整されているので、純粋な対戦ツールとしては十分遊べる。
そのため当初はオンラインが好評ではあったのだが、さすがに現在はあまり人がいない状態なのでオンラインを楽しむのも困難な状態。
CPU戦の理不尽ささえなければ名作になっていたであろうに…。
グラフィックは文句なしに素晴らしいのでファンならこれだけでも購入してみる価値はある。
だが、本作から新規に入ろうとするユーザーには決してお勧めできるゲームとは言えないだろう。
余談
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『ファミ通Xbox360』での本作のレビューでは、「360ユーザーがこのゲームを遊ばないのは損をしていると言わざるを得ない」という高評価がされていたものの、それでもCPU戦の異常なまでの難しさについては酷評されていた。
最終更新:2024年07月13日 13:13