1944 THE LOOP MASTER
【いちきゅうよんよん ざ るーぷ ますたー】
ジャンル
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シューティング
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対応機種
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アーケード(CPシステムII)
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販売元
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カプコン
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開発元
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ライジング、エイティング
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稼働開始日
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2000年
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判定
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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連射装置必須
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カプコン19シリーズ
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概要
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カプコンが誇る名物シューティングである19シリーズのAC最終作。全15ステージ、1周エンド。
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未来の戦争を舞台にした前作から一転、再び第二次世界大戦が舞台となる。
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開発元が別会社(ライジング/エイティング)になり、ゲームの雰囲気も以前作とはかなり変わっている。
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自機はライトニング(1P)、零戦(2P)の2種類。特に性能差は無い。
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システム(サイドファイターの復活、ショットが1942型の前方向オンリー化)、世界観は初代作への原点回帰を目指す意図が感じられるが、前作『19XX』のオーソドックスなスタイルと比較するとストイックな方向転換であり、多くのユーザーの望む方向性とは異なっていたようである。
基本システム
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8方向レバーと2ボタンを使用。ショットボタンで攻撃、ボムボタンでボムを発射。
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筐体によってはショット連射ボタンが付けられているものも。
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ステージ内に出現する敵編隊を全滅させるとアイテムが出現する。
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黄色の編隊からは自機のショットパワーアップアイテム(1つ取得するごとに、初期状態の2連装から、4連装→6連装→8連装へと強化される)が出現。
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赤色の編隊からはボムが1個追加されるボムアイテムが出現。
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緑色の編隊からはライフが一定量回復する「Pow」が出現。
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後述の「チャージアタック」で全滅させると、「Pow」よりも若干回復量が多い「タケノコ」に変化する。
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このゲームの最大のポイントが「チャージアタック」である。
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ショットボタンを押しっぱなしでタメることで画面左下の「CHARGE」ゲージが溜まり、フルになってからボタンを離すとチャージアタックが可能となる。使用中は自機が高高度に上昇、一定時間敵の攻撃を受けない無敵状態になりショットが強化される。ただし、チャージアタック使用後はオーバーヒートし、一定時間チャージ不能になる。
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序盤のボスを一撃で粉砕するほど強力だがオーバーヒート時間が長く、前作の「マーカーショット」が終始撃ちまくれた事と比較すると使用場所を考える必要がある。
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尚、チャージを中断した場合、その時点まで蓄積したゲージが時間経過で少しずつ減っていく。これを利用して敵の猛攻でフルゲージに出来ない場合はチャージを途中で止めて、その場は通常ショットなどで切り抜け、敵の攻撃が手薄になったところでチャージを再開するといった戦法を取ることも可能。
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ライフ制を採用しており、敵に当たるか敵の攻撃を受けると画面左上のPOWゲージが減少し、全て無くなった時にもう1度攻撃を受けるとゲームオーバーとなる。
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ライフ制ではあるが、ステージクリアでライフが回復しないため実態は残機制とさほど変わらない。
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耐久力がゼロの状態の時のみ、ステージ3、ステージ6、ステージ11の開始時に僅かに耐久力が回復する。
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地上物(倉庫など)を通常ショットで破壊すると金塊が、チャージショットで破壊すると金塊2個分の価値があるフルーツが出現し、10個集めるごとに「ゴールデンファイター」が画面左上か右上から出現する。それを破壊するとサイドファイターが2機補充されるアイテムが出現する。サイドファイターはチャージショットやボム使用中にボムボタンを押すと、敵に特攻して大きなダメージを与えてくれる。また、金塊10個分の価値がある大きな金塊も存在する。
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サイドファイターは通常ショット時の補助のみだけでなく、特攻時にも必要であり、特にボス戦ではサイドファイターの特攻を使わないとボス戦が長期戦となり非常に危険である。よって、道中で金塊を出す建物が多数ある場所を覚え、その上でチャージゲージを事前にタメておき、多数の金塊カウントを狙うのはプレイの上で必須である。サイドファイターのストックが切れると中盤以降のプレイは困難であろう。
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なお、ゲームを進めるとレーザー支援機が出現し、サイドファイターも強化される。
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一方、サイドファイターを付けずにゴールドを温存した状態で着陸シーンに到達すると残ゴールド数×1万点のボーナスとなるので稼ぎプレイにおいては大きな得点源になる。
問題点
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プレイヤーに求められる技術が多すぎ。
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…と、システムは戦略性という観点からは悪くないが、ステージが進むと敵の攻撃は終始激しいため最終的には素の状態で敵を捌くテクニックがないとクリアは難しい。
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横画面の縦スクロールSTGに合わないゲーム性
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横に広い画面なのに、自機が横方向に攻撃する手段がチャージショットしかない(しかも、オプションがリロード中だとオプションの動きが止まり横へのショットが出ない)。配置を完全に覚えていないとかなり苦しく、覚えゲーの要素が強い。
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序盤4~5ステージ程度はライフでごり押しするのも難しくはないが、全15ステージ踏破を目指した場合、序盤でダメージを食らっているようでは望みが薄い。
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旧世代STG同様の大きな当たり判定を持つ自機でありながら、敵大型機が弾をばら撒きながら画面下まで突進してくる。ただでさえ敵との距離が近いのに、ダメ押しと言わんばかりの殺し方である。
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面によっては敵機が画面下から出現する場面もある。このゲームでは敵本体に接触した際のダメージが特に大きく、そのような敵が出現する場面は覚えておかないとあっという間にゲームオーバーになってしまう。
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『ファイナルファイト』や『パワード ギア』のような連コインプレイを促しているとも考えられるが、そのようなプレイスタイルは定着しなかったようである。
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全体的に敵が硬い。
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ただでさえ最初から全体的に敵が硬く、弾数も多いので難易度は高い。また、攻撃を受けると一段階パワーダウンしてしまう。最高火力ですら敵に押されがちなのにパワーダウンしている状態なら尚更。
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本作をプレイする上では連射装置が半必須である。とにかく連射を要求されるゲームで、通常ショット時は無論、チャージアタック中も連射すればするほど威力が上がるからである。それに、1面1面は短めとは言え全15面という長丁場となるゲームなので、連射装置無しでは腕が間違いなく痛くなる。
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使い回しボスの多さ
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本作は全15面という大ボリュームの作品ではあるが、面が多い分ボスのグラフィックも多く使い回されている。
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とはいえ、後の展開になるにつれてボス側の装備が強化される描写も見受けられているので、「ゲームを進めている」というプレイヤー自覚は感じられる。
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道中のスピード感の無さ
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敵の攻撃は激しいもののステージ全般のスクロールがかなりゆっくりなので、いつまでも同じ場所から進んでいかない感があり、テンポが悪く感じて気分的にダレてしまいやすい。
評価点
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チャージアタックによる緊急回避に使用回数制限は無いため、ボムを使い尽くしてもヤケクソにはならない。ボム無しの瀕死の状態でもピンチを切り抜けるチャンスは何度もあるという「最後まで諦めない」という面白さと緊張感。
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ハードロック調のBGM、そしてドット絵の描き込みは悪くはない。
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前作がメロディアスな曲調であった事と、ドットの書き込みが粗くなった点については、ややライトな作風だった前作のファンにとって好みが分かれるかも知れない。
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ステージクリア時、様々な四角形のカットインが画面を埋めるような形で組み合わさっていき、最後にボス敵を撃破した旨が「○○○○○ 撃沈」といった形で画面中央にドンと表示される演出は小気味良いものがある。
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このゲームのボス敵の名前は全て漢字1文字か2文字だが、「遉兜」「烽」「隗神」など、中々カッコイイものが多い。
総評
多めなステージ数、それでいて最初から高い難易度、さらにはダメージを受けると戦況が不利になってしまう極端なゲームバランスなど、前作である『19XX』と比べると、取っ付きが悪くなってしまった感は否めない。
しかし、「連射力が求められ、高難易度で長丁場なシューティング」というのが絶滅して等しい時代に産まれた本作こそ「19シリーズの原点回帰」「これぞシューティング」であると、好意的な評価をするプレイヤーは少なくない。
余談
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前作までは縦モニターを採用していたが、本作は横モニターを採用している為、移植前提で開発していたと思われるが、長い間家庭用移植は一切行われていなかった。
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ところが、カプコンUKから欧州地域にて2019年10月に発売が予定されているPlug&Playタイプのアーケードスティック型ゲーム機「Capcom Home Arcade」に本作が収録されることが決定。19年越しの初移植となった。
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その後、2021年には『カプコンアーケードスタジアム』(Switch/PS4/One/Windows)で国内でも移植版が発売された。
最終更新:2024年08月16日 09:24