スケバン刑事III
【すけばんでかすりー】
| ジャンル | アクションRPG |  
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| 対応機種 | ファミリーコンピュータ | 
| メディア | 1MbitROMカートリッジ | 
| 発売元 | 東映動画 | 
| 開発元 | ショウエイシステム ベアーズ
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| 発売日 | 1988年1月22日 | 
| 価格 | 5,300円 | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | FC初のドラマ原作ゲーム 原作再現度ほぼゼロ
 理不尽な難易度設定
 奥行=高さ
 やたらと長いパスワード
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概要
テレビドラマ『スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇』を題材としたアクションRPG。風間三姉妹が、日本の支配を企む忍者集団「影」に立ち向かうという設定。
『III』とはドラマシリーズの3作目を題材にしたためそれをそのまま冠しているだけでゲームシリーズとしての3作目という意味でなくファミコンでは初作品である。
また、本作はテレビドラマを題材にしたゲームという意味でもファミコン初という歴史的な作品だが、残念ながら完成度は非常に低い。
ちなみにスケバン刑事のゲームとしては、他にセガマークIIIの『スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説』がある。
システム
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トップビューステージとサイドビューステージがあるが、十字キー+2ボタン(攻撃、ジャンプ)という動作は共通。
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ゲーム上で一度に操作できるのは三姉妹のうちの誰か一人のみ。
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他の二人のどちらかに交代するには、スタートボタンを押してメニュー画面を呼び出す。
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忍法はメニュー画面で使うものをAボタンで指定し、メイン画面に戻ってからABボタン同時押しで使う。
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交代するたびにパスワードコンティニューに必要なパスワードが表示される。
 
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敵を倒すと経験値が蓄積され、規定値に達するとレベルが上がる。体力上限、攻撃力が上がり、使える忍法も増える。
 
 
問題点
アクション・ゲームバランス
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ジャンプは出来るが、このゲームの奥行きと高さは同じ扱いであるらしく、ジャンプすると画面上方にいる敵に攻撃を当てる事が可能。また、不用意にジャンプすると画面上方の敵の攻撃に当たる。
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敵の配置には一切気を使われていない。画面左右から、一度に2体までではあるが、無限に出現する、いわゆる垂れ流しである。
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プレイヤーは4方向にしか動けずジャンプも真上のみ、攻撃は障害物に遮られるのに、敵は8方向に移動し、攻撃も障害物を貫通してくる。
 
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マップクリアまでの距離はむやみやたらに長い。プレイヤーの移動速度の遅さとあいまって、プレイしているとストレスが溜まりがち。
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マップ上の電話ボックスで「テレホンカード」を使う事で、暗闇指令から情報を得る事は出来る。しかし、ゲーム中に得られる情報量は極めて少なく、かつ断片的なので次に何をするべきかが非常に分かりづらい。
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マップ上には川があるが、落ちれば残りHPに関わらず即死。何故か噴水に落ちても即死。
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サイドビューステージには、ピョコピョコ動く白い釘の頭のようなものや、先端が赤いネジのようなものがあるが、これらのよく分からない物体は触れるとダメージを受けるトラップである。
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ここでも敵は垂れ流しで、場所によっては画面上から降ってきた敵がボトボトと水(穴)に落ちていくというシュールな光景を拝める。
 
その他
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タイトル画面には風間三姉妹がアニメ調で描かれているが、全く似ていない。
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ゲーム開始直後は街を舞台としたトップビューのステージだが、背景のビルの遠近法がおかしい。
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パスワードは73文字と無駄に長い。レベル、経験値、アイテム、HP、ステージ、倒したボスのみ記憶されるのに、そこまで長くする必要性があるのか疑問。
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26字-26字-21字の3行構成で途中での区切りもないため、確認しづらい。大抵のゲームは大体5文字以下の単位で区切りが入っていたのでまったく気が利かない。
 
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エンディングはスタッフロールに、右下にヨーヨーのカットが申し訳程度に表示された1枚絵のみ。クソゲーに見返りを求めてはいけないという教訓を思い知らされる。
評価点
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三姉妹がヨーヨー、折り鶴、リリアン棒を使える所だけは一応原作を再現している。
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ただし、グラフィックが違うだけで武器の性能に差は無い。
 
総評
雑に作ったとした思えないゲーム。スケバン刑事IIIが大好きだ、という人ですら本作を楽しむのは難しいだろう。
余談
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ドラマのテレビレギュラー放送は少し前の1987年10月一杯を以て終了していたものの1988年2月11日に劇場版『スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲』公開が控えていた。
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つまり本作の発売からわずか20日程度でしかなく、ここまでザツな作りになったのは、リアルタイム商品展開のチャンスを逃すまいとしてこれに間に合わせることに的を絞って駆け足で開発を急いだせいということもあり得る。
 
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ゲームそのものが相当ザツに作られている割にCMは、ドラマの映像こそないものの専用のアニメで作られており、迫力あるアクションでなかなか凝っている。
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前年4月発売の『北斗の拳2 世紀末救世主伝説』9月発売の『SWAT』同様に、ここは相当な力の入れようが感じられる。ゲーム画面は断片も出てこないが、これは出さないで正解。
 
最終更新:2023年09月11日 10:26