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DSで読むシリーズ 手塚治虫 火の鳥

【でぃーえすでよむしりーず てづかおさむ ひのとり】

ジャンル DSで読む名作コミック(マンガビュアー)



対応機種 ニンテンドーDS
メディア 2048MbitDSカード
発売元 コンパイルハート
開発元 アイディアファクトリー
発売日 2008年7月31日
定価 各3,980円(税別)
判定 クソゲー
ポイント 電子コミックの体を成していない
書籍版の方が遙かに読みやすい
手塚治虫関連作品シリーズ


概要

漫画の神様、手塚治虫が自らのライフワークと定めた傑作、『火の鳥』を電子書籍化したもの。
3分割で同時発売された。

漫画の内容自体は超のつく名作であり、クソゲーには決してなり得ないジャンルの筈なのだが、閲覧の快適性を大いに損なうシステム周りの不出来さのせいでクソゲーとなってしまった。


問題点

  • システムが完全に問題外
    • なんとページジャンプ不可。目的のページを探すためには1ページずつめくる必要がある。
      • しかも押しっぱなしでのページスキップには対応しておらず、1ページ過ぎる度に押し直す必要があり、非常に面倒。
    • しおりをはさむなどの機能もない。一応クイックセーブ機能はあるが、3つしか保存できない上コピーできないため、しおりとしては使いにくい。
    • 右ボタンがページ送り、左ボタンがページ戻しというわかりにくい仕様。慣れればどうと言うことはないとは言え、右綴じの本なら普通逆ではないだろうか?
  • 本作ではボタンかタッチで一コマずつ送っていく形式を取っているのだが、そのせいでテンポが著しく悪く、書籍版より読むのに極端に時間がかかる。
    • この送り方は各コマごとに画面振動、反転、効果音などの演出を入れるためのものなのだが、肝心の演出が非常に地味。最初は目新しく感じるが、そのうち「そんなものいいから早く読ませろ」と感じるようになる。
    • また真っ黒で何も書かれていないコマだろうが、一コマずつズームで見せられる。黒コマを挟むことによる演出もあるので同じ1コマ扱いするのは分からなくもないが、実際に漫画で読む時は一瞬で次のコマに読み進めるコマでもあるので、完全に同じ扱いをされてもそれはそれで困る。
    • 下画面にはページ全体が書かれており、ここから任意のコマをタッチして読み進めることも出来るが、DSの小さな画面では何が書かれているのかわかりにくくどう読み進めたらいいのか理解しづらい。
      • 特にコマ割りが極端に複雑な宇宙編など、かなり困難。
    • 小さな台詞はズームして表示してくれる機能があるのだが、普通に読める台詞も一部ズームされるのでテンポが悪い。
      • しかも拡大された台詞にはルビが付いていないため、なんと読むのか分からない字が出てくる。
    • 下画面はスキンという形で2種類用意されているが、このうち「火の鳥スキン」はデザイン重視のため、任意のコマタッチ機能が使用できず使い勝手が著しく悪い。結局もう一つの「コミックブックスキン」しか使い道はない。
      • 使い勝手以外のことを考えても、スキンが2種類というのはあまりに代わり映えがしない。もちろん隠し要素などない。
  • 携帯ゲーム機というプラットフォームを活かした独自要素は皆無。
    • ミニゲームや、カラーページ、あるいは声優が台詞を喋るといった演出があれば良かったのだが……。
  • 登場人物紹介が付いていることをパッケージなどでアピールしているが、一言、二言しか解説のないキャラも多くそこまで自慢するようなものでもない。
    • しかも解説が詳しいキャラはネタバレ全開なので、ネタバレが嫌いで原作未読の人にはとんだ地雷である。登場人物紹介の体をなしていない。
  • BGMは「モルダウ」「悲愴ソナタ~第2楽章」「オンブラ・マイフ」「展覧会の絵~プロムナード」「惑星~木星」の五曲。見て分かるとおり全てクラシックの名曲でオリジナル曲は一切ない。
    • しかも、状況に合わせた曲の変化など一切なく、シリアスなシーンでも緊迫したシーンでもコミカルなシーンでも延々とこれだけが流れ続ける
  • 無駄な演出やBGMはオプションでカットできるが、それ込みでもテンポが悪い。

評価点

  • システム面でのユーザービリティの欠如が目立つため、取り立てて評価点といえる個所は見いだせない。
    • 強いて言えば、原作をそのまま変更なしできっちり収録していることくらいであるが、電子コミックが原作をそのまま収録するのは当然なので、純粋な評価点とは言えない。

総評

一応読めないことはないものの、電子書籍の要である読み易さがテンポの悪さによって阻害されてしまい、全体的にストレスの溜まる出来栄えになってしまっている。
その為あえてこちらを選ぶメリットは全くないと言わざるを得ない。


余談

  • 2008年発売のソフトにも拘らず、CERO判定が付いていない
    • なお、原作を読んだ人ならご存じの通りライトながら性描写*1が含まれる。ついでにグロいシーン*2も多数。『鉄腕アトム』や『ジャングル大帝』とかの明るい少年物をイメージして読むと、少々インパクトが強いと思われるので一応注意。
  • 原作単行本を新品で全巻揃えれば1万円近く行くことを考えると、ソフト3本=11,940円というのは、そこまでぼったくった値段ではない。
    • とはいえコンビニコミック版などの存在を考えると、やや高すぎる感はある。せめて二分割にはできなかったのだろうか?
  • 予約特典が豪華。
    • 手塚ファンクラブ復刻版が各巻ごとに付いてくる。ファンであれば必見。
最終更新:2026年04月27日 11:48

*1 鳳凰編ではボカされてはいるが女性キャラの排泄シーンなんかもある。

*2 ベトナム戦争を風刺した虐殺場面が飛び交う黎明編、宇宙人の殺戮描写がある宇宙編、人間の皮を剥いだり生首を並べたり女性兵士の顔を大口径ライフルで吹っ飛ばしたりする太陽編他。というか、本作で全くグロ描写の無いエピソード自体がない。