ノックアウトピープルズ ~ちょっと残酷な博覧会~
【のっくあうとぴーぷるず ちょっとざんこくなはくらんかい】
| ジャンル | マルチシナリオ アドベンチャー |  | 
| 対応機種 | ニンテンドーDS(ニンテンドーDSiウェア) | 
| 発売・開発元 | バーンハウスエフェクト | 
| 配信開始日 | 2010年8月18日 | 
| 価格 | 500DSiポイント | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| セーブデータ | 1箇所 | 
| レーティング | CERO:B(12歳以上対象) | 
| コンテンツアイコン | 暴力、言葉・その他 | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | シュールで残酷なテキストアドベンチャー 薄い、薄すぎる…
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概要
下請け開発中心のメーカー、バーンハウスエフェクトがリリースしたニンテンドーDS(DSiウェア)ソフト。同社によるDSiウェアソフトは今現在、本作のみである。
ジャンル的にはテキストアドベンチャーがメイン。それに加えて、若干のおまけゲームも収録されている。
ストーリー
擬人化された動物達が暮らす、現在社会風の世界で起こる物語。
めんどくさがり屋で食欲旺盛な「ブタ」は、周囲の迷惑お構いなしにゴミを撒き散らしながら生活しています。
空気の読めないブタの行く先には、当然の如く様々なトラブルが発生します。プレイヤーはこのブタ視線となり、それらを適任な行動で回避しなければなりません。
もし、トラブル回避の手段を誤ってしまうと、彼の命は消え去ってしまうでしょう…。
主なルール
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ゲームの流れ。
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従来のテキストアドベンチャーと全く同じ方式でゲームが進んでいく。
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シナリオ中のテキストを進めると、時折ニ~三択の選択肢が現れる。タッチペン操作で選択肢を選べば次のテキストに進める。
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本作における大きな目的は、正しい選択肢を選び続けてハッピーENDを迎える事にある。
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もし誤った選択肢を選んでしまうと、バッドEND(ブタ死亡)となりシナリオが即終了となってしまう。
 
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シナリオ中のシステム周りは「バックログ」「テキストスキップ」「テキスト中断後の再開」といった機能が搭載されている。
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オートセーブ方式。
 
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クリア後の特典について。
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シナリオをハッピーENDでクリアすると、おまけのミニゲームがプレイできる。
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ミニゲームは「シナリオ中に登場したモブキャラを操り、ゴミを撒き散らすブタを撃退する」という目的の簡易なアクションゲームとなっている。
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なお、ミニゲームをクリアしてもこれといった特典はない。
 
 
問題点
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あまりにも薄いボリューム
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本作における最大の問題点がこれ。この内容で500円相当は正直ぼったくりとしか思えないレベル。
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ハッピーENDを迎えるまでにかかる時間はおおよそ5分程度の短さ。
 しかも、選択肢が「あからさまな地雷か否か」という分かりやすさも相まって、初見プレイでハッピーEND到達という状況もあり得る。
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信じられない事にこの簡単に到達できるハッピーENDを迎えるだけで、すべての隠し要素が解禁できてしまう。
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全バッドEND遭遇を目指すプレイでも、総プレイ時間は1時間もかからない。どうあがいても本作で楽しめる範囲はその辺が限界である。
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さらに、こんなボリュームの割にDSiウェアとしてはかなり高い容量(75ブロック)を必要とする。地味に厄介。
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おまけのミニゲームに関しても、「いくらおまけでもこれはない」というべきショボさで、ほとんどあってない様な存在である。
 
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「やっつけ気味に作ったフリーゲームレベルの超短編テキストアドベンチャーを500円で発売」といえば、本作のボリュームの薄さがお分かり頂けるだろうか?
 
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システム周りが微妙に不親切。
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シナリオ中におけるシステム周りに関しても不便な面が目立つ。
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「もっさりとしたテキスト送り」「任意セーブができず、エンディングに到達する度に最初からやり直さなければならない」と、地味にプレイ環境が悪い有様。
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しかも残念な事に、上記のプレイ時間は、このシステム周りの不親切さも視野に入れた上での計算である。
 
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今時のテキストアドベンチャーにあるべきものも搭載されていない。
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「エンディングリスト」「イベントスチル・BGM鑑賞」は一切未搭載。常識的な感覚だと、この位は普通入れるものと思うのだが…。
 
 
賛否両論点
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割と多彩な「ブタの死に様」。
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多くのプレイヤーはハッピーENDを目指すよりも、バッドENDにおける「ブタの死亡シーンの数々」に面白みを見出すだろう。
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死に方の一例としては「ナイフで刺殺される」「化学物質に触れて溶かされる」「理性を完全に失い、そのままゴミ施設へと処理される」など、結構陰湿かつ現実的なシチュエーションで死んでいく。
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しかし、所詮はCERO:B指定のゲームなので、その手では有名な海外アニメ「サウスパーク」や「ハッピーツリーフレンズ」並の豪快な死に様よりは控えめに収まっている。
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本作の残酷描写に関しては、「適度なグロさが堪能できる」とも「中途半端にグロさがオミットされて物足りない」ともとれ、この辺は賛否が分かれるかもしれない。
 
 
評価点
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シナリオ内の舞台設定に関しては悪くない。
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ブタを筆頭とする擬人化された動物達が住む空間は、何ともいえぬ独特の雰囲気を醸し出している。
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絵本風に描かれたイベントスチルの数々も味があっていい感じ。さらにはシーンが切り替わる度に専用のスチルが表示され、スチルの使い回しがほとんどない。
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「どんな危険な環境に陥っても無気力な姿勢を崩さず、終始無表情で覇気がまるでない」という、脱力感溢れるブタの容姿が舞台設定のシュール色に拍車を欠けている。
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立ち絵の類は一切用意されておらず、イベントスチルしか専用絵がないのは寂しいところ。しかし、シナリオそのものが短すぎる故に、立ち絵を入れる意義が皆無という皮肉さが泣ける。
 
 
総評
はっきり言って、「DSiウェアを有料公開のフリーウェアと勘違いしているのでないのか?」と思える出来。いくら500円相当でも、このボリュームの薄さは到底擁護できない次第。
とはいえ、ボリュームの薄さ以外での致命的な問題点がなく、「絶対的なクソゲー要因」というものには欠けている。せめてボリュームを現状の数倍に増強していれば、値段相当の作品として評価されたかもしれない。
最終更新:2017年06月26日 01:40