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ガーネットクロニクル ~紅輝の魔石~
【がーねっとくろにくる こうきのませき】 
| ジャンル | RPG |  
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| 対応機種 | プレイステーション・ポータブル | 
| 発売元 | セガ | 
| 開発元 | IRONNOS | 
| 発売日 | 2008年10月23日 | 
| 定価 | 5,040円(税込) | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | 戦闘バランスの劣悪さ 頻繁なロード
 雰囲気に合わないネットスラング多発
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概要
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韓国の「IRONNOS」が開発した『アストニシアストーリー2』を日本のセガがローカライズして発売された。
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解りやすい正統派RPGと美麗なドットグラフィックと豪華声優陣をアピールポイントとして発売され、釘宮理恵・緑川光によるテーマソングを収録。
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キャラクターデザインは、韓国製MMORPGとして高い知名度を誇る『リネージュ』のキム・ホヨン、キム・ドンスク。
導入部
歴史の帳の中で隠されし忘れ去られた存在
長き沈黙の時間を経て、それは動き出した
古の失われし魔力が封印されたアーティファクト
すべての命と意志を支配できるという力
その存在の意味さえ色褪せた千年の時を超え
それは再び、地上に姿を表した
人々はそれを「邪念石」と呼んだ
この邪念石の欠片を殆ど周りの都合で振り回されている主人公とその仲間が集めるのが目的。
問題点
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細かいロードが多い。
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PSPの性能上仕方のないことだとは思うが、フィールド切り替えでロード、戦闘に入るのにロードと、魔法を読み込むのにロードとテンポを落とす。
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戦闘を重ねるにあたりフィールド切り替え、戦闘とロードが頻発するのはストレス。
 
 
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シナリオが薄い
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要約すると国の命令に従った主人公が尻尾切りに合ったので、目論見を邪魔するべく先回りしてやろうという話で情勢が二転三転するほどの深さがない。
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邪念石の欠片の由来については最終盤~エンディングにかけてはっきりとするが、そこまでの流れが放逐された主人公サイドの描写ばかりのため話が繋がらない。
 
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総合的には陳腐なシナリオなのでだいたい展開に予想がつく。良くいえば奇を衒わないともいうが。
 
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セリフの端々に世界観にそぐわないセリフが交じる。
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度々ネットスラングやメタな発言を発するモブキャラがいる。
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中にはゲーム開発に対する言及なども出てくる。そういった細かいノリが全体的に寒い。
 
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マップが見づらい。
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Rキーでマップが表示できるが、画面に覆いかぶさる上、全画面表示でなく少しズームアップしたものが表示される。
 マップによっては行き先が画面外にあり、少しスクロールしないと見えないことも。
 
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ショップアイテムがかなり高額。
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フィールドの敵をしっかり狩ってから進んでも、次の街で武器を1~2人分買うと底がつく価格帯。
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後半は平然と20万、30万Gを要求される上、それがないとダンジョンでダメージがまともに入らないバランス。
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どころか買ってもまともにダメージが入らない味方もいる始末。
 
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稼ぎをしようにも一度にフィールドに登場する敵は少なく、再度ポップアップするのは画面切り替え時に限る。細かく挟まれるローディングとともにストレスの種。
 
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仲間が加入時点でとにかく弱い。
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ただでさえ敵がこちらの二回りくらい上の強さにもかかわらず、加入してきた側は防御をしていても集中打を浴びると落ちることもある脆さ。
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耐久力を少しでも高めようとレベル上げを試みてもすぐやられるので、そのダンジョンはゾンビアタックさせ次のシナリオで育成することを推奨されていると考えたい。
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筋骨隆々のクレリックが騎士見習いの主人公はおろか、盗賊娘にダメージ量とスキルで負けるのは少し悲しい。
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極端な話、主人公、ヒロインと、唯一主人公に肩を並べる途中加入の騎士の3人でなんとかして、あと1枠はおまけ。
 
 
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高速で動く敵シンボル
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敵シンボルはこちらを認知すると、主人公の1.5倍ほどの速度で追尾してくる。その状態で
真正面から接敵しても奇襲扱い
となる。回避方法は障害物に引っ掛けてから距離を取るか、画面を切り替える。
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敵の索敵範囲は縦軸で画面半分ほど、横軸では1/3ほどの距離で認識される。障害物を挟もうが、崖越しだろうが容赦無し。
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これにより壁の裏から文字通りの奇襲を受けて全滅する事がままある。
 
 
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話中盤でこちらの歩行速度を上げる装備が買える。これにより敵の追跡スピードと
同じ速度で
走れる。
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敵シンボルはすべてゴブリンで統一。よって戦闘に入るまで相手が誰かはわからない。
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敵の成長速度が異常。
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次の街周辺の敵は強さが2倍。装備は街一つの差で常に型落ち。奇襲+初ターンで落ちるのは日常茶飯事。
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装備を整えればこちらも奇襲からの初ターンで撃墜が可能になるので、とにかく先に攻撃を撃ったもん勝ちという極端な戦闘バランスとなっている。
 
 
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ボスはさらに輪をかけて強くなり、たとえダンジョンの敵が一撃レベルであろうと、ボスの攻撃で一撃必殺されることもある。
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属性耐性が強く出ることの裏返しでもあるが、ボスの事前情報はないので対策のとりようがない。
 
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ザコ敵ですらそのありさまなのに、ラスボスとその前座(実質のラスボス)は
3人で戦わされる
。鬼か。
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戦闘バランスが滅茶苦茶
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奇襲できればほぼ勝ち、されれば負けの二つに一つ。
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シンボルエンカウントに対し、ほぼ真後ろから接敵すれば奇襲成功。敵の体力6割~討伐ほどのダメージを与えられる。これは仲間の通常攻撃一回分を合計し、敵全体に攻撃する行為のため。
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奇襲された場合は同様に敵全体のダメージが全体に覆いかぶさるため、即ゲームオーバーにもなりうる。
 
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これによってちまちまと進軍し、後ろを取って殴りつける戦法が強力。パラディンなのに…。
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戦闘終了直後は無敵判定が発生するため、解除されるまで敵に認知されない。これによって近くの敵を連続奇襲することも可能。
 
 
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スキル周りの問題
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スキルを得るための
ポイントが二重搾取される
。スキルの開示と取得にそれぞれ消費。スキルの総数が少ないことを誤魔化すための策だろうか。
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スキルポイントは逐次投入するタイプだが、振るものを間違えたからといって、途中まで投入したポイントは戻せず振り込まれたまま。
 
 
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回復面が割りにあわない。回復技を取得出来るのはニ名いるが、ヒーラーのような専門職がいない。扱えるパラディンと破戒僧両名共にMPの最大値が低く、盗賊に劣る始末。
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MPの消費が多いため、節制するには店売りアイテムと拾うしかないMP回復アイテムに頼らざるを得ないが、回復アイテムは高価。
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後半味方全回復状態異常回復、敵の攻撃を8回まで無効、状態異常回避のパッシブスキルなどヤケクソのようなスキルがあるが、それを使ってもなおボスが強く、MPが足りないため割りにあっていない。
 
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攻撃スキルは与ダメが大きく、SPを常に回復させながら強いスキルをぶつけていくワンパターンになりがち。
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敵の状態異常が強い。
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付与率が異常に高く、最初のダンジョンから最後までその問題がずっと付きまとう。割合ダメージの毒をはじめ、睡眠、麻痺、疾病(一定ターンで死亡)、混乱、即死などどれをとっても厄介。
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なお実質のラスボス(実際のラスボスは負けてもエンディングが見られる!)も即死をかなりの頻度で使ってくる。いくら自動蘇生アイテムが店売りしているからといって外道ではないだろうか。
 
 
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防御と逃走の行動に確認がない。
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攻撃行為、道具使用は最後に確認が挟まれるが、上記2つに関しては選んだ瞬間行動。ターン毎でなくキャラごとの行動なの、コマンドから選ぶとそのまま進んでしまいキャンセル不可。
 
評価点
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2015年頃よりリブートされているドットグラフィックは美麗。
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キャラデザインの両氏はリネージュでも努めているだけあって評価点。日本のスタンダードとは外れているので好みは分かれるかもしれない。
 
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BGMや声優は真っ当。
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戦闘中のボイスに至っては、同じセリフでも数パターン用意されており、聞き飽きないようになっている。
 
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戦闘終了時、死亡者はHP1で復帰、レベルアップ時はHP・SPともに全回復。長く厳しいダンジョンをゾンビになりながら進むことが可能。
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進行不能タイプのバグはない。
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スリープモードでもゲーム時間が加算されるという不具合はあるが、時間経過によるトラブルはないのが幸い。
 
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一度クリアするとイラストなどの閲覧ができるボーナスコンテンツが解放される。
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クリアデータを読み込むことでSPとスキルツリーを引き継いだ状態で最初から遊べるようになる。
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2周目で追加されるサブクエストでは「必ず奇襲ができる」という装備品が入手可能になり、戦闘面の問題が若干軽減される。
 
総評
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良く言えば90年代のファミコンRPG風。悪く言えば古臭く薄いシナリオと戦闘周りの劣悪さが同居したクソゲー。
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レトロ調のゲームという意味では見目はいいのだが、お遊びであろう会話の寒さと、プレイに支障をきたすレベルの開幕勝負な戦闘が大問題。
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おまけにこの手のゲームにしては珍しく、ゲーム中にムービーがないなど、PSPで出すにはそのハードを持て余した感じは否めない。
余談
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韓国では『アストニシア ストーリー』の続編として販売されたため、2のナンバリングがついた。SRPGから純RPGの切り替え、開発とローカライズが前後でバラバラという珍しい作品。
最終更新:2023年12月10日 20:12