エレベーターアクション
【えれべーたーあくしょん】
| ジャンル | アクション | 
| 対応機種 | アーケード | 
| 発売・開発元 | タイトー | 
| 稼働開始日 | 1983年 | 
| 配信 | アーケードアーカイブス 【PS4】2017年10月26日
 【Switch】2019年3月14日/823円(税込)
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| レーティング | CERO:A(全年齢対象) ※アケアカ版より付与
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| 判定 | 良作 | 
| エレベーターアクションシリーズ 初代 / リターンズ / デスパレード
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概要
スパイを操作し、敵施設に潜入して機密文書を奪い、ビルから脱出する事が目的の縦スクロール型2Dアクション。
システム
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1レバー2ボタン制。移動・射撃・ジャンプの簡単操作。
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基本的には左右にしか移動しないが、エレベーターに入って上下を押す事で任意に移動できる。エレベーター以外の場所ではレバーを下に入れる事でしゃがみ動作を取れる。敵の上段射撃を回避可能で、また中段射撃を出すことができる。しゃがみ動作から立ち上がる場合はレバーを上にいれる必要がある。
 ちなみにプレイヤーは下段射撃(伏せ撃ち)を行えない。
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射撃ボタンは文字通り所有している拳銃での攻撃。弾数は無限。
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ジャンプで敵の中段・下段射撃を回避する事が可能。両足を同時に前を出すという変な体勢の動作だが、ジャンプキックによる攻撃も兼ねており、空中で接触した敵を蹴り倒せる。
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残機制。敵の攻撃を受ける他エレベーターに挟まれたり、一階分の高さから落ちるとミスになる。また、敵と直接接触するだけではミスにはならない。
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落下ミスは主にジャンプ時に発生する。歩行でエレベーターシャフトから落ちそうになると少しの間足踏みしてミスにならないようにしてくれる(それでもずっとレバーを入れっぱなしにすると落ちる)。また、稀に敵も落下ミスをする(得点にはならない)。
 
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上層階には左右にエスカレーターがあり上下のフロアに移動できる。
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フロアによっては仕切りとなる壁が存在し通行及び銃弾を妨げる。
 
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エレベーターシステム
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内部に入って上下に引く事で操作できる。
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エレベーターは勝手に上下移動しており、敵が入って操作する事もある。
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上にあるケーブルを通り抜ける事は出来ないが、勝手に上下するのを利用して移動する事はできる。
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上や下に敵やいるとき、エレベーターで押しつぶす事が可能。普通に倒すよりもスコアが高い(自機が搭乗している場合に限る。無人や敵搭乗のエレベーターに敵が押しつぶされても得点にはならない)。
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エレベーターではさむとビクビクとエレベーターが揺れて敵がプツンと潰れる。ドットは粗いが微妙にグロテスク。もちろん、自分も同様に挟まれてミスとなる危険を孕んでいる。
 
 
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天井には照明があり、銃撃する事で破壊して落下させる事ができる。落下した照明を敵にぶつけても敵を倒せる。
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照明が落ちるとその階が暗くなる。敵の姿が見難くなるが、その時に敵を倒すとスコアが増加する。
 
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随所にある赤いドアに入り、機密文章を全て回収した上で地下1階に到達することがクリア条件。
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赤いドアの入り口側に赤いマットが置かれており、この上にキャラを移動させると自動的に中に入る。
 その後はマットの敷かれた位置にレバー横を入れることで部屋の中から出る。レバーを入れない内は部屋の中に入ったままなので、出るタイミングを計ろう。
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条件を満たしていないまま地下1階にいくと、自動的に取り残した赤いドアの所へ戻される。赤いドアが複数残っていた場合、出口から最も遠い地点のドアに戻される。
 
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ステージごとに制限時間が存在し、プレイ開始から一定時間を経過するとBGMが変化する。
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この状態ではエレベーターが操作を受け付けなくなり、敵の出現数が増加する。
 同時に内部ランクも最高値になり、敵が下段攻撃(伏せ撃ち)をするようになる。この状態ではプレイヤーの射撃は上段・中段共に回避されてしまう。
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永久パターン防止機能であるため制限時間に関する表示やインストなどによる説明も一切ない。
 また、制限時間内であっても、同じフロアで長時間じっとしていると敵が下段攻撃を開始する。
 
 
評価点
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今でこそ割とよくある事だが、ゲーム開始時に主人公がビルに侵入するデモが挿入され、雰囲気を盛上げてくれる。
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83年という時代ゆえグラフィックは極めてシンプルで特に凝った個所は見られないが、キレイに描かれており見やすい。
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特に、照明を落とした後にポツンと明かりのついたエレベーターは見た目に大変美しい。
 
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照明とスコアシステムはなかなかに熱い。銃撃<蹴り<エレベーター=照明<クリアの図式は何を優先させるかの駆け引きを常に求めてくる。
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公式イラストのタッチからも分かるように、スパイものながらコミカルなテイストを内包している。
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メインBGMも、スパイ映画のような緊張感溢れるような曲調ではなく、隠密行動のひっそり感を演出しつつどこか間の抜けたコミカルさを感じさせる曲調で、
 さながら「スパイごっこ」とでもいうような雰囲気を醸しており、コミカルなビジュアルも相まって銃の撃ち合いという殺伐さを適度に和らげている。
 
問題点
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制限時間があまり長くない。
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最初の数ステージはよいのだが、先に進むにつれて時間制限が更に厳しくなっていく。
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しかも一度タイムアウトしてしまうとミスをしても上昇した難度ランクがそのまま維持され、ステージをクリアしない限り解除されない。このためタイムアウト状態は実質的に残り人数がいくらあっても、ゲームオーバー宣告のようなものである。
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永久パターン防止措置であることを考えればそれ自体は妥当な処置ではあるが、後半の制限時間の短さはさすがに厳しい。
 
 
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エレベーターの昇降が遅い。
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敵がエレベーター昇降口に待ち受けている場合は昇降を繰り返してタイミングを計らなければならないのだが、昇降速度が遅いせいでタイミングが合い難く、制限時間とあいまってイライラしやすい。
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エレベーターの上に乗っての上下移動を駆使すれば大幅に軽減できるが隙も大きい。
 
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弾速が速いとはいえ、プレイヤーのショット攻撃は画面中に3発より多くは打てない。
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3発分連射した場合、弾が画面外に消えるまで次のショットが撃てなくなってしまうため、無駄撃ちは命取りになりやすい。
 
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時代的には仕方ないが、全4面のみとボリュームは少なめ。
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しかも、ステージ構成はほぼ同じで、僅かな違いは赤ドア並びに脱出の位置くらい。
 
総評
単純ながらも中々に駆け引きの熱いシステムを内蔵しており、ゲームとしての完成度は非常に高い。
時代的にステージ数が少ない事や、難易度が高めと言った難点はあるが、任意に上下移動できるエレベーターという身近な物を使ってここまでのゲーム性を生み出したのは賞賛に値するだろう。
移植
80年代初期の人気作品だったこともあり、多くの機種に移植されている(特記が無い限りタイトー製)。
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エレベーターアクション-(FC版/1985年/マイクロニクス)
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移植作の中では最も知名度が高いが、開発はかのマイクロニクスなので例によって移植の出来は良好とは言いがたい。
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タイムアウト時の難易度上昇の仕様が変化しており、BGMと敵の攻撃パターンが変化しないが、マシンガンを持った敵が出てくるようになっている。
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現在はWii・WiiU・3DSのバーチャルコンソールにて配信されている。
 
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エレベーターアクション-(GB版)
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AC版を基に、ライフ制への変更、武器追加、新規敵キャラ追加等の様々な追加要素が施されたアレンジ移植となっている。ゲームシステム上の大きな相違点は、エレベーターのケーブルワイヤーがすり抜けられる事と、1階分なら落下しても死なない。熟練するとコレを利用してエレベーターを使わずジャンプを駆使して降りることが出来る。
 
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エレベーターアクションEX-(GBカラー/アルトロン)
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GB版をゲームボーイカラー向けにブラッシュアップして移植した作品。キャラクターデザインの刷新及び新キャラの追加、OPデモの追加、BGMの刷新等の変更が施されている。
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海外版はハンナ・バーベラ原作のアニメ作品「デクスターズラボ」のキャラゲーになっている。
 
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エレベーターアクション OLD&NEW-(GBA/2002年/メディアカイト)
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原作にほぼ忠実な移植版と、ライフ制・ステージクリア制(セーブ可)・対戦モードありのアレンジ版が収録されている。
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性能差の異なる新キャラクターが2人追加されている。
 
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タイトーメモリーズ-(PS2版 2005年)
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下巻に収録。初期版はロックがかけられているため、遊ぶためには開放条件を満たすか解禁コマンドの入力が必要だったが、ベスト版では最初から遊べる。
 
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タイトーメモリーズポケット-(PSP版/2006年)
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エレベーターアクション リターンズ-(SS版/1997年/ビング)
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続編『エレベーターアクション リターンズ』とのカップリング移植。
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タイトル通りメインは『リターンズ』の方であるため、本作はオマケ扱いで最初から遊ぶことはできない。
 開放するためには『リターンズ』の方を一度、全面クリアする必要がある。
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2022年12月1日に「サターントリビュート」シリーズの一作としてNintendo Switch/プレイステーション4/Xbox One/Steam向けに配信開始。
 こちらでは最初から開放済みとなっている。
 
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エレベーターアクションデラックス-(PS3版/2011年/スクウェア・エニックス)
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PSストアで8月31日から配信。業務用を忠実に移植したオリジナル版と、ポリゴンキャラでリメイクした「エレベーターアクションデラックス」が収録されている。
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「デラックス」は新システムとして、武器の入れ替えやネット通信による最大4人の同時対戦が可能になった。
 また、銃を撃つと他の階の警備員に気付かれる、パンチによる地上近接攻撃などのスニーキング的な新要素が多く追加され、ステージ毎のスコアアタック制になっている。
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さらにダウンロードコンテンツとして、往年のタイトーレトロゲームの主人公たちがプレイヤーキャラとして無料配信されている。
 
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エレベーターアクションデラックス-(NESiCAxLive)
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タイトーのアーケードゲーム向けダウンロードコンテンツ配信サービス「NESiCAxLive(ネシカクロスライブ)」対応筐体向けの移植。
 インストールされた筐体であればプレイが可能。
 
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タイトーマイルストーン(Switch 開発協力:ハムスター 発売日:2022年2月24日)
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タイトー製のアーケード作品を収録したオムニバスソフト。
 
続編
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『エレベーターアクション リターンズ』
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スパイアクションだった本作とは打って変わり、エレベーターによるギミックを踏襲しつつテロリストとの戦いをテーマにしたミリタリーアクション的ストーリーとなっている。
 
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『エレベータアクションデスパレード』
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2009年に発売されたシリーズ初のガンシューティング。ストーリーや世界観は「リターンズ」の流れを組みつつ、エレベーターをフィーチャーしたギミックも健在である。
 
余談
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タイトークラシックス版『たけしの挑戦状』の追加マップ「あめりか」にて、本作のメインBGMが流れる建物がある。
最終更新:2023年09月01日 06:56