注意:ここでは、『ソウルキャリバーII』及び家庭用移植版(いずれも良作)をまとめて紹介する。



ソウルキャリバーII (アーケード)

【そうるきゃりばー つー】

ジャンル 対戦格闘
対応機種 アーケード(SYSTEM246)
発売・開発元 ナムコ
稼働開始日 2002年7月10日
判定 良作
ソウルシリーズリンク

概要

ソウルキャリバー』の続編。アーケード版は「Ver.D」*1へのバランス調整を主にしたバージョンアップが行われている。

前作からの追加点

  • キャラはデフォルト13人+タイムリリース3人の16人(その中の一体「シャレード」はラウンドごとにランダムに他キャラのモーションをとるキャラ)。家庭用ではさらに追加されている(後述)。
    • 完全新キャラとしてレイピア使いのラファエル、叉刃拐*2使いのタリムの二人が追加。
    • また、前作に登場したソフィーティアの代理キャラとしてソフィーティアの妹のカサンドラ、同じく前作までのキャラであるファン・ソンギョンの設定や方向性を受け継いだ後継キャラのユンスンの二名も追加されている。前作ではDC版のみの登場だったセルバンテスも本作でタイムリリースキャラとして登場。
      • 軽やかな動きと剣技が主体だった姉に対して豪快な盾殴りを得意とするカサンドラや、足技が主体となるユンスンと、元キャラから大きく変化しているのも特徴のひとつ。
    • アーケード版ではコンパチキャラの排除が行われており、前作にタイムリリースで多数登場したコンパチキャラは本作では吉光のみ登場。その吉光も元キャラの御剣からさらに差別化されている。*3
      • ナイトメアの本体、ジークフリートも本作ではナイトメアと統合されアナザーコスチュームのみの出演となっている。そのためか、ナイトメアのボイスにはエフェクトがかかっておらず、台詞もジークフリート寄りのものが見られる。
  • 目立った新しい概念は導入されていないが、様々な箇所にシステムの改良や追加などが行われている。
    • 中でもアピールされていたのが「横斬りはRUNに勝ち、RUNは縦斬りに勝ち、縦斬りは横斬りに勝つ」という3すくみの概念。
    • 端に壁のあるステージなど、各ステージ形状が個性的になり、より8Way-RUNによる位置取りが重要になった。ただし、前作までとは違いキャラ別にステージ・BGMは用意されなくなっている。
  • アーケードゲームとしては豊富なゲームモードを有していたのも特徴。
    • 通常のアーケードモードだけでなく、3種類の難易度のタイムアタック、サバイバルやトレーニングモード、本作独自のコンクエストなどから選べる。乱入された場合は対戦が優先される。
    • コンクエストは基板にデータを保存して継続プレイができるモード。4種類ある陣営のうち一つに所属し、別の陣営に侵攻して属するCPUキャラと対戦することで戦果を上げつつ、自分のCPUキャラを育てていくというもの。育てたキャラはプレイヤーと同じような動きをするようになり、対戦を重ねれば重ねる程強くなっていく。ちなみに対戦成績は9999勝9999敗でカンストとなる。

評価点

  • さらに軽快になった8Way-RUNの操作性。
    • RUNの速度や回避性能が強化された他にも、本作ではモーションブレンドという技術により「構えながら横に走る」「走りながらソウルチャージ」といったアクションが可能になり、よりRUNを攻撃に組み込みやすくなった。
    • キャラの技や連携のパターンは前作から増えており、本作が一番動かしていて面白いと評するプレイヤーも少なくない。
  • グラフィックやBGMなどの演出面は正統に進化。キャラのボイスパターンも格段に増加している。
    • ただし、キャラクターについては全体的な方向としてアニメっぽさのあった前作からよりリアル志向のグラフィックになっている点には否定意見も。

問題点

  • 新システムの3すくみは実はあまり機能していない。
    • 3すくみの「縦斬りは横斬りに勝つ」は、横斬りと縦斬りがぶつかると横斬りが無力化され縦斬りが一方的に当たるというシステムになっているが、これが発生するのは同じフレームで攻撃が発生した時のみであり、狙って起こすのはかなり困難。発生が早いほうが勝つという格ゲーの大原則は崩していないため、中途半端なものになっている。
    • この問題によるゲーム性への影響は少ないが、この問題もあってかIII以降の続編ではこの3すくみは削除されている。ただし、イメージとして分かりやすいシステムだったため、このような3すくみが現在もあると思っているプレイヤーは少なくない。
    • また、本作ではRUNの性能が強化されより立ち回りの中軸となったことで、3すくみシステムもあり縦斬りが当たりにくい。この辺りのバランスは『III』以降ではRUNの性能を低下させる方向での調整が行われるなど迷走していた。
      • そのため、強力な縦切りを多く持つ反面、横切りの性能がやや低い新キャラクターラファエルは「出るゲームを間違えた」などとネタにされたりもした。
  • 前作にあった裏設定の緻密さがなくなり、雰囲気が薄れてしまったという意見も見られる。
  • コンクエストモードでの問題点
    • 本作独自のモードであるコンクエストだが、上記のようにコンクエストの最中にも乱入されてしまう。その際の対戦プレイで敗れた場合、そのクレジットで育てた分の育成結果が全て無効とされてしまう為、それが原因でプレイヤー同士でトラブルになるケースも見受けられた。
    • 対戦を純粋に楽しみたいプレイヤーと、育成を邪魔されたくないプレイヤーとの間での温度差、さらに対戦台での乱入拒否はマナー違反というゲームセンター独自の風潮が起こした悲劇だと言える。
    • 対戦を楽しみたいプレイヤーにしてみれば、対戦台で乱入したのに何で文句を言われないといけないんだ、因縁を付ける方がマナー違反だと主張するだろうし、育成を邪魔されたくないプレイヤーにしてみれば、金を払って育成しているのに邪魔されたらたまった物では無いと考えるのは当然だろう。
    • コンクエストでは8人目を撃破した後に自分の分身と戦う事になるのだが、その時点で乱入すれば負かしたとしても育成結果がきちんと反映されるようになっている。その為「コンクエストのプレイ中のプレイヤーへの乱入は、8人目とのバトルを終了後」という暗黙のルールが全国のゲーセンで作られる事になった。
    • それでも8人目撃破までには平均5分程度かかるため、「対戦台での乱入拒否はマナー違反」という風潮を盾に、その5分という時間を待ち切れずに乱入するプレイヤーとトラブルになるケースが相次ぐ結果となった。
    • 一部のゲーセンではトラブル防止の為、「コンクエストとトレーニングの最中は乱入自体を禁止する」という独自のルールを設けていた所も。

総評

前作から大部分を受け継ぎつつも順当な進化を遂げており、続編としての出来はとても良い。
直感性の良さに基づく間口の広さと奥の深さは健在。一人プレイのボリューム増加もあり、多くのプレイヤーが楽しめる作品と言えるだろう。



ソウルキャリバーII (家庭用機)

【そうるきゃりばー つー】

ジャンル 対戦格闘


対応機種 プレイステーション2
ニンテンドーゲームキューブ
Xbox
発売・開発元 ナムコ
発売日 2003年3月27日
定価 7,140円
判定 良作

概要(家庭用機)

追加要素に加えてアーケード版からバランス調整が行われた、実質「Ver.E」と言える移植版。

評価点(家庭用機)

  • 家庭用版の大幅な追加要素。
    • 本作一作限りで登場するゲストキャラ。後にシリーズ恒例となっていく。
      • PS2版:『鉄拳』の三島平八。鉄拳そのままの三島流喧嘩空手で戦う。武器格闘の世界において、一切の武器を用いない異色のキャラ。
      • GC版:『ゼルダの伝説』のリンク(時のオカリナ 大人時代)。特定のステージで戦うとBGMがゼルダの伝説のメインテーマになる、勝利時のファンファーレが原作においてアイテムを獲得した際のBGMになるというおまけ付き。なお当時、3ハードでの普及率が最下位だったGCであったが3機種の中でGC版が最も売れたことから北米でのリンクの人気が覗える。
      • Xb版:人気アメコミキャラ・スポーン。マントを変化させた斧を振るって戦う。
      • 各機種共通:スポーンの原作者であるトッド・マクファーレン氏のデザインによるオリジナルキャラ・ネクリッド。既存キャラの技を少しずつ貰ったような動きが特徴。
      • 他にも、アーケード版で削除された前作の登場キャラであるソフィーティアとソン・ミナが追加されている。性能はほぼ前作そのまま。
    • 前作のミッションバトルを発展させた「ウェポンマスターモード」。ゲームを進めていくと手に入るゴールドで前作では各種アートワークを購入できたが、本作ではキャラの持つ武器を買って、前々作『ソウルエッジ』のように持ち替えることが可能。
    • この他にもステージやキャラの3Pコスチュームの追加などが行われている。
    • Xb版のみHD画質やドルビーサラウンド5.1chに対応しており、他のハードより高い画質・音質で楽しめる。

問題点(家庭用機)

  • ウェポンマスターモード内の「ダンジョン」という連戦ステージ。一戦するごとにいちいち勝利ポーズやマップ画面、ロード時間などが入るためテンポが悪い。
  • ウェポンマスターモードのみのCPU専用として登場するアサシン、バーサーカー、リザードマンというキャラの存在。
    • それぞれ前作に登場していたファン・ソンギョン、ロック、リザードマンの性能を持ったキャラであり、ウェポンマスターモードの一部のミッションでしかプレイヤーが使う事ができない。もし普通に使えたならば前作のキャラがほぼ全員使えていたことになるのが惜しい。なお海外版では使用可能。
  • ウェポンマスターモードは2周目になるとほぼ全ての戦闘で「条件は不明だが~」と表示されるようになり、何をやると負けるのか、何が効いて何が効かないのかが分からなくなる。
  • ウェポンマスター2周目のラスボスは制限時間内に倒す事がクリア条件だが、体力の多さと制限時間の短さ、体力回復効果を持った武器のせいで異常に難易度が高い。
  • 難易度を上げるとやたら的確にガードインパクトを成功させる超反応系のCPU。
    • 但し、余りの超反応でしてくる為、ずらし追加入力すると別の攻撃に移行する技に対しては空振りを簡単に起こさせることが出来る。そのため、高難易度ではいかに空振りさせたその隙を突けるかが鍵となる。
  • 武器効果の説明がかなり曖昧。
    • 攻撃力が高い、リーチが長いなどはいいが、重い一撃を放てる(横斬りを縦斬りで潰しやすい)、強い一撃を放てる(攻撃がカウンターヒットになる)、衝撃に弱い(横切りを縦斬りで潰されやすい)などは、説明文だけではわかりづらい。「体力が回復(or減少)する」という効果にしても、徐々に回復するのか攻撃をすると回復するのかなどの特性も曖昧である。
    • ソウルエッジ、ソウルキャリバーと最強の武器に至ってはもはや武器効果の説明をするつもりすらない。

総評(家庭用機)

アーケード版では削除された旧キャラの復活も含め格闘ゲーム部分の移植は良好。
家庭用としてのウェポンマスターモードには難点も多いが、まずまず無難な家庭用移植作と言える。


HD版

  • 2014年2月20日にHD版がPS3ダウンロード専用ソフトとして発売された。もちろんオンライン対戦に対応。
    • 新たにギャラリーモードを搭載。オリジナル版の宣伝広告などで用いられたイラストを観覧できる。
    • キャラクターボイスも日本語/英語を選択可能になった。
    • 海外版の家庭用では使用可能だったアサシン、バーサーカー、リザードマンの三人が日本語版でも使用可能になった。日本版でもミッション中に一部ステージで使う事は出来たが海外版と同じモードで使えるようになったため実質追加キャラ。
    • 平八はもちろんのことスポーンもちゃんと使える。残念ながら リンクは登場しない が。
    • 曖昧だった武器効果の説明がわかりやすくなり、ウェポンマスターモードのエキストラミッションの条件も表示されるようになった。