本項では『スリルドライブシリーズ』のうち『1』『2』『3』について紹介しています。
判定は全て「良作」です。
スリルドライブ
【すりるどらいぶ】
ジャンル
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レースゲーム
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対応機種
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アーケード
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販売元
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コナミ
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開発元
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1~2
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コナミ
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3
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ポリゴンマジック
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使用基板
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1
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NWK-TR
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2
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VIPER
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3
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Python2 |
稼動開始日
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1
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1998年
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2
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2001年
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3
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2005年 |
判定
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良作
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ポイント
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交通事故をレースに 事故と隣り合わせのスリル 過激な演出も抜群 『BURNOUT』の始祖
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概要
1996年の『ミッドナイトラン』から始まったコナミの3Dポリゴンレースゲームの1つとして、1998年に1作目が発売された『スリルドライブ』。
「一般車両や歩行者だらけの公道や高速道路を、「交通事故」を起こさないようにハイスピードでひた走る」という、タイトル通りのスリリングな内容が最大の特徴。
その為、筐体やレース開始前の表示には「
このゲームに登場する過激な表現は全てフィクションです。実際の運転では絶対にマネをしないでください
」との警告がある。
続編は『2』が2001年、『3』が2005年にリリースされており、当ページでもそれぞれ『1』、『2』、『3』と表記する。
ゲーム内容
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基本ルールは一般的なレースゲーム同様、自分含め4台の車でレースを行い、制限時間内にゴールを目指す。
制限時間はチェックポイント通過である程度延長し、タイムアップになった場合はその時点でゲームオーバー。
事故
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最も特徴的な要素。公道を走る故、路上の一般車両や外壁に自車が衝突したり、ガードレールの無い崖や水場に落下してしまうと「事故」となり、強烈な悲鳴とともにそのシーンがリプレイされる。
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リプレイは「警察24時」のような重い雰囲気で救急車のサイレンも鳴る。なおリプレイ中も制限時間は減り続けてタイムロスとなるため、出来る限り事故を起こさずに走ることが重要となる。
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事故時は『1』では事故の悲惨さ、『2』以降は下記の損害賠償額により「事故発生」「重大事故発生」「大惨事」、『2』以降は更にもう一つ上の「検挙」にランク付けされる。
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なお、バイクや警察車両との接触で事故となることはなく、CPU操作のライバル車も『1』『2』では一切事故を起こさず、逆にプレイヤーの事故に巻き込まれる事もない。
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また内部的にはランクシステムが採用されており、ランク上昇と共に事故が発生しやすくなる(事故と判定される基準が厳しくなる)。
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具体的には『崖転落等の例外を除いて事故が起きない→大型車・電車との接触、崖落下や壁へ垂直に衝突した時のみ事故→小型車との接触でも事故』という具合。
『1』のみ、ランク最大の場合には壁に軽く触れても事故となった。
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逆走を一定距離行うと透明な壁が行く手を阻むが、高ランクである程度以上の速度を出しているとこの透明な壁との衝突でも事故と判定される。
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事故発生後はBGMが変化する。1回事故を起こすと不吉な雰囲気を漂わす曲に変化し、3回で更に不安を煽る曲になる。『3』のみ5回で更に曲が変化する。
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『3』では筐体にシートベルトが備え付けられ、装着しないと事故が起こった際に画面が見づらくなるという、安全運転を推奨するシステムが追加された。
それに加えてCPU操作のライバル車も事故を起こすように変更され、1人プレイ時でもライバル車に巻き込まれての事故を警戒する必要性やアドリブ性が生まれた。
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シートベルトは事故発生時にプレイヤーを締め付ける演出があるため、安全上の配慮から身長130cm以下の人は装着しないようとの表示がレース前に出る。
損害賠償金
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『2』から本格導入された、本シリーズのもう一つの特徴的システム。アザーカーと接触した場合その度合いによって損害賠償金が加算される。
現在の損害賠償金の総額は画面下に常時表示されており、特に事故を起こした場合は多額の損害賠償金が加算、事故状況によっては数百万どころか数千万の損害賠償金になってしまうこともある。
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なお、警察車両や『1』『2』のライバル車は事故に巻きこむ事が不可能な為、損害賠償金が発生することはない。『3』もライバル車の事故に巻き込まれた場合は「もらい事故扱い」という理由により損害賠償金0円の事故となる。
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『3』では三角コーンや踏切の遮断桿等の器物破損、下記のドライブルスルー店舗の利用による代金も損害賠償金として計上される。
レーダーチャート
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レース中のプレイヤーの行動は「運動神経」等の6項目で分析されており、リザルト画面で六角形のレーダーチャートとして表示、それを元に一言コメントやランク表記で運転テクニックが評価される。
6項目の内、『1』『2』の「モラル」と『3』の「体調」のみスタート時から満点で、「モラル」は事故を起こす度に減少する(上昇はしない)が、それ以外の5項目や「体調」はレース中の行動次第で増減する。
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『2』以降はレース中でも画面右上に常時表示され、各項目が変化すると「(項目名)が上昇/低下しています」、上限に達すると「(項目名)が満点になりました」とアナウンスされるようになった。
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『3』のみこれとは別に違反点数のシステムがあり、「暴走行為」や「一方通行違反」等で点数が引かれ、リザルトでは点数に応じて免許取り消し期間がランク付けされる。
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各作品毎のチャート要素 一番上から時計回りに記載
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『1』
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『運動神経』『大胆さ』『かっこよさ』『IQ』『向上心』『モラル』
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『2』
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『モラル』『向上心』『カッコ良さ』『大胆さ』『運動神経』『IQ』
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『3』
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『運動神経』『体調』『大胆さ』『カッコ良さ』『好奇心』『I.Q』
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コース
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コースはアメリカ・日本・ヨーロッパの中から選ぶ。ゲーム中でコースの難易度は明記されていないが、原則としてヨーロッパが最も難しいとされる。
『1』『2』は日本とヨーロッパが1周・アメリカが一本道、『3』は全コース一本道で、何れも『スタートは道の広い街→高速道路→崖のある山道や海沿い→道が狭く死角も多い街でゴール』という内容。
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BGMも無事故で進行している場合に限り、基本的に上記の区切り毎に変化する。
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『1』では全コース昼間の晴れで固定。ただし1回事故を起こすと天気が悪くなり、3回目以降は雷鳴まで発生するようになる。
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『2』は日本は夜、アメリカは逆光が眩しい夕、ヨーロッパは霧が立ち込める昼と、走りに影響が出る状況下でのレースがメインとなった。
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隠しコマンドの入力で、日本は雨、アメリカはより逆光が激しい「眩」、ヨーロッパは濃霧と、より劣悪なシチュエーションが選択可能に。
また『2』以降は左右が逆となったミラーコースも隠しコマンドで選択可能。上記の高難度のシチュエーションも組み合わせる事もできる。
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『3』では日本は曇り(日中)・夜・雨、アメリカは昼・夕・陽炎、ヨーロッパは朝・夕・霧(日中)からシチュエーションが選択可能となった。
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隠しコマンド入力による高難度版は、日本は雨+夜、アメリカは逆光が数倍強化された夕+陽炎、ヨーロッパは「夜+雨(一部濃霧)」となる。
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各コースの高速道路と後半の市街地では特定箇所にパトカーが待ち構えており、目の前を通過するとサイレンを鳴らしながらプレイヤー達を追跡、進路妨害を行ってくる。
全作品共通でプレイヤーがいかなるハイスピードでもパトカーは追いついて来るので振り切る事は出来ないが、特定の地点で追跡を諦めて停車するようになっている。
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進路妨害は『2』まではプレイヤーの周辺である程度のブロックを試みるような動きをするが、加えて『3』では容赦なく体当たりも行ってくる。
前述の通りパトカーと接触しても事故にこそならないが、自車の速度が目に見えて落ちてしまうほか、パトカーの進路妨害で事故になる事も多い。
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コースの特徴一覧
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コース名
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特徴
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アメリカ
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道幅がかなり広い直線を主体に構成された比較的走りやすいハイスピードコース。走行距離も長い。 道が広い分、高速道路では一般車両の交通量が他コースより多く、その中を走り抜けることになる。 『2』の固有シチュエーションは夕方で、夕日と高層ビル等の影による眩惑が非常にいやらしい。 『3』ではシチュエーションに限らず、高速道路を降りた以降は要所要所で左折車が牙を向いてくる。また路面電車も多く、ジャンプアクションも注意しないと路面電車の餌食になる。
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日本
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道幅はそこそこながら、直角交差点だらけの街・田んぼや踏切のある郊外とバラエティに富んだコース。 『2』の固有シチュエーションは夜で、距離感やコースの先が読みにくい暗闇がプレイヤーを焦らす。 中盤で走る街灯の少ない峠道の各カーブでは、カーブミラーに反射する光で対向車の確認が可能。コース終盤の暴走族の集団に何度も足をすくわれたプレイヤーも多いだろう。 『3』では水田が転落ポイントとなった他、他車が起こした踏切事故で道を塞がれてしまう事が頻発する。
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ヨーロッパ
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コース名は大雑把だが、『1』と『3』は右側通行のフランス風・『2』は左側通行のイギリス風である。 『1』でのヨーロッパはほぼ「日本のポリゴンモデルをミラーにし、テクスチャを変えて序盤の交差点が1箇所ロータリーに変わっただけ」の手抜き気味なコースだったりする。 『2』は大半の道幅が非常に狭く、ロータリーや路上駐車多数の街中・死角だらけの山道と悪意に満ちた難コース。更に固有シチュエーションは霧の日中で、他コース以上に見通しが悪くなっている。 『3』では道幅は多少拡張されて「夕」が追加された。周囲が少し暗くなるものの、アメリカの様な夕日の照り返しは無い。
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『3』では「チェックポイント」が「ガソリンスタンド」に変更された他、コースの各所の道路脇にドライブスルー方式の店が追加された。
これらは店の横を通る事により効果を発揮し、損害賠償金が増える代わりに大抵の店でプレイヤーに有利な効果が働くようになっている。
代わりにドライブスルーの関係上、全コースで高速道路区間が大幅に短縮された。
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ドライブスルーの店と効果一覧
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店名
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効果
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修理工場
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プレイヤーの車が修理される。夜間コースや車内視点でのプレイ時は特に有効。
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パーツショップ
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プレイヤーの車のエンジン・タイヤ・ブレーキの何れかが強化される。内容は場所毎に固定。 エンジンは最高速と加速力・タイヤはグリップ力・ブレーキオイルは制動力が向上する。
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飲食店
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プレイヤーのレーダーチャート内の「体調」が一定量回復する。
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カーディーラー
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プレイヤーの車が新車の別の車に変わる。どの車両に変わるかはコースや自車によって固定。
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洗車機
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プレイヤーの車が事故を起こした際に剥がれた塗装・ワックスを再塗布する。
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車両
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車両はレース用車両ではなく、実在する国内外の車を元ネタとした一般車両たちで構成されており、その点での外見的なリアリティもぬかりがない。
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ハッチバック・セダン・クーペなどで構成された初中級者向けの『コンパクト』『スタンダード』、バス・トラックなどで構成された上級者向けの『ラージ』に大別される。
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『コンパクト』は「ボディが小さめでハンドリングも良くすり抜けが得意だが、対車両接触時に事故になりやすい」。
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『スタンダード』は「『コンパクト』と『ラージ』の中間の性能」。
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『ラージ』は「ボディが大きく小回りがきかない、かつ壁接触時に事故になりやすいが、実は加速力と最高速が高いので、ゲーム上では隠し車種に次いで速い車種」という特徴がある。
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中にはクレーン車・タンクローリー等「猛スピードで走れない車」、フォーミュラカーやアヒルちゃん等「一般道を走れない車」、牛・人間・ホバークラフト等「車でないモノ 」まで選択可能。
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この内、隠しコマンドで選択できる隠し車両は『SPECIAL(2)』『SECRET(3)』とのカテゴリー表記があるが、基本的な特徴はその車種と車格が近い通常車種のカテゴリーに準ずる。
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『2』以降は事故を起こした後はそのまま壊れた状態で走る事となり、「夜間コースでのヘッドライト故障」「車内視点にガラスの亀裂が入り見づらくなる」というデメリットが起こる。
評価点
レースゲームに「交通事故」を本格的に組み込んだ
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レースゲームではあってないが如し、あっても自車だけが壊れる「クラッシュ」に留まっていた事故の概念を一新し、レースゲームに「自車と一般車との事故」という概念を持ち込んだ点が画期的。
非常に現実的な景観の車・コースに独特な重い雰囲気が合わさって、ゲーム上でのデメリットだけでなく「事故を起こしてはいけない」というプレイヤー自身のスリルを高めることに成功している。
幅広いプレイスタイル
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1位狙いやタイムアタックという普通のレースゲームとしてのプレイはもちろん、事故・損害賠償金というシステムを生かした無事故プレイ・賠償金0円プレイといったチャレンジもできる。
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また、『2』以降のランキングでは通常のゴール時間ランキングに加え損害賠償金のワーストランキングも存在する為、「どれだけ派手な事故を起こし損害賠償金を稼ぐか」といったプレイも可能。
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特に仲間内でのプレイでは難易度の高さゆえうまく進むより事故が起き易いため、事故が起きると大いに盛り上がるだろう。その気になれば賠償金を億単位まで持っていく事も可能。
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『3』では先述の罰点の要素から、優良ドライバー(罰点0点)を目指すプレイヤーも存在する。非常に難易度は高いが、罰点0&賠償金0円でゴールする事も可能。また、逆に「免許取り消し300年」という現実であれば非常に悪質なドライバーを目指すプレイヤーもおり、その場合はいかにして違反を繰り返して罰点を稼ぐかという
グラセフまがいの
プレイをすることになる。
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上記レーダーチャートにもある通り、プレイ後の評価において罰点次第で免許取り消し○○日と宣告されるが、95点以上を取るとなんと「免許取り消し300年」になる。この辺りも一種の笑い所と言えるかもしれない。
賛否両論点
客層をかなり選んでいた『1』のシリアスな雰囲気
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アドバタイズデモは初っ端から強烈な交通事故の演出、最後は悲鳴と共に対人事故が描写され、BGMも不安を煽るものばかりと、暗い雰囲気を纏っており、かなりプレイする人を選んでいた。特に『1』の事故シーンでは運転手が窓を突き破って飛び出す凝ったギミックまで用意されていた。~但し、隠し車両の牛・人間やコース内のパロディ看板の存在、ゲーム外では公式サイトの雰囲気と笑えるシュールな要素もあり、雰囲気が極端に重くなりすぎてはいなかった。
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以降は続編毎にカジュアルな路線が強められていき、BGMはアクション映画の様な派手めなものが主体に、車両性能も扱いやすくなる等、恐怖描写が苦手な客層にもとっつきやすくなった。
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それでいて『3』では隠し車両に「あひるちゃん」「ホバークラフト」と『1』並におバカでブッ飛んだものも用意された。
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結果として『3』ではカジュアル路線(或いはバカゲー路線)がかなり強められたが、『1』『2』のシリアスな雰囲気やゲーム性を好むプレイヤーからは不満の声を漏らす者も少なからず存在した。
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更に『3』における事故シーンは明らかに吹っ飛び・転がり過ぎで、恐怖や悲劇を通り越してギャグシーンと化している。この部分もシリアスな雰囲気を好む層には敬遠された。
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この他にも、体調低下時に飲食店を通過した際に「ちょっと元気になりました」と言う淡々としたアナウンスもシュールなギャグに聞こえるかもしれない。
『3』では非常に鬱陶しいパトカー
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『3』では先述の通り、信号無視などの違反行為に対して罰点を取られるのだが、パトカーに接触したら、向こうからぶつかってきた場合でも「緊急車妨害」で罰点(1点)を取られる。
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これ自体は現実社会でも同様なので仕方ないのだが、ゲーム的には鬱陶しさが否めず、先述の優良(罰点0点)ドライバーを目指す場合には非常に厄介。
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そんなパトカーだが、コースごとに外見やサイレンが異なるなど芸が細かく、『3』では警察が現地語で停止を命じるようになっている等、演出自体は評価点ではある。
問題点
やや高い難易度
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多人数でワイワイ盛り上がる分にはあまり気にならないが、純粋にゴールを目指すとなると、初見でのゴールはほぼ不可能と言って良いほどの高い難易度の壁が立ちはだかる。
「カーブで外側に膨らんだところにちょうどやってくる対向車」「赤信号で交差点を横切る」「崖の外側に柵がない」などなど、あの手この手で事故を誘発するようになっている。
また制限時間に関しても中盤から露骨に厳しくなり、チェックポイントの間隔こそゴールに近づくほど狭まるが回復量が大きく減り、ゴール付近では3~5秒しか回復しない。
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しっかりと対策を練れば無事故ゴールも可能で全体的なゲームバランスは決して悪くないのだが、事故って覚えていかないとならないのは死に覚えゲー同然で少々厳しい。
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特に『1』では自車の平均速度が続編よりも低いものの、一般車の交通量が全体的に多く、特に日本とヨーロッパの山岳地帯は行楽シーズンなみの密度で難度が非常に高かった。
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『2』以降は高速道路以外の交通量は全体的に抑えられるようになり、自車の平均速度の大幅な上昇も相まって「一般道を疾走する爽快感」が強調されるようになった。
『3』における露骨なMT優遇
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『2』はATとMTで大した差が無く、『1』はMTの方が最高速度が10km/h速い程度であったが、『3』は目に見えてMTの方が速い。
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ATよりも最高速度が20km/h近く高いのに加え、実は最適な回転数でシフトアップすれば加速力でもATを上回る。
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というのも、ATではレッドゾーン寸前まで引っ張ってからシフトアップされるのだが、MTではレッドゾーンの遙か手前でシフトアップした方が高い加速力を維持出来る。
その為、MTを選択するだけで数秒どころか、2回程度の事故によるタイムロスをカバー出来る程度には差が出る。
総評
レースゲームに事故・賠償金というリアルな表現がスリルと同時に一種のシュールさも醸し出し、多様なプレイスタイルの実現もあって、ゲームセンターでの人気シリーズとなった。
単にゴールを目指す以外にも、1人ならストイックにタイムアタックや賠償金アタックをするもよし、多人数では事故を起こした様を笑うもよしとどちらも違った楽しさが味わえる。
稼働から年数が経ち、『1』『2』はほぼ絶滅、事実上の最終作の『3』も2010年代以降は現存数が急減しており、見つけたら是非1度はプレイして「スリル」を味わってみて欲しい。
余談
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『1』ロケテスト時は対人事故(歩行者やバイクへの接触事故)が存在していたことが『1』の公式サイトのQ&Aで明らかにされていた。
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賠償額も人身事故として非常に高額に設定されていたが、本稼動時には歩行者は超高速でプレイヤーたちの車を回避するようになり、バイクはランク上昇状態で接触しても決して転ばない驚異の硬さになった。
これに関してはQ&Aの回答スタッフが『(あの要素の事は)お願い、忘れて!』と弁明しており、その名残として「アトラクトデモの最後に対人事故が画面がホワイトアウトしながら描写される」のみとなった様子。
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唯でさえ一般車両との接触事故という要素自体が生々しい上に、わざと事故を起こして賠償金の金額を競うという遊び方も可能な為、生身に近い状態の人間を意図的に轢けるのはさすがにまずいと判断したのだろう。
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2005年に『3』が出た後、2006年に『4』の開発が行われ、国内ロケテストの後に海外でも『CRAZY STREETS THRILL DRIVE』のタイトルでロケテスト実施・ショーの出展がされたが、お蔵入りした模様。
新要素として『マリオカート』に似た「コース上に置いてあるアイテムでライバル車を攻撃するシステム」が追加されたが、内容的に深刻なコンセプト破壊があり、国内稼働しなくてよかったという意見も存在していた。
同社からは2008年に『GTI Club supermini Festa!』、2010年に『ロードファイターズ』が稼働した為、本作の国内未稼働は「日本のACゲーム業界で『交通事故』の表現が難しくなったのでは」とも推測される事となった。
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本シリーズのシステムは海外でも影響を与えたらしく、2001年に発売されたイギリスのCriterion Gamesの『バーンアウトシリーズ』の初期2作のシステムはかなり本シリーズに酷似したものになっていた。
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あちらはコースが周回制・ニトロ機能があるといった細かな差異はあるが、特に初代は画面上のUIやチェックポイントのデザインもほぼ『スリルドライブ』そのまんまであった。
それが関係したのかは不明だが、第1作目は日本でもセガから『グランドヒート』との邦題でリリースされる予定が取り消され、日本デビューはサミーから2004年に発売された第2作目となった。
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同シリーズは3作目から「ライバル車に故意に接触してクラッシュさせられる」等の独自進化を遂げ、本家(?)といえる『スリルドライブ』を押しのけて世界中で大ヒットを記録する事となる。
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『1』のパトカーは高速道路なら約90km/h以下で走行すると追跡して来ない仕様が存在する。一般道は不明だが恐らく40km/hと思われる。
最終更新:2024年08月11日 23:29